2025年7月3日木曜日

22年 金星vs阪急 8回戦

7月6日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 1 0 0 0 3 金星 18勝30敗1分 0.375 三富恒雄 江田孝 
2 2 0 0 0 0 0 0 X 4 阪急 22勝25敗2分 0.468 森弘太郎 野口二郎

勝利投手 森弘太郎 2勝3敗 
敗戦投手 江田孝     5勝12敗 
セーブ     野口二郎 1

二塁打 (金)西沢、重松

勝利打点(急)田中幸男 2

猛打賞 坪内道則 6、西沢道夫 4


山田伝の好走塁で阪急快勝

 西宮の第1試合は三富恒雄と森弘太郎の先発で午後1時30分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は初回、一死後大友一明が左前打で出塁、坪内道則監督が3球ファウルで粘ってから放った当りは二ゴロ、これをセカンド上田藤夫が失して一死一二塁、西沢道夫の左前打で一死満塁、清原初男の遊ゴロは「6-4-3」と転送されてゲッツーかと思いきや、上田からの一塁送球が悪送球となる間に三走大友に続いて二走坪内もホームに還り2点を先制、清原には打点「1」が記録された。打点が記録されたということは「併殺崩れ」と認定されたことになる。セカンド上田からの一塁送球は悪送球でなくてもセーフのタイミングだったことを意味する。上田のエラーは坪内の本塁生還に対して「失策」が記録されたものである。

 阪急は1回裏、先頭の田中幸男が中前打で出塁、初回に2失策の二番上田は四球を選んで無死一二塁、青田昇の二ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、野口明が中前に同点の2点タイムリーを放ち2-2と追い付く。

 阪急は2回裏、先頭の荒木茂が左前打で出塁、森が送って一死二塁、山田伝の中前打で二走荒木は三塁ストップ、しかしセンター坪内からの三塁送球の間に打者走者の山田が二塁を陥れる好走塁を見せて一死二三塁、トップに返り田中が中前に2点タイムリーを放ち4-2と勝ち越す。

 山田のヒットで二走荒木がホームに突っ込んでの本塁送球の間に二塁に進んだのであればよく見られる走塁であるが、荒木は三塁ストップでセンター坪内からの三塁送球の隙を突く山田の走塁は「プロ技ブロンズ」に認定できる。

 金星は6回表、先頭の坪内が左前打、西沢も左前打で続いて無死一二塁、阪急ベンチはここで先発の森から野口二郎にスイッチ、二死後江田が左前にタイムリーを放ち3-4と1点差に詰め寄る。

 金星は8回表、一死後小前博文が中前打で出塁、続く江田の初球で小前が二盗を試みるがキャッチャー日比野武からの送球にタッチアウト、この際セカンド上田が小前にスパイクされて負傷退場、セカンドには安井鍵太郎が入り、後続なく無得点。

 金星は9回表、先頭の辻勇夫に変わる代打重松通雄が右中間に二塁打、代走に山本秀男を起用、門馬祐が送りバントを決めて一死三塁と同点のチャンス、しかしスタートを切った三走山本が三本間に挟まれて「2-5-1」でタッチアウト、山本に「盗塁失」が記録されているのでスクイズを外されたのではなくホームスチールを狙ったのかディレード気味にスタートして相手ミスを誘おうとしたのか。最後は中村信一が左飛に倒れて阪急が逃げ切る。

 野口二郎は7、8、9回とヒットを許しながら無失点で切り抜け、森が今季2勝目、野口二郎が初セーブをあげる。

 山田伝の好走塁に起因する4点目が実質的な決勝点となった。

 この時点で東急が17勝28敗1分で勝率3割7分8厘、金星が18勝30敗1分で勝率3割7分5厘、太陽が17勝29敗1分で勝率3割7分0厘。下位3球団は0.5ゲーム差で全て勝率3割7分台にひしめく超混戦となった。

2025年7月2日水曜日

22年 東急vs南海 9回戦

7月6日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 0 2 1 1 0  0  4 東急 17勝28敗1分 0.378 白木義一郎
0 3 0 0 1 0 0 0 0 1X 5 南海 25勝22敗1分 0.532 丸山二三雄 中谷信夫

勝利投手 中谷信夫     6勝7敗 
敗戦投手 白木義一郎 7勝10敗

二塁打 (東)一言 (南)丸山2、河西
三塁打 (東)飯島 (南)山本

勝利打点(南)筒井敬三 2

猛打賞 (東)一言多十 2、飯島滋弥 1


筒井敬三が延長10回裏サヨナラ打

 第12節4日目、後楽園の第1試合は白木義一郎と丸山二三雄の先発で午後1時7分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 南海は2回裏、先頭の堀井数男の当りは遊ゴロ、これをショート鈴木清一が一塁に悪送球して打者走者の堀井は二塁に進み、朝井昇の投前送りバントを白木がサードに送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死一三塁、一死後丸山が右中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制、一死二三塁から小林悟楼の投前スクイズを白木がホームに送球するがセーフ、又も犠打と野選が記録されて2-0、一死一三塁からトップに返り安井亀和の二ゴロの間に三走丸山が還って3-0とリードする。

 南海は5回裏、先頭の河西俊雄が三塁線を破る二塁打、岡村俊昭の投ゴロの間に二走河西は三進、山本一人監督が右中間にタイムリー三塁打を放ち4-0とリードを広げる。

 東急は6回表、先頭の苅田久徳監督が左前打で出塁、トップに返り一言多十が死球を受けて無死一二塁、鈴木清一の一塁線バントが内野安打となって無死満塁、飯島滋弥が押出し四球を選んで1-4、一死後長持栄吉の左犠飛で2-4として反撃開始。

 東急は7回表、先頭の白木が中前打で出塁、大沢喜好が送りバントを決めて一死二塁、苅田は四球を選んで一死一二塁、南海ベンチはここで先発の丸山から中谷信夫にスイッチ、トップに返り一言が右前にタイムリーを放ち3-4と1点差に追い上げる。

 東急は8回表、先頭の飯島が左中間に三塁打、大下弘の右前タイムリーで4-4の同点に追い付く。

 延長に入って南海は10回裏、先頭の河西の当りは三ゴロ、これをサード苅田が一塁に悪送球、岡村の中前打で無死一二塁、山本の投前送りバントを白木はサードに送球するがセーフ、この試合3度目の野選で無死満塁、別所昭の右飛は浅すぎて一死満塁、朝井は2球目にスクイズを試みるがファウルで失敗、朝井も浅い右飛に倒れて二死満塁、筒井敬三が右中間にサヨナラ打を放ち南海が競り勝つ。

 10回裏の浅井のスクイズ失敗は、スコアカードではファウルの表記しか分からないが山内以九士が「雑記」欄に「スクイズプレーならず」と記している。

 東急は白木の3度のフィルダースチョイスが響いた。

2025年7月1日火曜日

22年 阪急vs大阪 7回戦

7月5日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 21勝25敗2分 0.457 野口二郎 天保義夫 
1 0 0 0 2 0 5 0 X 8 大阪 33勝13敗1分 0.717 梶岡忠義

勝利投手 梶岡忠義 10勝3敗 
敗戦投手 野口二郎   7勝8敗

三塁打 (急)下社 (大)金田、藤村、土井垣
本塁打 (大)梶岡忠義 2号

勝利打点(大)藤村富美男 3 

猛打賞 (大)金田正泰 3


梶岡が完封で10勝目

 西宮の第2試合は野口二郎と梶岡忠義の先発で午後3時50分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、一死後金田正泰が右中間に三塁打、二死後藤村富美男が右中間にタイムリー三塁打を放ち1点を先制する。

 大阪は5回裏、一死後呉昌征が中前打で出塁、金田の中前打で一死一三塁、富樫淳の遊ゴロで三走呉はストップして二死二三塁、藤村が中前に2点タイムリーを放ち3-0とリードを広げる。

 大阪は7回裏、先頭の梶岡がレフトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで4-0、トップに返り呉が一二塁間にヒット、金田も三塁線にヒット、7回表の守備から富樫に代わってライトに入っている塚本博睦も中前打で続いて無死満塁、藤村の右犠飛で5-0、土井垣武が左中間に2点タイムリー三塁打を放ち7-0、本堂保次の右前タイムリーで8-0として試合を決める。

 梶岡忠義は安定した投球で4安打1四球3三振、今季2度目の完封で10勝目をマークする。

 大阪はダイナマイト打線の特徴である波状攻撃で快勝、首位の座をキープした。

2025年6月30日月曜日

22年 太陽vs南海 9回戦

7月5日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 太陽 17勝29敗1分 0.370 真田重蔵
0 0 2 0 0 0 0 0 X 2 南海 24勝22敗1分 0.522 松川博爾 別所昭

勝利投手 別所昭   12勝9敗 
敗戦投手 真田重蔵 7勝11敗

二塁打 (南)安井

勝利打点(南)山本一人 1


重盗から山本監督が決勝打

 後楽園の第2試合は真田重蔵と松川博爾の先発で午後3時14分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、一死後辻井弘がストレートの四球で出塁、二死後森下重好が左前打、佐竹一雄もストレートの四球で二死満塁、伊勢川真澄も初球、2球目とボール、南海ベンチはストライクの入らない松川から早くも別所昭にスイッチ、別所が伊勢川を遊ゴロに打ち取る。

 南海は3回裏、先頭の小林悟楼がレフト線にヒット、小林は一塁を回って二塁を狙うがレフト藤井勇からの返球にタッチアウト、トップに返り安井亀和の当りは遊ゴロ、これをショート平野徳松が一塁に悪送球、安井が二盗を狙うがキャッチャー伊勢川からの送球にタッチアウト、二死無走者となったが河西俊雄がスリーボールツーストライクから2球ファウルで粘って四球で出塁、河西が二盗に成功、岡村俊昭は四球を選んで二死一二塁、ここでダブルスチールを決めて二死二三塁、山本一人監督が左前に2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 ロングリリーフとなった別所昭は8回3分の1を投げて4安打無四球4三振無失点の好投を見せ12勝目をマークする。

 南海は得意の機動力で積極的な走塁を見せて快勝、4位の巨人が迫ってきたが2ゲーム差をキープした。

2025年6月29日日曜日

22年 巨人vs金星 7回戦

7月5日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 0 0 0 2 3 8 巨人 22勝24敗1分 0.478 中尾輝三 
0 0 0 1 0 0 1 0 0 2 金星 18勝29敗1分 0.383 重松通雄

勝利投手 中尾輝三 6勝6敗 
敗戦投手 重松通雄 7勝4敗

二塁打 (巨)平山 2、古家 (金)酒沢
三塁打 (巨)田中 (金)小前

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)古家武夫 1 (金)酒沢政夫(4安打)1


小松原博喜、ここ4試合で11打点

 西宮の第1試合は中尾輝三と重松通雄の先発で午後1時35分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、先頭の古家武夫が右前打で出塁、平山菊二はストレートの四球、千葉茂の投ゴロで二走古家が三封されて一死一二塁、川上哲治の遊ゴロをショート中村信一が一塁に悪送球する間に二走平山が還って1点を先制、一死二三塁から小松原博喜の右犠飛で2-0、ライト酒沢政夫からの送球が悪送球となる間に二走川上も還って3-0とする。

 金星は4回裏、先頭の西沢道夫がノーボールツーストライクから四球を選んで出塁、一死後小前博文が右中間にタイムリー三塁打を放ち1-3とする。

 金星は7回裏、先頭の辻勇夫が四球を選んで出塁、一死後トップに返り酒沢の右越え二塁打で一死二三塁、二死後坪内道則監督は四球で満塁、西沢のショートへのタイムリー内野安打で2-3と1点差に詰め寄る。

 巨人は8回表、一死後平山が左中間に二塁打、千葉の遊ゴロの間に平山は三進、川上は四球から二盗を決めて二死二三塁、小松原のライト線2点タイムリーで5-2と突き放す。

 巨人は9回表、一死後田中資昭が右中間に三塁打、中尾はストレートの四球、トップに返り古家のタイムリー二塁打で6-2、平山も右中間に2点タイムリー二塁打を放ち8-2として試合を決める。

 中尾輝三は8安打7四球5三振の完投で6勝目をあげる。中尾は相変わらず四球が多いが、このところ投球内容は安定してきた。

 最下位を脱してからの巨人は勝ち星を重ねて借金は2まで減り、三位南海に1.5ゲーム差と迫ってきた。

 この試合の勝利打点は「なし」であるが、貴重な追加点をあげた小松原博喜が「真の殊勲者」であった。小松原はここ4試合で11打点をマークしている。

 第10節に週間MVPを獲得した青田昇が4試合で12打点を記録したが、小松原の11打点は青田に次ぐ記録となった。これは歴史的に見てもかなりの数字である。例えば、昭和13年秋に三冠王を獲得した時の中島治康でも4試合での最多打点は「9」に過ぎない。

 全記録を精査している訳ではないが、これまでの調べでは川上哲治が昭和21年8月26日から31日までの4試合で14打点を記録したのが最多である。この時の川上は一試合6打点を2度記録した。

2025年6月28日土曜日

22年 中日vs東急 5回戦

7月5日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 中日 31勝14敗 0.689 星田次郎 久野勝美 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 東急 17勝27敗1分 0.386 北川桂太郎

勝利投手 久野勝美     1勝1敗 
敗戦投手 北川桂太郎 2勝7敗

勝利打点(中)大沢清 2


久野勝美、今季初勝利

 第12節3日目、後楽園の第1試合は星田次郎と北川桂太郎の先発で午後1時3分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、一死後鈴木清一が左前打で出塁、飯島滋弥のライト線ヒットで鈴木は三進、打者走者の飯島も二塁を狙うがライト加藤正二からの送球を中継したセカンド金山次郎からの二塁送球にタッチアウト、二死三塁から大下弘の右前タイムリーで1点を先制する。

 中日は3回表、先頭の星田が中前打、センター一言多十がファンブルする間に星田は二塁に進み、トップに返り杉江文二の送りバントで一死三塁、金山の中前タイムリーで1-1の同点、金山が二盗を決め、古川清蔵の中前打で金山は三塁ストップ、古川も送球の隙を突いて二塁に進み一死二三塁、大沢清の中犠飛で2-1と勝ち越す。

 中日は4回から久野勝美をマウンドに送り、キャッチャーも先発マスクの上林繁次郎から藤原鉄之助へとバッテリーを入れ替える。

 リリーフ久野は6イニングを2安打5四球2三振無失点の好投、今季初勝利をあげる。

 山内以九士は「雑記」欄に「久野 アウトコーナーを攻めてよく打ちとる」と記した。昨シーズン7勝をマークした久野は今季出遅れていたが、この日の好投が復調のきっかけになるか注目される。

 中日が強打で勝ち進んできたことは既報のとおりであるが、この日は犠打と盗塁を絡めて長打ゼロで接戦を制した。首位大阪との競り合いは続く。

2025年6月27日金曜日

22年 巨人vs大阪 7回戦

7月4日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 1 0 0 1 0 0  0  2  巨人 21勝24敗1分 0.467 多田文久三 川崎徳次 
0 0 0 0 0 0 0 0 3X 3 大阪 32勝13敗1分 0.711 若林忠志

勝利投手 若林忠志   10勝5敗 
敗戦投手 多田文久三 4勝3敗

二塁打 (巨)多田

勝利打点(大)山口政信 2


山口政信、逆転サヨナラ打

 西宮の第2試合は多田文久三と若林忠志の先発で午後3時30分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、先頭の塚本博睦が二遊間にヒット、しかし呉昌征のショートライナーに塚本が飛び出してゲッツー。

 巨人は3回表、一死後田中資昭が中前打で出塁、多田も右前打、トップに返り呉新亨の二ゴロで多田が二封されて二死一三塁、山川喜作の中前タイムリーで1点を先制する。

 大阪は4回裏、先頭の呉昌征が二遊間にヒット、しかし富樫淳の三ゴロが「5-4-3」と渡って2個目のゲッツー。

 大阪は5回裏、先頭の土井垣武が四球を選んで出塁、本堂保次も四球で無死一二塁、玉置玉一の三ゴロはサード山川がベースを踏んで一死一二塁、長谷川善三の投ゴロが一塁に送球される間に三塁に進んでいた本堂がホームに突っ込むが、ファースト川上哲治からキャッチャー内堀保に転送されて「1-3-2」の変則ダブルプレー。

 巨人は6回表、先頭の山川の当りは遊ゴロ、これをショート長谷川が一塁に悪送球、千葉茂は四球を選んで無死一二塁、川上の二ゴロで千葉が二封されて一死一三塁、小松原博喜の中犠飛で2-0とする。

 大阪は6回裏、先頭の若林が四球で出塁、トップに返り塚本に代わる代打金田正泰も四球で無死一二塁、呉昌征の投ゴロを多田がサードに送球して若林は三封、富樫の一ゴロをファースト川上が二塁に送球して呉は二封、川上からの送球をキャッチしたショート田中は三塁に進んだ金田のオーバーランを見逃さずサードに送球して「3-6-5」の変則ダブルプレー。

 大阪はここまで4個の併殺、2イニング連続の変則ダブルプレーでチャンスを潰す。

 大阪は7回裏、一死後土井垣武が四球で出塁、本堂は三振、このスリーストライク目に土井垣が二盗に成功して二死二塁、ここで玉置に代えて代打武智修を送るが遊ゴロに倒れて無得点。

 大阪はファースト玉置に代打武智を送ったため8回の守備からファーストにベテラン山口政信を据える。武智をそのままファーストに入れる手もあったが、山口の起用が勝負を分けることになる。

 2点ビハインドの大阪は9回裏、先頭の呉昌征が四球を選んで出塁、富樫も四球、富樫に代走御園生崇男を起用、四番藤村富美男が一塁線に送りバントを決めて一死二三塁、土井垣が四球を選んで一死満塁、本堂もストレートの押出し四球で1点返して1-2と1点差、巨人ベンチはここまで10四球の多田に代えて川崎徳次をマウンドに送り、打席には8回からファーストの守備に入った山口政信、山口は川崎の初球を左前に逆転サヨナラ2点タイムリー、大阪が3-2で劇的な勝利。

 若林忠志は7安打3四球1三振の完投で10勝目をマークする。

 山口政信は出番は多くないが、4月29日の巨人戦で山口が放った逆転満塁本塁打をきっかけに大阪は首位街道を突っ走ることになり、中日との激しい競り合いが続く苦しい時期にも逆転サヨナラ打を放って大阪の躍進に貢献している。