2022年12月31日土曜日

21年 巨人vs中部日本 15回戦

10月28日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 1 0 0 5 1 8 巨人 62勝36敗2分 0.633 近藤貞雄
0 0 0 1 0 0 2 0 X 3 中部 40勝59敗3分 0.404 服部受弘 久野勝美

勝利投手 近藤貞雄 22勝13敗 
敗戦投手 久野勝美   7勝7敗

二塁打 (巨)多田 (中)小鶴
三塁打 (巨)呉、近藤

勝利打点(巨)近藤貞雄 3

猛打賞 黒沢俊夫 10


近藤貞雄が投打に活躍

 ダブルヘッダー第2試合は近藤貞雄と服部受弘の先発で午後2時20分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 優勝を争う巨人はもう負けられない一戦。

 一方、中部は第1試合の勝利で今季のダブルヘッダーに7戦全勝、8連勝を狙う。

 巨人は初回、先頭の呉新亨がセンター右奥に三塁打、一死後千葉茂が一二塁間を抜くタイムリーを放ち1点を先制する。

 中部は4回裏、一死後古川清蔵が中前打で出塁、小鶴誠は右飛に倒れるが、杉浦清監督の中前打で二死一三塁、ここで杉浦がスタートを切るとキャッチャー多田文久三は二塁に送球、これが悪送球となって三走古川が還り1-1の同点に追い付く。

 巨人は5回表、先頭の林清一がストレートの四球で出塁、近藤の捕ゴロで林は二進、山田潔は四球を選び、トップに返り呉も四球で一死満塁、山川喜作の右犠飛で2-1と勝ち越す。

 中部は6回裏、先頭の石田政良の当りは遊ゴロ、これをショート山田がエラー、金山次郎の右前打で無死一二塁、古川は遊飛に倒れて一死一二塁、小鶴が右中間に逆転の2点タイムリー二塁打を放ち3-2とリードする。

 巨人は8回表、先頭の千葉が四球を選んで出塁、ここで中部ベンチは第1試合に完投勝ちした久野勝美を投入、千葉が二盗を決め、川上も四球で無死一二塁、黒沢俊夫の三塁内野安打で無死満塁、一死後林が押出し四球を選んで3-3の同点、なおも続く一死満塁から近藤が右中間に走者一掃の3点タイムリー三塁打を放ち6-3と逆転、山田も中前にタイムリーを放ち7-3とする。

 巨人は9回表、一死後川上、黒沢、多田の3連打で1点追加して試合を決める。

 近藤貞雄は8安打2四球4三振の完投で22勝目をマーク、決勝三塁打も放ち投打で活躍を見せた。

 巨人は何とか踏ん張ったが、グ軍との差は1分1厘差に広がり苦しくなってきた。

2022年12月28日水曜日

河西のコンバート

 お伝えした通り、昭和21年10月28日、優勝を狙う上で重要なセ軍戦でサード河西俊雄 は3個のエラーを犯した。 

 昭和21年の河西はセンターとサードを掛け持ちし、後半戦はほぼサードに定着していた。

 これは、本来サードであった山本一人監督が、自軍に八百長に加担している選手がいることを知り、全体を見張るにはファーストの方が都合がよいことからファーストに回ったため河西をサードにコンバートしたのであった。この経緯は鶴岡の自伝「御堂筋の凱歌」に書かれている。

 この試合で河西が3個のエラーを犯し、八百長問題にもけりが付いたことから山本は翌47年サードに戻ることとなり、河西をセンターに再コンバートする。河西の快足を活かすにはセンターの方が良かったのであろう。河西はこの年から3年連続盗塁王に輝く。


21年 セネタースvsグレートリング 15回戦

10月28日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
0 0 2 0 1 4 0 2 0  0   0   9  セ軍 43勝57敗 0.430 一言多十 黒尾重明 白木義一郎 
1 0 2 4 2 0 0 0 0  0  1X 10 グ軍 65勝36敗2分 0.644 松川博爾 丸山二三雄

勝利投手 丸山二三雄 25勝14敗 
敗戦投手 白木義一郎 27勝21敗

二塁打 (セ)鈴木 (グ)岡村
三塁打 (セ)大下 (グ)堀井
本塁打 (グ)山本一人 3号

勝利打点(グ)小林悟楼 1

猛打賞 (セ)鈴木清一 8、清水喜一郎 1 (グ)田川豊 6、山本一人 14、堀井数男 6


小林悟楼がサヨナラ打、グ軍が総力戦を制す

 後楽園の第1試合は一言多十と松川博爾の先発で午後2時2分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 9分前に西宮の第1試合で巨人が負けた報せは山本一人監督の耳にも届いていたであろう。試合が終盤に入っても中部が4点リードしていることも電話で連絡を受けていた可能性が高く、メンバー交換の段階で巨人劣勢を知っていたからこその松川先発ではなかったか。ローテーション通りであれば丸山二三男である。

 グ軍は初回、先頭の安井亀和が四球で出塁、河西俊雄の左前打で無死一二塁、田川豊の送りバントは正直すぎてピッチャー一言が三塁に送球して安井は三封、山本は左飛に倒れるが、堀井数男が右前にタイムリーを放ち1点を先制する。

 グ軍先発の松川は1回、2回と三者凡退に抑えて無難な立ち上がり。

 セ軍は3回表、一死後根津弘司が左前打で出塁、清水喜一郎のライト線ヒットで一死一三塁、トップに返り鈴木清一の打席で清水が松川の牽制に刺されて二死三塁、鈴木がレフト線にタイムリー二塁打を放ち1-1の同点、長持栄吉のライト線タイムリーで2-1と逆転する。続く飯島滋弥の三ゴロをサード河西がエラー、二走長持のリードが大きく白球を拾い上げた河西は二塁に送球、長持は三塁に向かうが、セカンド安井から河西に送球されてタッチアウト。

 セ軍は3回から一言をセンターに回してマウンドには黒尾重明が上がる。

 グ軍は3回裏、先頭の田川が中前打で出塁、山本の左前打で無死一二塁、堀井が中前に2打席連続のタイムリーを放ち2-2の同点、三塁に向かった山本はセンター一言の強肩に刺されて一死一塁、堀井が二盗を決め、岡村俊昭のピッチャーへの当りは黒尾のグラブを弾き、バックアップしたショート鈴木清一が一塁に送球するが悪送球となる間に二走堀井が還って3-2と逆転する。

 この試合に勝てば優勝に大きく前進することになるグ軍はリードしたところで4回から丸山二三男を投入する。

 セ軍は4回表、先頭の大下弘が左の丸山からレフトに流し打って出塁、しかし鈴木圭一郎の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー、一言はストレートの四球で出塁するが、黒尾は三振に倒れて無得点。

 グ軍は4回裏、安井、河西が倒れて二死後、田川が四球を選んで出塁、山本も左前打で続いて二死一二塁、堀井が3打席連続タイムリーとなる右中間三塁打を放ち2点を追加して5-2、岡村が四球で歩いて二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて6-2、筒井敬三が3球ファウルで粘って四球、丸山の中前タイムリーで7-2と大量リードして優勝に大きく近付いた。

 セ軍は5回表、先頭の根津の当りは三ゴロ、これをサード河西がこの日2個目のエラー、清水の左前打で無死一二塁、トップに返り鈴木清一の三ゴロを今度は河西が慎重に三塁ベースを踏んで一死一二塁、長持は中飛に倒れるが、飯島滋弥が中前にタイムリーを放ち3-7と粘りを見せる。続く大下は思いっきり引っ張って鋭いライナーが一塁を襲ったが、ファースト山本がファインプレーで防ぐ。

 セ軍は5回から三番手として白木義一郎を投入、何とか流れを変えようと抵抗する。

 グ軍は5回裏、先頭の安井が中前打で出塁、河西の遊ゴロの間に安井は二塁に進み、ここでディレードスチールを試みるが「1-5-6-5」と転送されてタッチアウト、しかし田川が左前打で出塁、山本がレフトスタンドに第3号ツーランを叩き込み、9-3とダメ押したかに見えたのだが・・・。

 セ軍は6回表、先頭の鈴木圭一郎は三ゴロ、これを河西がこの日3個目のエラー、一言、白木は連続四球で無死満塁、根津が左前にタイムリーを放ちまず1点、清水も3打席連続ヒットとなるタイムリーを左前に放ち2点目、トップに返り鈴木清一が中前に2点タイムリーを放ちこの回4点、7-9と追い上げる。続く長持が送りバントを決めて一死二三塁、飯島のセンターフライで三走清水がタッチアップからホームを狙うが、センター田川からの好返球にタッチアウト。

 グ軍は6回裏、先頭の岡村が四球で出塁、一死後丸山の二ゴロをセカンド清水がエラーして一死一三塁、宮崎仁郎に代わる代打安井鍵太郎のライトフライで三走岡村がタッチアップからホームを狙うが、ライト長持からの好返球にタッチアウト。

 セ軍は8回表、一死後鈴木清一が左前打で出塁、鈴木が二盗に成功、長持は四球で一死一二塁、、飯島が中前にタイムリーを放ち8-9と1点差、長持は三塁に進んで一死一三塁、、前の打席で右中間に三塁打を放ち復調気配が見えてきた大下が中犠飛を打ち上げて遂に9-9の同点に追い付く。

 白木は7回から9回を三者凡退に抑えて試合は延長戦にもつれ込む。

 グ軍は11回裏、先頭の岡村が三塁線に流し打って二塁打、筒井の投前送りバントを白木が三塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死一三塁、筒井が二盗を決め、丸山は投ゴロに倒れて一死二三塁、ここで小林悟楼がセンターにサヨナラ打を放ち激戦に終止符を打つ。

 山本監督は巨人がダブルヘッダー第1試合を落としたことを知って松川博爾を先発させ、リードしたところで4回から丸山二三男を投入、予想外の同点に追い付かれても慌てて別所昭を投入するような愚は犯さなかった。

 殊勲のサヨナラヒットを放った小林悟楼は戦争で6年間のブランクがあったが、昭和14年にはショートのレギュラーとしてほぼフル出場していた実績がある。平和な時代が戻ってきた幸せを実感しているのではないか。

2022年12月27日火曜日

21年 中部日本vs巨人 14回戦

10月28日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
5 0 0 2 0 0 0 0 0 7 中部 40勝58敗3分 0.408 久野勝美
0 2 0 0 1 0 0 0 X 3 巨人 61勝36敗2分 0.629 中尾輝三 宮下義雄

勝利投手 久野勝美   7勝6敗 
敗戦投手 中尾輝三 11勝9敗

二塁打 (中)金山、古川 (巨)多田、山川

勝利打点 なし


久野が粘りのピッチング、巨人手痛い敗戦

 第27節最終日、後楽園では午後からセ軍vsグ軍戦の1試合のみ、西宮では中部vs巨人のダブルヘッダーが行われる。

 西宮の第1試合は久野勝美、中尾輝三両左腕の先発で午後零時33分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、先頭の石田政良の当りは遊ゴロ、これを名手山田潔が一塁に悪送球、金山次郎の遊ゴロで石田は二封、しかしゲッツーは取れず、古川清蔵の当り損ねの三塁線へのゴロが内野安打となって一死一二塁、小鶴誠の5球目にダブルスチールを決めて一死二三塁、フルカウントからの6球目を中尾がワイルドピッチ、三走金山が還って1点を先制、重盗が功を奏した。小鶴は当然四球で一塁に歩き、続く杉浦清監督も四球を選んで一死満塁、ここで笠石徳五郎が左前に2点タイムリーを放ち3-0、藤原鉄之助もレフト線にタイムリーを放ち4-0、久野も左前に流し打つタイムリーで続き、この回一挙5点を先制する。

 中尾は初回に36球を要する乱調気味の立ち上がり。最初からリズムを狂わされた形となった。

 巨人は1回裏、先頭の呉新亨が左前打で出塁して反撃体勢に入るが、山川喜作の二ゴロが「4-6-3」と渡るダブルプレー。

 巨人は初回から攻守ともにリズムが合わない。

 巨人は2回裏、一死後黒沢俊夫が左前打で出塁、多田文久三が右超えにタイムリー二塁打を放ち1-5、ライト笠石からの返球が逸れる間に多田は三塁に進み、林清一の左犠飛で2-5と反撃、流れが傾きかけたのだが・・・。

 中部は4回表、一死後金山が左越えに二塁打、古川が中越えにタイムリー二塁打を放ち6-2、小鶴の二ゴロを名手千葉茂がエラー、二走古川が還って7-2と突き放す。

 4回の無死一塁のチャンスを併殺で潰した巨人は5回裏、一死後呉新亨が二遊間にヒット、二死後千葉も二遊間を抜けるヒット、センタ- 古川が逸らす間に呉は三塁に進んで二死一三塁、川上の二遊間タイムリーで3-7とする。

 巨人は6回裏、先頭の好調林が中前打で出塁、しかし一死後山田の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 中部は7回表、先頭の小鶴が中前打、杉浦のレフト線ヒットで小鶴は三塁に進んで無死一三塁、笠石が四球を選んで無死満塁、巨人はここで先発の中尾から宮下義雄にスイッチ、藤原の遊ゴロで三走小鶴は本封、一死満塁から久野のセカンドライナーに三走杉浦が飛び出しており「4-5」と送球されてダブルプレー、「ライナーバック」の基本を忘れていたようだ。

 流れが向いてきた巨人は8回裏、先頭の川上が中前打、一死後多田が四球を選び、二死後宮下の中前打で二死満塁、この最後のチャンスに巨人ベンチは3打数無安打の山田に代えて代打に藤本英雄を起用、しかし藤本は中飛に倒れて期待に応えることはできなかった。

 久野勝美は12安打4四球1三振の完投で7勝目をマークする。

 巨人は10残塁の拙攻で完敗。最後までリズムをつかむことができず、手痛い敗戦を喫した。

 決勝点はワイルドピッチだったので勝利打点は「なし」であるが、「真の殊勲打」が笠石徳五郎の一打であったことは疑いようもない事実である。笠石は出番こそ少ないが、当ブログが何度も伝えてきたようにいい所で打つ。

2022年12月26日月曜日

両軍合計最少投球数記録

 昭和21年10月27日、後楽園の第2試合では別所昭の投球数が86球、若林忠志の投球数(8回)が81球。

 両軍合計167球は史上最少記録の可能性がある。

 当ブログが確認したこれまでの最少記録は、昭和21年7月26日に渡辺誠太郎が88球、湯浅芳彰が93球で合計181球。この試合は55分で終了した最短試合でもあった。

 この後、昭和22年8月10日に徳島西の丸球場で別所が67球の最少記録(8回なので参考記録)を達成した際、相手の服部受弘が107球で合計174球の記録が達成されるが、この日の167球よりも多いのである。

 戦前のスコアカードには投球数が記録されていない場合が多く、実際はこれよりも少ない記録が達成されていた可能性は否定できず、当ブログも全ての投球数を確認しているわけではないので見落としている可能性もある。

 まぁ、ヒマになったら再調査してみますか。なんせ貧乏ヒマなしなもんで(笑)。

 

野球週報2022 51

12月17日(土) 遂に秋季リーグ最終戦。引分けか勝てば2部残留、負ければ3部降格が決定。相手の小金井の先発は初対戦ですがこれまでリーグ戦で対戦したピッチャーでは最も球威があり変化球も鋭い。一番ライトで出場して第1打席は追い込まれながらセンター左に会心のヒット、二盗を決めて先制のホームイン。第2打席は二三塁でしたが追い込まれてから低目に落ちるスプリッターに空振り三振。さすがにレベルが高い球を投げる。それでも第3打席は今季一番の当りでセンター右に低いライナーで抜けるヒット。試合は負けて3部降格が決まりましたが、1部昇格の2チームには勝っているのでそんなに力の差はない。今年の公式戦は15試合で52打数22安打16盗塁、4割2分3厘で終了。来季に向けてのトレーニングを開始します。

12月18日(日) 休養日。休んでいられるのはこれが最後。

12月19日(月) 出勤日。

12月20日(火) 出勤日。

12月21日(水) ジムでラン4㎞、ウォーク1㎞。

12月22日(木) 出勤日。

12月23日(金) 出勤日。

 

21 タイガースvsグレートリング 15回戦

10月27日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タ軍 56勝44敗 0.560 若林忠志 
0 0 0 3 0 0 0 0 X 3 グ軍 64勝36敗2分 0.640 別所昭

勝利投手 別所昭   19勝12敗 
敗戦投手 若林忠志 2勝4敗

三塁打 (タ)藤村
本塁打 (グ)堀井数男 4号

勝利打点(グ)堀井数男 8


堀井が決勝スリーラン

 後楽園の第2試合は若林忠志と別所昭の先発で西宮に遅れること約3分、午後2時20分に池田球審の右手が上がりプレイボール。

 昨日代打で決勝打を放った別所は立ち上がりから走者を出しながら粘りのピッチング。

 タ軍は2回表、先頭の土井垣武がセンター右にヒット、一死後富樫淳の二ゴロをセカンド安井亀和がエラーして一死一三塁、富樫は一塁ベースを駆け抜ける際に足をくじいて代走に山口政信を起用、続く若林のスクイズは一邪飛となって失敗、長谷川善三も一邪飛に倒れて無得点。

 タ軍は3回表、一死後金田正泰がレフト線にヒット、しかし本堂保次の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 タ軍は4回表、先頭の藤村富美男監督が中越えに三塁打、しかし土井垣の投ゴロで藤村が飛び出しタッチアウト、後続も倒れて無得点。

 タ軍は守備では先発若林を援護する好プレーを連発。

 初回、河西俊雄の難しい飛球をセカンド本堂が好捕。3回には藤村と本堂が難ゴロを立て続けにファインプレー。

 4回も先頭の安井の難しいライナーをレフト金田がナイスキャッチ。しかし河西の二遊間への当りがヒットになると流れが変わり、二死後河西が二盗に成功、山本一人監督は敬遠されて二死一二塁、ここで堀井数男がレフトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで3-0とする。

 グ軍は6回裏も機動力で攻め、先頭の安井が三塁線に内野安打、河西が送りバントを決め、田川豊も三塁線にセーフティバントを決めて一死一三塁、山本は捕邪飛に倒れて二死一三塁、ここで田川がディレードスチール、タ軍守備陣は「2-4-3-5-6」と転送して田川はタッチアウト。

 タ軍は7回表、先頭の渡辺誠太郎の当りは遊ゴロ、これをショート宮崎仁郎がエラー、二死後長谷川のスウィングがミットに当たって打撃妨害、二死一二塁から呉昌征は一ゴロに倒れて無得点。

 タ軍は最終回、先頭の土井垣が当り損ねの捕前ゴロに触れてしまいイリーガルプレーでアウト、渡辺は三ゴロ、山口は三振に倒れてシャットアウト負け。

 別所昭は4安打1四球2三振で今季5度目の完封、19勝目をマークする。

 別所の投球数は86球、若林は81球で両軍合計167球であった。

 前半戦はタ軍が押し気味に試合を進めていたが、河西俊雄の二遊間ヒットで流れが変わり、堀井数男の一発で試合は決まった。
 6分前に西宮では巨人が勝っており、依然として5厘差でグ軍が首位の座をキープしている。しかしグ軍は巨人より消化試合数が4試合多く、負け数は1多く引分け数は同じであり、ペナントの行方は全く予断をを許さない状況である。

2022年12月25日日曜日

最少投球数記録

 昭和21年10月27日、阪急を2安打完封した藤本英雄が75球で最少投球数記録を更新した。

 当ブログとしては、あのコントロールが悪かった藤本が最少投球数記録を作るとは、感慨深い。

 

21年 阪急vs巨人 15回戦

10月27日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 51勝52敗2分 0.495 今西錬太郎 
0 0 0 0 0 0 4 1 X 5 巨人 61勝35敗2分 0.635 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄   20勝5敗 
敗戦投手 今西錬太郎 7勝8敗

二塁打 (巨)山川2
三塁打 (巨)黒沢

勝利打点(巨)山川喜作 1


藤本英雄2安打完封、野口二郎の連続安打途切れる

 西宮の第2試合は今西錬太郎と藤本英雄の先発で午後2時17分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は他チームより早く105試合目となる今季最終戦。巨人は8球団最少の98試合目で、ここからが正念場となる。

 藤本は今季最高とも言えるピッチングで4回までパーフェクトピッチング。5回二死後日比野武の中前打を許すが今西を三振に打ち取る。7回にも二死後野口明に右前打を許すが上田藤夫を遊ゴロに打ち取る。

 ここまで31試合連続安打の野口二郎は第1打席が二ゴロ、第2打席が一邪飛、第3打席が三ゴロと、藤本の投球に完全に差し込まれている。阪急は7回まで二人しか走者を出しておらず、三番打者の野口二郎には第4打席が回ってこない可能性もある。

 今西も好投を続け、6回まで2安打3四球無失点。今西のピッチングに呼応するように藤本も好投を続けた。

 巨人は7回裏、一死後林清一が右前打で出塁、藤本も左前打、山田潔は四球を選んで一死満塁、トップに返り呉新亨の二ゴロで三走林が本封されて二死満塁、ここで山川喜作がライト線をライナーで抜ける2点タイムリー二塁打、二死二三塁から千葉茂も左前に2点タイムリーを放ち4-0とする。

 巨人は8回表、黒沢俊夫が右超えに三塁打、一死後林の右犠飛で5-0とする。昨日活躍のベテランコンビでダメ押した。

 阪急は最終回、先頭の九番山田伝は左飛、トップに返り青田昇は二ゴロ、ネクストバッターズサークルで三番野口二郎が見つめる中、二番坂井豊司は中飛に倒れてゲームセット。この瞬間、野口二郎の連続安打記録は31試合で途切れたのである。

 藤本英雄は2安打無四球3三振で今季9度目の完封、20勝目をマークする。三者凡退が7度と、完全試合に近い投球であった。

 今西錬太郎も6回まで無失点の好投を続け、この投球が藤本の今季最高のピッチングを誘発したとも言える。その最大の被害者が野口二郎だったのである。

 阪急は105試合を終えて51勝52敗2分、勝率4割9分5厘で戦後復活初年度のシーズンを終了した。終戦後早い時期にチームの体勢を立て直し、シーズン前のオープン戦で好成績を収めたことから優勝候補の筆頭と言われ、シーズン当初は首位を走る成績であったが、他チームの陣容が整うに連れて順位を落としていった。この日の完封負けが今季15度目で最下位ゴ軍の14度をも上回る。投打に好選手を集めてはいるが、淡白な攻撃が敗因となるケースが多かった。

2022年12月21日水曜日

21年 セネタースvsゴールドスター 14回戦

10月27日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 セ軍 43勝56敗 0.434 白木義一郎 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 ゴ軍 41勝59敗2分 0.410 内藤幸三

勝利投手 白木義一郎 27勝20敗 
敗戦投手 内藤幸三    18勝25敗

二塁打 (セ)鈴木
三塁打 (ゴ)坪内

勝利打点(セ)大下弘 8


大下、6打席連続三振から勝利打点

 後楽園の第1試合は白木義一郎と内藤幸三の先発で午後零時35分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍は初回、二死後飯島滋弥が中前打で出場、しかし大下弘は三振に倒れる。

 大下は前日の試合で4打数4三振。これで一昨日最終打席から6打席連続三振となった。

 セ軍は4回表、先頭の飯島の当りは遊ゴロ、これをショート酒沢政夫が一塁に悪送球、大下の二ゴロで飯島は二進、大下は7打席連続三振を免れる。続く白木の投前バントで二走飯島に守備妨害が記録されてアウト、「雑記」蘭には説明が書かれていないが、考えられるのはピッチャー内藤からの三塁送球に飯島が故意に当たって守備を妨害したと判定されたのではないか。続く長持栄吉のセンターへの当りは抜けたかに見えたが坪内道則監督がファインプレーで防ぐ。

 セ軍は6回表、先頭の鈴木清一がレフト線に二塁打、一言多十の右飛で鈴木はタッチアップから三塁に進み、飯島は敬遠気味に歩かされて一死一三塁、内藤としては不振の大下と勝負する選択は間違いではなかったが、ここは大下が意地を見せて右前にタイムリーを放ち1点を先制、更に一二塁から白木が中前にタイムリーを放ち2-0とする。

 白木は6回まで西沢道夫の内野安打のみで1安打ピッチング。

 ゴ軍は7回裏、先頭の鈴木が四球を選んで出塁、一死後坪内が右中間にタイムリー三塁打を放ち1-2と1点差に迫るが、続く西沢の遊ゴロで坪内がホームに突っ込みショート鈴木からの送球にタッチアウト、清原初男も三ゴロに倒れて同点はならず。

 白木義一郎は4安打1四球3三振の完投で27勝目をあげる。前日丸山二三男が24勝目をマーク、本日の西宮では2分前に真田重蔵が24勝目をマークして白木に2勝差と迫ってきたが、この勝利で戦後復活初年度最多勝はほぼ確定的と言っていいのではないか。

 6打席連続三振と不振を極めていた大下がようやく目覚めた。シーズン終了に向けて、史上初の20本塁打達成なるか、見ものである。

2022年12月18日日曜日

21年 中部日本vsパシフィック 15回戦

10月27日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 中部 39勝58敗3分 0.402 松尾幸造 
0 0 0 0 3 0 0 0 X 3 パ軍 41勝56敗3分 0.423 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵 24勝23敗 
敗戦投手 松尾幸造   3勝16敗

二塁打 (中)三村

勝利打点(パ)木暮力三 3

真田が完投で24勝目

 第27節5日目 西宮の第1試合は松尾幸造と真田重蔵の先発で午後零時33分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、先頭の石田政良のスウィングがキャッチャー伊勢川真澄のミットに当たる打撃妨害で出塁、金山次郎は中前打、古川清蔵は四球を選んで無死満塁、一死後杉浦清監督の中犠飛で1点を先制する。

 松尾に抑え込まれてきたパ軍は5回裏、先頭の喜瀬正顕が三塁に内野安打、真田の三ゴロをサード三村勲が二塁に送球するが悪送球となって無死一二塁、キャッチャー藤原鉄之助の二塁牽制が悪送球となって無死二三塁、白石敏男が左前にタイムリーを放ち1-1の同点、木暮力三はキャッチャーファウルフライ、しかしこれを藤原が落球して記録はエラー、命拾いした木暮が右前にタイムリーを放ち2-1と逆転、一死一三塁から森下重好の三ゴロで三走白石も還り3-1とリードする。

 2回以降立ち直った真田重蔵は6安打4四球4三振、自責点ゼロの完投で24勝目をマークする。

 真田は最多勝の白木義一郎に2勝差と迫ったが、この試合の2分後に始まった後楽園のセ軍vsゴ軍戦は現在9回裏ゴ軍の攻撃中でセ軍が1点をリード、セ軍先発の白木が1点差を守り切れば27勝目となる。

 中部は5回に3失策で3点を失い最下位から抜け出せなかった。打線は8球団随一なだけに、投手力を含めた守備力を強化できるかが課題である。

熾烈な順位争い


 下位4球団による順位争いが熾烈を極めている。 

 10月26日現在の順位
 5位 セネタース   42勝56敗    4割2分9厘
 6位 パシフィック  40勝56敗3分 4割1分7厘
 7位 ゴールドスター 41勝58敗2分 4割1分4厘
 8位 中部日本    39勝57敗3分 4割0分6厘

 2ゲーム差内に4チームがひしめき合っている。

 セ軍は5位安泰と見られていたが、大下の不振が響いて下位3チームに急接近してきた。

 中部は一時断トツ最下位を独走していたが、8球団随一の打線が杉浦清監督に代わって生きてきた。

 パ軍とゴ軍は個性派集団の特性を生かしている。

 この4球団が10月27日に東西に分かれて激突する。この日の勝敗が順位争いに大きく影響しそうである。

野球週報2022 ㊿

12月10日(土) 12月までずれ込んだ秋季リーグ第6戦。相手の府中エルムスはプロ入り前の落合が所属していた東芝府中のOB主体のチームで、かつては1部優勝常連のチャンピオンチームですが今季は何故か2部に降格しています。このところ外反母趾がきつくなってきたので一番DHで出場。第1打席は四球から二盗に成功、二番の送りバントで三塁に進み、四番のタイムリーで先制のホームを踏む。チームは4対0で強豪エルムスに勝ち、来週の最終戦に2部残留を賭けて挑む。今年の公式戦は14試合で48打数20安打15盗塁。年間4割キープにはあと1本必要。疲労が蓄積すると外反母趾で左足親指付け根に痛みが出ますが、試合での走塁には影響なくここまで14試合で15盗塁。これをやるから外反母趾が悪化するのですがやめる訳にはいかない。

12月11(日) 最終戦を控えて休養日。これも重要。リーグ戦が終了したら来季に向けてのトレーニングを開始します。

12月12日(月) 出勤日。

12月13日(火) 出勤日。

12月14日(水) 天王洲アイルで品川ビッグスターズの練習。バッティング練習ではセンターへの当りが戻ってきた。

12月15日(木) 出勤日。

12月16日(金) 出勤日。

 

2022年12月14日水曜日

21年 巨人vs中部日本 13回戦

10月26日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 2 0 1 4 巨人 60勝35敗2分 0.632 中尾輝三 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 中部 39勝57敗3分 0.406 清水秀雄

勝利投手 中尾輝三 11勝8敗
敗戦投手 清水秀雄   1勝1敗

二塁打 (中)加藤

勝利打点(巨)黒沢俊夫 11

猛打賞 (巨)黒沢俊夫 8、林清一(4安打)3


黒沢、林の両ベテランが活躍

 西宮の第2試合は中尾輝三と清水秀雄の先発で午後2時34分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、先頭の呉新亨が三塁に内野安打、山田潔は中前打、千葉は四球を選んで無死満塁、川上哲治は遊飛に倒れるが、黒沢俊夫の右犠飛で1点を先制する。

 中部は1回裏、二死後古川清蔵の当りは三ゴロ、これをサード山川喜作が一塁に悪送球、続く小鶴誠はカウントワンボールツーストライクと追い込まれるが、4球目に古川が二盗に成功、ここでもキャッチャー多田文久三の悪送球があって古川は三進、カウントツーボールツーストライクとなって中尾は小鶴を歩かせ二死一三塁、杉浦清監督がレフト前にタイムリーを放ち1-1の同点とする。

 2回以降は両軍チャンスを作りながら併殺などで無得点が続く。

 巨人は7回表、一死後千葉が中前打で出塁、川上が右前打で続いて一死一二塁、黒沢の左前タイムリーで2-1と勝ち越し、二死後林清一も左前にタイムリーを放ち3-1とする。

 巨人は9回表、二死後黒沢が中前打、多田も中前打で続いて二死一三塁、林が左前にタイムリーを放ち4-1とする。

 中尾輝三は尻上がりに調子を上げ、6回以降は三者凡退の連続で締めて4安打2四球6三振、自責点ゼロの完投で11勝目をマークする。

 黒沢俊夫が3安打2打点、林清一が4安打2打点、昭和11年のプロ野球初年度から活躍を続けてきた二人の活躍でグ軍との優勝争いに踏み止まった。

 黒沢は翌年腸チフスに倒れて急死、背番号「4」は巨人史上初の永久欠番に指定されることとなる。

 林清一は翌年現役を引退し、永年の功績が認められて球団職員として球界に関与し続けることとなる。

2022年12月11日日曜日

21年 グレートリングvsセネタース 14回戦

10月26日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 1 0 0 0 3 0 6 グ軍 63勝36敗2分 0.636 黒尾重明 
0 2 1 0 0 0 0 0 0 3 セ軍 42勝56敗 0.429 丸山二三男

勝利投手 丸山二三男 24勝14敗 
敗戦投手 黒尾重明      9勝17敗

二塁打 (グ)安井、別所
三塁打 (セ)鈴木
本塁打 (グ)筒井敬三 4号

勝利打点(グ)別所昭 6

猛打賞 (グ)安井亀和 10、山本一人 13


戦後最初の“二刀流”

 後楽園の第2試合は丸山二三男と黒尾重明の先発で午後2時19分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍は初回、先頭の安井亀和がレフト線に二塁打、河西俊雄は二飛、田川豊は三振、安井が三盗に成功、山本一人監督が中前に先制タイムリーを放ち1-0とする。

 セ軍は2回裏、二死後一言多十が右前打で出塁、熊耳武彦も中前打で続き二死一二塁、黒尾の右前タイムリーで1-1の同点、一走熊耳は三塁に進んで二死一三塁、続く清水喜一郎の打席で黒尾がディレードスチール、キャッチャー筒井敬三がショート宮崎仁郎に送球して黒尾はタッチアウトとなったが、タッチより早く三走熊耳がホームを駆け抜け2-1と逆転する。記録は重盗片割れアウトで黒尾に盗塁失敗が記録されているので熊耳には本盗は記録されないが、好走塁であることには変わりはない。

 グ軍は3回表、先頭の筒井が前の回の守備の鬱憤を晴らす目の覚めるような一打をレフトスタンドに叩き込んで2-2の同点とする。

 セ軍は3回裏、一死後鈴木清一が右中間に三塁打、長持栄吉は四球を選んで一死一三塁、飯島滋弥は投邪飛に倒れて二死一三塁、打席にはこの5試合で19打数3安打、10月に入ってまだ1本塁打と当りが止まっている大下弘、2球目にダブルスチールを決めて3-2と勝ち越す。

 グ軍は4回表、田川、山本の連打でチャンスを作り、堀井数男の投ゴロの間に二者進塁して一死一三塁、岡村俊昭の二ゴロで三走田川がホームに突っ込み、セカンド清水がバックホームするがセーフ、野選が記録されて3-3の同点に追い付く。

 グ軍は8回表、二死後筒井が四球を選んで出塁、続く宮崎の2球目に筒井が二盗を決めると、グ軍ベンチは代打に別所昭を起用、別所が期待に応えて左中間に決勝のタイムリー二塁打を放ち4-3と勝ち越し、トップに返り安井は四球、河西が左前にタイムリー、田川も中前にタイムリーと畳みかけて6-3とリードして試合を決める。

 丸山二三男は6安打3四球7三振の完投で24勝目をマーク、白木義一郎に2勝差と迫り最多勝のタイトルが見えてきた。

 代打で決勝打を放った別所昭はこれで6個目の勝利打点を記録、戦後最初の「二刀流」である。

野球週報2022 ㊾

12月3日(土) 秋葉原のバッティングセンターで120㌔、縦カーブ、125㌔、120㌔。最後の打席のいい感じを残して本日は4打席で終了。

12月4(日) 素振り100本。

12月5日(月) 出勤日。帰宅後素振り50本。

12月6日(火) 出勤日。帰宅後素振り70本。

12月7日(水) 天王洲アイルで品川ビッグスターズの練習。バッティング練習では引っ掛けた当りが多くやや心配。

12月8日(木) 出勤日。

12月9日(金) 出勤日。 


2022年12月4日日曜日

21年 パシフィックvs阪急 15回戦

10月26日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 1 0 0 1 0  0  2 パ軍 40勝56敗3分 0.417 スタルヒン 
0 0 0 0 2 0 0 0 1X 3 阪急 51勝51敗2分 0.500 野口二郎

勝利投手 野口二郎  13勝14敗 
敗戦投手 スタルヒン 1勝1敗

二塁打 (パ)辻井、平野、小暮 (急)田中
本塁打 (パ)森下重好 5号、スタルヒン 1号

勝利打点(急)野口明 4

猛打賞 (パ)木暮力三 8 (急)野口明 7


宿命のライバル

 西宮の第1試合はスタルヒンと野口二郎の先発で午後零時38分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 パ軍は1回、2回と木暮力三、辻井弘がヒットでチャンスを作るが後続なく無得点。

 阪急は1回に敵失と野口明のヒット、3回は青田昇-坂井豊司の新一二番コンビの連打でチャンスを作るがあと1本が出ず無得点。

 パ軍は4回表、一死後主砲森下重好がレフトスタンドに第5号ホームランを叩き込んで1点を先制する。

 森下は5本塁打の内、野口二郎から3本塁打とカモにしている。

 阪急は4回裏、先頭の上田藤夫が四球で出塁、坂田清春のピッチャーを強襲する当りはセカンド松井信勝がバックアップして一塁アウト、一死二塁から鳥居兵治は三塁内野安打、二走上田は動けず一死一二塁、田中幸男は中飛、山田伝は二ゴロに倒れて無得点。

 阪急は5回裏、先頭の青田が左前打で出塁、坂井は遊飛に倒れ、続く野口二郎はスタルヒンが相手ということで力が入ったか第1打席は一邪飛、第2打席は中飛に倒れているが、青田が二盗を決めて一死二塁、野口二郎は走者を進めるバッティングで二塁方向に転がすとこれが内野安打となって31試合連続安打を達成、一死一三塁から野口明が右前にタイムリーを放ち1-1の同点、上田も右前にタイムリーで続き2-1と逆転に成功する。

 パ軍は7回表、一死後スタルヒンが戦後初ホームランをレフトスタンドに叩き込んで2-2の同点に追い付く。

 阪急は8回裏、一死後田中が左中間に二塁打、続く山田の左前打で田中は三塁ベースを蹴って決勝のホームを狙うが、レフト小暮からの送球をカットしたスタルヒンがキャッチャー伊勢川真澄に送球してタッチアウト、山田の二盗を伊勢川が阻止して無得点。

 パ軍は9回表、二死後スタルヒン、白石敏男の連打で一二塁のチャンスを作るが、小暮は右飛に倒れて無得点。

 阪急は9回裏、一死後坂井が右前打で出塁、続く野口二郎の初球に坂井が二盗に成功、野口二郎はここも右方向に打つが今度はフライとなって二飛で二死二塁、野口明がライト線にヒットを放ち、このところ活躍が目立つ坂井が三塁ベースを蹴ってサヨナラのホームを踏む。

 野口二郎は11安打を打たれながら無四球1三振で完投、13勝目をマークする。

 スタルヒンは8回3分の2を投げて13安打2四球2三振。

 野口二郎とスタルヒンの先発対決は戦前に9度あり、スタルヒンが5勝4敗、野口二郎が3勝5敗(勝ち負けなしが1度ある)であった。この日は10度目の先発対決で勝敗は5分となった。投球スタイルは変わったが、戦後になっても宿命のライバル同士の対決は続く。

野球週報2024 ㊽

11月26日(土) 秋季リーグ第七戦はグラウンドコンディション不良のため中止。ということで、ジムでViPR、体幹、筋トレ、有酸素のフルコース。

11月27(日) 秋葉原のバッティングセンターで121㌔、130㌔、カーブ、スライダー、スライダー。変化球を多めに打ち込みました。

11月28日(月) 出勤日。

11月29日(火) 出勤日。

11月30日(水) 南埠頭で品川ビッグスターズの練習。バッティング練習では左中間、ライトに鋭いライナーの連発。バッティングの状態は最高潮。今季は春季リーグ戦がコロナの影響で遅れ、夏は酷暑で中断し秋までもつれ込み、休みなしで秋季リーグに突入しましたが雨が多く12月にまだ2位試合残している。今年の公式戦はここまで13試合で46打数19安打、打率4割1分3厘。残り2試合で3本打てば年間4割を確保できる見込み。最後の調整を抜かりなく。

12月1日(木) 出勤日。

12月2日(金) 出勤日。

 

2022年12月3日土曜日

21年 ゴールドスターvsタイガース 15回戦

10月26日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 1 0 0 0 0 0 0 3 ゴ軍 41勝58敗2分 0.414 清原初男
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 タ軍 56勝43敗 0.566 野崎泰一 渡辺誠太郎

勝利投手 清原初男 2勝2敗 
敗戦投手 野崎泰一 7勝12敗

二塁打 (ゴ)坂本 (タ)渡辺
本塁打 (ゴ)坪内道則 1号

勝利打点(ゴ)坪内道則 6


坪内が戦後初本塁打

 第27節4日目、後楽園の第1試合は清原初男と野崎泰一の先発で午後零時33分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 ゴ軍は初回、一死後大友一明が左前打で出塁、坪内道則監督の右への打球は意外に伸びてライトスタンド人入り、戦後初ホームランとなって2点を先制する。

 タ軍は1回裏、先頭の呉昌征が一塁線にドラッグバントを決めて出塁、金田正泰の二ゴロで呉は二封、本堂保次の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 タ軍は2回裏、一死後土井垣武が中前打で出塁、宮崎剛のバントはピッチャー正面に転がり清原から二塁に送球されて土井垣は二封、宮崎がディレードスチールを試みるが清原からショート酒沢政夫に送球されてタッチアウト。

 タ軍は序盤、機動力が空回りした。

 ゴ軍は3回表、先頭の中村信一が四球で出塁、トップに返り酒沢の右前打で無死一三塁、酒沢は二盗に失敗するが、大友が四球を選んで一死一三塁、坪内が死球を受けて一死満塁、西沢道夫の三ゴロをファースト本堂保次が落球する間に三走中村が還って3-0とする。

 タ軍は4回裏、二死後本堂が四球で出塁、藤村富美男監督の右前打で一二塁、土井垣が左前にタイムリーを放ち1-3と追い上げる。

 タ軍はこの後も走者を出すがあと1本が出ず無得点が続く。

 タ軍は7回からリリーフの渡辺誠太郎が8回、9回とピンチを併殺で切り抜けこちらも無失点。

 タ軍は8回裏、一死後金田、本堂の連打でチャンスを迎えるが、藤村は中飛、土井垣も二飛に倒れて無得点。

 タ軍は最終回も先頭の渡辺が左中間に二塁打を放ってチャンスを作り、代走に戦後初出場となる武智修を送り反撃体勢に入るが、21日に猛打賞と当たっている富樫淳は中飛、、勝負強い高山泰夫は珍しい投邪飛、長谷川善三はストレートの四球で歩いて二死一二塁、トップに返り呉昌征は中飛に倒れてゲームセット。

 清原初男は8安打を打たれながら3四球3三振の完投で2勝目をマーク、最終回にファウルフライを自らキャッチしたように、最後まで気合で投げ抜いた。

 タ軍はよく粘って反撃を試みたが、序盤の拙走が最後まで響いた。

 坪内は戦後初ホームランをライトスタンドに叩き込んでこれが決勝打となった。坪内は第2打席で今季7個目の死球を受けて戦後復活初年度死球王の座を確定的にした。内角球を恐れずに最後までボールを見極めるため、右への打球も鋭い。内角球を恐れて体が早く開くとピッチャーにとっては思う壺で外角の変化球で簡単に打ち取ることができる。最後までボールを見極める打者は打率が高くなるのである。

 戦後の実例で説明しよう。1989年の「10.19」で高沢が阿波野から同点ホームランを打って近鉄の夢を砕いたことはよく知られているが、高沢がホームランを打つ前の投球で阿波野の内角に食い込んでくるスライダーを体を開かずに見極めたシーンを覚えている人は少ない。筆者はこの瞬間「こりゃ打つぞ」と呟いたが、次の球をレフトスタンドに叩き込んだ。このホームランは外へ逃げるチェンジアップを引っ張ってレフトスタンドに運んだものであるが、この一打の伏線はその前の内角体の近くに食い込んできたスライダーを体を開かず右に回転するように最後まで見極めて見逃したことにあったのである。あれを体を開いて腰を引いていたら、次のチェンジアップを引っ掛けて凡打となり近鉄が優勝していた可能性が高い。高沢はこの年首位打者に輝いたが、ボールを正しく見極めていたからでしょう。これこそがバッティングの極意。

野球週報2023 ㊼

11月19日(土) 秋葉原のバッティングセンターで120㌔、130㌔、スライダー、130㌔、縦カーブ。

11月20(日) 秋葉原のバッティングセンターで120㌔、縦カーブ、125㌔、130㌔、スライダー。二日連続の打ち込み。低目の縦カーブは切れ味鋭く練習には持ってこい。バッティングの調子は明らかに上向いている。

11月21日(月) 出勤日。

11月22日(火) 出勤日。

11月23日(水) 休養日。

11月24日(木) 出勤日。

11月25日(金) 出勤日。