2 0 0 0 0 2 0 0 0 4 グ軍 62勝35敗2分 0.639 別所昭
1 0 0 1 0 0 0 1 0 3 巨人 56勝34敗2分 0.622 中尾輝三
勝利投手 別所昭 18勝11敗
敗戦投手 中尾輝三 10勝8敗
二塁打 (グ)筒井
三塁打 (巨)黒沢
本塁打 (巨)川上哲治 9号
勝利打点(グ)堀井数男 8
グ軍、機動力の勝利
西宮の第2試合は優勝の行方を占う大一番。別所昭と中尾輝三の先発で午後2時38分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。
18日に続いて別所、藤本の先発が予想されたが巨人は中尾が先発。
グ軍は初回、二死後田川豊が四球で出塁すると二盗に成功、山本一人監督の二ゴロをセカンド千葉茂がエラー、二死一三塁からダブルスチールを決めて1点を先制、二死二塁から堀井数男が中前に追撃のタイムリーを放ちこの回2点を先取する。
巨人は1回裏、一死後山川喜作が中前打、センター田川が弾いて山川は二進、記録はワンヒットワンエラー、千葉の二ゴロを今度はセカンド安井亀和がエラー、一死一三塁から川上哲治の一ゴロの間に三走山川が還って1-2とする。
グ軍は2回表、先頭の別所の当りはピッチャーを強襲するが中尾が右手を伸ばしてグラブをかすめ、バックアップのショート山田潔が一塁に送球してアウト、続く筒井敬三は左前打、しかし宮崎仁郎の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。
巨人は2回裏、先頭の中島治康監督の当りは遊ゴロ、これをショート宮崎が一塁に悪送球、多田文久三はファウルで3球粘るが別所が踏ん張って三振、中尾はスリーボールノーストライクから打って出るが二ゴロ、山田もニゴロに倒れて無得点。
巨人は3回裏、二死後千葉が三遊間ヒットで出塁して二盗に成功、しかし川上は一邪飛に倒れて無得点。
巨人は4回裏、先頭の黒沢俊夫が右中間に三塁打、中島の中犠飛で2-2の同点に追い付く。
中尾は中盤良く投げてグ軍は3回から5回まで無安打。
グ軍は6回表、一死後河西俊雄が四球を選んで出塁、田川の右前打で河西は三塁に進み一死一三塁、山本は三振に倒れて二死一三塁、田川が二盗を決めて二死二三塁、堀井が二遊間に2点タイムリーを放ち4-2とリードする。
巨人は8回裏、一死後川上がライトスタンドにホームランを叩き込んで3-4と1点差に迫る。
しかしここで別所が奮起、黒沢、中島を連続三振に打ち取りリードを保ち、最終回も三者凡退に抑えてグ軍が逃げ切る。
別所昭は6安打1四球6三振の完投で18勝目をマークする。序盤は固くなった味方守備陣の拙守が見られたが良く粘って力投を続けた。
巨人は大一番に藤本英雄を温存。翌日はゴ軍とのダブルヘッダーが組まれているが、矢張りここは藤本で勝負して、ゴ軍戦を中尾と近藤で取りに行くべきではなかったか。巨人の弱気の采配が優勝を逃す要因となった。
グ軍は得意の機動力野球を見せて大一番に快勝、優勝に向けて邁進する。