6月27日 (火) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 1 0 0 2 名古屋 13勝27敗3分 0.325 繁里栄 西沢道夫
0 1 0 0 2 0 0 0 X 3 金鯱 16勝28敗 0.364 古谷倉之助
勝利投手 古谷倉之助 4勝7敗
敗戦投手 繁里栄 3勝10敗
二塁打 (金)長島
本塁打 (名)芳賀 1号 (金)瀬井 1号
金鯱、夏季シーズン首位に立つ
金鯱は2回、先頭の小林利蔵が四球で出塁、小林茂太が右前打を放って小林利蔵は三塁に進み無死一三塁、瀬井清の遊ゴロで小林茂太が二封される間に小林利蔵が還って1点を先制する。
名古屋は3回、一死後石田政良が三塁に内野安打、村瀬一三の二ゴロの間に石田は二進、桝嘉一が左翼線に同点タイムリーを放って1-1と追い付く。
金鯱は5回、先頭の瀬井が右翼スタンドにホームランを叩き込んで2-1と勝ち越し、一死後山本次郎が右前打で出塁、長島進が四球を選んで一死一二塁、トップに返り五味芳夫の三ゴロが野選を誘い一死満塁、佐々木常助は一邪飛に倒れて二死満塁、ここでキャッチャー三浦敏一からの三塁牽制が悪送球となる間に三走山本が還って3-1とする。
名古屋は6回から西沢道夫が二番手として登板、金鯱打線を無得点に抑える。
名古屋は7回、二死後芳賀直一が左翼スタンドにホームランを叩き込んで2-3とするが8回、9回と三者凡退に終わり金鯱が接戦を制す。
古谷倉之助は6安打1四球5三振の完投で4勝目をあげる。翌日の読売新聞・鈴木惣太郎の論評によると古谷はスローボールを交えた投球をする為、狙われると芳賀直一に喫したホームランのように一発を浴びることもあるとのこと。古谷ののらりくらり投法を鈴木惣太郎は「古谷の緩曲球は頗る有効であるが緩直球は単に球速を変えるだけでチェンジ・オブ・ペースの実体になっていないから常にこうした快打を蒙る危険性を持っている」と評している。
翌日の読売新聞によると「岡田監督は頻りに“右翼へ打て”と号令していた。」とのことで金鯱打線の右打ちが効果的であった。先制点は小林茂太の右前打で一走小林利蔵を三塁に進め、瀬井清のホームランも繁里栄の外角球を狙い打ったものであった。3点目のホームを踏んだ山本次郎も右前打で出塁したものである。
金鯱は夏季シーズンに入って9勝3敗でジャイアンツと並んで首位を突っ走っている。小林利蔵が戦地から戻ってきて打線に軸ができ、前後を打つ古谷倉之助と小林茂太が活きてきた。下位の瀬井清、山本次郎が好調で打線につながりがある。中山正嘉が気魄のピッチングを見せ、古谷倉之助にも気合が甦ってきた。
*古谷倉之助は6安打完投で4勝目をあげる。
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