2011年12月18日日曜日

金鯱の勢いは止まらず


 リーグ戦は7月28日からの中百舌球場のこけら落としとなる三日間のシリーズまでしばらく中断されて読売新聞主催のトーナメント大会が行われた。

 金鯱は22日の1回戦では西村幸生と若林忠志を打ちこんでタイガースを10対5で撃破した。先発に大宮清を起用して8回から中山正嘉で逃げ切ったということは先を見据えてのローテーションを組んでいる訳で優勝を狙っているようである。読売新聞によると「西村はアウト・カーブを主力にクロス・ファイアを混ぜて・・・」とのことで、矢張り西村幸生はスライダーを投げていたようである。

 その他の試合は名古屋がイーグルスを4対1で破り、ジャイアンツが南海を3対1で破り、阪急がライオンを2対1で降した。読売新聞には阪急の高橋敏のピッチングについても「高橋のアウト・カーブと流れるような外角球の混用は・・・」と書かれており高橋敏もスライダーを覚えたようである。

 23日は1回戦不戦勝のセネタースが名古屋を延長13回の末1対0でサヨナラ勝ち、金鯱は阪急と対戦し先発は中山正嘉。1対3から9回裏に2点をあげて追いつき大宮清が10回表を抑え、10回裏に小林茂太のサヨナラ打で快勝した。流石は戦前随一のクラッチヒッターである。ジャイアンツは連戦となったセネタースを破り24日の決勝戦は金鯱vsジャイアンツの対戦となった。

 決勝戦は金鯱・古谷倉之助ののらりくらり投法、ジャイアンツ・スタルヒンの剛球で試合は0対0のまま7回に進み、小林利蔵がレフトスタンドに決勝ホームランを叩き込んで金鯱が1対0で優勝した。読売新聞は「老功の古谷は巨人軍が快速球に強気を察してスロー・カーブとチェンジ・オブ・ペースの多投に巨人軍打者に厭気を催さしめ、一転して溌剌たる快速球を思う存分に打者の欠点に配して寸分も隙なき絶好のピッチングを以て巨人軍の猛打をよく押え遂に零敗を喫せしむる有終の美を発揮した。」と伝えている。


 また、7月25日付け読売新聞は「職業野球大阪タイガース軍の至宝投手御園生崇男君は○日応招した。」と伝えている。





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