2023年6月25日日曜日

22年 阪急vs大阪 2回戦

4月22日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 1 0 0 0 0 0 0 2  0  3 阪急 1勝3敗 0.250 森弘太郎 天保義夫 
0 3 0 0 0 0 0 0 0 1X 4 大阪 3勝1敗 0.750 武智修 若林忠志

勝利投手 若林忠志 1勝1敗 
敗戦投手 天保義夫 0勝2敗

二塁打 (急)野口明、下社、野口二郎 (大)土井垣
三塁打 (大)呉昌征

勝利打点 なし


サヨナラワイルドピッチ

 開幕週最終日、甲子園の第2試合は森弘太郎と武智修の先発で午後3時16分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は2回表、先頭の野口明がセンターオーバーの二塁打、坂井豊司の中前タイムリーで1点を先制する。下社邦男が送りバントを決め、日比野武の左前打で一死一三塁と追加点のチャンス、しかし荒木茂の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 大阪は2回裏、先頭の本堂保次が左前打で出塁、土井垣武がレフト線にタイムリー二塁打を放ち1-1の同点、富樫淳の三遊間ヒットで無死一三塁、富樫が二盗を決め、キャッチャー日比野からの送球を受けたセカンド荒木は三走土井垣のリードを見て三塁に送球するが悪送球となり、土井垣が生還して2-1と逆転、この間に富樫は三塁に進み、一死後長谷川善三がスクイズを決めて3-1とリードする。

 阪急は4回表、先頭の野口明が右前打を放つが、坂井の三ゴロが「5-4-3」と渡りゲッツー。

 阪急は6回表、先頭の青田昇が中前打を放つが、野口明の二ゴロが「4-6-3」と渡ってこの日3つ目のダブルプレー。

 大阪は7回裏、先頭の呉昌征がセンター左奥に三塁打を放ち追加点のチャンスを作るが後続なく無得点。

 大阪は8回裏、本堂、土井垣の連打で無死一二塁のチャンスを作るが、拙い走塁もあってゲッツーでチャンスを潰す。

 阪急は9回表、一死後下社がレフトに二塁打、日比野が左前にタイムリーを放ち2-3、鈍足の日比野に代わって代走のスペシャリスト西村正夫監督を起用、更に安井鍵太郎に代わる代打野口二郎が左中間に同点のタイムリー二塁打を放ち3-3と追い付く。日比野では還れなかったかもしれない。大阪ベンチはここで先発の武智に代わって若林忠志監督が登板、後続を抑える。

 阪急ベンチも動いて9回から先発の森に代えて天保義夫をマウンドに送る。

 大阪は10回裏、先頭の山口政信が左前打で出塁、藤村富美男が中前打で続いて無死一二塁とサヨナラのチャンス、本堂が送りバントを決めて一死二三塁、土井垣は四球、そのフォアボール目の投球がワイルドピッチとなって大阪がサヨナラ勝ち。

 開幕週最終日は後楽園の第1試合、甲子園の第1試合に続いてこの日3度目のサヨナラゲームとなった。

 サヨナラワイルドピッチの天保義夫は戦時中の指の怪我でナックルボール主体のピッチングとなり暴投もある。1949年、50年と2年連続リーグ最多暴投を記録することにもなるが、そのナックルボールで5年連続二桁勝利をマークすることとなる。

 阪急は敗れはしたが9回には代打、代走策がズバリ的中。今期から浜崎真二が総監督に就任するが、浜崎の自伝「48歳の投手・マウンドへ 球界彦左自伝」によると、浜崎がチームに合流するのは6月からとのことなので、西村を代走に送った采配は西村正夫監督が「代走オレ」と指示したものである。西村正夫は代走のスペシャリストとして健在であるが、浜崎真二も選手登録されて、秋には45歳でプロ初登板初勝利を記録することとなる。

2023年6月24日土曜日

野球週報2023 ㉓

6月4日(日) 秋葉原のバッティングセンターで120㌔、130㌔、130㌔、スライダー。その後ロッテ葛西ゴルフに移動して70球。

6月5日(月) 出勤日。

6月6日(火) 出勤日。

6月7日(水) 天王洲アイルのグラウンドで品川ビッグスターズの練習。

6月8日(木) 出勤日。

6月9日(金) 出勤日。

6月10日(土) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、130㌔、130㌔。その後ロッテ葛西ゴルフに移動して70球。


22年 東急vs巨人 2回戦

4月22日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 0 2 0 0 0  0  2 東急 2勝3敗 0.400 白木義一郎 
0 0 0 0 0 0 0 0 3X 3 巨人 2勝2敗 0.500 川崎徳次

勝利投手 川崎徳次     1勝1敗 
敗戦投手 白木義一郎 0勝2敗

二塁打 (東)長持 (巨)川上

勝利打点(巨)内堀保 1


生え抜き内堀がサヨナラ打

 開幕週最終日、後楽園の第1試合は白木義一郎と川崎徳次の先発で午後1時12分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、先頭の鈴木清一が死球を受けて出塁、一言多十の中飛に鈴木が戻れずセンター平山菊二からの一塁送球でダブルプレー。

 巨人は2回裏、先頭の川上哲治が左前打で出塁、平山も左前打で続き無死一二塁と先制のチャンス、しかし一死後川崎の三ゴロをサード大沢喜好がベースを踏んで一塁送球、ダブルプレーでチャンスを潰す。

 ここは大沢の好プレーが光ったが、終盤皮肉な結果が訪れる。

 東急は5回表、先頭の長持栄吉がセンター右奥に二塁打、一死後白木の中前タイムリーで1点を先制、二死後清水喜一郎が四球を選んで一二塁、トップに返り鈴木が右前にタイムリーを放ち2-0とする。

 白木は8回まで巨人打線を4安打無得点に抑える好投。

 巨人は最終回、二死後川上がレフトに二塁打、平山は遊ゴロに倒れてゲームセット、と思われた瞬間、7回の守備からショートに替わっていた大沢がエラー、二走川上がホームに還って1-2、平山の代走に呉新亨を起用、中島治康に代わる代打小松原博喜も遊ゴロで今度こそゲームセット、と思われた瞬間大沢が連続エラー、二死一二塁となって小松原の代走に古家武夫を起用、川崎がレフト線に同点タイムリーを放ち2-2と追い付き、最後は内堀保がライト線にサヨナラ打を放ち巨人が逆転サヨナラ勝ち。

 川崎徳次は6安打4四球1死球2三振の完投で2勝目をマークする。

 後に「塀際の魔術師」と呼ばれることとなる外野守備の名手平山菊二は開幕週で3つの補殺を記録した。塀際の飛球を捕る名人と言われるが、肩でも好プレーを連発する。要は、守備のセンスに優れているのである。

 サヨナラ打を放った内堀保は昭和10年の第一回アメリカ遠征から参加した生え抜きで、昨年9年ぶりにグラウンドに復帰して今季は武宮敏明との併用でマスクを被る。戦後巨人の低迷は捕手を固定できなかったことも一因であり、藤原鉄之助、広田順の加入により常勝球団に復活するのはもう少し先のこととなる。

2023年6月21日水曜日

野球週報2023 ㉒

5月28日(日) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、130㌔、130㌔。混んでたので3セットで切り上げてロッテ葛西ゴルフに移動して70球。

5月29日(月) 出勤日。

5月30日(火) 出勤日。

5月31日(水) 出勤日。

6月1日(木) 出勤日。

6月2日(金) 出勤日。

6月3日(土) ジムでViPR、体幹、筋トレ、有酸素のフルコース。秋に向けてのトレーニング再開。


2023年6月17日土曜日

22年 太陽vs近畿 2回戦

4月22日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 1 0 0 0 2 0 0  0  3 太陽 1勝3敗 0.250 スタルヒン 真田重蔵 
0 0 0 0 0 1 1 1 1X 4 近畿 3勝1敗 0.750 別所昭

勝利投手 別所昭     2勝0敗 
敗戦投手 真田重蔵 0勝1敗

二塁打 (太)藤井 (近)岡村

勝利打点(近)岡村俊昭 1


岡村がサヨナラ打

 開幕週最終日、甲子園の第1試合はスタルヒンと別所昭の先発で午後1時10分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は2回表、先頭の四番中谷順次が四球で出塁、森下重好の右前打で無死一二塁、伊勢川真澄の投ゴロを別所は三塁に送球するが中谷の足が早くセーフ、サード山本一人監督が一塁に送球してアウトとなり一死二三塁、平野徳松の二ゴロの間に三走中谷が還って1点を先制する。

 近畿は5回まで毎回走者を出すが無得点。前半戦は1点ビハインドの近畿が押し気味に試合を進める。

 太陽は6回表、一死後トップの辻井弘が中前打で出塁するとワイルドピッチで二進、荒川昇治の二ゴロが進塁打となって二死三塁、藤井勇がセンター左後方にタイムリー二塁打を放ち2-0、中谷の二ゴロをセカンド安井亀和がエラーする間に二走藤井が還って3-0とリードを広げる。

 近畿は6回裏、先頭の河西俊雄の当りは遊ゴロ、これをショート平野が一塁に悪送球、田川豊の右前打で一死一三塁、山本の三塁後方ファウルグラウンドの飛球をサード中谷が後ろ向きで捕球、これを見た三走河西がタッチアップからホームに還り1-3とする。山本には打点が記録された。太陽ベンチはスタルヒンを下げて真田重蔵をリリーフに送り後続を退ける。

 現在の公認野球規則では「無死または一死で走者がいる際に、打者が外野に飛球またはライナーを打ち、外野手もしくは外野まで廻り込んだ内野手がこれを捕球後、走者が本塁に達した場合に犠牲フライが記録される」と規定されている。この規則だと山本の三邪飛で河西が生還して山本に打点が記録されても「犠飛」にはならない。但し、当時は「犠飛」が公式記録ではなかったので、当ブログでは内野飛球でも「犠飛」として実況してきた(例:2014年2月25日実況「16年黒鷲vs阪神7回戦」での「二邪犠飛」等)。もはや戦前ではないので、今後は現代ルールに照らして実況する。

 太陽ベンチは7回の守備からショートを平野から蔵本光夫に交代する。

 近畿は7回裏、先頭の坂田清春の当りは遊ゴロ、これを代わったばかりの蔵元がエラー、朝井昇は右前打、トップに返り安井が送りバントを決めて一死二三塁、河西は遊ゴロ、これも蔵元がタイムリーエラーして2-3とする。

 近畿は8回裏、先頭の飯田徳治がストレートの四球で出塁、堀井数男に代わる代打岡村俊昭が死球を受けて一二塁、キャッチャー伊勢川真澄の二塁牽制が悪送球となって二三塁、別所は四球を選んで無死満塁の大チャンス、ここで坂田が二前にスクイズ、これが内野安打となって3-3の同点、ここは真田が踏ん張って同点止まり。

 近畿は最終回、先頭の田川が四球で歩くと二盗に成功、山本は左飛、飯田も左飛で二死二塁、ここも真田が踏ん張るかと見えたが、岡村がレフト線にサヨナラ二塁打を放ち近畿が逆転勝ち。

 別所昭は3安打2四球3三振の完投で2勝目をマークする。

野球週報2023 ㉑

5月21日(日) 休養日。

5月22日(月) 出勤日。

5月23日(火) 出勤日。

5月24日(水) 天王洲アイルのグラウンドで品川ビッグスターズの練習。

5月25日(木) 出勤日。

5月26日(金) 出勤日。

5月27日(土) 休養日。足の痛みが抜けないのでリーグ戦終了後は無理しない。 


2023年6月14日水曜日

22年 東急vs中日 1回戦

4月21日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 計
0 0 4 1 0 0 0 5 東急 2勝2敗 北川桂太郎
0 0 0 1 0 0 0 1 中日 2勝2敗 久野勝美 服部受弘

勝利投手 北川桂太郎 1勝0敗 
敗戦投手 久野勝美    0勝1敗

二塁打 (東)大下2 (中)岩本

勝利打点(東)大下弘 1


大下弘、左方向へ二塁打2本

 開幕週第4日は後楽園で1試合のみ。

 この日は東西で雨に見舞われた。気象庁ホームページのデータによると神戸地方は7ミリの雨で、前日の気温18度から11度と冬並みの寒さ。東京地方も11.5ミリの雨であったが、北川桂太郎と久野勝美の先発で午後1時15分、島球審の右手が上がりプレイボール。通常であれば午後1時プレイボールであるが、雨模様で様子を見ていたことから開始時間が少し遅れたのであろう。

 東急は初回、先頭の鈴木清一が四球を選んで出塁、しかしサウスポー久野の牽制にタッチアウト、一言多十が右前打、飯島滋弥が四球を選んで一死一二塁、しかし大下弘は二飛、長持栄吉は二ゴロに倒れて無得点。

 中日は1回裏、先頭の岩本章が右中間に二塁打、二死後小鶴誠は四球、そのフォアボール目に岩本が三盗を決めて二死一三塁、ここでダブルスチールを敢行するがキャチャー熊耳武彦からの送球をキャッチしたセカンド清水喜一郎がホームに送球して三走岩本はタッチアウト。

 東急は3回表、一死後一言が左前打で出塁、飯島の右前打で一三塁、ここで大下が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制、長持の中前タイムリーで2-0、送球の間に長持は二塁に進んで一死二三塁、熊耳の三塁線タイムリーで3-0、中日ベンチはここで久野から服部受弘にスイッチ、北川の遊ゴロをショート杉浦清監督がエラーして4-0とする。

 東急は4回表、先頭の鈴木が左前打で出塁、一言の一ゴロの間に鈴木は二進、飯島は四球を選んで一二塁、大下がレフト線にライナーでタイムリー二塁打を放ち5-0と突き放す。

 中日は4回裏、先頭の古川清蔵が四球で出塁、小鶴の右前打で無死一三塁、杉浦の三ゴロで小鶴が二封される間に三走古川が還って1-5とする。

 東急の8回表の攻撃は三者凡退。

 中日は8回裏、藤原鉄之助の代打清水秀雄が四球で出塁、代走に杉江文二を起用、服部は中前打、トップに返り岩本は四球を選んで無死満塁、東急ベンチはここで好投を続けてきた北川から白木義一郎にスイッチ、金山次郎の三ゴロの間に三走杉江が還って2-5と追い上げ開始、ところがここで雨が強まり7回コールドゲーム。

 8回の両軍の記録は全て取り消され、東急が5対1での勝利となった。

 北川桂太郎は7回を2安打3四球2三振に抑えてプロ入り初勝利を飾る。8回に白木のリリーフを仰いだがコールドゲームのため記録には残らず、7回完投勝利であった。北川は島田商業時代、同学年の鈴木清一と共に1941年センバツに出場した。本日2安打の活躍で北川のプロ初勝利をアシストした一言多十も島田商業の4年先輩となる。

 大下弘が左方向にタイムリー二塁打を2本放った。大下は昨年20本塁打の新記録を作ったが、三振が多く引っ張るだけのバッティングは評論家から批判の的になった。18号から一月本塁打が出ず、19号から半月後に放った20本目は初めて左方向への本塁打であった。昨シーズン終盤から大下の打撃は変わった。今季は首位打者を獲るであろう。逆方向に強い打球を打つ打法は、大谷に通ずるものがある。奇しくも大谷の2023年第20号は、大下の1946年第20号と同じく左方向への一発であった。

2023年6月12日月曜日

野球週報2023 ⑳

5月14日(日) ジムでバイク10㎞、ラン2㎞、ウォーク1㎞。

5月15日(月) 出勤日。

5月16日(火) 出勤日。

5月17日(水) 天王洲アイルのグラウンドで品川ビッグスターズの練習。

5月18日(木) 出勤日。

5月19日(金) 出勤日。

5月20日(土) 休養日。

 

2023年6月11日日曜日

22年 中日vs巨人 2回戦

4月20日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 1 0 0 0 1 0 1 0  0   5   8 中日 2勝1敗 清水秀雄 藤本英雄 
0 0 0 0 0 0 2 1 0  0   0   3 巨人 1勝2敗 中尾輝三 宮下信明

勝利投手 藤本英雄 1勝1敗 
敗戦投手 宮下信明 0勝1敗

二塁打 (中)小鶴、山本 (巨)田中、黒沢
本塁打 (巨)千葉茂 1号

勝利打点(中)三村勲 1


藤本が移籍後初勝利

 開幕週3日目、日曜の後楽園は26,507人の観衆を集めた。

 第2試合は藤本英雄と中尾輝三の先発で午後3時22分、沢球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は2回表、一死後杉浦清監督が左前打で出塁、加藤正二の右前打で一死一三塁、ワイルドピッチで三走杉浦が還って1点を先制する。

 中日は3回表、先頭の藤原鉄之助が右前打で出塁、しかし中尾の一塁牽制に釣りだされ「1-3-4」と渡ってタッチアウト、岩本章は四球で出塁、しかし岩本も中尾の牽制に引っ掛かり「1-3-4-1」と渡ってタッチアウト。

 中尾はこの試合で補殺を2個記録したが、投ゴロはゼロで牽制による2つであった。

 中日は4回表、先頭の古川清蔵が四球で出塁、一死後杉浦の右前打で古川は三塁に進み一死一三塁、加藤の中飛で古川はタッチアップからスタートを切り、センター平山菊二からの返球を中継したファースト川上哲治がキャッチャー多田文久三に送球、間に合わないと見て古川は三塁に戻るが多田はサード山川喜作に送球、最後は山川からショート田中資昭に転送されてタッチアウト。

 中日は6回表、二死後古川がレフト線にヒット、古川が二盗に成功、5回から多田に代わってマスクを被る武宮敏明の悪送球があって古川は三塁に進み、小鶴が四球を選んで二死一三塁、ここで小鶴がディレードスチール、武宮は二塁ベースカバーのショート田中に送球するが小鶴は一二塁間に挟まれ、田中が小鶴を深追いする間に三走古川が還って2-0とする。小鶴は一塁でタッチアウトとなったので古川に本盗は記録されないが、戦前から活躍する古川、小鶴とルーキーコンビ武宮、田中とのキャリアの差が出たプレーであった。

 巨人ベンチは7回から武宮をベンチに下げて内堀保を3人目のキャッチャーとして起用。

 6回まで清水に無得点に抑え込まれてきた巨人は7回裏、先頭の田中がレフト線に二塁打、トップに返り山川が送って一死三塁、黒沢俊夫は三振に倒れて二死三塁、ここで千葉茂がレフトスタンドに同点ツーランを叩き込み2-2と追い付く。

 中日は8回表、先頭の清水がストレートの四球で出塁、代走に上林繁次郎を起用、藤原も四球を選んで無死一二塁、トップに返り岩本に代わる代打大沢清は三振、金山次郎に代わる代打服部受弘は四球を選んで一死満塁、ここで巨人ベンチは先発の中尾から宮下信明にスイッチ、続く古川が投前にスクイズを決めて3-3と勝ち越す。

 後に政界に進出することとなる上林繁次郎のプロデビューは代走から得点を記録するものであった。古川のスクイズは「1-2-3」でアウトと記録されている。ピッチャー宮下が本塁送球したが間に合わずキャッチャー内堀からの一塁転送が間に合ったということは、三走上林のスタートが良かったからであろう。

 清水に代走を送った中日ベンチは8回から二番手として藤本英雄をマウンドに送る。

 巨人は8回裏、先頭の平山が右前打で出塁、代走に呉新亨を起用、一死後内堀が右前打、宮下は四球を選んで一死満塁、田中の中犠飛で3-3の同点に追い付く。

 中日は9回表、先頭の杉浦が四球で出塁するがキャッチャー内堀からの牽制に刺され、杉江文二の当りは遊ゴロ、これをショート田中がファンブルして打球は中前に抜け、杉江は二塁を狙うがセンター呉新亨からの好返球にタッチアウト、三村は四球で出塁するが、藤本の遊ゴロに二封されてスリーアウトチェンジ。

 巨人は9回裏、先頭の黒沢がレフト線に二塁打を放ってサヨナラのチャンス、千葉が上手く右に打つ一ゴロで黒沢は三進、川上は四球から二盗を決めて一死二三塁、しかし呉新亨の左飛は浅く黒沢はスタートできず、中島治康は右飛に倒れて試合は延長へ進む。

 中日は11回表、先頭の小鶴がセンター左奥に二塁打、杉浦は四球、杉江は一邪飛に倒れて二死一二塁、三村が右前にタイムリーを放ち4-3と勝ち越し、杉浦は三塁に進んで一死一三塁、藤本の右犠飛で5-3、藤原鉄之助は四球、笠石徳五郎も四球を選んで二死満塁、ここで山本尚敏が左越えに試合を決める走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ちこの回5点、8-3と大きくリードする。

 藤本英雄はリリーフ直後はピリッとしなかったが、10回、11回と巨人打線を三者凡退に抑え込み、移籍後初勝利を古巣からマークする。

野球週報2023 ⑲

5月7日(日) 休養日。

5月8日(月) 出勤日。

5月9日(火) 出勤日。

5月10日(水) 天王洲アイルのグラウンドで品川ビッグスターズの練習。

5月11日(木) 出勤日。

5月12日(金) 出勤日。

5月13日(土) 春季リーグ第7戦は対井草戦。2試合無安打が続きましたが第3打席でセンター前タイムリー。


2023年6月10日土曜日

22年 近畿vs太陽 1回戦

4月20日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 3 0 0 0 2 2 9 近畿 2勝1敗 丸山二三男
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 太陽 1勝2敗 湯浅芳彰 井筒研一

勝利投手 丸山二三男 1勝0敗 
敗戦投手 湯浅芳彰    0勝1敗

二塁打 (太)平野
三塁打 (近)丸山

勝利打点(近)丸山二三男 1

猛打賞 (近)堀井数男 1、朝井昇 1


盗塁ゼロの近畿機動力野球

 今季最初の日曜日。甲子園には17,240人の観客が詰めかけた。

 第2試合は丸山二三男と湯浅芳彰の先発で午後3時15分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 昨日3イニングで降板した丸山は2試合連続先発となる。

 近畿は2回表、一死後堀井数男が左前打で出塁、丸山がセンター左奥にタイムリー三塁打を放ち1点を先制、二死後朝井昇の左前タイムリーで2-0とする。

 太陽はその裏、先頭の中谷順次が左前打で出塁、二死後平野徳松が右中間にタイムリー二塁打を放ち1-2と追い上げる。しかし三塁を欲張った平野はライト田川豊からの送球を中継したセカンド安井亀和の三塁送球にタッチアウト。

 近畿は4回表、一死後坂田清春が右前打で出塁、朝井の左前打で坂田は三塁に進み、送球の間に打者走者の浅井も二塁を陥れて一死二三塁、トップに返り安井は四球を選んで一死満塁、太陽ベンチは先発の湯浅から井筒研一にスイッチ、続く河西俊雄の当りは三遊間への緩いゴロ、三塁に向かう二走朝井が守備妨害を取られてアウト、ホームに駆け込んだ三走坂田は戻されて二死満塁、田川が右前にタイムリーを放ち3-1、山本一人監督が右前に2点タイムリーを放ち5-1と突き放す。

 近畿は8回表、先頭の坂田が右前打で出塁、朝井が3本目のヒットを中前に放って一二塁、トップに返り安井が四球を選んで無死満塁、河西の三ゴロはサード中谷がベースを踏んで二走朝井は三封、この間に三走坂田がホームに還って6-1、一死一二塁から田川の二ゴロは「6-4-3」と転送されるがショート平野の一塁送球が悪送球となり二走安井がホームに還って7-1とする。

 近畿は9回表、先頭の飯田徳治が左前打で出塁、堀井の中前打で飯田は三塁を狙うがセンター荒川昇治からの三塁送球にタッチアウト、この間に打者走者の堀井は二塁に進み、丸山の左前タイムリーで8-1、送球の間に打者走者の丸山は二塁に進み、坂田に代わる代打筒井敬三の遊ゴロの間に丸山は三進、朝井に代わる代打小林悟楼の打席で伊勢川真澄が捕逸を犯して三走丸山が還り9-1として圧勝する。

 丸山二三男は6安打4四球2三振の完投で今季初勝利をあげて昨日の雪辱を果たす。

 近畿の盗塁数は「ゼロ」であったが、試合経過のとおり常に次の塁を狙う積極的な走塁が随所に見られた。南海ホークス伝統の機動力野球は盗塁数だけで語られるものではないのである。これはスコアカードを追わなければ理解できない。

 昨日デビューした荒川昇治はセカンドに起用されたが、本日は9回の守備から森下重好に代わりセンターに入って補殺を記録した。荒川は内外野をこなすユーティリティープレイヤーからキャッチャーにコンバートされて名捕手と呼ばれることになる。捕手としてのシーズン最多盗塁記録保持者として知られ、昭和25年の松竹水爆打線ではリーグ最多三塁打を記録するなど運動能力に優れたプレイヤーであるが、早くもその片鱗を見せつけた。

2023年6月8日木曜日

22年 大阪vs阪急 1回戦

4月20日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 3 5 0 1 0 0 0 1 12 大阪 2勝1敗 御園生崇男 野崎泰一
1 1 0 0 0 1 0 1 0  4  阪急 1勝2敗 野口二郎 溝部武夫 明石武

勝利投手 御園生崇男 1勝0敗 
敗戦投手 野口二郎    0勝1敗 
セーブ    野崎泰一  1

二塁打 (大)富樫、御園生 (急)田中
三塁打 (大)呉

勝利打点(大)藤村富美男 1


金田正泰復帰

 開幕週3日目、甲子園の第1試合は御園生崇男と野口二郎の先発で午後1時丁度、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、一死後塚本博睦が左前打で出塁、山口政信も左前打で続いて一二塁、藤村富美男監督が中前に先制タイムリーを放ち1-0、一走山口は三塁に進み、本堂保次の左犠飛で2-0とする。

 阪急は1回裏、先頭の田中幸男がレフト線に二塁打、一死後青田昇の左前タイムリーで1-2とする。

 大阪は2回表、先頭の富樫淳が右中間に二塁打、御園生の左越えタイムリー二塁打で3-1、続く長谷川善三の投ゴロは「イリーガルプレイ」でアウトと記録されているので守備妨害が宣告されたようだ。トップに返り呉昌征の二ゴロをセカンド荒木茂がエラーして一死一三塁、呉が二盗を決めて二三塁、塚本の右前2点タイムリーで5-1とリードを広げる。

 阪急は2回裏、先頭の野口明が左中間に三塁打、一死後日比野武の左前タイムリーで1点を返す。

 阪急は3回から野口二郎をベンチに下げて溝部武夫がマウンドに上がる。

 大阪は3回裏、先頭の本堂の当りは遊ゴロ、これをショート田中がエラー、土井垣武は四球、富樫の左前打で無死満塁、ここから溝部は全くストライクが入らなくなり御園生、長谷川、呉昌征、塚本と4連続押出し四球、この間ストライクは2球だけ、阪急ベンチはここで溝部からプロ入り初登板の明石武にスイッチ、山口の三ゴロ併殺の間に三走長谷川が還って10-2とする。

 大阪は5回表、呉と山口の四球で二死一二塁、本堂の右前タイムリーで11-2とする。
 大阪は6回から御園生が降板して野崎泰一がマウンドに上がる。

 阪急は6回裏、青田と明石の連打で一二塁、野口明の二遊間タイムリーで3-11とする。

 阪急は8回裏、一死後明石が中前打、坂井豊司も左前打で一二塁、野口明は四球を選んで一死満塁、坂元義一に代わる代打下社邦男が押出し四球を選んで4-11とする。

 大阪は最終回、先頭の呉がセンター左奥に三塁打、金田正泰の左犠飛で12-4として快勝する。

 昨年の首位打者金田正泰は今季3試合目で途中出場して初出場。左前打と左犠飛を記録した。当時は「犠飛」は公式記録となっていないので記録は2打数1安打である。金田は低賃金に嫌気がさして昨シーズン終了後ヤミ屋に転職して野球は辞める予定であったが、開幕3試合目に復帰してきた。ほとんど練習していないので、シーズン当初は出たり出なかったりである。

 阪急で初登板となったルーキー明石武は打撃で3打数2安打を記録。このバッティングが評価されて明石の投手としての登板はこの1試合のみで野手に転向し、昭和27年まで好打の内野手として活躍することとなる。