2020年10月29日木曜日

21年 ゴールドスターvs中部日本 10回戦

8月9日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 2 0 0 2 0 0 0 0 5 ゴ軍 20勝34敗1分 0.370 内藤幸三 
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 中部 22勝31敗2分 0.415 服部受弘

勝利投手 内藤幸三 9勝14敗
敗戦投手 服部受弘 6勝4敗

勝利打点 (ゴ)田中宣顕 2

猛打賞 (ゴ)中村信一 3、内藤幸三 2


ゴ軍、全て短打の15安打で快勝

 本日の第2試合は内藤幸三と服部受弘の先発で午後3時丁度、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は金山次郎が久しぶりに二番セカンドでスタメン出場、杉浦清監督が初めて三番に入った。

 ゴ軍は初回、先頭の中村信一が左前打で出塁、酒沢のニゴロの間に中村は二進、坪内は左飛に倒れるが、田中宣顕が中前にタイムリーを放ち1点を先制する。

 ゴ軍は2回表、先頭の内藤が二塁に内野安打、大友が中前打、辻功の投ゴロで二走内藤は三封、これは送りバント失敗か、一死一二塁から坂本勲がライト線にタイムリーを放ち2-0、一走辻は三塁に進み、更に本塁も狙うがタッチアウト、この間に打者走者の坂本は二塁に向かい、トップに返り中村の左前タイムリーで3-0とリードを広げる。

 ゴ軍は5回表、先頭の坂本の当りは三ゴロ、これをサード小鶴がエラー、トップに返り中村のニゴロの間に坂本は二進、酒沢が右前打から二盗を決めて一死二三塁、坪内が中前に2点タイムリーを放ち5-0と突き放す。

 中部は5回裏、先頭の古川が中前打で出塁、金山の三塁線ヒットで古川が三塁に進んで無死一三塁、杉浦の左前タイムリーでようやく1点を返す。

 内藤幸三は6回以降中部の反撃を許さず、7安打3四球6三振の完投で9勝目をマークする。
 ゴ軍は全て短打で15安打、3回を除いて毎回安打であった。

 中部は打線組み換え効果での得点はあったが全体につながりを欠いた。杉浦監督に代わって選手の入れ替えなどで調子を上げていたがここにきて勢いが落ちている。6球団随一の重量打線を持ちながらチームが一つにまとまっていないことが原因である。

 「お家騒動」と言えばタイガースの代名詞のようなものであるが、中部日本にも同様の構造がある。プロ野球草創期、新愛知新聞が「名古屋軍」、名古屋新聞が「金鯱軍」を結成してプロ野球に参入した。プロ野球創設のきっかけとなった昭和9年の日米野球では、主催の読売新聞は将来のプロ野球参入を見込んで鳴海球場の試合の主催権利を新愛知新聞に譲った。読売の思惑通り新愛知新聞が「名古屋軍」を結成してプロ野球に参入したが、ライバルの名古屋新聞も黙っておらず「金鯱軍」を結成してプロ野球に参入した。ところが戦時中の「新聞統制」により新愛知新聞と名古屋新聞が統合させられたことにより、旧新愛知新聞派と旧名古屋新聞派による派閥争いが続くことになる。現在の中日ドラゴンズのルーツは新愛知新聞が結成した「名古屋軍」とされているが、戦前-戦中-戦後を通して旧名古屋新聞派の赤嶺昌志が最大の功労者であったという複雑な経緯が中部日本の「お家騒動」のルーツであり、赤嶺昌志が「赤嶺旋風」を引き起こすきっかけは、このような経緯によるものである。

2020年10月27日火曜日

21年 阪急vsグレートリング 8回戦

8月9日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 35勝29敗 0.547 天保義夫 今西錬太郎 
0 0 0 4 0 1 0 1 X 6 グ軍 34勝22敗 0.607 丸山二三雄

勝利投手 丸山二三雄 12勝9敗
敗戦投手 天保義夫    10勝6敗

二塁打 (急)上田、青田 (グ)岡村、丸山
三塁打 (グ)田川

勝利打点 (グ)堀井数男 6


岡村俊昭、2試合連続3打点の活躍

 第16節2日目の第1試合は天保義夫と丸山二三雄の先発で午後1時5分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、先頭の上田の当りは右中間を破り、上田は二塁ベースを蹴って三塁を狙うがライト岡村からの送球を中継したセカンド安井の三塁送球でタッチアウト、山田伝が一二塁間に内野安打、青田のニゴロで山田が二封されて二死一塁、ここでファースト山本一人監督の「隠し球」に青田が引っ掛かりタッチアウト。山本が白球を握っていたのは青田のニゴロが「4-6-3」と転送されたが一塁セーフとなったからでしょう。5月23日にパシフィック辻井弘の「隠し球」にグ軍の筒井敬三が引っ掛かって以来、戦後2度目の「隠し球」であった。

 グ軍は1回裏、二死後田川が右前打で出塁、山本が四球を選んで二死一二塁、ここでダブルスチールを決めて二死二三塁、しかし堀井は投ゴロに倒れて無得点。

 阪急は2回表、先頭の野口明がストレートの四球で出塁するが、坂井の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は3回表、先頭の荒木茂が四球で出塁、大平茂の左前打で無死一二塁、続く天保はスリーボールツーストライクから三振、この時一走荒木が離塁しておりキャッチャー木村勉は一塁に送球、二走荒木が三塁に向かうとファースト山本がサード河西に送球して荒木はタッチアウトとなり記録は併殺、この間に大平は二塁に進んで二死二塁、トップに返り上田の三遊間のゴロが大平に当たって守備妨害でスリーアウトチェンジ。

 グ軍は4回裏、先頭の田川が中越えに三塁打、山本の中飛は浅い当りで田川は動かず、堀井が中前に先制タイムリーを放ち1-0、岡村の左中間タイムリー二塁打で2-0、木村も中前にタイムリーを放ち3-0、バックホームの間に打者走者の木村は二塁に進み、丸山が中越えにタイムリー二塁打を放ちこの回4点、4-0とリードする。

 グ軍は6回裏、先頭の山本が四球で出塁、堀井の右前打で無死一三塁、岡村のニゴロの間に三走山本が還って5-0とする。

 阪急は7回から先発の天保に代えて今西錬太郎をマウンドに送る。

 グ軍は8回裏、先頭の田川の遊ゴロをショート上田がエラー、山本が送って一死二塁、堀井の遊飛を上田が落球、一死一二塁からダブルスチールを敢行するが田川はキャッチャー日比野からの送球に刺されて盗塁失敗、堀井は当然二塁に残って二死二塁、岡村の二遊間タイムリーで堀井が還って6-0とする。

 丸山二三雄は得意のカーブが冴えて6安打5四球4三振で今季3度目の完封、12勝目をマークする。好調阪急打線を抑える好投であった。

 阪急は今季10回目の完封負けでゴ軍と並んで6球団ワースト記録。次はセ軍の6回なのでゴ軍と阪急の10回は他を大きく引き離している。ゴ軍は最下位争いをしているので分かるが、上位争いを繰り広げてきた阪急は打てない時はからっきしダメ。好選手が揃っているが、これといった決め手に欠けるところが原因でしょうか。

 しばらく休んでいて復帰してきた岡村俊昭が2試合連続3打点の活躍。タ軍に4ゲーム差で首位を狙うグ軍の勢いが増してきた。


2020年10月23日金曜日

21年 阪急vs中部日本 11回戦

8月8日 (木) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 6 4 2 0 0 0 14 阪急 35勝28敗 0.556 笠松実
2 0 0 0 0 1 1 2 0  6  中部 22勝30敗2分 0.423 松尾幸造 西沢道夫

勝利投手 笠松実     8勝8敗
敗戦投手 松尾幸造 1勝8敗

二塁打 (急)笠松、大平 (中)西沢、小鶴、古川
三塁打 (急)上田

勝利打点 (急)坂田清春 2

猛打賞 (急)山田伝(4安打)6、笠松実(4安打)1


笠松デー

 第16節初日の第2試合は笠松実と松尾幸造の両ベテランの先発で午後3時3分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、先頭の古川清蔵が中前打、これをセンター山田伝が後逸して古川は一気に三塁に進み、杉浦清監督の三塁内野安打で古川は三塁ストップして無死一三塁、小鶴誠の中犠飛で1点を先制、加藤正二の中前打で杉浦は三塁に進んで一死一三塁、大沢清は三振に倒れて二死一三塁、ここで三走杉浦が単独ホームスチールを決めて2-0とする。

 阪急は3回表、二死後九番笠松が中前打で出塁、トップに返り上田藤夫は四球を選んで二死一二塁、山田の右前タイムリーで1-2、上田は三塁に進み、山田が二盗を決めて二死二三塁、青田昇の左前タイムリーで2-2の同点に追い付く、二走山田も三塁ベースを蹴ってホームを狙うがレフト岩本章からのバックホームにタッチアウトで同点止まり。

 阪急は4回表、先頭の野口二郎の当りは三ゴロ、これをサード小鶴がエラー、続く野口明のニゴロもセカンド三村勲がエラーして無死一二塁、坂井豊司の左前打で無死満塁、坂田清春が右前に2点タイムリーを放ち4-2と勝ち越し、一走坂井は三塁に進み、送球の間に打者走者の坂田も二塁に進んで無死二三塁、荒木茂の左犠飛で5-2、二走坂田もタッチアップから三塁に進んで一死三塁、笠松の中前タイムリーで6-2、トップに返り上田が右中間にタイムリー三塁打を放ち7-2、続く山田がカウントツーボールツーストライクから2球ファウルを続けたところで中部ベンチは先発の松尾から西沢道夫にスイッチ、その初球を山田が左前にタイムリーしてこの回一挙6点、8-2とする。

 阪急は5回表、一死後坂井が左前打、坂田も右前打で続いて一死一二塁、荒木の三ゴロをサード小鶴がエラーする間に二走坂井が還って9-2、笠松がレフトにタイムリー二塁打を放ち10-2、トップに返り上田が四球を選んで一死満塁、山田の左前タイムリーで11-2、青田の左犠飛でこの回4点、12-2とする。

 阪急は6回表、先頭の野口明に代わる代打森田定雄が四球で出塁、坂井も四球を選んで一二塁、二死後笠松が右前に3打席連続タイムリーを放ち13-2、トップに返り上田も右前にタイムリーを放ち14-2とする。

 中部は6回裏、一死後大沢が得意の右前打で出塁、藤原鉄之助も右前打を放って一二塁、二死後西沢のタイムリー二塁打で3-14と反撃開始。

 中部は7回裏、一死後6回の守備から杉浦監督に代わってショートに入っている金山次郎が中前打、小鶴が中越えにタイムリー二塁打を放ち4-14とする。

 中部は8回裏、二死後西沢が左前打で出塁、7回の守備から三村に代わってセカンドに入っている山本尚敏が四球を選んで一二塁、トップに返り古川が右中間にタイムリー二塁打を放ち5-14、金山が二遊間にタイムリーを放ち6-14とするが反撃もここまで。

 笠松実は14安打を許しながら2四球5安打で完投、8勝目をあげる。打っては5打数4安打3得点3打点で3打席連続タイムリーを放つ活躍。本日は笠松デーであった。


2020年10月20日火曜日

21年 ゴールドスターvsグレートリング 7回戦

8月8日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ゴ軍 19勝34敗1分 0.358 石田光彦 江田孝 
0 2 6 0 0 0 0 0 X 8 グ軍 33勝22敗 0.600 松川博爾

勝利投手 松川博爾   5勝3敗
敗戦投手 石田光彦 10勝14敗

二塁打 (グ)山本、岡村

勝利打点 (グ)松川博爾 2

猛打賞 (グ)山本一人 9


松川博爾、2安打完封

 第16節は西宮で5日間、ゴ軍、グ軍、阪急、中部の4チームのみによる10試合の変則開催。巨人、タ軍、セ軍、パ軍の札幌遠征組は北海道近隣地区で非公式試合(オープン戦)を行った可能性がある。まだ未調べですが、これは資料が残っているでしょう。

 初日の第1試合は石田光彦と松川博爾の先発で午後1時2分、杉村主審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍は2回裏、先頭の山本一人監督が左前打で出塁、堀井数男の中前打で山本は三塁に進んで無死一三塁、堀井が二盗に失敗して一死三塁、木村勉は遊ゴロに倒れて二死三塁、岡村俊昭が四球から二盗を決めて二死二三塁、松川が中前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とする。

 グ軍は3回裏、先頭の安井亀和が三塁に内野安打、河西俊雄は左前打、田川豊は二遊間ヒットでグ軍自慢の上位打線が無死満塁のチャンスを作ると、山本が左中間に2点タイムリー二塁打を放ち4-0、堀井はストレートの四球で再度無死満塁、木村の左前タイムリーで5-0、更に岡村が左中間に走者一掃の二塁打を放ち8-0と大きくリードする。一死後宮崎仁郎の左前打で一三塁とするとダブルスチールを試みるが三走岡村の本盗は失敗。

 松川博爾は初回、先頭の中村信一に左前打から二盗を許して無死二塁のピンチを迎えるが後続を抑え、2回に先制の2点タイムリーを放つとピッチングでも調子の波に乗り4回に末崎正隆に三遊間ヒットを許しただけの好投で、5回以降はゴ軍打線を無安打に抑え、2安打2四球2三振でプロ入り初完封、5勝目をマークする。

 山本一人監督はサードを守ることが多く、後半戦もサードに入っていたがこの試合ではファーストに入った。鶴岡一人の自伝「御堂筋の凱歌」には「賭け屋との対決」の項で「八百長対策」について触れており、「南海でなんとなく臭いと思われたのは、21年再開第1年度の夏ごろであったが、八百長やるのは、投手、二塁、センターを結ぶ中心線が多いということを聞かされていたので、ぼくは三塁手であったが、それらの線のよく見える一塁を守って監視の目を注いだりした。」と書いている。この試合のことです。鶴岡の目には、相手の石田光彦の投球はどう映ったでしょうか。

*現在「野球殿堂博物館」で特集展示「鶴岡一人と南海ホークス」が開催されています(12月20日までの予定)。

2020年10月18日日曜日

21年 第15節 週間MVP

週間MVP

投手部門
 阪急 溝部武夫 1
 2勝0敗。後半戦好スタートの阪急快進撃は溝部の復帰によるもの。

打撃部門
 阪急 野口二郎 1
 23打数10安打6得点7打点。野口の31試合連続ヒットは8月末にスタートするが、今節まで2割台中頃に低迷していた野口二郎の快進撃を予感させる打撃ぶりであった。

殊勲賞
 阪急 青田昇 2
 23打数8安打6得点9打点、V打2個。

 グレートリング 安井亀和 3
 20打数9安打7得点4打点。8月1日の中部戦で決勝の逆転スリーラン。

 パシフィック 森下重好 2
 12打数7安打、二塁打3本、3試合で猛打賞2回。

 パシフィック 伊勢川真澄 1
 12打数6安打1得点4打点。8月5日のタ軍戦で4打数4安打3打点。

敢闘賞
 ゴールドスター 坪内道則 2
 20打数11安打3得点4打点、二塁打4本、三塁打1本。

 タイガース 金田正泰 3
 15打数10安打7得点6打点、二塁打2本、三塁打2本。

 阪急 山田伝 2
 21打数10安打6得点3打点。

 タイガース 本堂保次 2
 13打数7安打1得点3打点。

技能賞
 中部日本 岩本章 1
 8月4日のゴ軍戦で決勝犠飛を含む2犠飛。

 グレートリング 木村勉 2
 約1か月ぶりの出場ながら17打数7安打2得点2打点3盗塁。

2020年10月15日木曜日

21年 パシフィックvsタイガース 9回戦

8月5日 (月) 札幌円山

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 1 2 0 1 0 0 0  4  パ軍 21勝36敗2分 0.368 森下重好 真田重蔵 
1 2 1 0 1 3 0 2 X 10 タ軍 38勝18敗 0.679 渡辺誠太郎 野崎泰一

勝利投手 野崎泰一 4勝6敗
敗戦投手 森下重好 0勝1敗

二塁打 (パ)森下、木暮、中谷、伊勢川 (タ)本堂、金田、渡辺
三塁打 (タ)金田

勝利打点 (タ)土井垣武 8

猛打賞 (パ)森下重好 9、伊勢川真澄(4安打)3 (タ)金田正泰(5安打)14


パ軍の追い上げをタ軍が突き放す

 第15節最終戦、札幌円山の第2試合は午後3時50分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍の先発は一昨日先発して3イニングで交代した渡辺誠太郎と順当な起用。一方、パ軍は何と森下重好がプロ入り初登板のマウンドに上がる。

 タ軍は初回、先頭の金田正泰がいきなり右中間に三塁打、土井垣武の中前タイムリーで1点を先制する。

 タ軍は2回裏、先頭の渡辺が四球で出塁、高山泰夫は三振に倒れるが、長谷川善三の中前打で一死一三塁、塚本博睦のピッチャー返しが森下ののグラブを弾き、バックアップしたセカンド松井信勝からの一塁送球に塚本はアウト、この間に三走渡辺が還って2-0、二死二塁となってトップに返り金田の右前タイムリーで3-0とする。

 パ軍は3回表、先頭の木暮力三がライト線に二塁打、白石敏男の一塁線タイムリーで1点返して1-3とする。

 タ軍は3回裏、先頭の藤村冨美男が中前打、本堂保次の左中間タイムリー二塁打で4-0、先発森下はここで交代、真田重蔵がリリーフのマウンドに上がって後続を抑える。

 無死二塁で真田がリリーフに出て最初の打者となった御園生崇男の記録は投ゴロ併殺であるが、二走本堂にインターフェアランスが記録されている。二走本堂が「×1」でワンアウト、打者御園生の記録は投ゴロで「1-3」と送球されてツーアウトで「併殺」が記録された。二走本堂が直接ピッチャー真田の守備を妨害するとは考えられないので、御園生のショート寄りの打球が本堂に当たり、跳ね返った打球を真田が拾い上げて一塁に送球したものと考えられる。これだと御園生の記録は投ゴロとなる。実質的には守備妨害と言うよりアシストですが・・・。

 パ軍は4回表、先頭の中谷順次がレフト線に二塁打、富松信彦は四球を選んで無死一二塁、真田の三ゴロで富松は二封、何故か二走中谷は進塁しておらず一死一二塁、伊勢川真澄が左中間に2点タイムリー二塁打を放ち3-4と追い上げる。タ軍ベンチは先発の渡辺を一塁に回し、野崎泰一をリリーフのマウンドに送って後続を抑える。

 タ軍は5回裏、先頭の金田が三塁に内野安打、次の記録は土井垣の投ゴロで金田は二進したが土井垣は守備妨害でアウト、これは一塁線送りバントで土井垣が真田の守備を妨害したと考えられる。金田の進塁は認められて一死二塁、藤村の三塁内野安打で一死一三塁、藤村が二盗を決めて一死二三塁、本堂の左前タイムリーで5-3と突き放す。

 パ軍は6回表、先頭の富松が右前打から二盗に成功、真田のニゴロが進塁打となって一死三塁、伊勢川が又も左前にタイムリーを放ち4-5と追い上げる。

 タ軍は6回裏、一死後長谷川が左前打で出塁、塚本が四球を選んで一死一二塁、トップに返り金田がライト線にタイムリー二塁打を放ち6-4、一死二三塁から土井垣が中前に2点タイムリーを放ち8-4と突き放す。

 タ軍は8回裏、先頭の塚本が四球で出塁、トップに返り金田がこの日5本目のヒットをライト線に放って無死一二塁、土井垣はストレートの四球で無死満塁、藤村の遊ゴロをショート白石が二塁に悪送球する間に三走塚本が還って9-4、更に無死満塁から本堂の二ゴロ併殺の間に三走金田が還って10-4とダメ押して試合を決める。

 リリーフの野崎泰一は5回3分の2を6安打1四球無三振1失点に抑えて4勝目をマークする。

 パ軍は中盤までよく喰らい付いていったが、タ軍の波状攻撃にしてやられた。

 プロ入り初登板となった森下重好は2回3分の0を投げて6安打2四球2三振、4失点、自責点4の成績。森下の今季の登板はこの試合だけなので、0勝1敗、防御率18.00の記録を残すこととなった。本職の打撃の方は5打数3安打二塁打1本と、相変わらず好調をキープしている。


2020年10月14日水曜日

21年 中部日本vs阪急 10回戦

8月5日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 中部 22勝29敗2分 0.431 西沢道夫 松尾幸造 
2 1 0 0 0 0 0 0 X 3 阪急 34勝28敗 0.548 溝部武夫

勝利投手 溝部武夫 2勝0敗
敗戦投手 西沢道夫 5勝7敗

二塁打 (中)小鶴 (急)上田、坂田、坂井

勝利打点 (急)野口明 2

猛打賞 (急)野口二郎 1


溝部武夫、4安打1失点完投勝利

 西宮の第2試合は西沢道夫と溝部武夫の先発で午後3時10分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、先頭の古川清蔵が左前打で出塁すると二盗に成功、杉浦清監督の三塁内野安打でで無死一三塁、小鶴誠の三ゴロをサード坂井豊司がエラーして1点を先制、小鶴には打点が記録された。古川は8月1日のグ軍戦では2個の手痛い盗塁失敗があったが、この日は下手投げの溝部ということで初回から積極的な走塁を見せた。

 阪急は1回裏、先頭の上田藤夫が左中間に二塁打、山田伝は三ゴロ、青田昇の遊ゴロの間に上田は三進、野口二郎が右前に同点タイムリーを放ち1-1、ライト加藤正二からの返球をショート杉浦が逸らす間に野口二郎は二塁に進み、野口明が左前にタイムリーを放ち2-1と逆転に成功する。ここは杉浦の小さなミスが痛かった。

 阪急は2回裏、一死後荒木茂がストレートの四球で出塁、溝部も四球を選び、トップに返り上田の中前打で一死満塁、中部ベンチはここで西沢から松尾幸造にスイッチするが、山田が左前にタイムリーを放ち3-1とする。続く青田の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は3回も野口二郎が右前打で出塁するが野口明のファーストライナーに戻れずゲッツー、4回も一死一塁から上田の三ゴロが「5-4-3」と渡って3イニング連続ダブルプレー。

 松尾は8回までの6イニング3分の2で7安打を打たれるが無四球のピッチングで無失点に抑える。

 溝部は初回こそ2安打で1点を失ったが2回以降は中部打線を2安打無失点に抑え、7回からは9回まで3イニング連続三者凡退と尻上がりに調子を上げる好投、結局4安打1四球1三振の完投で2勝目をあげる。

 シーズン当初首位を走っていた阪急は前半戦終盤は失速気味であったが、後半戦スタートの5連戦を4勝1敗で乗り切った。要因は溝部の加入にある。

 戦前は中田武夫の登録名で投げていた溝部武夫は前半戦終盤の7月26日の中部戦でリリーフ登板して3年ぶりに復帰、8月2日の中部戦で復帰後初先発して7回3分の0を投げて戦後初勝利を飾った。この試合では4失点であったが、満塁の走者を残して降板した後にリリーフの天保義夫が打たれて3失点が加わったものである。2度目の先発となった本日は下手からの変化球が冴えて強打の中部打線を翻弄した。ヒットを打たれたのは一番古川に1本、二番杉浦に1本、三番小鶴に2本だけで、四番以降は無安打に抑え込んだ。


2020年10月12日月曜日

感動

  久しぶりに面白いネット記事を見つけましたのでご紹介します。

「働き方改革」と称し、年代や成長ステージ、労働意欲の違いに関わらず一律に規制しようとする昨今。そのため「ブラック企業」と批判されやすい、長時間労働、厳しいプレッシャーとノルマ、低い給与で膨大な仕事量の会社。

しかし私は逆に、そのような環境は、未熟な自分を鍛えてくれる養成ギプスのようなものであり、結果的には仕事の実力を高めるチャンスだと考えています。

たとえば陸上競技。全力で走ったときのスピードが遅い人は、どう走っても遅い。しかし、全力で走ったときのトップスピードが上がれば上がるほど、流して走ったときも速いものです。

仕事も同じく、量をこなすことでスピード感覚が身に付き、その量が質に転換する。私自身もそれを身をもって体験してきたし、私の周りで成功している起業家も、若き日は同じようにブラック的な働き方をしてきた人がほとんどだからです。

もうひとつは、自分に自信がつくことです。自分がどこまで頑張れるのか、自分の限界まで頑張ったときに、いったいどれくらいの力が出せるのか、知っている人はどれくらいいるでしょうか。

死に物狂いでがんばったという経験がなければ、自分がどれほどの力を持っているのかわからないし、その力をどうやって出せばいいかもわからないでしょう。

ギリギリまで追い込まれて、何度も「もう無理だ」「もう諦めよう」と思ったけど、なんとか乗り越えられた、無理じゃなかった、がんばったらできた。それが自信になる。

底力を出せる人間と、底力を出したことのない人間とでは、その後の職業人生に大きなさがつくのではないでしょうか。

そういう自分の中に眠る「底力」は、限界までがんばったときでなければ目を覚ましてくれないものです。そして、限界だと思っていた状況で踏ん張っていると、さらに遠い限界に行けるようになる。 

しかし、自分で自分を追い込めるほど、意志の強い人はそう多くありません。であれば強制的に追い込まれて、限界まで努力せざるを得ない環境に身を置くことが必要で、それがブラック的な働き方です。

部活動だって、全国大会常連の強豪校ほど練習はハードで、弱小校から見ればそれこそブラックでしょう。でも、だから選手たちは限界を超えて力をつけ、全国レベルで戦えるようになる。

◆人の限界はそれぞれ違う。休む勇気、逃げ出す勇気も必要

私はここで、精神を病むまで追い込まれたり、体調を崩すまで無理をすることを勧めているわけではありません。休憩なしにがんばっても集中力は続きません。

人の限界はそれぞれ違いますから、「これじゃもたない」という場面では休む勇気、逃げ出す勇気も必要です。

しかし、昨今の価値観である、残業が少なく休日出勤もなく、定時で帰れる超ホワイト企業を理想として働いていたらどうか。

それが実力と自信をつけた30代後半以降であれば、仕事と家庭の両立ができるうえに健康面からも理想的ですが、20代でその環境に慣れてしまうと、将来使い物にならない人材の一丁上がりというリスクをはらんでいます。

今やっていることが未来の自分を作ります。では自分はいったいどういう人物になりたいのか? どういう未来を理想としているのか? そう考えたとき、「ブラック企業はけしからん」とただ糾弾することが、個人の職業人生にとって本当に正しいことなのか。

寿命100年時代を迎えるという説が本当ならば、職業人生は70年近くあるかもしれないわけで、数年の武者修行など誤差の範囲。

「仕事はそこそこ」という価値観が覆っている時代のいま、20代で未来を見据え、自分の人生の初期に意図的にブラック労働を組み込める人こそ、末恐ろしい戦略家であると思います。

ちなみに採用側からすると、そんなことを言っては誰も入社してくれないし、早期離職を繰り返されて採用コストが上がるうえ、定着率が悪ければ将来を担う人材は育ちません。

今は前述のような価値観を企業が押し付けては人は採れないのです。あくまで働く個人サイドに立った考え方です。


 当ブログの場合、定年退職後1年半音沙汰の無かった元の職場から突然オファーが来たので、11月からまた働くことになりました。土日出勤や残業100時間は当たり前という職場です。もちろん、ベースボールプレイヤーとしての活動は続けますのでご安心ください(笑)。


野球週報2020 その38

10月5日(月) 休養日

10月6日(火) 秋葉原のバッティングセンターで110キロのストレートを2セット、カーブを1セット、スライダーを2セット。

10月7日(水) 天王洲アイルのグラウンドで品川ベースボールクラブの練習。先週の試合で走りまくって右膝に違和感があるのでキャッチャーはやりませんでした。

10月8日(木) 休養日

10月9日(金) 仕事の前にジムでストレッチとViPRトレーニング、ラン15分。

10月10日(土) 秋のリーグ戦第3戦は雨天中止

10月11日(日) 休養日。今週は右膝を休めることに専念。試合が中止になって助かりました。来週は試合が無いのでしばらくゆっくりします。まだ右膝を深く曲げると痛みがあります。こういう時はViPRトレーニングが最適。


2020年10月10日土曜日

21年 巨人vsセネタース 7回戦

8月5日 (月) 札幌円山

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 4 0 0 0 0 0 0 4 巨人 33勝24敗1分 0.579 多田文久三 
0 2 0 1 0 0 0 2 X 5 セ軍 24勝33敗 0.421 白木義一郎

勝利投手 白木義一郎 12勝10敗
敗戦投手 多田文久三   1勝1敗

二塁打 (巨)黒沢、川上 (セ)飯島
三塁打 (巨)林

勝利打点 なし


巨人、3位転落

 札幌円山の第1試合は多田文久三と白木義一郎の先発で午後2時丁度、桝主審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は藤本英雄が監督を降ろされてから登板を拒否しており、主軸の近藤貞雄が不振。ということで多田をキャッチャーからピッチャーにコンバートしてこの日が初先発となった。7月29日のテスト登板ではリリーフで3イニングを無失点に抑えて勝利投手となっている。このところ谷口記念治を試合途中からキャッチャーに起用して試運転してきたがこの日は先発マスク。

 セ軍は2回裏、一死後長持栄吉が四球で出塁、熊耳武彦の中前打で長持は三塁に進み、送球の間に打者走者の熊耳も二塁を陥れて一死二三塁、このチャンスに八番清水喜一郎がセンター右に2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 巨人は3回表、二死後黒沢俊夫がレフトに二塁打、川上哲治が左中間にタイムリー二塁打を放ち1-2、中島治康はストレートの四球で二死一二塁、多田の一塁線タイムリーで2-2の同点、中島は三塁に進み、ファースト飯島の送球ミスの間に中島も還って3-2と逆転、林清一が右中間にタイムリー三塁打を放ち4-2とする。

 セ軍は4回裏、白木、長持が連続四球、一死後清水の右前打で満塁、鈴木清一が押出し四球を選んで3-4と追い上げる。

 セ軍は8回裏、一死後長持がレフト線にヒット、熊耳は右飛に倒れるが、ライト中島型の返球が悪送球となる間に長持は二塁に進み、清水はストレートの四球で二死一二塁、鈴木がレフト線に同点タイムリーを放ち4-4、二死一二塁からトップに返り一言多十の三ゴロをサード宮下信明が一塁に悪送球、この間に二走清水が生還して5-4と逆転する。

 3回まで7安打を打たれた白木義一郎は4回以降を谷口の内野安打1本に抑え、8安打2四球2三振の完投で12勝目をマークする。

 セ軍は八番清水喜一郎と九番鈴木清一が2打点ずつを記録する活躍で巨人に逆転勝ちした。

 この結果、札幌で3連敗の巨人はグレートリングに抜かれて3位に転落したのである。

2020年10月8日木曜日

21年 グレートリングvsゴールドスター 6回戦

8月5日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 1 0 3 0 2 8 グ軍 32勝22敗 0.593 別所昭 
1 0 2 0 0 0 0 0 0 3 ゴ軍 19勝33敗1分 0.365 江田孝

勝利投手 別所昭 8勝5敗
敗戦投手 江田孝 1勝5敗

二塁打 (グ)田川、河西、阪本

勝利打点 なし


グ軍、がめつく加点

 第15節最終日、西宮の第1試合は別所昭と江田孝の先発で午後1時6分、国友主審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍は初回、先頭の安井亀和がストレートの四球で出塁、河西俊雄の一前送りバントをファースト末崎正隆がファンブル、犠打とエラーが記録されて無死一二塁、田川豊が投前に送りバントを決めて一死二三塁、山本一人監督の三ゴロで三走安井がホームに突っ込むが、サード酒沢政夫からの本塁送球にタッチアウト、一死一三塁からダブルスチールを敢行、河西の本盗が決まって1点を先制、二死二塁から堀井数男の中前タイムリーで2-0とする。

 グ軍らしいがめつい点の取り方であった。

 ゴ軍は1回裏、先頭の中村信一が右前打で出塁、酒沢の遊ゴロをショート宮崎仁郎がベースを踏んでから一塁に送球するが悪送球、打者走者の酒沢は二塁に進んで一死二塁、坪内道則の遊ゴロの間に酒沢は三進、田中宣顕の遊ゴロを宮崎がエラーする間に三走酒沢が還って1-2とする。3本連続遊ゴロで宮崎は2失策。

 ゴ軍は3回裏、一死後中村が中前打で出塁、酒沢は中飛に倒れるが、坪内の右前打で二死一三塁、田中の投ゴロを別所が一塁に悪送球する間に三走中村に続いて一走坪内も一気にホームに還り3-2と逆転する。

 ゴ軍は4回裏、先頭の辻功が三塁内野安打で出塁、この時サード山本に何かアクシデントがあったのか、グ軍はセンター河西がサードに入り、ライトの田川がセンターに回り、山本に代わって岡村俊昭が入ってライト。江田は中飛、坂本勲のショートライナーに一走辻が飛び出してダブルプレー。

 グ軍は5回表、一死後安井が二遊間にヒット、二死後安井が二盗に成功、田川の右中間タイムリー二塁打で3-3の同点に追い付く。

 グ軍は7回表、一死後宮崎の当りはニゴロ、これをセカンド大友一明がエラー、トップに返り安井の二遊間ヒットで宮崎が三塁に進んで一死一三塁、ここで安井がディレード気味に塁を離れピッチャー江田は一塁に送球、ファースト末崎からの二塁送球が悪送球となる間に三走宮崎が還って4-3と勝ち越し、安井は三塁に進み、河西の左中間タイムリー二塁打で5-3、田川の投ゴロの間に河西は三進、岡村の右前タイムリーで6-3と突き放す。

 グ軍は8回表、二死後木村勉が四球を選ぶと二盗に成功、宮崎、安井も連続四球で二死満塁、しかし河西は三ゴロに倒れて追加点はならず。

 グ軍は9回表、田川、岡村の連続四球で無死一二塁、堀井に変わる代打阪本政数の中越えタイムリー二塁打で7-3、木村は三振に倒れて一死二三塁、別所の遊ゴロの間に三走岡村が還って8-3として試合を決める。

 別所昭は7安打2四球4三振3失点、自責点ゼロの完投で8勝目をあげる。

 グ軍は8安打で8得点、江田から9個の四球を選んで9残塁、4失策を犯すなど必ずしも好ゲームとは言えない面もあったが、5盗塁を絡めて加点するがめつい野球で勝越し二桁に復帰した。


2020年10月6日火曜日

野球週報2020 その37

9月28日(月) 秋葉原のバッティングセンターで110キロのストレートを3セット、カーブを1セット。

9月29日(火) 休養日

9月30日(水) 天王洲アイルのグラウンドで品川ベースボールクラブの練習。午後は仕事なので早めに切り上げました。

10月1日(木) 秋葉原のバッティングセンターで110キロのストレートを1セット、120キロのストレートを2セット、カーブを1セット、スライダーを1セット。

10月2日(金) 秋葉原のバッティングセンターで110キロのストレートを1セット、115キロのストレートを1セット、120キロのストレートを1セット、カーブを1セット、スライダーを1セット。試合の週は打ち込みを主体にします。

10月3日(土) 三鷹大沢球場で秋季リーグ戦第2戦。相手のピッチャーからは練習試合では2本ヒットを打ちましたがこの日は2打数無安打1四球。何であの球が打てなかったのか。練習不足ですね(笑)。

10月4日(日) 休養日


21年 巨人vsパシフィック 10回戦

8月4日 (日) 札幌円山

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 4 1 0 5 巨人 33勝23敗1分 0.589 諏訪裕良
1 3 2 0 0 1 1 0 X 8 パ軍 21勝35敗2分 0.375 井筒研一 真田重蔵

勝利投手 井筒研一 8勝12敗
敗戦投手 諏訪裕良 6勝6敗
セーブ    真田重蔵  2

二塁打 (巨)川上 (パ)富松2、森下
三塁打 (パ)木暮

勝利打点 (パ)白石敏男 1

猛打賞 (パ)富松信彦 1


パ軍、序盤で試合を決める

 札幌円山の第2試合は諏訪裕良と井筒研一の先発で午後4時丁度、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、一死後坂本茂がストレートの四球で出塁、黒沢俊夫の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 パ軍は1回裏、先頭の木暮力三が右中間に三塁打、白石敏男の左前タイムリーで1点を先制する。

 パ軍は2回裏、先頭の富松信彦が中前打で出塁、伊勢川真澄のニゴロをセカンド坂本が大エラーする間に一走富松が一気に生還して2-0、打者走者の伊勢川は二塁に進み、松井信勝の遊ゴロで二走伊勢川が飛び出して「6-5-4」と転送されてタッチアウト、井筒の遊ゴロをショート山田潔がエラー、トップに返り木暮の三塁内野安打で一死満塁、キャッチャー多田文久三からの一塁牽制をファースト川上哲治が落球する間に三走松井が還って3-0、白石が四球を選んで再度一死満塁、藤井勇のニゴロ併殺崩れの間に三走井筒が還って打者9人で3点をあげて4-0とする。

 パ軍は3回裏、この回も先頭の富松がレフト線に二塁打、伊勢川の中前タイムリーで5-0、松井のニゴロの間に伊勢川は二進、井筒の中前打で一死一三塁、トップに返り木暮が四球を選び、白石の左前タイムリーで着々と2点を追加、6-0とする。

 パ軍は3回までに7残塁を記録しているが6得点と試合の主導権を握った。

 巨人は5回の守備からキャッチャー多田がセンターに回り、センター呉新亨が退いてプロ入り2度目の出場となる谷口記念治がマスクを被る。

 パ軍は6回裏、一死後森下重好がライト線に二塁打、二死後富松もライト線にタイムリー二塁打を放ち7-0と突き放す。

 巨人は6回まで井筒に3安打無得点に抑えられてきたが7回表、先頭の多田が四球で出塁、諏訪はレフト線にヒット、宮下信明のニゴロで諏訪が二封されて一死一三塁、山田の三ゴロをサード中谷順次が一塁に悪送球、三走多田が生還して1-7、山田には打点が記録される。トップに返り谷口が3球ファウルで粘って四球を選び一死満塁、坂本は二飛に倒れるが、黒沢が右前に2点タイムリーを放ち3-7、川上のライト線タイムリー二塁打で4-7と追い上げる。

 パ軍は7回裏、一死後井筒が左前打、これをレフト黒沢が後逸して井筒は三塁に進み、トップに返り木暮はストレートの四球で一死一三塁、白石のニゴロの間に三走井筒が還って8-4と再度突き放す。

 巨人は8回表、一死後諏訪の当りは遊ゴロ、これをショート白石がエラー、宮下がレフト線ヒット、山田も左前打で続いて一死満塁、パ軍藤本定義監督はここで井筒から真田重蔵にスイッチ、谷口の遊ゴロ併殺崩れの間に三走諏訪が還って5-8とするが反撃もここまで。

 パ軍の序盤戦の得点がこの試合の全てであったが、2回、3回と先頭打者として出塁した富松信彦の活躍が目に付いた。富松はこの日は六番であったがトップを打つことも多く、四球を選んで出塁率が高い。6回には追撃のタイムリー二塁打も放った。


2020年10月4日日曜日

21年 グレートリングvs阪急 7回戦

8月4日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 1 0 0 0 2 グ軍 31勝22敗 0.585 別所昭 松川博爾 
0 0 0 0 0 6 0 1 X 7 阪急 33勝28敗 0.541 天保義夫

勝利投手 天保義夫 10勝5敗
敗戦投手 別所昭      7勝5敗

二塁打 (グ)安井、木村、別所 (急)野口弟、野口兄
三塁打 (グ)山本2 (急)青田

勝利打点 (急)青田昇 5

猛打賞 (急)山田伝 5


グ軍、あと1本が出ず

 西宮の第2試合は別所昭と天保義夫の先発で午後3時7分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍は初回、一死後安井亀和が左前打で出塁、田川豊のバントが犠打となって二死二塁、ここは自らも生きる狙いだったか、安井が三盗を決めて二死三塁、山本一人監督が中越えにタイムリー三塁打を放ち1点を先制する。続く堀井数男は三ゴロに倒れて追加点はならず。

 グ軍は3回表、二死後安井が左中間に二塁打、しかし田川は遊ゴロに倒れて追加点はならず。

 グ軍は6回表、一死後山本が左中間に三塁打、堀井の遊ゴロをショート上田藤夫がエラーして三走山本が生還、2-0とする。続く木村勉も右前打で続いて一死一二塁、しかし別所は左飛、筒井敬三も左飛に倒れて追加点はならず。

 グ軍先発の別所は5回まで1安打無四球無失点と会心のピッチングを続けてきたが6回、突如崩れた。

 阪急は6回裏、先頭の八番荒木茂が中前打で出塁、天保が右前打で続いて下位打線が無死一二塁のチャンスを作ると、トップに返り上田が四球を選んで無死満塁、山田伝が二遊間に2点タイムリーを放ち2-2の同点、上田は三塁に進み、山田が二盗を決めて無死二三塁、グ軍ベンチはここで別所から松川博爾にスイッチ、青田昇が右中間に逆転の2点タイムリー三塁打を放ち4-2、野口二郎の右前タイムリーで5-2、野口明のニゴロでランナーが入れ替わり、野口が二盗を決めて、坂井豊司は四球を選んで一死一二塁、松川のワイルドピッチで野口明は三進、日比野武の左犠飛で6-2とする。

 グ軍は7回表、二死後安井が遊失に生き、田川の中前打で安井は三進、田川が二盗を決めて二死二三塁、しかし期待の山本が中飛に倒れて無得点。

 阪急は8回裏、野口兄弟がセンター方向に連続二塁打を放ち7-2と突き放す。

 グ軍は8回表、一死後木村が左中間に二塁打、松川のニゴロで木村は三進、筒井が四球を選んで二死一三塁、しかし宮崎仁郎は遊ゴロに倒れて無得点。

 グ軍は最終回、二死後田川が右前打を放って最後の粘りを見せるが、山本は三球三振に倒れてゲームセット。

 天保義夫は8安打2四球4三振の完投で10勝目をマークする。

 阪急は別所に5回まで1安打無得点に抑えられてきたが6回に集中打を見せて快勝。グ軍は前半に何度も追加点のチャンスを作ったがあと1本が出ずに敗退。結局、阪急は9安打7得点、グ軍は8安打2得点という結果であった。

2020年10月2日金曜日

21年 セネタースvsタイガース 9回戦

 

8月4日 (日) 札幌円山

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 2 1 0 0 0 0 0 0 5 セ軍 23勝33敗 0.411 一言多十
0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 タ軍 37勝18敗 0.673 野崎泰一 御園生崇男

勝利投手 一言多十 5勝9敗
敗戦投手 野崎泰一 3勝6敗

二塁打 (セ)熊耳 (タ)土井垣
三塁打 (セ)飯島 (タ)金田

勝利打点 なし

猛打賞 (セ)白木義一郎 3、熊耳武彦 5 (タ)本堂保次 6


御園生のミスが響く

 札幌円山の第1試合は一言多十と野崎泰一の先発で午後2時5分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍は初回、一死後横沢七郎が左前打で出塁、飯島滋弥は左飛に倒れるが、大下弘が右前打、これをライト御園生崇男が大きく後逸する間に一走横沢に続いて打者走者の大下までホームインして2点を先制する。大下には打点は記録されていない。

 セ軍は2回表、先頭の一言が四球で出塁、熊耳武彦のレフト戦二塁打で一言が一塁から還って3-0、レフト金田正泰からの三塁送球が悪送球となって熊耳は三塁に達しワンヒットワンエラー、ただし熊耳には打点が記録された。これは金田の悪送球が無くても一言が一塁からホームに還っていたと判断されたためである。したがって野崎にも自責点が記録される。無死三塁から清水喜一郎は投ゴロ、鈴木清一は遊ゴロに倒れて三走熊耳は三塁に釘付け、トップに返り白木義一郎が中前にタイムリーを放ち4-0とリードを広げる。昨日完投勝利をおさめた白木は今日は一番センターで出場している。

 タ軍は3回からライトの御園生をマウンドに送り、ライトには小俣秀次が入る。

 セ軍は3回表、先頭の飯島の当りは左中間を大きく割り、飯島は二塁から三塁、更に三塁ベースを蹴ってランニングホームランを狙うが、レフト金田からキャッチャー土井垣に返球されると三本間にストップ、土井垣からの送球を受けたピッチャー御園生がタッチしてアウト、三塁打の記録は残る。大下もニゴロに倒れて二死無走者、長持栄吉の当りは遊ゴロでスリーアウトチェンジかと思われたところ、ショート長谷川善三からの一塁送球が悪送球となって長持は二塁に進み、一言は四球を選んで二死一二塁、熊耳の中前タイムリーで5-0と突き放す。

 6回まで6安打を放ち毎回走者を出しながら無得点のタ軍は7回裏、一死後塚本博睦が四球で出塁、トップに返り金田が右越えに三塁打を放ち1-5、土井垣もライト線に二塁打を放ち2-5と反撃開始。

 タ軍は8回裏、先頭の御園生の当りはライトを襲い、御園生は一塁ベースを蹴って二塁に達したが、ここでセ軍のアピールプレーがあり、御園生が一塁ベースを踏まずに二塁に達したと判定されてアウト、記録は「9-6-3」のライトゴロで、一塁ベースを踏んでいないのでシングルヒットにもならない。一塁塁審はヒットの場合は必ず打者走者が一塁ベースに触塁しているかを確認する。一塁塁審沢東洋男は、御園生が一塁ベースを踏まずに二塁方向に走り去ったのを見逃さなかったのである。

 反撃ムードに水を差されたタ軍はセ軍に逃げ切りを許した。

 一言多十は9安打4四球無三振の完投で5勝目をマークする。

 タ軍は無三振であったがセ軍も野崎、御園生から無三振、両軍無三振であった。

 初回のタイムリーエラーに一塁ベース踏み忘れと、この日の御園生は冴えなかった。投攻走守に高いセンスを誇る御園生であるが、さすがに衰えたと見るべきか。
 
*本日は冴えなかった御園生崇男のブロマイド、昭和23年頃のもの。帽子の「O」は「大阪タイガース」です。


2020年10月1日木曜日

21年 中部日本vsゴールドスター 9回戦

 

8月4日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 1 1 0 0 4 中部 22勝28敗2分 0.440 森井茂
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 ゴ軍 19勝32敗1分 0.373 江田孝 内藤幸三

勝利投手 森井茂 9勝9敗
敗戦投手 江田孝 1勝4敗

二塁打 (中)杉浦、小鶴 (ゴ)坂本、酒沢
三塁打 (中)三村

勝利打点 (中)岩本章 1


岩本章、決勝犠飛含む2犠飛

 第15節4日目、16,098人の観客を集めた西宮の第1試合は森井茂と江田孝の先発で午後1時6分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。西宮球場には7月7日の21,567人に次ぐ今季2番目の観客が押し寄せた。

 ゴ軍は初回、先頭の中村信一が右前打で出塁、酒沢政夫も右前打で続いて無死一二塁、坪内道則がセオリーどおり三前に送りバントを決めて一死二三塁、田中宣顕が左前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 中部は2回表、先頭の加藤正二が右前打で出塁、大沢清も得意の右打ちを見せて右前打、無死一二塁から藤原鉄之助が一前に送りバントを決めて一死二三塁、岩本章が右犠飛を打ち上げて1-2とする。

 中部は3回表、先頭の三村勲が三前にセーフティバントを決めて出塁すると二盗に成功、キャッチャー辻功の悪送球が加わって無死三塁、古川清蔵が中犠飛を打ち上げて2-2の同点とする。

 中部は6回表、先頭の加藤が四球で出塁、大沢の二塁内野安打で加藤が三塁に進んで無死一三塁、続く藤原のカウントがツーボールノーストライクの時に江田孝が一塁牽制、大沢が一二塁間に挟まれてタッチアウト、三走加藤は動かず一死三塁、この場面でゴ軍は江田から内藤幸三のスイッチ、藤原が四球を選んで一死一三塁、岩本がこの日2本目の右犠飛を打ち上げて3-2と勝ち越す。

 中部は7回表、先頭の三村が右越えに三塁打、トップに返り古川の中飛で三走岩本は動けず一死三塁、続く杉浦清の記録は投ゴロ、ピッチャー内藤の本塁送球が悪送球となって4-2、ここは杉浦が打って出ての投ゴロとは考えにくく、スクイズだったのではないか。杉浦に犠打は記録されていないので、内藤のバックホームはタイミングはアウトであったが悪送球となったようだ。

 森井茂は2回以降を2失点で切り抜け、10安打無四球2三振の完投で9勝目をマークする。

 岩本章が決勝犠飛を含む2本の犠飛を記録、古川清蔵も1犠飛であった。7回の無死三塁からの古川の中飛で岩本がタッチアップから生還していたら、空前絶後の1試合2人が2本の犠飛を記録するところであった。