2021年8月31日火曜日

野球週報 ⑰

8月18日(水) 天王洲アイルCで品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習。バッティング練習の途中で激しいスコールとなり中止。

8月19日(木) 出勤日。

8月20日(金) 出勤日。

8月21日(土) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、130㌔、カーブ、130㌔、スライダー、130㌔の6セット。最後は左中間と右中間のライナーで締めました。

8月22日(日) 有明ガーデンの「ドクターストレッチ」で100分間ストレッチ。先週は肩周り中心でしたが、今週は股関節と上半身のメンテナンス。

8月23日(月) 出勤日。

8月24日(火) 出勤日。


2021年8月29日日曜日

21年 第20節 週間MVP

週間MVP
投手部門
 中部日本 服部受弘 2
 3勝0敗。9日のダブルヘッダー2連勝。

打撃部門 
 セネタース 大下弘 2
 17打数7安打8得点7打点、4本塁打。1試合2発が2回。大下時代がやってきた。

殊勲賞
 グレートリング 山本一人 1 18打数6安打3得点6打点。
 中部日本 古川清蔵 2 23打数8安打7得点5打点、V打1個、真の殊勲打1個。
 グレートリング 別所昭 1 巨人戦に3回登板して初戦は藤本に投げ負け、2戦目は延長10回引分け完投、3戦目は雪辱の完封勝利。
 パシフィック 伊勢川真澄 2 6日の中部戦で決勝の満塁走者一掃二塁打。
 パシフィック 中谷順次 2 8日のゴ軍戦で決勝の逆転スリーラン。

敢闘賞
 中部日本 杉浦清 1 25打数11安打8得点4打点。中日球団史上、象徴的な試合となった7日のゴ軍戦で、単打1本、三塁打2本、本塁打1本でプロ野球史上初のサイクルヒットを逃す。
 ゴールドスター 坪内道則 5 15打数8安打5得点4打点で5度目の受賞。
 グレートリング 筒井敬三 2 19打数9安打2得点3打点。
 タイガース 長谷川善三 2 19打数8安打3得点5打点。
 タイガース 御園生崇男 3 18打数8安打3得点4打点。
 巨人 黒沢俊夫 3 22打数8安打3得点2打点。
 セネタース 熊耳武彦 1 15打数8安打1得点2打点。

技能賞
 中部日本 山本尚敏 1 16打数3安打4得点4打点。低迷する中部を蘇らせた立役者。
 巨人 山田潔 3 7日のグ軍戦で16守備機会。
 セネタース 一言多十 1 14打数7安打5得点1打点。渋い脇役。
 ゴールドスター 石田光彦 1 5日のパ軍戦と6日のセ軍戦ではロングリリーフで2連勝。8日のゴ軍戦で4発を浴びてプロ球界を去る。この3試合で7打数3安打5打点、最後の意地を見せる。

2021年8月28日土曜日

21年 阪急vsタイガース 13回戦

9月9日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 2 3 阪急 41勝41敗 0.500 今西錬太郎 溝部武夫 
1 4 0 0 0 1 0 2 X 8 タ軍 46勝27敗 0.630 野崎泰一

勝利投手 野崎泰一    6勝7敗 
敗戦投手 今西錬太郎 3勝6敗

二塁打 (急)荒木、鳥居 

勝利打点 (タ)藤村冨美男 8


呉昌征、4出塁4得点

 激戦が続く第20節最終戦、西宮の第2試合は今西錬太郎と野崎泰一の先発で午後4時35分、金政主審の右手が上がりプレイボール。第1試合の試合終了は午後零時36分だったので、3時間59分のインターバルである。

 9月7日~9日の西宮の3日間だけ、第1試合の開始が午前11時で、第2試合との間隔は7日が4時間19分、8日が4時間16分、本日が3時間半59分という異例の開催となった。この3日間の入場券が2試合通しであったかは不明であるが、スコアカードによると3日間とも第1試合と第2試合の入場者数は同数となっているので、2試合通し入場券が発売された可能性が高い。入場者数は7日(土)が8,459人、8日(日)が28,149人、本日が6,155人と記録されている。半券を持っていれば出入りは自由であったと考えられるので、第1試合と第2試合をフルで観戦した観客も多かったかもしれない。近くで何かのイベントが開催されていてそちらに観客を誘導したのか、9月15日に国鉄のゼネストが予定(結果としては中止になった)されていたように、GHQの民主主義政策により日本国民の権利意識が高まってきた時期であり、西宮でも集会があったのかもしれない。因みに、高まり過ぎた権利意識による共産主義の台頭を収束するため、GHQの命令により複数のゼネストが中止に追い込まれることとなる。

 タ軍は初回、先頭の呉昌征が中前打で出塁すると金田の一ゴロの間に二進、更に三盗を決めて一死三塁、土井垣は四球で歩いて一死一三塁、藤村冨美男監督の三ゴロ併殺崩れの間に三走呉昌征が還って1点を先制する。

 タ軍は2回裏、先頭の高山泰夫が四球で出塁、宮崎剛が右前打で続き、野崎が送って一死二三塁、長谷川善三が左前に2点タイムリーを放ち3-0、トップに返り呉昌征は三塁線にヒット、金田の左前打で一死満塁、阪急ベンチはここで先発の今西から溝部武夫にスイッチ、土井垣の三ゴロで三走長谷川は本封、二死満塁から藤村が押出し四球を選んで4-0、続く御園生も押出し四球で5-0とリードを広げる。

 5回まで1安打無得点の阪急は6回表、二死後青田、野口二郎、野口明の3連打で1点返して1-5とする。

 タ軍は6回裏、一死後呉昌征が四球から二盗に成功、金田も四球を選んで一死一二塁、土井垣の左前タイムリーで6-1と突き放す。

 タ軍は8回裏、先頭の呉昌征が四球を選んで出塁、金田の三前バントをサード坂井豊司がエラー、犠打とエラーが記録される間に呉は三塁に進んで無死一三塁、土井垣の二ゴロで金田が二封される間に三走呉が還って7-1、藤村が中前打を放って一死一二塁、御園生が左前にタイムリーを放ち8-1とダメ押す。

 阪急は9回表、先頭の坂井が三塁にヒット、7回から出場の鳥居兵治がこの日の初打席でライト線にタイムリー二塁打を放ち2-8、一死後溝部に代わる代打森田定雄がレフト戦にタイムリーを放ち3-8とするが反撃もここまで。

 野崎泰一は9安打2四球3三振の完投で6勝目をマークする。

 タ軍はトップの呉昌征が2安打2四球の4出塁で4得点、クリーンナップトリオの土井垣、藤村、御園生が2打点ずつと、ダイナマイト打線が機能した。

 上位3チームによる5日間に及ぶ首位攻防戦が終了、グ軍が1位、1ゲーム差でタ軍、更に1ゲーム差で巨人が追う展開となってきた。

2021年8月25日水曜日

21年 パシフィックvs中部日本 9回戦

9月9日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 2 0 0 0 0 0 0 3 パ軍 30勝44敗2分 0.405 井筒研一
1 0 4 0 0 0 0 2 X 7 中部 26勝46敗2分 0.361 松尾幸造 服部受弘

勝利投手 服部受弘   9勝6敗 
敗戦投手 井筒研一 11勝16敗

二塁打 (パ)藤井 (中)山本、服部
本塁打 (パ)森下重好 4号

勝利打点 (中)加藤正二 3


中部、ダブルヘッダー連勝

 後楽園のダブルヘッダーの第2試合は井筒研一と松尾幸造の先発で午後2時50分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は第1試合に続いて松尾が先発。

 中部は初回、一死後杉浦清監督がピッチャー強襲ヒット、古川が三塁線にヒット、小鶴の右前タイムリーで1点を先制する。

 パ軍は2回表、先頭の主砲森下がレフトスタンドに第4号を叩き込んで1-1の同点に追い付く。

 パ軍は3回表、先頭の白石が四球で出塁、富松の二ゴロの間に白石は二進、藤井がレフト戦にタイムリー二塁打を流し打って2-1と勝ち越し、小島利男の中前タイムリーで3-1とリードする。中部ベンチはここで第1試合に続いてリリーフに服部受弘を投入、後続を抑える。

 中部は3回裏、先頭の山本尚敏が左越えに二塁打、トップに返り岩本の三遊間ヒットで山本は動けず無死一二塁、杉浦の一前送りバントをファースト小島が三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死満塁、古川が中前に同点の2点タイムリーを放ち3-3、小鶴の左前打で再度無死満塁、加藤正二の遊ゴロ併殺崩れの間に三走杉浦が還って4-3と逆転、一死一三塁から藤原鉄之助の右犠飛で5-3とする。

 中部は8回裏、先頭の加藤が右中間にヒット、藤原の左前打で無死一二塁、三村の投前送りバントは井筒が三塁に送球して二走加藤は三封、服部がレフト戦にタイムリー二塁打を放ち6-3、山本の左犠飛で7-3とダメ押す。

 服部受弘は6回3分の2を1安打4四球2三振無失点に抑える好リリーフ、第1試合に続いて9勝目をマークする。

 中部はダブルヘッダーを連勝して第21節を3勝3敗で終え、7位ゴ軍に3ゲーム差と迫ってきた。今季は最下位で終わるがパ軍と同率7位まで上昇し、翌22年の2位躍進につなげることになる。杉浦清監督就任後はチーム内のゴタゴタが続いて7位と大きく離された状態が続いてきたが、9月7日のゴ軍戦での16対1の勝利をきっかけとしてチームは上昇軌道に乗る。「昭和21年9月7日」は、中日球団史上、もっとも重要なターニングポイントとなったのである。

2021年8月22日日曜日

野球週報 ⑯

8月11日(水) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、130㌔、130㌔、130㌔、120㌔。3日間で20セット完了。1打席でバントが2本あるので、360球の打込みでした。

8月12日(木) 2度目のワクチン接種。

8月13日(金) 休養日。

8月14日(土) 休養日。

8月15日(日) 有明ガーデンの「ドクターストレッチ」で1時間ストレッチ。体のメンテナンスです。

8月16日(月) 出勤日。

8月17日(火) 出勤日。


2021年8月15日日曜日

21年 中部日本vsパシフィック 8回戦

9月9日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 1 3 中部 25勝46敗2分 0.352 松尾幸造 服部受弘 
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 パ軍 30勝43敗2分 0.411 真田重蔵

勝利投手 服部受弘   8勝6敗 
敗戦投手 真田重蔵 17勝16敗

二塁打 (中)藤原
三塁打 (パ)小暮

勝利打点 (中)古川清蔵 3

猛打賞 (中)小鶴誠 3


服部が好リリーフ

 第20節最終日の後楽園は中部vsパ軍のダブルヘッダー。第1試合は松尾幸造と真田重蔵の先発で午後1時5分、桝球審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、先頭の岩本が四球を選んで出塁、石田政良が送って一死二塁、古川が左前にタイムリーを放ち1点を先制、バックホームの間に打者走者の古川は二塁に進み、小鶴の中前タイムリーで2-0とする。

 パ軍は1回裏、一死後小暮が右前打で出塁、藤井の二ゴロでランナーが入れ替わり、森下、辻井が連続四球で二死満塁、しかし伊勢川は三邪飛に倒れて同点のチャンスを逸す。

 パ軍は3回裏、先頭の白石の当りは三ゴロ、これをサード三村がエラー、小暮が右中間にタイムリー三塁打を放ち1-2と追い上げる。

 パ軍は5回裏、先頭の真田がストレートの四球で出塁、中部ベンチはここで松尾から服部受弘にスイッチ、トップに返り白石もストレートの四球で無死一二塁、しかし当たっている小暮は左飛、ミートの巧い藤井は三振、主砲森下は投ゴロに倒れて無得点に終わる。

 服部は6回以降も毎回走者を出すが無失点で切り抜ける。

 中部は9回表、二死後古川が四球で出塁、小鶴が中前打、パスボールで二者進塁、杉浦清監督が四球を選んで二死満塁、藤原が右前にタイムリー、二走小鶴も三塁ベースを蹴ってホームに突っ込むがライト藤井からのバックホームにタッチアウト、貴重な追加点をあげて3-1とリードを広げる。

 服部受弘は最終回も1四球を出すが無失点で切り抜け、5イニングを2安打4四球3三振無失点の好リリーフ、8勝目をあげる。

 中部は6安打で3得点。古川、小鶴、藤原が効率よく適時打を放った。

2021年8月14日土曜日

野球週報 ⑮

8月4日(水) 天王洲アイルCで品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習。本日の練習からViPR(バイパー)を導入、体幹トレーニングのは最適です。猛暑の中のバッティング練習では鋭いライナーの連続でした。

8月5日(木) 出勤日。

8月6日(金) 出勤日。

8月7日(土) ジムでインターバルトレーニング。60歳を超えてのインターバルトレーニングは危険ですので安易にマネしないでください。きちんと心拍数をコントロールできる中上級者向けトレーニングです。

8月8日(日) ジムで体幹、ViPR、筋トレ、有酸素運動。

8月9日(月) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、110㌔、130㌔、カーブ、130㌔、110㌔、110㌔の7セット。今週は打込みです。

8月10日(火) 本日から夏休みなので秋葉原のバッティングセンターで110㌔、110㌔、120㌔、110㌔、130㌔、カーブ、130㌔、スライダーの8セット。


21年 巨人vsグレートリング 11回戦

9月9日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 45勝28敗2分 0.616 中尾輝三 近藤貞雄 
0 0 0 0 0 1 2 1 X 4 グ軍 48勝27敗1分 0.640 別所昭

勝利投手 別所昭     12勝7敗 
敗戦投手 近藤貞雄 16勝10敗

勝利打点 (グ)別所昭 4


別所、雪辱の完封劇

 激戦が続く第20節最終日、西宮の第1試合は中尾輝三と別所昭の先発で午前11時9分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 序盤は中尾と別所の投げ合いで5回まで両軍無得点。

 しかし、中尾は3回に1四球、4回に2四球と荒れ出し、5回一死から安井に四球、安井の二盗後河西には死球をぶつけ、巨人はここで近藤貞雄にスイッチ、田川の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。最多勝争いで白木に2勝差を付けられた近藤はここは何としても抑えたい所であった。

 グ軍は6回裏、一死後堀井が三塁線にヒット、木村勉の遊ゴロでランナーが入れ替わり、木村が二盗に成功、キャッチャー多田の悪送球が加わり木村は三塁に進み、別所の三塁線タイムリーで1点を先制する。

 グ軍は7回裏、先頭の宮崎仁郎が右前打で出塁、トップに返り安井が二遊間にヒット、河西が送りバントを決めて一死二三塁、田川の右前タイムリーで2-0、山本一人監督の中前タイムリーで3-0と加点する。

 グ軍は8回裏、先頭の木村が左前打で出塁、しかし別所の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー、しかし筒井がピッチャー強襲ヒット、宮崎が四球を選んで二死一二塁、トップに返り安井が中前タイムリー、ねちっこい攻撃で4-0と突き放す。

 巨人は最終回、先頭の川上が四球で出塁すると代走に坂本茂を起用、黒沢の中前打で無死一二塁、続く中島治康監督は自らに代えて代打に前任監督の藤本英雄を起用、しかし藤本の三ゴロをサード河西がベースを踏んで一塁送球してダブルプレー、黒沢が二塁に残って二死二塁、多田のピッチャー強襲ヒットで黒沢は動けず二死一二塁、最後は呉新亨が二ゴロに倒れてゲームセット。

 別所昭は4安打5四球4三振で今季3度目の完封、12勝目をマークする。今節初戦の藤本との投げ合いに敗れた別所の雪辱の完封劇であった。別所は打っても2試合連続勝利打点。

 グ軍はこの勝利でタ軍に1.5ゲーム、巨人に2ゲーム差を付けて激しい首位争いから一歩抜け出した。

2021年8月13日金曜日

21年 タイガースvs巨人 12回戦

9月8日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 タ軍 45勝27敗 0.625 御園生崇男 
1 0 0 3 0 0 0 0 X 4 巨人 45勝27敗2分 0.625 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄   11勝3敗 
敗戦投手 御園生崇男 6勝4敗

二塁打 (タ)金田、長谷川 (巨)川上、黒沢
三塁打 (タ)藤村 (巨)中島

勝利打点 (巨)中島治康 3


タ軍と巨人同率二位

 西宮の第1試合の終了時刻は午後1時26分、3時間24分のインターバルの後、第2試合は御園生崇男と藤本英雄の先発で午後4時50分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、一死後山川の当りは遊ゴロ、これをショート長谷川善三が一塁に悪送球、二死後川上の中越えタイムリー二塁打で1点を先制する。

 タ軍は2回表、先頭の御園生が右前打で出塁、続く高山泰夫が三振に倒れると御園生が二盗に成功、宮崎剛の二ゴロが進塁打となって二死三塁、初回に失点のきっかけとなるエラーを犯した長谷川が中越えに汚名挽回のタイムリー二塁打を放ち1-1の同点とする。

 タ軍は3回表、二死後藤村冨美男監督が左中間に三塁打、御園生の中前タイムリーで2-1と逆転に成功する。

 巨人は4回裏、先頭の千葉の当りは二ゴロ、これをセカンド宮崎がエラー、川上は中飛に倒れるが、黒沢の中越え二塁打で一死二三塁、中島治康監督の右中間2点タイムリー三塁打で3-2と逆転、多田の遊ゴロで三走中島がホームに突っ込むがショート長谷川のバックホームにタッチアウト、呉新亨が左前打を放って二死一二塁、藤本が左前にタイムリーを放ち4-2とする。

 藤本英雄は12安打を浴びながら3四球5三振で完投、11勝目をマークする。

 タ軍は11残塁の拙攻で破れて巨人と同率二位となった。首位は1ゲーム差でグ軍が返り咲く。

 日曜日のこの日、西宮球場には28,149人の観衆が訪れた。7月7日(日)の西宮の21,567人を抜く大レコードとなったのである。戦前のスコアカードには一部を除いてほとんど観客数の記載がなく、昭和17年に山内以九士が公式記録員に採用されて関西の試合を担当することになってから関西の試合で観客数が記載されるようになった。昭和17年8月2日(日)の西宮球場が約20,000人の観衆であり、これが戦前最高記録ではないかと考えられるが、日本野球連盟発行「昭和21年度日本野球年報」には7月7日について「西宮では21,567人の観衆を集めて本年の記録を作った」と書かれており、戦前にそれ以上の記録があったかのような表現となっている。昭和18年の最高記録は1万人超程度であり、昭和19年は1万人未満となるが、太平洋戦争開戦前に最高記録があった可能性は否定できない。スコアカードを見る限り、未確認である。

 この日これだけの観衆を集めた要因は西宮に上位4球団が集結して、グ軍、タ軍、巨人による首位攻防戦が見られたことによるが、9月15日に国鉄のゼネストが予定されており(実際は中止になった)、9月12日から始まる第21節は関西での試合がなく後楽園だけで開催される日程となっていたことも大きな要因であったと考えられる。

2021年8月12日木曜日

21年 セネタースvs中部日本 12回戦

9月8日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 2 1 3 0 0 3 0 10 セ軍 32勝41敗 0.438 白木義一郎
0 0 1 0 0 1 0 0 0  2  中部 24勝46敗2分 0.343 松尾幸造 星田次郎

勝利投手 白木義一郎 18勝13敗 
敗戦投手 松尾幸造      2勝13敗

二塁打 (セ)一言、白木、清水 (中)藤原、大沢、石田
三塁打 (中)小鶴
本塁打 (セ)白木義一郎 2号、飯島滋弥 5号

勝利打点 (セ)鈴木清一 1

猛打賞 (セ)一言多十 3、白木義一郎 5 (中)杉浦清 2


白木ハーラー単独トップ、打っても3安打4打点

 後楽園の第2試合は白木義一郎と松尾幸造の先発で午後2時45分、沢球審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍は初回、先頭の横沢の一飛をファースト小鶴が好捕、一言多十が中前打で出塁、飯島は三振、大下の遊ゴロをショート杉浦清監督がファインプレーで一言を二塁に刺す。

 中部は1回裏、一死後山本尚敏の当りは遊ゴロ、これをショート鈴木清一が一塁に悪送球、古川の左前打で山本は三塁に進み一死一三塁、しかし小鶴のベース寄りの遊ゴロをショート鈴木が二塁を踏んで一塁に送球してダブルプレー。

 セ軍は2回表、先頭の白木が中前打、熊耳も左前打で続いて一二塁、鈴木がライト線に先制タイムリーを放ち1-0とする。鈴木は初回のエラーを帳消しにする活躍。

 セ軍は3回表、一死後一言が左中間に二塁打、飯島はストレートの四球で一二塁、大下は三邪飛に倒れて二死一二塁、白木がレフト戦にタイムリー二塁打を放ち2-0、熊耳が右前タイムリーで続いて3-0とする。

 中部は3回裏、一死後山本が四球で出塁、二死後小鶴が左中間にタイムリー三塁打を放ち1-3と追い上げる。

 セ軍は4回表、先頭の長持が左中間にヒット、清水喜一郎は中飛、トップに返り横沢の打席で長持が二盗に成功、横沢は右飛に倒れ、一言が三前にセーフティバントを決めて二死一三塁、飯島の打席で一言がディレードスチール、キャッチャー藤原がショート杉浦に送球、一言が一二塁間に挟まれる隙を突いて三走長持がホームイン、杉浦からファースト飯島に送球されて一言はタッチアウトとなるが長持の生還が早く4-1と着々と加点、長持に本盗は記録されていない。

 セ軍は5回表、打ち直しとなった先頭の飯島が四球で出塁、大下は一二塁間にヒット、白木がレフトポール際にライナーで突き刺さるスリーランを放ち7-1として試合の大勢を決める。
 中部は6回裏、先頭の杉浦が左前打で出塁、二死後大沢清が得意の右打ちでライトにタイムリー二塁打を放ち2-7とする。

 中部は7回から先発の松尾を下げて星田次郎がリリーフのマウンドに上がる。

 セ軍は8回表、二死後横沢が中前打、一言はストレートの四球で一二塁、飯島がレフトスタンドにスリーランを叩き込んで10-2とする。

 白木義一郎は10安打2四球8三振の完投で18勝目をマーク、ハーラー単独トップに立つ。4打数3安打1本塁打4打点、試合を決めるスリーランを放った。

 セ軍は全員安打で快勝、守備でも8回にファースト飯島が、9回にはセカンド清水が難しい飛球を好捕するファインプレーを見せた。

2021年8月11日水曜日

石田光彦最後の投球

 実況のとおり、石田光彦最後の投球は4本塁打を許すというものであった。

 石田は9月5日のパ軍戦では3回から登板して7イニングを7安打4四球2三振無失点で勝利投手。9月6日のセ軍戦でも3回から登板して7イニングを8安打2四球6三振2失点で勝利投手、この試合では好調飯島を4打席無安打2三振、大下を4打席無安打2三振に抑え、最終回は飯島、大下を連続三振で締めくくっているのである。

 それが9月8日の最後の登板で被本塁打4本。これは実力ではなく敗退行為であったことは間違いない。

 石田が野球賭博に引きずり込まれたのは戦前からのこと。まだ八百長に加担していなかった昭和12年に最初のノーヒットノーラン、やくざ共が追いかけてこなかったであろう昭和15年の満州シリーズで2度目のノーヒットノーラン。真面目に投げた時の切れ味抜群のピッチングを、当ブログは全て伝えてきた。

 戦前から関西を中心に野球賭博が行われており、その予想紙も発行されていたことはよく知られている事実である。戦後復活初年度には野球賭博も復活したことが、BBM発行「藤本定義自伝」や「鶴岡一人自伝」にも書かれている。

 このような状況で、戦後野球は隆盛に向かって走り始め、それを肌で感じた石田は八百長から足を洗いたかったと考えられる。9月5日は打撃でも3打数1安打1打点、6日は勝負を決める満塁走者一掃三塁打、8日の最終戦でも2点タイムリーを放ち2打数1安打2打点。自らの実力を見せつけるかのようなバッティングであった。

 この日のあからさまな被本塁打4本は、胴元への反抗と見られたようだ。球団としてももう見逃すことはできないと判断したのであろうか。石田はこの後プロ野球界を去ることとなる。

 2年後の都市対抗野球、前橋市代表の山藤商店は1年限りで廃業となった国民リーグから流れてきた元プロ野球選手倉本信護がプレイングマネージャーであり、倉本と行動を共にしてきた元プロ野球選手田部輝男も出場している。そして、「都市対抗野球60年史」に記載されているテーブルスコアには「投手・石田」の名が認められる。この「石田」が石田光彦であったと言われている。生粋の「野球人」石田光彦は、プロ野球界を追われても、野球の道を邁進していたのである。


*石田光彦最後の背信投球



*昭和23年都市対抗野球、前橋市代表・山藤商店の先発投手は「石田」であった。(「都市対抗野球60年史」より)


2021年8月10日火曜日

21年 ゴールドスターvsパシフィック 7回戦

9月8日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 3 0 0 0 0 0  3  ゴ軍 29勝43敗1分 0.403 石田光彦 江田孝 
1 0 0 3 1 4 2 0 X 11 パ軍 30勝42敗2分 0.417 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵 17勝15敗 
敗戦投手 石田光彦 12勝16敗

二塁打 (パ)白石
三塁打 (パ)中谷
本塁打 (パ)中谷順次 2号、真田重蔵 1号、藤井勇 2号、辻井弘 1号

勝利打点 (パ)中谷順次 1


石田光彦、最後の投球

 後楽園の第1試合は石田光彦と真田重蔵の先発で午後1時丁度、島球審の右手が上がりプレイボール。

 ゴ軍はは初回、一死後田中宣顕が一二塁間にヒット、しかし酒沢の右飛に田中は戻れずライト藤井からファースト辻井に送球されてダブルプレー。辻井は7月13日の巨人戦以来の出場となるが、最初のプレーはライト藤井からの送球を受けての刺殺であった。

 パ軍は1回裏、先頭の白石がレフト戦に二塁打、小暮の右飛で白石はタッチアップから三進、藤井の右犠飛で1点を先制する。

 ゴ軍は4回表、田中、酒沢の連続四球で無死一二塁、坪内の右前タイムリーで1-1の同点、一走酒沢は三塁に進み、ライト藤井からの返球をピッチャー真田が後逸する間に打者走者の坪内も二塁に進んで無死二三塁、石田が右中間に逆転の2点タイムリーを放ち3-1とリードする。

 パ軍は4回裏、先頭の小暮が中前打、藤井のライト線ヒットで無死一三塁、森下は三振に倒れて一死二三塁、中谷がレフトスタンドに逆転スリーランを叩き込んで4-3とする。

 パ軍は5回裏、一死後真田がレフトスタンドにホームランを叩き込んで5-3とする。

 パ軍は6回裏、先頭の藤井がライトスタンドにホームランを叩き込んで6-3、一死後中谷の三ゴロをサード中村信一が一塁に悪送球、伊勢川の三遊間ヒットで一死一二塁、辻井がライトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで9-3とする。

 パ軍はここまで残塁0で9得点。

 ゴ軍は7回から石田に代えて江田孝をリリーフのマウンドに上げる。

 パ軍は7回裏、一死後小暮がストレートの四球で出塁、二死後森下が左前打、レフト坂本勲がファンブルして二死二三塁、中谷が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち11-3とする。

 真田重蔵は4安打6四球3三振の完投で17勝目をマーク、白木、丸山とハーラートップに並ぶ。

 パ軍は中谷、真田、藤井、辻井が4本塁打を記録、打たれたのはすべて石田光彦であった。プロ野球初年度から投げ続けてきた石田の最後の投球である。

野球週報 ⑭

7月28日(水) 天王洲アイルCで品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習。肩の調子がいいので守備ではセンターゴロの練習。バッティングは最悪、当りが止まっているというより、今は基礎トレーニングの段階でバットを振っていないことが原因。8月は打ち込みます。

7月29日(木) 出勤日。

7月30日(金) 出勤日。

7月31日(土) 体調不良のため休養日

8月1日(日) ジムで体幹、ViPR、筋トレ。今月は打込みよりも基礎トレーニング重視。お盆休みはジムも夏休みなので、そこでバッセンで打込みです。

8月2日(月) 出勤日。

8月3日(火) 出勤日。


2021年8月9日月曜日

21年 グレートリングvs阪急 13回戦

9月8日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 3 0 0 0 1 3 7 グ軍 47勝27敗1分 0.635 丸山二三雄 
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 阪急 41勝40敗 0.506 野口二郎

勝利投手 丸山二三雄 17勝11敗 
敗戦投手 野口二郎      9勝11敗

二塁打 (グ)別所、木村、宮崎、河西
三塁打 (急)荒木

勝利打点 (グ)別所昭 3

猛打賞 (グ)田川豊 4


別所が代打決勝打

 第20節4日目の西宮も第1試合は午前11時8分開始。この試合は午後零時34分に終了し、第2試合の開始は午後4時50分となる。明日の5日目も第1試合は午前11時9分開始で第2試合は午後4時35分開始。昼間の時間は西宮休場が使えない事情があったのか。第21節は関西では試合は行われず後楽園のみで行われる。西宮球場で進駐軍の行事が行われた可能性も考えられる。何せ占領国ですから。ということで、2021年8月12日に第2回ワクチン接種の後、午後2時から東京都立図書館を予約しましたので調べてきます。

 西宮の第1試合は丸山二三雄と野口二郎の先発で午前11時8分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍は4回表、先頭の河西が左前打で出塁、田川が中前打で続いて無死一二塁、山本一人監督は中飛、堀井は遊飛に倒れて二死一二塁、ここで岡村に代わって代打に別所が登場、別所は期待に応えて左中間に2点タイムリー二塁打を放ち2-0、筒井が右前にタイムリーで続いて3-0とする。

 グ軍は8回表、二死後堀井が四球を選んで出塁、木村勉が左中間にタイムリー二塁打を放ち4-0とする。木村は4回の攻撃で岡村に代打別所が起用された後にセンターに入っていた。

 阪急は8回裏、先頭の日比野がストレートの四球で出塁、大平茂は一飛に倒れるが、荒木茂が左中間にタイムリー三塁打を放ち1-4、トップに返り山田伝の中前タイムリーで2-4と追い上げる。

 グ軍は9回表、先頭の宮崎が四球で出塁、トップに返り安井は一邪飛に倒れるが、河西の中越え二塁打で一死二三塁、田川の左前タイムリーで5-2、山本も左前タイムリーを放ち6-2、堀井も中前タイムリーを放ち7-2と突き放して試合を決める。

 丸山二三雄は8安打3四球1死球4三振の完投で17勝目をマーク、白木義一郎とハーラートップタイに並ぶ。

 昨日の敗戦で一日天下で二位に落ちたグ軍は再び勝率でタ軍を抜いてトップに立ち、第2試合の結果を待つ。

 野口二郎は第1打席で三塁に内野安打、その後は凡退で、辛うじて連続試合ヒット記録を継続した。

 8回に貴重な追加点を叩き出した木村勉は地味ながら渋い活躍を続けている。今季ここまで打率は2割6分2厘。直近10試合では25打数5安打ながら6打点と勝負強さを見せている。優勝するチームには必ずこういう選手がいるもの。木村勉は戦後復活初年度のグレートリングと2リーグ分裂初年度の松竹で優勝に貢献するのである。三振の少なさが特徴で、通算4,000打数以上で202三振は、現時点でプロ野球史上最少記録である。

山田潔、2度目の1試合16守備機会

 実況のとおり昭和21年9月7日、グレートリングvs巨人戦で巨人の遊撃手山田潔が7刺殺、9補殺で1試合16守備機会を記録した。

 一般に、遊撃手の1試合最多守備機会記録は吉田義男の「15」と言われている。

 当ブログは、2013年1月19日付「一試合最多守備機会」で、昭和15年8月8日のイーグルスvs金鯱戦でイーグルスの山田潔が刺殺9個、補殺7個で守備機会16個という記録を達成したことをお伝えした。

 そして、巨人に移った山田潔が昭和21年9月7日に2度目の1試合16守備機会を記録したのである。両試合とも延長10回の試合であったが、山田の記録は両試合とも9回までに達成されているので延長戦に助けられたものではない。

 一試合最多守備機会記録は公式記録ではないので、吉田義男の15個であろうが、山田潔が2度記録した16個であろうが、吉田と山田が守備の名手であることに変わりはない。


2021年8月8日日曜日

21年 グレートリングvs巨人 10回戦

9月7日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 1 0 1 2 0  0  4 グ軍 46勝27敗1分 0.630 別所昭
0 1 2 0 0 0 0 0 1  0  4 巨人 44勝27敗2分 0.620 近藤貞雄 藤本英雄

二塁打 (グ)田川、安井
三塁打 (巨)黒沢

勝利打点 なし


巨人、手痛い引分け

 西宮の第2試合は別所昭と近藤貞雄の先発で午後4時42分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 第1試合は午前11時9分開始で午後零時36分に終了しているので4時間6分のインターバルがあった。通常、第1試合は午後1時開始なので、お昼頃に何かのセレモニーが行われた可能性がある。

 巨人は初回、先頭の山田潔が四球で出塁、山川喜作の右前打で無死一三塁、千葉は浅い右飛に倒れ、山川が二盗を決めて一死二三塁、しかし川上は遊飛、黒沢は遊ゴロに倒れて無得点。

 巨人は2回裏、一死後多田が四球で出塁、呉新亨も四球を選び、近藤の右前タイムリーで1点を先制する。なおも一死一三塁のチャンスが続き、トップに返り山田は二飛、山川はストレートの四球で二死満塁、しかし千葉は三振に倒れて1点止まり。

 巨人は3回裏、先頭の川上が三遊間にヒット、黒沢の右中間タイムリー三塁打で2-0、一死後多田の遊ゴロの間に三走黒沢が還って3-0と試合の主導権を握る。

 グ軍は4回表、先頭の安井が四球で出塁するが、田川の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 グ軍は5回表、先頭の木村勉が中前打、別所も中前打で無死一三塁、筒井が中前タイムリーを放ち1-3、無死一二塁から宮崎のピッチャー小フライに二走別所が戻れずダブルプレー。

 グ軍は7回表、先頭の山本一人監督がストレートの四球で出塁、堀井の中前打で無死一三塁、木村の遊ゴロ併殺崩れの間に三走山本が還って2-3、別所の当りは右前に抜けるがライト中島からの二塁送球に木村は二封、ライトゴロが記録されて二死一塁、筒井の中前打で二死二三塁、しかし宮崎の代打岡村は一ゴロに倒れて1点差まで。

 グ軍は8回表、一死後安井が四球で出塁、田川の右中間タイムリー二塁打で3-3の同点、巨人ベンチはここで近藤から藤本英雄にスイッチ、山本は四球を選んで一死一二塁、堀井の左前タイムリーで4-3と逆転に成功する。

 巨人は9回裏、一死後藤本の当りは三ゴロ、これをサード河西がエラー、トップに返り山田の右前打で一死一三塁、しかし三走藤本が別所の牽制に刺されて二死一塁、山川が四球を選んで二死一二塁、ここで千葉が右前に同点タイムリーを放ち4-4と追い付く。なおも二死一三塁とサヨナラのチャンス、しかし川上は別所の剛球の前に左飛に倒れて試合は延長戦に。

 グ軍は10回表、一死後安井が右中間に二塁打、田川の二ゴロで安井は三進、山本は四球から二盗を決めて二死二三塁、しかし堀井は三振に倒れて無得点。

 巨人は10回裏、別所の前に三者凡退、日没引分けに終わる。

 一般には昭和21年ペナントレースはパ軍の没収試合によりグ軍が1勝差で巨人を上回ったことによるものと言われるが、巨人がこの試合であと1本出ていればグ軍を抑えて戦後初年度のペナントレースを制していたのである。

 山田潔は9回までに7刺殺9補殺を記録した。詳細は別項にて詳述。

 

2021年8月1日日曜日

21年 パシフィックvsセネタース 11回戦

9月7日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 2 3 パ軍 29勝42敗2分 0.408 井筒研一 木暮力三 
0 0 0 1 0 3 3 0 X 7 セ軍 31勝41敗 0.431 白木義一郎

勝利投手 白木義一郎 17勝13敗 
敗戦投手 井筒研一     11勝15敗

二塁打 (セ)大下、白木
三塁打 (パ)小暮
本塁打 (セ)大下弘 14号、15号

勝利打点 (セ)大下弘 6

猛打賞 (セ)大下弘 6


大下弘、4度目の1試合2本塁打

 後楽園の第2試合は井筒研一と白木義一郎の先発で午後3時3分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 3回まで両軍1安打ずつで無得点。

 セ軍は4回裏、二死後大下がライトスタンドに大きく弧を描く第14号ホームランを叩き込んで1点を先制する。

 セ軍は6回裏、先頭の一言多十が四球で出塁、飯島が鋭いライナーを中前に弾き返して無死一二塁、大下を迎えた場面でパ軍藤本定義監督は先発の井筒に代えて左の木暮力三をマウンドに送る。小暮はくさい所を突いていくがストレートの四球となって無死満塁、白木がレフト線に2点タイムリー二塁打を放ち3-0、鈴木清一の遊ゴロで三走大下がホームに突っ込み、ショート白石がバックホームしてタイミングはアウトであったがキャッチャー伊勢川が落球、大下がホームインして4-0とする。

 セ軍先発の白木は初回先頭の白石に左前打を許した以降は7回までノーヒットピッチングを続ける。

 セ軍は7回裏、先頭の横沢の当りは三ゴロ、これをサード中谷がエラー、一言が四球を選んで無死一二塁、飯島は左飛に倒れて一死一二塁、ここで大下がライトスタンドに第15号スリーラン、7-0とする。

 パ軍は8回表、二死後松井信勝が四球で出塁、小暮が左中間にタイムリー三塁打を放ち1点返して1-7とする。

 パ軍は9回表、先頭の富松が左前打で出塁、藤井は中前打、森下は四球で無死満塁、小島利男の三ゴロをサード横沢がエラーする間に三走富松が還って2-7、小島には打点1が記録された。中谷は三飛に倒れて一死満塁、伊勢川の三ゴロ併殺崩れの間に三走藤井が還って3-7、最後は松井に代わる代打佐竹一雄が右飛に倒れてゲームセット。

 白木義一郎は4安打2四球2三振の完投で17勝目をマーク、混戦のハーラー争いから一歩抜け出し単独トップに躍り出る。

 パ軍藤本監督は大下対策として、これまで外野で使い続けてきた木暮力三をベンチに温存してリリーフの機会を探っていたようだ。パ軍は三本柱の真田、井筒、湯浅が右投手、1度登板がある森下重好も右投げで左投手がいない。小暮は戦前はプロでは投手経験がなくこの日がプロ入り初登板となったが、大下に一発を喫した。

 大下は今季4度目の1試合2本塁打で15号。左投手からの本塁打は4本目となる。15本のうちライナーは1本だけで、残りの14本は大きく弧を描く飛球である。

杉浦清、サイクルヒット第1号を逃す

 実況でお伝えした通り、昭和21年9月7日、後楽園球場の第1試合中部日本vsゴールドスター戦で、杉浦清の成績は以下のとおり。

 第1打席:レフトへの本塁打  
 第2打席:四球  
 第3打席:三塁線にシングルヒット  
 第4打席:三振  
 第5打席:左中間に三塁打  
 第6打席:センターオーバーの三塁打 

 9回表の先頭打者として第5打席で左中間に三塁打を放ち、12対0となって打者一巡で回ってきた第6打席の当りはセンターをオーバー、ここで二塁に止まっていれば「日本プロ野球史上初のサイクルヒット」が記録されるところであったが、生真面目な杉浦清は三塁まで走ってしまった。

 この結果、「日本プロ野球史上初のサイクルヒット」は2年後の昭和23年10月2日に藤村冨美男が記録することとなった。尤も、この当時の日本では「サイクルヒット」の概念はなく、昭和40年7月16日にスペンサーが「サイクルヒット」を記録した際に、スペンサーから「これはサイクルヒットである」と聞かされて初めてその事実を知り、過去の記録を調べ直して藤村冨美男が昭和23年10月2日に達成していたことが判明した。

 昭和21年9月7日の時点で「サイクルヒット」の概念があれば、杉浦清はセンターオーバーの当りで二塁にストップして三塁まで走らなかったかもしれない。12対0の場面なので二塁で止まっても三塁まで進んでも勝敗には関係なく、「敗退行為」には該当しない。

 同様のケースとして、昭和15年5月24日の巨人vsセネタース戦で中島治康が
 第1打席:サードゴロ
 第2打席:レフトへの本塁打
 第3打席:ライトに二塁打
 第4打席:右中間に三塁打
 第5打席:右中間に二塁打
を記録して「日本プロ野球史上初のサイクルヒット」を逃したことが知られている。

野球週報 ⑬

7月21日(水) 天王洲アイルBで品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習。シートバッティングでは同学年の期待のルーキーと対決。第1打席は変化球でタイミングを外されてから外角低めのストレートを見逃し三振。第2打席は変化球で追い込まれて外角スライダーに空振り三振。第3打席は左前打でしたが打ったコースが良かっただけ。第4打席は遊ゴロで完敗でした。先日の練習試合では高めに浮いた球を打たれていましたが、低めに決まれば打てないだけの球威がある。貴重な戦力の加入で秋のリーグ戦が楽しみになってきました。

7月22日(木) 自宅マンション備え付けのゴルフレンジで1時間打込み。

7月23日(金) ジムでインターバルトレーニング。

7月24日(土) 休養日

7月25日(日) ジムで体幹、ViPR、筋トレ。今月は打込みよりも基礎トレーニング重視。お盆休みはジムも夏休みなので、そこでバッセンで打込みです。

7月26日(月) 出勤日。

7月27日(火) 出勤日。


21年 中部日本vsゴールドスター 13回戦

9月7日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 4 1 0 0 1 0 8 16 中部 24勝45敗2分 0.348 服部受弘
0 0 0 0 0 0 0 0 1  1  ゴ軍 29勝42敗1分 0.408 内藤幸三 江田孝

勝利投手 服部受弘   7勝6敗 
敗戦投手 内藤幸三 15勝17敗

二塁打 (中)山本2、服部
三塁打 (中)藤原、杉浦2 (ゴ)坪内
本塁打 (中)杉浦清 3号

勝利打点 (中)杉浦清 1

猛打賞 (中)杉浦清(4安打)1、三村勲(4安打)2


エポックメイキング

 後楽園の第1試合は服部受弘と内藤幸三の先発で午後1時4分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 この試合で中部は二番ライトに石田政良、九番セカンドに山本尚敏を起用した。この二人がスタメンに名を連ねたのは7月にも2度あったが、両名がフル出場した試合はこの試合が初めてである。石田も山本も昭和16年以来5年ぶりに復帰した大ベテランであり、石田は昭和15年の盗塁王、山本も昭和23年に代走で20盗塁を記録することとなる俊足好守の好選手である。

 中部は2回表、先頭の杉浦清監督がレフトスタンドに第3号ホームランを叩き込んで1点を先制、二死後服部が左前打で出塁、山本が右中間奥深くにタイムリー二塁打を放ち2-0とする。早くも山本起用が成功。

 中部は3回表、先頭の石田がレフト線ヒットで出塁、古川も左前打、小鶴の中前タイムリーで山本が俊足を飛ばして生還し3-0、杉浦は四球で無死満塁、藤原が押し出し四球を選んで4-0、三村が中前に2点タイムリーを放ち6-0として内藤をKO、代わった江田孝が後続を抑える。

 中部は4回表、一死後小鶴が四球で出塁、杉浦が三塁線にヒット、二死後三村の中前タイムリーで7-0とする。

 中部は7回表、先頭の藤原が左中間に三塁打、三村が3打席連続タイムリーを三遊間に放ち8-0とする。

 中部は9回表、先頭の杉浦が左中間に三塁打、一死後三村が4打席連続タイムリーとなる中前打を放ち9-0、服部の左越え二塁打で一死二三塁、山本の右中間2点タイムリー二塁打で11-0、トップに返り岩本は左飛に倒れるが、石田が左前打から二盗を決めて二死二三塁、古川は四球で二死満塁、小鶴の三ゴロをサード中村信一がエラーする間に三走山本が還って12-0、なおも続く二死満塁から杉浦が中越えに走者一掃の三塁打を放ち15-0、藤原の中前タイムリーでこの回一挙8点、16-0とする。

 ゴ軍は9回裏、ヒットの中村と入れ替わった大友を二塁に置いて坪内道則監督が左中間にタイムリー三塁打を放ち零封を免れる。

 服部受弘は5安打無四球7三振の完投で7勝目をマークする。味方の攻撃時間が長かった中で無四球に抑えたことは今後の自信につながるのではないか。

 杉浦清監督は5打数4安打4打点、三塁打2本、本塁打1本。三村勲は6打数4安打、4打席連続タイムリーヒットを放ち5打点の活躍であった。

 断トツの最下位に低迷する中部は強力打線が機能して大勝。この試合を境に調子を上げていき、この後のシーズン終了までの試合を勝ち越すこととなる。最終結果は最下位であるが、パ軍と同率7位まで追い上げることとなり、翌年の2位躍進につなげる。この試合は戦後の中日球団史にとって、エポックメイキングとなったのである。