7月15日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 3 0 0 0 0 1 0 1 5 阪急 31勝12敗 0.721 高橋敏
0 0 0 0 0 3 0 0 0 3 タイガース 27勝15敗2分 0.643 若林忠志 景浦将
勝利投手 高橋敏 11勝2敗
敗戦投手 景浦将 0勝1敗
二塁打 (タ)門前
三塁打 (阪)浅野 (タ)松木
高橋敏、完投で11勝目
阪急、ジャイアンツを追うタイガースは今日の阪急戦と明日のジャイアンツ戦は二連勝を狙いたいところ。阪急・高橋敏、タイガース・若林忠志の先発で13時50分、池田豊プレートアンパイアの右手が上がりプレイボール。
阪急は2回、先頭の上田藤夫の遊ゴロをショート皆川定之がエラー、伊東甚吉が四球を選んで無死一二塁、日比野武の投前送りバントは正直過ぎて若林は二塁に送球するが背の低い皆川には届かない高投となって外野に抜ける間に二走上田が三塁ベースを蹴ってホームに還り1点を先制してなお無死一三塁、下村豊のピッチャー強襲ヒット(翌日の読売新聞によると「投手スクラッチ・ヒット」)がタイムリーとなって三走伊東が生還して2-0とする。高橋敏が中前打で続いて無死満塁、トップに返り浅野勝三郎は浅い左飛に倒れるがフランク山田伝が左犠飛を打ち上げて3-0とする。
タイガースは1回、2回は三者凡退。3回、先頭の伊賀上良平が左翼線にヒットを放ち若林忠志四球で無死一二塁、しかし皆川の送りバントは投飛となって失敗、トップに返り本堂保次の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。4回も御園生崇男がピッチャー強襲ヒット、門前真佐人が中前打で続いて無死一二塁とするが松木の遊ゴロで御園生崇男は三封、続くジミー堀尾文人の遊ゴロで松木は二封、堀尾が二盗を決めて富松信彦四球で二死満塁、しかし伊賀上はツースリーから左飛に倒れて無得点。5回は三者凡退。
タイガースは6回、一死後門前がピッチャー強襲ヒットで出塁、松木が右中間を破る三塁打を放って1-3、堀尾が中前タイムリーで続いて2-3、富松も右前打で続き伊賀上の遊ゴロで富松は二封されて二死一三塁、ここで若林忠志に代えて代打に景浦将が登場、景浦は期待に応えて左翼線に痛打を放ち堀尾を迎え入れて3-3の同点に追い付く。
タイガースは代打に出た景浦がそのままマウンドに上がり今季初登板となる。しかし翌日の読売新聞によると「昔日の球威なく投球も粗雑で・・・」とのことであった。
阪急は7回、先頭の高橋が四球を選んで出塁、浅野が右中間に三塁打を放って4-3と勝ち越す。山田は遊ゴロ、山下実は浅い中飛、山下好一は右飛に倒れて追加点はならず。
阪急は9回、またも先頭の高橋が四球を選んで出塁、浅野が送って山田の遊ゴロの間に高橋は三進、山下実は四球から二盗を決めて二死二三塁、山下好一の二ゴロをセカンド岡田宗芳がエラーする間に高橋が還って5-3とする。
タイガースは7回一死から門前が二塁打を放つが無得点、8回、9回は三者凡退に終わり、高橋敏から10安打を奪いながら敗れる。
高橋敏は10安打2四球3三振の完投で11勝目をあげる。打っても4打席2打数1安打2四球2得点、二つの四球で決勝とダメ押しのホームを踏んだ。
高橋の3失点は全て自責点であったが、タイガースは5失点のうち自責点は僅かに1点であり、タイガースは勝てる試合を守備の破綻から落としたものである。景浦の復帰が収穫ではあったが。
*高橋敏は10安打を許すも要所を締めて完投で11勝目をあげる。
*伊賀上良平の第一打席で捕邪飛を打ちあげたがキャッチャー日比野武が落球し、走者の進塁は無かったが日比野にエラーが記録される。翌日の読売新聞によると日比野は真上に上がった打球の真下に入って構えていたようであるが、真上に上がったキャッチャーフライには逆回転が掛かっていてセンター方向に流れるのでキャッチャーは真下に構えるのではなくセンター寄りに構えて前に出ながら捕球するのがセオリーである。鈴木惣太郎の論評では「この種の邪飛球に対しカクレーンは『邪飛球が高く揚ったときは最初から真下に構えてはいけない。先ず少し交代してから進んで捕えないとよく失敗する』と説いているが適切な忠言である。」と書かれている。
*鈴木惣太郎が引用した「カクレーン」とは史上最高のキャッチャーとも言われるミッキー・カクレーンのことです。昭和6年にフィラデルフィア・アスレチックスでバッテリーを組むレフティ・グローブと共に来日してスモークボールを受けていました。下はミッキーカクレーンの写真とサイン。
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