7月27日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 1 2 0 1 6 セ軍 20勝32敗 0.385 白木義一郎
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 阪急 30勝25敗 0.545 森弘太郎 野口二郎 天保義夫 溝部武夫
勝利投手 白木義一郎 10勝10敗
敗戦投手 森弘太郎 1勝2敗
二塁打 (セ)白木 (急)上田、野口二郎
三塁打 (セ)長持
本塁打 (セ)大下弘 8号、9号 飯島滋弥 2号
勝利打点 (セ)大下弘 4
猛打賞 (セ)大下弘 3、白木義一郎(5安打)2
大下の一発で試合を決める
後楽園の第2試合は白木義一郎と森弘太郎の先発で午後3時5分、池田球審の右手が上がりプレイボール。
セ軍は3回表、打順はトップの一言多十からであったが一言は遊ゴロ、二番清水喜一郎は三振に倒れて二死ランナー無し、しかし三番飯島がストレートの四球で出塁、ここで四番大下がライトスタンドに第8号ツーランホームランを叩き込んで2点を先制する。
試合の局面を一振りで決する大下の一発であった。
阪急は3回裏、先頭の森がピッチャー強襲ヒットで出塁、荒木茂は右飛に倒れるが、トップに返り上田の右中間二塁打で一死二三塁、山田伝の左犠飛で1点返して1-2とする。
阪急は4回から森が降板してライトの野口二郎がマウンドに上がり、ライトには鳥居兵治が入る。
セ軍は6回表、一死後鈴木清一がレフト線にヒット、横沢七郎が中前打で続き、トップに返り一言の投ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、阪急ベンチはここで野口二郎をライトに戻し三番手として天保義夫を投入、清水の二塁への当りが内野安打となって三走鈴木が還り3-1、セカンド荒木からの一塁送球を見て三塁に進んでいた二走横沢がホームに突っ込むが、ファースト野口明からの本塁送球にタッチアウト。
セ軍は7回表、先頭の飯島がレフトスタンドにライナーで飛び込む第2号を放ち4-1、大下は右飛に倒れるが、白木がショートに内野安打、長持の右中間三塁打で5-1と突き放す。
セ軍は9回表、先頭の飯島は遊ゴロに倒れるが、大下がこの日2本目のホームランをライトスタンドに叩き込んで6-1として試合を決める。
白木義一郎は8安打無四球3三振、112球の完投で10勝目をマークする。
2020年7月29日(日本時間30日)、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は4回裏に膝元の難しい変化球をライトスタンドに逆転スリーラン、試合を決めたかに見えたがマリナーズの逆襲に逢って7対10で試合は敗れた。2020年のMLBでは一発で試合を決める展開は少ないが、昭和21年の日本野球は一発で試合が決まる時代であった。大下はこの試合の2本で今季9本目の本塁打となったが、リーグ全体で82本なので大下の本塁打占有率は10%を超えているのである。いよいよ「革命児」大下弘が本領を発揮してきた。