2025年5月20日火曜日

22年 

6月23日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 阪急 19勝21敗2分 0.475 野口二郎 
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 東急 12勝25敗1分 0.324 白木義一郎

勝利投手 野口二郎     6勝6敗 
敗戦投手 白木義一郎 5勝9敗

二塁打 (急)田中、荒木 (東)一言
三塁打 (急)坂元 (東)長持
本塁打 (東)飯島滋弥 4号

勝利打点(急)野口明 7


好調阪急が快勝

 甲子園の第1試合は野口二郎と白木義一郎の先発で午後1時40分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、好調の田中幸男が三塁線を破る二塁打、二死後野口明の中前タイムリーで1点を先制、坂元義一が中越えにタイムリー三塁打を放ち2点をりーどする。

 野口二郎は5回まで6安打を打たれたが、初回、2回のピンチを「5-4-3」のゲッツーで凌いで無失点。

 東急は8回裏、先頭の大沢喜好が四球を選んで出塁、一言多十の右越え二塁打で無死二三塁、トップに返り清水喜一郎に代わる代打黒尾重明の右飛で二走大沢はタッチアップから三塁に向かい、ライト坂元からの返球をピッチャー野口二郎が中継して「9-1-5」のダブルプレー。

 東急は9回裏、先頭の飯島滋弥がレフトスタンドに第4号ホームランを叩き込んで1-2と1点差に迫るが後続が倒れて惜敗。

 野口二郎は8安打1四球無三振の完投で6勝目をあげる。野口次郎は自伝「私の昭和激動の日々」で、戦後のピッチングについて「いい状態で投げていた時に比べたら、スピードもなにもかも、かなり落ちる。力で勝負ということは、とてもできない。やはりコントロール主体のピッチングで行くよりない。いってみれば、技巧派への転身である。」と述べている。この日の1四球無三振の完投は、その記述を裏付けている。

 阪急は6月初めの放棄試合の時点では11勝19敗で最下位に低迷していたが、そこから8勝2敗と好調で借金2つまで盛り返してきた。田中と上田の一二番コンビが好調で今節5試合で何れも9安打を放った。青田は今節3本塁打12打点と爆発、野口明も今節勝利打点2個と勝負強さを発揮している。放棄試合で相当反省したようだ。

2025年5月19日月曜日

22年 金星vs大阪 7回戦

6月23日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 金星 18勝22敗1分 0.450 重松通雄 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大阪 28勝12敗1分 0.700 梶岡忠義

勝利投手 重松通雄 7勝2敗 
敗戦投手 梶岡忠義 9勝3敗

勝利打点(金)重松通雄 1


重松通雄、2安打完封

 第10節最終日、後楽園の第1試合は重松通雄と梶岡忠義の先発で午後1時2分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 西垣徳雄は今節から審判員デビュー、この試合が初の球審となった。昭和25年には国鉄スワローズの監督に就任し、金田正一を育てることになる。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督が3球目を左前打、西垣球審の初コールは梶岡が投じた初球「ボール」であった。酒沢政夫も左前打で無死一二塁、しかし清原初男のショートライナーに二走坪内が戻れずダブルプレー、先制のチャンスを逃す。

 大阪は2回に本堂保次が、4回に土井垣武が何れも二死から中前打を放つが無得点。

 金星先発の重松は5回以降大阪打線をノーヒットに抑える。

 大阪先発の梶岡も5回まで6安打を許すが6回から8回までは三者凡退に抑える好投を続け、0対0のまま試合は最終回へ。

 金星は9回表、先頭の西沢道夫の当りは二ゴロ、これをセカンド本堂がエラー、小前博文の右前打で無死一三塁と先制のチャンス到来、大友一明の投ゴロで小前は二塁に進んで一死二三塁、重松の三ゴロで三走西沢がホームに突っ込み、サード藤村富美男がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1点を先制、一死一三塁から辻勇夫がスクイズバントを決めて2点目、坂本勲が右前タイムリーで続き3-0とリードする。

 重松通雄は最終回も三者凡退に抑え、2安打3四球1三振でダイナマイト打線を完封、7勝目をマークする。重松は今節、中日戦に続いての完封勝利となった。この試合では野選による打点で勝利打点も記録と、乗りに乗っている。

2025年5月18日日曜日

22年 阪急vs太陽 5回戦

6月22日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 3 0 0 0 0 0  2  5 阪急 18勝21敗2分 0.462 今西錬太郎 
1 0 0 0 1 0 0 0 1  0  3 太陽 15勝24敗1分 0.385 真田重蔵

勝利投手 今西錬太郎 9勝4敗 
敗戦投手 真田重蔵     6勝8敗

二塁打 (急)上田、野口二郎 (太)辻井、中谷
三塁打 (急)田中、上田 (太)伊勢川

勝利打点(急)野口二郎 2 


野口二郎、代打決勝打

 甲子園の第2試合は今西錬太郎と真田重蔵の先発で午後3時23分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、先頭の荒川昇治が四球を選んで出塁、辻井弘が中前打を放って無死一二塁、藤井勇の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、中谷順次の三ゴロをサード荒木茂がエラー、1点を先制する。

 3回まで三者凡退が続いた阪急は4回表、先頭の田中幸男が右中間に三塁打、上田藤夫の遊ゴロで三走田中はホームに突っ込み、ショート松井信勝がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1-1の同点、ここで青田昇がレフトスタンドに勝越しのツーランを放ち3-1とリードする。

 太陽は5回裏、一死後中谷順次が三塁線を破る二塁打、佐竹一雄の右前タイムリーで2-3と1点差に迫る。

 太陽は9回裏、先頭の荒川が四球で歩くと一死後ワイルドピッチで二進、藤井中前に同点タイムリーを放ち土壇場で追い付く。

 阪急は10回表、二死後上田がレフトに二塁打、青田の三塁線ヒットで二死一三塁、野口明は四球を選んで二死満塁、ここで坂元義一に代わる代打野口二郎が左越えに2点タイムリー二塁打を放ち5-3と勝ち越す。

 今西錬太郎は10回裏無死一二塁のピンチも抑えて12安打3四球1三振の完投で9勝目をマークする。

2025年5月17日土曜日

22年 中日vs大阪 7回戦

6月22日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 3 0 1 0 0 2 0 8 中日 26勝12敗    0.684 清水秀雄 
0 0 1 0 1 0 0 0 1 3 大阪 28勝11敗1分 0.718 若林忠志

勝利投手 清水秀雄 6勝3敗 
敗戦投手 若林忠志 8勝5敗

二塁打 (中)大沢 (大)藤村、玉置
三塁打 (中)加藤、小鶴 2
本塁打 (大)玉置玉一 2号

勝利打点(中)小鶴誠 6


強竜がダイナマイトを喰う

 後楽園の第2試合は首位攻防戦。清水秀雄と若林忠志の先発で午後2時52分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は岩本章の欠場が続いており杉浦清監督が一番に入る新打線。

 中日は初回、二死後古川清蔵が左前打で出塁、小鶴誠が左中間深くにタイムリー三塁打を放ち1点を先制、大沢清も左中間にタイムリー二塁打で続き2-0として試合の主導権を握る。

 中日は3回表、先頭の杉浦が三遊間を破るヒットで出塁、金山次郎が三前に送りバントを決めて一死二塁、古川も三前にバント、サード藤村富美男からの送球をファースト玉置玉一が落球、犠打とエラーが記録されて一死一三塁、小鶴の打席で古川がディレードスチール、キャッチャー土井垣武が二塁送球、これを見た三走杉浦がスタートを切るがホームベースカバーにピッチャー若林が入ってタッチアウト、スコアカードの記載は「2-4-5-1H」となって杉浦には盗塁失敗が記録された。この間に一走古川は三塁に進み、小鶴が四球を選んで二死一三塁、大沢が得意の右打ちでライトにタイムリーを放ち3-0、加藤正二が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち5-0とリードを広げる。

 大阪は3回裏、先頭の玉置が四球で出塁、一死後長谷川善三の三ゴロをサード小鶴が一塁に悪送球して一死一三塁、トップに返り呉昌征の中犠飛で1点を返す。

 中日は5回表、一死後小鶴が左中間にこの日2本目となる三塁打、大沢の左犠飛で6-1と突き放す。

 大阪は5回裏、先頭の玉置が第2号ホームランを放ち2-6とする。スコアカードの記載ではセンターへのライナーの本塁打となっているが、柵越えではなくインフィールドの印になっているのでランニングホームランであった。

 中日は8回表、先頭の加藤が中前打で出塁、笠石徳五郎も右前打、一死後藤原鉄之助が右前にタイムリーを放ち7-2、トップに返り杉浦はストレートの四球で一死満塁、金山次郎が左前にタイムリーを放ち8-2と突き放す。

 大阪は9回裏、一死後本堂保次が左前打で出塁、玉置がレフト戦に二塁打を放って一死二三塁、二死後長谷川に代わる代打塚本博睦が中前にタイムリーを放ち1点を返すが焼け石に水。

 清水秀雄は8安打2四球3三振の完投で6勝目をマークする。

 強竜打線の破壊力は抜群で、ダイナマイト打線に打ち勝った。

2025年5月16日金曜日

22年 南海vs東急 6回戦

6月22日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 4 0 0 0 0 3 7 南海 21勝18敗1分 0.538 別所昭 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 東急 12勝24敗1分 0.333 北川桂太郎

勝利投手 別所昭       11勝8敗 
敗戦投手 北川桂太郎 2勝6敗

二塁打 (南)飯田
本塁打 (南)山本一人 2号

勝利打点(南)筒井敬三 1


別所が5度目の完封で11勝

 甲子園の第1試合は別所昭と北川桂太郎の先発で午後1時30分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、一死後鈴木清一が左前打で出塁、飯島滋弥は死球を受けて一死一二塁、大下弘の右前打で二走鈴木清一は三塁ベースを蹴ってホームに突っ込むがライト田川豊からの好返球にタッチアウト、先制のチャンスを逸す。

 2回、3回と二三塁のチャンスを逃した南海は4回表、先頭の岡村俊昭が右前打で出塁、飯田徳治の二ゴロでランナーが入れ替わり、別所の右前打で一死一三塁、筒井敬三の中前タイムリーで1点を先制、センター一言多十が打球を逸らして一死二三塁、二死後トップに返り安井亀和が三遊間にタイムリーを放ち2-0、河西俊雄の二ゴロをセカンド清水喜一郎はアウトカウントを間違えたのかホームに送球するが三走筒井が還って3-0、記録は野選、丸山二三男の中前タイムリーで4-0とする。

 清水の野選について、ホームへの野選で三走が還った場合は打者に打点が記録されるのだが、治村宗三公式記録員は「一塁へ投ずれば当然アウトとなり得点を許さずとすむものを無用の投球をなしたため得点を許したから得点打(打点=筆者注)を与えず。」として河西に打点は記録されなかった。

 南海は9回表、二死後河西が中前打から二盗に成功、丸山は四球、河西が三盗を決めて二死一三塁、ここで山本一人監督がレフトスタンドにスリーランを叩き込んで7-0として試合を決める。

 別所昭は8安打2四球1死球3三振で今季5度目の完封、11勝目をマークして藤本英雄と並びハーラートップタイに立つ。

 田川豊が第2打席で死球を受けてベンチに下がった。田川の怪我は重かったようで、しばらく欠場が続く。調子の上がらない南海としては痛いところ。

2025年5月15日木曜日

22年 金星vs巨人 6回戦

6月22日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 金星 17勝22敗1分 0.436 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 17勝22敗1分 0.436 諏訪裕良 川崎徳次

勝利投手 内藤幸三 4勝4敗 
敗戦投手 諏訪裕良 1勝3敗

勝利打点(金)酒沢政夫 4


酒沢政夫、決勝スクイズ

 第10節4日目、連日1万人を超える観客を集める後楽園球場は日曜日とあって32,088人の観衆が押し寄せた。今季最多だった6月1日に次いで2番目の観客数である。

 第1試合は内藤幸三と諏訪裕良の先発で午後零時55分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 諏訪は走者を出しながらも粘りのピッチングを見せて6回まで無失点。

 内藤も6回まで6安打を許しながら要所を締めて無失点。

 金星は7回表、一死後坂本勲が中前打で出塁、トップに返り坪内道則監督の右前打で坂本は三塁に進み、送球の間に打者走者の坪内も二塁を陥れて一死二三塁、ここで巨人ベンチは先発の諏訪に代えて二番手として川崎徳次をマウンドに送るが、酒沢政夫がワンボールからの2球目にスクイズバントを決めて1点を先制する。

 巨人は最終回、小松原博喜、平山菊二が連続四球で無死一二塁のチャンス到来、金星はファースト西沢道夫がバントシフトで前進守備、これを見て内堀保は三前に送りバント、一塁ベースカバーにはセカンド大友一明が入って「5-4A」で送りバントが決まって一死二三塁、田中資昭に代わる代打中島治康の三ゴロで三走小松原がホームを突くが、サード清原初男からの本塁送球にタッチアウト、最後は川崎が二飛に倒れて金星が僅差で逃げ切る。

 内藤幸三は6安打3四球4三振、今季4勝目を3度目の完封で飾る。

 坪内は第2打席から4打席連続ヒット。酒沢が決勝のスクイズを決めた。

 金星守備陣は最終回のピンチも落ち着いて防ぎ、巨人と同率5位に並んだ。

2025年5月13日火曜日

22年 太陽vs南海 7回戦

6月21日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 0 0 0 1 0 4 太陽 15勝23敗1分 0.395 井筒研一 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 南海 20勝18敗1分 0.526 松川博爾

勝利投手 井筒研一 1勝1敗 
敗戦投手 松川博爾 0勝2敗

三塁打 (太)森下
本塁打 (太)藤井勇 3号

勝利打点(太)藤井勇 2


井筒研一、自責点ゼロの完投で今季初勝利

 甲子園の第2試合は井筒研一と松川博爾の先発で午後3時50分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 夕方の開始であるが、1年で最も日が長い季節なので日没コールドのリスクはない。

 太陽は初回、先頭の荒川昇治が四球を選んで出塁、一死後藤井勇がライトスタンドに先制ツーランを叩き込んで2-0、中谷順次が左前打、佐竹一雄もレフト線ヒットで一死一二塁、二死後伊勢川真澄はピッチャー強襲ヒット、白球を拾い上げた松川の一塁送球が悪送球となる間に中谷が還って3-0とリードする。

 井筒は快調なピッチングを続け、6回まで1安打無失点。

 南海は7回裏、一死後田川豊が二遊間を破り中前に抜けるヒット、これをセンター森下重好が後逸する間に打者走者の田川は三塁に進み、山本一人監督の右犠飛で1-3とする。

 太陽は8回表、前の回に手痛いエラーを犯した先頭の森下がセンター右奥に三塁打、伊勢川は死球を受けて出塁すると二盗に成功、ここで松川がワイルドピッチ、三走森下が還って4-1と突き放す。

 井筒研一は後半疲れから7回以降は4安打を打たれたが、5安打1四球2三振、自責点ゼロの完投で今季初勝利をあげる。

 井筒は戦前は野手での出場が多く登板は少なかったが、戦場から復員すると本格的に投手に転向、昨年は13勝をマークした。今季は出遅れていたが、この日のピッチングを見ると今後に期待できる。