7月26日 (日) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 4 0 0 0 0 2 6 南海 32勝27敗 0.542 石田光彦 神田武夫
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 黒鷲 14勝39敗4分 0.264 畑福俊英
勝利投手 神田武夫 17勝12敗
敗戦投手 畑福俊英 2勝5敗
二塁打 (黒)木村
勝利打点 国久松一 1
猛打賞 (南)国久松一 4
国久松一、猛打賞の活躍
黒鷲は初回、山田潔、渡辺絢吾が連続四球を選んで無死一二塁、しかし玉腰忠義は一邪飛、小松原博喜の遊飛に飛び出した二走山田が帰れずダブルプレー。これを単なる凡走と見るだけでは実況中継の資格はない。ヒットが多く出るチームではない状況、ボールが飛ばない時代に外野が浅く守っていた状況を考えると、ポテン気味の打球に行方を見てからではホームインは難しいと判断して一発勝負を賭けたと見るべきでしょう。これが新人なら単なるボーンヘッドの可能性が高いが、走者が山田ですから。「一死なのだから自重すべき」は現代の常識であり、時代背景を考慮する必要がある。六番に下がっている好打者・富松信彦が当たっていないことも山田の脳裏にあったのではないでしょうか。
3回まで1安打無得点の南海は4回、先頭の猪子利男が四球、北原昇が死球を受けて無死一二塁、岩本義行の送りバントをファースト小松原が落球、犠打とエラーが記録されて無死満塁、国久松一が左前に先制の2点タイムリーを放って2-0、バックホームの隙を突いて一走岩本は三塁に進み、打者走者の国久も二塁に達して無死二三塁、中野正雄の右前タイムリーで3-0、中野が二盗を決めて無死二三塁、石田光彦の遊ゴロの間に三走国久が還って4-0とする。久々に南海らしい攻撃を見せた。
黒鷲は5回、先頭の富松が四球で出塁、木下政文も中前打で続いて無死一二塁、南海ベンチはここで先発の石田から神田武夫にスイッチ、杉江文二は二飛に倒れて一死一二塁、木村孝平の左中間二塁打で1-4としてなお一死二三塁、ここは神田が踏ん張り畑福俊英は浅い右飛、トップに返り山田は左邪飛に倒れて追加点はならず。
黒鷲は7回、先頭の富松が四球で出塁、木下は二飛に倒れるが杉江の遊ゴロをショート猪子がエラー、しかし木村の三ゴロはサード柳鶴震がベースを踏んで二死一二塁、畑福は三振に倒れる。
黒鷲は8回、先頭の山田の遊ゴロを又しても猪子がエラー、渡辺は左飛に倒れるが玉腰の右前打で一死一二塁、しかし小松原の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。
南海は9回、先頭の八木進がピッチャー強襲ヒット、徳島忠彦のバントが内野安打となって無死一二塁、トップに返り柳は6球ファウルで粘った末に三振、猪子が四球を選んで一死満塁、北原が左前にタイムリーを放ち5-1、岩本の中犠飛で6-1として試合を決める。
神田武夫は最終回を三者凡退に抑えて5イニングを2安打1四球1三振無失点で17勝目をあげる。
五番に入った国久松一が決勝タイムリーを含む5打数3安打の猛打賞。南海は好調・柳鶴震をトップに上げた関係で国久が五番に回ったのが効を奏した。国久は今季4回目の猛打賞であるが4月に3回記録して以来となる。