2025年1月17日金曜日

22年 東急vs中日 3回戦

5月19日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 東急 8勝11敗 0.421 白木義一郎 
0 0 0 0 0 2 0 2 X 4 中日 14勝5敗 0.737 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄    7勝2敗 
敗戦投手 白木義一郎 3勝5敗

二塁打 (東)苅田
三塁打 (東)白木
本塁打 (中)岩本章 1号、古川清蔵 3号

勝利打点(中)岩本章 2


中日、大技小技で首位キープ

 後楽園の第2試合は白木義一郎と藤本英雄の先発で午後3時10分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 序盤は白木と藤本の投げ合いで5回まで両軍無得点。

 中日は6回裏、先頭の岩本章がレフトスタンドに先制ホームラン、一死後古川清蔵もレフトスタンドにホームランを叩き込んで2-0とする。

 中日は8回裏、二死後金山次郎が三前にセーフティバントを決めて出塁、古川の遊ゴロをショート鈴木清一がエラー、小鶴誠に代わる代打大沢清の中前タイムリーで3-0、杉浦清監督も右前にタイムリーを放ち4-0とリードを広げる。

 東急は最終回、先頭の白木が中越えに三塁打、鈴木清一の遊ゴロをショート杉浦がエラーして無死一三塁、トップに返り一言多十の右犠飛で1点返すが反撃もここまで。

 藤本英雄は3安打2四球1死球3三振の完投で7勝目をマーク、ハーラートップの別所を1勝差で追っている。

 中日は大技小技を駆使して三強の争いから一歩抜け出して単独トップをキープ。

 今季ここまでリーグ全体で28本の本塁打が出ているが、中日は6本を占めている。古川清蔵は第3号を放って西沢道夫に並んだ。
 

2025年1月16日木曜日

22年 阪急vs巨人 3回戦

5月19日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 阪急 7勝13敗 0.350 今西錬太郎 
0 0 0 0 2 0 0 1 X 3 巨人 7勝13敗 0.350 中尾輝三

勝利投手 中尾輝三     2勝3敗 
敗戦投手 今西錬太郎 3勝3敗

二塁打 (急)野口明

勝利打点(巨)山川喜作 1

猛打賞 (巨)山川喜作 3


山川喜作、3試合連続猛打賞

 甲子園の第2試合は今西錬太郎と中尾輝三の先発で午後3時丁度、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、先頭の田中幸男が四球で出塁、上田藤夫の遊ゴロでランナーが入れ替わり、二死後野口明が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 巨人は5回裏、一死後内堀保が一二塁間にヒット、中尾の左前打で無死一二塁、トップに返り古家武夫の三ゴロをサード坂井豊司がエラー、無死満塁となって当たっている山川喜作が中前に逆転の2点タイムリーを放ち2-1と試合をひっくり返す。続く千葉茂の右飛に二走古家が飛び出しており「9-6」と渡ってダブルプレー。

 巨人は7回裏、先頭の黒沢俊夫が中前打で出塁、内堀は倒れたが、中尾の右前打で一死一三塁、トップに返り古家の浅い中飛で三走黒沢は強引にホームを突くが、センター青田昇からの返球に三本間に挟まれて「8-2-5」でタッチアウト。終盤でもう1点欲しいところなのでこの走塁は勝負に行ったものだが、センターが強肩の青田なので少し強引過ぎたようだ。

 巨人は8回裏、先頭の山川が3試合連続猛打賞となる右前打で出塁すると二盗に成功、千葉の中前打で無死一三塁、川上哲治の二ゴロの間に三走山川が還って待望の追加点をあげる。

 阪急は最終回、一死後上田に代わる代打野口二郎が一塁線にヒット、青田が左前打で続いて一死一二塁、野口明の中前タイムリーで2-3と1点差、一死一二塁から坂井のセンターへのライナーで二走青田は勝負を賭けてスタートを切るが、センター平山菊二がキャッチして「8-6」と送球されてダブルプレーで試合終了。

 中尾輝三は7安打4四球2三振の完投で2勝目をマークする。

 両チーム果敢な走塁が目立った。暴走と好走は紙一重、外野手の補殺が両軍合計3つ見られたので強引な走塁もあったかもしれないが、スコアの結果だけでは判断できない。特に巨人は、これまで消極的な試合が多かったので、積極性が出てきた点は評価でる。

 山川喜作が3試合連続猛打賞を記録。週間MVPの有力候補に躍り出た。

2025年1月14日火曜日

22年 太陽vs金星 4回戦

5月19日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 太陽 8勝11敗 0.421 スタルヒン 
3 0 1 1 0 0 0 0 X 5 金星 8勝12敗 0.4 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三     1勝3敗 
敗戦投手 スタルヒン 2勝4敗

二塁打 (太)藤井、伊勢川 (金)坪内、酒沢

勝利打点(金)酒沢政夫 1


内藤幸三、円熟の完封

 甲子園の第1試合はスタルヒンと内藤幸三の先発で午後1時5分、山口球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は16日の対戦でスタルヒンに完封負けを喫しているが雪辱なるか。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督が右中間に二塁打、ワイルドピッチで坪内は三進、酒沢政夫の二ゴロをセカンド荒川昇治が失する間に坪内が還って1点を先制、酒沢には打点が記録されて、これが勝利打点となった。続く清原初男は左前打、西沢道夫の一ゴロは一塁ベースカバーに入ったピッチャースタルヒンに送球されて「3-1A」の一ゴロ、一死二三塁から小前博文が中前に2点タイムリーを放ち3-0として試合の主導権を握る。

 金星は3回裏、先頭の清原がストレートの四球で歩くが、西沢の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー、しかしここから小前が三遊間にヒット、大友一明の右前打で二死一三塁、内藤が左前にタイムリーを流し打って4-0とする。

 金星は4回裏、一死後坪内が四球で出塁、酒沢のライト線二塁打で一死二三塁、清原の中犠飛で5-0とリードを広げる。

 金星初回の守備、二死一二塁からダブルスチールを仕掛けられたがキャッチャー辻勇夫が三塁に走った藤井勇を刺してピンチを防いだ。これでリズムに乗った内藤幸三は、2回以降を4安打無失点に抑える。最終回はショート酒沢の連続エラーで無死一二塁のピンチを迎えたが、そこから三者連続飛球アウトに打ち取り、5安打2四球1三振の安定したピッチングで今季初勝利を完封で飾った。

 昭和11年のプロ野球初年度に沢村を抑えて初代奪三振王に輝いた当時の内藤は荒れ球で四球も多かったが、戦後になって円熟味を増し、昨年は自己最多の19勝をマーク。現在がキャリアのピークである。

 金星はスタルヒンに雪辱して3連勝、上を行く東急と太陽に迫ってきた。

 

2025年1月13日月曜日

22年 近畿vs大阪 2回戦

5月19日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 3 0 0 0 0 0 0 4 近畿 13勝6敗 0.684 別所昭 
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 大阪 12勝6敗 0.667 若林忠志

勝利投手 別所昭     8勝2敗 
敗戦投手 若林忠志 3勝3敗

二塁打 (近)山本 (大)富樫、藤村

勝利打点(近)田川豊 2


山本一人、満塁走者一掃二塁打

 第5節最終日、後楽園の第1試合は別所昭と若林忠志の先発で午後1時丁度、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 近畿は初回、先頭の安井亀和が右前打で出塁、河西俊雄の投ゴロの間に安井は二進、田川豊の中前タイムリーで1点を先制する。

 近畿は3回表、一死後安井が四球で出塁、河西の遊ゴロをショート武智修がエラー、田川の投ゴロを若林は二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死満塁、ここで山本一人監督が中越えに走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち4-0とする。

 この日の別所は素晴らしい投球を見せた。3回までパーフェクトピッチング、5回まで1四球無安打、6回に富樫淳に初ヒットを許すが、8回まで1安打無失点で来た。

 大阪は9回裏、一死後富樫が右越えに二塁打、本堂保次は中前打、富樫は三塁ストップ、送球の間に本堂は二塁に向かうが「8-5-4」と送球されてタッチアウト、二死三塁から藤村富美男のライト線二塁打で1点を返すが反撃もここまで。

 別所昭は最終回は疲れから乱れたが、4安打2四球1失点の完投で8勝目をマークする。

 近畿はこの試合に負けると上位2チームから少し離されるところであったが、別所の好投と山本監督の走者一掃二塁打で快勝した。

2025年1月12日日曜日

22年 太陽vs巨人 3回戦

5月18日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 1 0 0 0 2 4 1  8  太陽 8勝10敗 0.444 湯浅芳彰 池田善蔵 井筒研一 
1 1 0 1 4 6 0 0 X 13 巨人 6勝13敗 0.316 小松原博喜 川崎徳次

勝利投手 小松原博喜 3勝2敗 
敗戦投手 湯浅芳彰    0勝2敗

二塁打 (太)辻井、佐竹、藤井、野田 (巨)平山、千葉、山川
三塁打 (太)荒川、蔵本 (巨)山川

勝利打点(巨)平山菊二 2

猛打賞 (太)藤井勇 3、佐竹一雄 2 (巨)山川喜作(4安打)2、川上哲治(4安打)2、平山菊二 1


巨人、辛くも乱戦を制す

 甲子園の第2試合は湯浅芳彰と小松原博喜の先発で午後3時25分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、二死後千葉茂の当りは二ゴロ、これをセカンド荒川昇治がエラーして乱戦が開始された。川上哲治は中前打、平山菊二がレフト線にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 巨人は2回裏、二死後古家武夫が中前打、山川喜作が三遊間にヒット、千葉が左中間にタイムリー二塁打を放ち2-0とする。ここで太陽は先発の湯浅から池田善蔵にスイッチ。

 太陽は3回表、二死後荒川昇治が中越えに三塁打、藤井勇が三遊間にタイムリーを流し打って1-2とする。

 巨人は4回裏、先頭の古家が四球で出塁、山川の右前打で古谷は三塁に向かうが、ライト辻井からの好返球にタッチアウト、打者走者の山川は二塁に進み、二死後川上の右前タイムリーで3-1とする。

 巨人は5回裏、一死後小松原がストレートの四球で出塁、内堀保も四球、林清光の三ゴロをサード蔵本光夫が二塁に悪送球して二走小松原はホームイン、トップに返り古家は四球で一死満塁、山川喜作も押出し四球を選んで5-1、太陽はここで三番手として井筒研一にスイッチ、二死後川上が中前に2点タイムリーを放ち7-1とリードを広げる。

 巨人は6回裏、先頭の平山菊二が右前打で出塁、黒沢俊夫の右飛に一走平山は飛び出しており「9-3」と渡ってダブルプレー、しかし小松原、内堀の連続遊ゴロをショート松井信勝が連続エラー、林は四球で二死満塁、トップに返り古家が左前に2点タイムリーを放ち9-1、山川喜作も中越えに2点タイムリー三塁打を放ち11-1、千葉は四球、川上のライト線タイムリーで12-1、平山の左前タイムリーで13-1と大量リードする。

 太陽は7回表、二死後荒川が四球で出塁、藤井の右中間二塁打で二死二三塁、森下重好の遊飛をショート古家が落球する間に二者還って3-13とする。

 太陽は8回表、先頭の井筒が右前打で出塁、蔵本が中越えにタイムリー三塁打を放ち4-13、松井の中前タイムリーで5-13、トップに返り辻井が送り、荒川の二飛をセカンド千葉が落球、藤井の中前タイムリーで6-13、森下の左前タイムリーで7-13と追い上げる。

 太陽は9回表、先頭の藤村隆男が左前打で出塁、井筒に代わる代打野田誠二ライト線にタイムリー二塁打を放ち7-13、巨人はここで小松原から川崎徳次にスイッチ、川崎が後続を抑えて辛うじて逃げ切った。

 井筒研一は満塁でリリーフに立ち2点タイムリーを打たれたが自責点は走者を出した池田善蔵に付き、次の回は二死後のエラーの後6失点となったので自責点はゼロ。マウンドに立ってから8点を失ったが自責点はゼロであった。

2025年1月11日土曜日

22年 金星vs阪急 4回戦

5月18日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 金星 7勝12敗 0.368 江田孝 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 阪急 7勝12敗 0.368 野口二郎

勝利投手 江田孝     2勝6敗 
敗戦投手 野口二郎 2勝3敗

二塁打 (急)日比野
三塁打 (金)小前、坪内

勝利打点(金)小前博文 1 


小前が逆転三塁打

 第5節4日目。東京は25㍉の本降りとなって後楽園の試合は雨天中止。

 甲子園の第1試合は江田孝と野口二郎の先発で午後1時28分、山口球審の右手が上がりプレイボール。

 山口茂次審判員は今季審判デビューして、この試合で初めて球審を務めることになった。宝塚運動協会でプレーした元プロ野球選手である。

 阪急は初回、先頭の田中幸男が二遊間にヒット、上田藤夫の二ゴロでランナーが入れ替わり、青田昇は右前打、野口明の三ゴロをサード清原初男が失して一死満塁、野口二郎の左犠飛で1点を先制する。

 金星は4回表、先頭の酒沢政夫の当りは遊ゴロ、これをショート田中幸男がエラー、清原は三塁に内野安打、しかし酒沢は二塁をオーバーランしてタッチアウト、西沢道夫の左前打で一死一二塁、ここで小前博文が中越えに2点タイムリー三塁打を放ち2-1と試合をひっくり返す。

 江田孝は8回、9回と二人の走者を出すが粘りのピッチングを見せて7安打3四球1三振で完投、2勝目をマークする。

 この試合の結果、金星と阪急が同率6位に並んだ。

2025年1月9日木曜日

22年 中日vs大阪 3回戦

5月17日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 2 1 0 0 4 中日 13勝5敗 0.722 松尾幸造 服部受弘 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大阪 12勝5敗 0.706 梶岡忠義

勝利投手 服部受弘 5勝0敗 
敗戦投手 梶岡忠義 4勝2敗

二塁打 (中)松尾、古川
本塁打 (中)三村勲 1号

勝利打点(中)松尾幸造 1


松尾-服部の完封リレーで中日首位に立つ

 後楽園の第2試合は松尾幸造と梶岡忠義の先発で午後3時24分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、2本のヒットで1死一二塁のチャンスを作るが、藤村富美男の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 大阪は2回裏、四球とヒットで無死一二塁とするが、玉置玉一の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 大阪は3回裏、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁、塚本博睦の初球に呉がスタート、しかし塚本の打球はレフトライナーとなって呉は戻れず「7-4-3」と渡ってダブルプレー。

 中日は5回表、一死後三村勲が3球ファウルで粘って四球を選び、二死後松尾が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 リードを取った中日は5回から松尾に代えて服部受弘をマウンドに送る。

 中日は6回表、二死後古川清蔵がレフト線に二塁打、小鶴誠は四球で歩き、杉浦清監督の遊ゴロをショート武智修が二塁に悪送球する間に二走古川が還って2-0、二死一三塁となってダブルスチールを決め3-0とする。

 中日は7回表、先頭の三村がライトスタンドにホームランを叩き込んでダメ押しとも言える4点目。

 中日は松尾と服部の完封リレーで大阪に快勝、首位に立った。

 大阪は実況のとおり、初回からの3連続併殺で流れをつかめなかった。

 松尾幸造は無失点ながら4回で降板したため勝利投手を服部受弘に譲った。松尾は今季0勝のまま球界を引退することになる。プロ最後の勝利を惜しくも逃したのである。