2025年5月30日金曜日

22年 金星vs南海 5回戦

6月26日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金星 18勝23敗1分 0.439 江田孝 門馬祐 
0 1 0 0 0 3 3 0 X 7 南海 22勝19敗1分 0.537 丸山二三雄

勝利投手 丸山二三雄 6勝3敗 
敗戦投手 江田孝        5勝10敗

二塁打 (南)朝井、別所

勝利打点(南)丸山二三雄 3

猛打賞 (南)別所昭 3


丸山二三雄、1安打完封に3打点

 後楽園の第2試合は江田孝と丸山二三雄の先発で午後3時6分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は初回、一死後酒沢政夫が死球を受けて出塁、清原初男はストレートの四球で一死一二塁、ここで酒沢がディレードスチールを仕掛けるが丸山がサード山本一人監督に送球して酒沢は二三塁間に挟まれ、最後は三塁ベースカバーに入った丸山に送球されて「1-5-4-1C」でタッチアウト、酒沢には盗塁失敗が記録されて先制のチャンスを潰す。

 南海は2回裏、一死後岡村俊昭が右前打で出塁、朝井昇がライト線に二塁打を放って一死二三塁、丸山の中前タイムリーで1点を先制する。

 金星は4回表、先頭の清原の一塁ファウルフライを別所が落球、別所には失策が記録され、生き返った清原は10球ファウルで粘って四球で出塁、一死後小前博文が中前打を放って一二塁と同点のチャンスを迎えるが、ここは丸山が粘って無得点。

 南海は6回裏、先頭の山本が四球で出塁、岡村の右前打で無死一三塁、朝井の遊ゴロをショート酒沢が失して無死満塁、丸山が中前に2点タイムリーを放ち3-0、一走朝井は三塁に進み、打者走者の丸山も送球の間に二塁に進んで無死二三塁、坂田清春がスクイズバントを決めて4-0とする。

 南海は7回裏、先頭の河西俊雄の当りは遊ゴロ、これを酒沢が一塁に悪送球、別所は左前打、ダブルスチールを決めて無死二三塁、山本の左前タイムリーで5-0、無死一三塁から岡村の二ゴロで山本が二封される間に三走別所が還って6-0、朝井が左前打、二死後坂田が中前にタイムリーを放ち7-0として試合を決める。

 丸山二三雄は後半素晴らしい投球で5回以降を無安打に抑え、1安打6四球1死球6三振で今季初完封、6勝目をマークする。

 このところ低迷していた南海は久しぶりに“らしさ”を見せて快勝。

 丸山は4回、別所のファウルフライ落球で息を吹き返した清原を歩かせて小前に初ヒットを許す嫌な流れを自ら断ち切って1安打完封につなげた。得意の打撃でも先制打に続く追加点となる2点タイムリーも放ち3打点の活躍であった。

 なお、5月以降の実況中継で丸山二三雄の名前が一部「丸山二三男」の表記になっていましたが、気付いた限りで「丸山二三雄」に訂正しましたのでご報告します。

2025年5月29日木曜日

22年 中日vs阪急 6回戦

6月26日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 1 0 0 0 3 中日 27勝13敗       0.675 藤本英雄
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 阪急 19勝22敗2分 0.463 溝部武夫 野口二郎

勝利投手 藤本英雄 12勝6敗 
敗戦投手 溝部武夫   0勝2敗

二塁打 (中)藤本、古川
本塁打 (中)小鶴誠 4号

勝利打点(中)藤原鉄之助 1


藤本英雄、ハーラー単独トップ

 甲子園の第1試合は藤本英雄と溝部武夫の先発で午後1時34分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、先頭の田中幸男が四球を選ぶと二盗に成功、上田藤夫が三塁線を破るタイムリーを放ち1点を先制する。

 中日は2回表、先頭の小鶴誠が四球を選んで出塁、杉浦清監督が送りバントを決めて一死二塁、加藤正二は死球を受け、藤本が三塁線を破るタイムリー二塁打を放ち1-1の同点、一死二三塁から藤原鉄之助の放った飛球はライト線に飛び、ライト坂元義一はファウルグラウンドでキャッチ、三走加藤がタッチアップからホームイン、右邪犠飛となって2-1と勝ち越す。

 中日は6回表、二死後小鶴がレフトスタンドにホームラン、貴重な追加点となって3-1とリードを広げる。

 藤本英雄は6安打3四球3三振の完投で12勝目をマーク、ハーラー単独トップに立つ。

 2回の右邪犠飛については、二三塁なのでアウトカウントを増やすことを優先するのは正解。走者が三塁に一人なら坂元はラインを超えたところで捕球を見送るという手もあったか。まだ2回なのでアウトカウントを増やすことを優先するのは判断ミスではないだろう。

2025年5月27日火曜日

22年 東急vs大阪 6回戦

6月26日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 0 0 2 0 4 東急 12勝26敗1分 0.316 黒尾重明
1 2 0 1 0 0 1 0 X 5 大阪 29勝12敗1分 0.707 御園生崇男 武智修

勝利投手 御園生崇男 9勝0敗 
敗戦投手 黒尾重明     2勝7敗 
セーブ     武智修      3

二塁打 (東)長持2、熊耳

勝利打点(大)土井垣武 5


大阪、御園生-武智の継投で首位キープ

 第11節初日、後楽園の第1試合は黒尾重明と御園生崇男の先発で午後1時5分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、二死後金田正泰が死球を受けて出塁、藤村富美男の遊ゴロをショート鈴木清一がエラー、土井垣武の一塁線タイムリーで1点を先制する。

 大阪は2回裏、先頭の本堂保次がピッチャー強襲ヒット、山口政信の三ゴロでランナーが入れ替わり、長谷川善三は四球を選んで一死一二塁、御園生崇男の右前タイムリーで2-0、二死後塚本博睦の中前タイムリーで3-0とする。

 東急は4回表、先頭の大下弘が四球で出塁、長持栄吉のレフト線二塁打で無死二三塁、熊耳武彦が中前に2点タイムリーを放ち2-3と1点差に追い上げる。

 大阪は4回裏、先頭の呉昌征の当りは三ゴロ、これをサード大沢喜好がエラー、一死後呉が二盗を決め、二死後藤村が中前にタイムリーを放ち4-2と突き放す。

 大阪は5回から先発の御園生に代わって武智修がリリーフのマウンドに上がる。

 大阪は7回裏、先頭の金田がピッチャーへの内野安打で出塁、一死後土井垣の三ゴロを大沢がエラー、本堂の左前タイムリーで5-2とリードを広げる。

 東急は8回表、先頭の飯島滋弥はセカンドライナー、続く大下が右前打で出塁、長持が左中間にタイムリー二塁打を放ち3-5、更に熊耳も左中間タイムリー二塁打で続いて4-5と1点差に詰め寄るが、黒尾の痛烈なライナーがセカンド本堂のグラブに収まり二走熊耳が還れずゲッツー、反撃もここまでであった。

 大阪は御園生-武智の継投で辛くも逃げ切った。

 黒尾重明は3つのエラーに足を引っ張られて好投も空しく7敗目。

 東急は長持栄吉と熊耳武彦が好調でこの日も二人で4点をあげた。

 大阪は9本のヒットが全てシングル。ダイナマイト打線の特徴は連打にある。この日も敵失に絡めて効果的な適時打で加点した。

 一般に、「ダイナマイト打線」は藤村、別当、土井垣などの長打攻勢のイメージが強いが、それはライブリーボール時代になってからの話であり、「ダイナマイト打線」と名付けられた当時の打線は連打で加点するのが特徴である。

 今季ここまでリーグ全体で76本の本塁打が飛び出しているが、大阪は僅か6本であり、中日の「強竜打線」が15本と断然トップである。

 以下東急が12本、金星が10本、阪急が10本、太陽が8本、巨人が8本、近畿・南海が7本と続く。「ダイナマイト打線」は本塁打数ではリーグ最少なのである。

 大阪は打線のつながりで勝利を重ね、徐々に二位中日との差を開きつつある。

2025年5月26日月曜日

波乱の第10節

 各チーム5試合、合計20試合の長丁場となった第10節は、大阪が2勝3敗、中日が1勝4敗、南海が2勝3敗と上位チームが負け越し。

 打線が好調の阪急が4勝1敗、太陽が3勝2敗、投手陣が好調の巨人が4勝1敗、金星が3勝2敗、東急は1勝4敗ではあったが阪急に唯一の黒星を付けた試合では長持栄吉が5安打で熊耳武彦が6打点と爆発。

 個人表彰部門も下位球団が独占した。

 各チームの陣容が整ってきて上位下位の力差が縮小している。

 球場に詰めかける観客も増加しており、平日でも1万人を超え、日曜だと3万人越えも珍しくなくなった。

 中日が低迷しているのは岩本章の欠場が響いている。岩本は第9節で2本塁打を放ち週間MVPを獲得する活躍であったが、6月19日から欠場が続き、結局今季の出場は第9節で終了となり今後の出場はない。

 中日はシーズン終了後に赤嶺旋風が吹き荒れることになるが、岩本も赤嶺と行動を共にする。その予兆が既に現れているのかもしれない。


2025年5月24日土曜日

22年 第10節 週間MVP

週間MVP

投手部門
 金星 重松通雄 2 2勝2完封。 投球内容で川崎徳次を上回った。
打撃部門
 阪急 青田昇 1  22打数9安打5得点12打点、3本塁打。 

殊勲賞 
 太陽 藤井勇 2  21日の南海戦で決勝本塁打、23日の南海戦で逆転サヨナラ打。 
 巨人 川崎徳次 1 2勝2完封。 投球内容で僅かに重松通雄に譲った。
 阪急 野口明 1  21打数8安打2得点4打点、V打3個。 
 東急 熊耳武彦 1 21日の阪急戦で6打点。 
 東急 長持栄吉 1 21日の阪急戦で5安打。

敢闘賞 
 東急 大下弘 1   19打数11安打3得点2打点。 
 太陽 伊勢川真澄 1 21打数10安打1得点4打点。 
 阪急 田中幸男 1  23打数9安打7得点。 
 阪急 上田藤夫 1  23打数9安打6得点3打点。 
 巨人 千葉茂 2   20打数9安打2得点1打点。 

技能賞 
 南海 筒井敬三 1 20日の東急戦で3つの盗塁を刺す。
 金星 坪内道則 1 23打数11安打、オールシングルヒット。
 金星 酒沢政夫 1 22日の巨人戦で決勝スクイズ。

2025年5月23日金曜日

22年 南海vs太陽 8回戦

6月23日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0  0   1  3 南海 21勝19敗1分 0.525 丸山二三雄 中谷信夫 
0 0 0 0 0 0 0 2 0  0  2X 4 太陽 16勝24敗1分 0.400 藤村隆男

勝利投手 藤村隆男 1勝1敗 
敗戦投手 中谷信夫 4勝6敗

三塁打 (南)山本、中谷
本塁打 (太)伊勢川真澄 1号

勝利打点(太)藤井勇 3

猛打賞 (南)別所昭 2 (太)辻井弘 1、藤井勇 4


伊勢川が同点本塁打、藤井が逆転サヨナラ打

 甲子園の第2試合は丸山二三雄と藤村隆男の先発で午後3時18分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 5日間20試合の長丁場となった第10節フィナーレを飾る激闘となった。

 南海は3回表、先頭の朝井昇の当りは遊ゴロ、これをショート平野徳松がエラー、トップに返り安井亀和が送りバントを決め、二死後三番ファーストの別所昭はストレートの四球で二死一二塁、ここで山本一人監督が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち2-0とリードする。

 南海先発の丸山は初回に一死満塁のピンチを無失点に抑え、2回以降も5回まで毎回安打を許しながら何とか無失点で切り抜ける粘りのピッチングを見せた。

 太陽は6回裏、先頭の森下重好が四球で出塁、南海ベンチはここで丸山から中谷信夫にスイッチ、伊勢川真澄は中前打を放って無死一二塁、平野が送りバントを決めて一死二三塁と一打同点のチャンス、藤村の遊ゴロで三走森下がホームを突くがショート小林悟楼からの本塁送球にタッチアウト、トップに返り荒川昇治も中飛に倒れて無得点。

 南海は8回表、一死後中谷信夫の当りはセンター頭上を越え、三塁に達した中谷はランニングホームランを狙ってホームに向かうが、太陽の中継プレーにタッチアウト。

 太陽は8回裏、先頭の森下の当りは三ゴロ、これをサード山本がエラー、一死後伊勢川がレフトスタンドに起死回生の同点ツーラン、試合を振り出しに戻す。

 南海は10回表、先頭の山本の当りは三ゴロ、これをサード中谷順次が一塁に悪送球、岡村俊昭の中前打で無死一二塁、小林が送りバントを決めて一死二三塁、しかし中谷信夫の打席で三走山本がキャッチャー伊勢川からの送球にタッチアウト、ここはサインの手違いがあったか、中谷は左飛に倒れて無得点。

 南海は11回表、二死後安井が二遊間にヒット、安井が二盗を決め、河西俊雄は四球を選んで二死一二塁、別所の打席でキャッチャー伊勢川が一塁に牽制悪送球して二走安井は三進、別所が左前にタイムリーを放ち3-2と勝ち越す。

 太陽は11回裏、先頭の平野が四球を選んで出塁、代走に松井信勝を起用、藤村の捕前のゴロをキャッチャー坂田清春が二塁に送球して松井は二封、記録は捕ゴロ、トップに返り荒川の遊ゴロをショート小林がエラー、一死一二塁から辻井弘の投ゴロで二者進塁して二死二三塁、ここで藤井勇が中前に逆転サヨナラ2点タイムリーを放ち激闘に終止符を打つ。

 藤村隆男は11回を13安打6四球無三振完投して今季初勝利をあげる。165球の熱投であった。

2025年5月22日木曜日

22年 巨人vs中日 6回戦

6月23日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 巨人 18勝22敗1分 0.450 川崎徳次 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中日 26勝13敗 0.667 藤本英雄

勝利投手 川崎徳次   7勝5敗 
敗戦投手 藤本英雄 11勝6敗

二塁打 (巨)内堀、小松川、川上 (中)小鶴
本塁打 (巨)平山菊二 2号

勝利打点(巨)平山菊二 5


平山菊二、決勝ツーラン

 後楽園の第2試合は川崎徳次と藤本英雄の先発で午後2時50分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は4回表、千葉茂と川上哲治が倒れて二死後小松原博喜が右中間に二塁打、平山菊二がレフトスタンドに第2号ツーランを叩き込んで2-0とリードする。

 試合はこの一発で決まった。

 巨人先発の川崎は終盤ピンチの連続。7回は先頭の小鶴誠がピッチャー強襲ヒット、大沢清の中前打で無死一三塁のピンチを迎えるが後続を抑えて無失点。8回は先頭の代打藤原鉄之助に右前打を許すが杉浦清監督を投ゴロ併殺に打ち取る。最終回は先頭の小鶴誠に右越え二塁打を打たれるが最後は連続三振で凌いで無失点。

 川崎徳次は7安打1四球6三振で今季4度目の完封、7勝目をマークする。

 川崎は6月8日の南海戦で5年ぶり戦後初完封を飾ると、12日の中日戦、19日の大阪戦と3試合連続完封。22日の金星戦はリリーフで2回3分の2を無失点、この日で先発した試合では4試合連続完封となり、現在40と3分の2イニング連続無失点を継続中である。

 首位争いを繰り広げる大阪と中日の調子が落ちてきて、現状では阪急、金星、巨人が3強である。阪急は今節上位打線が全員4割前後の打率、金星は重松、内藤、江田、三富の4人が完封勝利を連発、巨人も川崎に加えて今節は中尾と多田も完封と投手陣が好調である。

 中でも、重松通雄と川崎徳次は今節共に大阪と中日を完封、週間MVP投手部門は熾烈な争いが予想される。

2025年5月20日火曜日

22年 阪急vs東急 7回戦

6月23日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 阪急 19勝21敗2分 0.475 野口二郎 
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 東急 12勝25敗1分 0.324 白木義一郎

勝利投手 野口二郎     6勝6敗 
敗戦投手 白木義一郎 5勝9敗

二塁打 (急)田中、荒木 (東)一言
三塁打 (急)坂元 (東)長持
本塁打 (東)飯島滋弥 4号

勝利打点(急)野口明 7


好調阪急が快勝

 甲子園の第1試合は野口二郎と白木義一郎の先発で午後1時40分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、好調の田中幸男が三塁線を破る二塁打、二死後野口明の中前タイムリーで1点を先制、坂元義一が中越えにタイムリー三塁打を放ち2点をりーどする。

 野口二郎は5回まで6安打を打たれたが、初回、2回のピンチを「5-4-3」のゲッツーで凌いで無失点。

 東急は8回裏、先頭の大沢喜好が四球を選んで出塁、一言多十の右越え二塁打で無死二三塁、トップに返り清水喜一郎に代わる代打黒尾重明の右飛で二走大沢はタッチアップから三塁に向かい、ライト坂元からの返球をピッチャー野口二郎が中継して「9-1-5」のダブルプレー。

 東急は9回裏、先頭の飯島滋弥がレフトスタンドに第4号ホームランを叩き込んで1-2と1点差に迫るが後続が倒れて惜敗。

 野口二郎は8安打1四球無三振の完投で6勝目をあげる。野口次郎は自伝「私の昭和激動の日々」で、戦後のピッチングについて「いい状態で投げていた時に比べたら、スピードもなにもかも、かなり落ちる。力で勝負ということは、とてもできない。やはりコントロール主体のピッチングで行くよりない。いってみれば、技巧派への転身である。」と述べている。この日の1四球無三振の完投は、その記述を裏付けている。

 阪急は6月初めの放棄試合の時点では11勝19敗で最下位に低迷していたが、そこから8勝2敗と好調で借金2つまで盛り返してきた。田中と上田の一二番コンビが好調で今節5試合で何れも9安打を放った。青田は今節3本塁打12打点と爆発、野口明も今節勝利打点3個と勝負強さを発揮している。放棄試合で相当反省したようだ。

2025年5月19日月曜日

22年 金星vs大阪 7回戦

6月23日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 金星 18勝22敗1分 0.450 重松通雄 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大阪 28勝12敗1分 0.700 梶岡忠義

勝利投手 重松通雄 7勝2敗 
敗戦投手 梶岡忠義 9勝3敗

勝利打点(金)重松通雄 1


重松通雄、2安打完封

 第10節最終日、後楽園の第1試合は重松通雄と梶岡忠義の先発で午後1時2分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 西垣徳雄は今節から審判員デビュー、この試合が初の球審となった。昭和25年には国鉄スワローズの監督に就任し、金田正一を育てることになる。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督が3球目を左前打、西垣球審の初コールは梶岡が投じた初球「ボール」であった。酒沢政夫も左前打で無死一二塁、しかし清原初男のショートライナーに二走坪内が戻れずダブルプレー、先制のチャンスを逃す。

 大阪は2回に本堂保次が、4回に土井垣武が何れも二死から中前打を放つが無得点。

 金星先発の重松は5回以降大阪打線をノーヒットに抑える。

 大阪先発の梶岡も5回まで6安打を許すが6回から8回までは三者凡退に抑える好投を続け、0対0のまま試合は最終回へ。

 金星は9回表、先頭の西沢道夫の当りは二ゴロ、これをセカンド本堂がエラー、小前博文の右前打で無死一三塁と先制のチャンス到来、大友一明の投ゴロで小前は二塁に進んで一死二三塁、重松の一ゴロで三走西沢がホームに突っ込み、ファースト玉置玉一がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1点を先制、一死一三塁から辻勇夫がスクイズバントを決めて2点目、坂本勲が右前タイムリーで続き3-0とリードする。

 重松通雄は最終回も三者凡退に抑え、2安打3四球1三振でダイナマイト打線を完封、7勝目をマークする。重松は今節、中日戦に続いての完封勝利となった。この試合では野選による打点で勝利打点も記録と、乗りに乗っている。

2025年5月18日日曜日

22年 阪急vs太陽 5回戦

6月22日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 3 0 0 0 0 0  2  5 阪急 18勝21敗2分 0.462 今西錬太郎 
1 0 0 0 1 0 0 0 1  0  3 太陽 15勝24敗1分 0.385 真田重蔵

勝利投手 今西錬太郎 9勝4敗 
敗戦投手 真田重蔵     6勝8敗

二塁打 (急)上田、野口二郎 (太)辻井、中谷
三塁打 (急)田中、上田 (太)伊勢川

勝利打点(急)野口二郎 2 


野口二郎、代打決勝打

 甲子園の第2試合は今西錬太郎と真田重蔵の先発で午後3時23分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、先頭の荒川昇治が四球を選んで出塁、辻井弘が中前打を放って無死一二塁、藤井勇の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、中谷順次の三ゴロをサード荒木茂がエラー、1点を先制する。

 3回まで三者凡退が続いた阪急は4回表、先頭の田中幸男が右中間に三塁打、上田藤夫の遊ゴロで三走田中はホームに突っ込み、ショート松井信勝がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1-1の同点、ここで青田昇がレフトスタンドに勝越しのツーランを放ち3-1とリードする。

 太陽は5回裏、一死後中谷順次が三塁線を破る二塁打、佐竹一雄の右前タイムリーで2-3と1点差に迫る。

 太陽は9回裏、先頭の荒川が四球で歩くと一死後ワイルドピッチで二進、藤井中前に同点タイムリーを放ち土壇場で追い付く。

 阪急は10回表、二死後上田がレフトに二塁打、青田の三塁線ヒットで二死一三塁、野口明は四球を選んで二死満塁、ここで坂元義一に代わる代打野口二郎が左越えに2点タイムリー二塁打を放ち5-3と勝ち越す。

 今西錬太郎は10回裏無死一二塁のピンチも抑えて12安打3四球1三振の完投で9勝目をマークする。

2025年5月17日土曜日

22年 中日vs大阪 7回戦

6月22日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 3 0 1 0 0 2 0 8 中日 26勝12敗    0.684 清水秀雄 
0 0 1 0 1 0 0 0 1 3 大阪 28勝11敗1分 0.718 若林忠志

勝利投手 清水秀雄 6勝3敗 
敗戦投手 若林忠志 8勝5敗

二塁打 (中)大沢 (大)藤村、玉置
三塁打 (中)加藤、小鶴 2
本塁打 (大)玉置玉一 2号

勝利打点(中)小鶴誠 6


強竜がダイナマイトを喰う

 後楽園の第2試合は首位攻防戦。清水秀雄と若林忠志の先発で午後2時52分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は岩本章の欠場が続いており杉浦清監督が一番に入る新打線。

 中日は初回、二死後古川清蔵が左前打で出塁、小鶴誠が左中間深くにタイムリー三塁打を放ち1点を先制、大沢清も左中間にタイムリー二塁打で続き2-0として試合の主導権を握る。

 中日は3回表、先頭の杉浦が三遊間を破るヒットで出塁、金山次郎が三前に送りバントを決めて一死二塁、古川も三前にバント、サード藤村富美男からの送球をファースト玉置玉一が落球、犠打とエラーが記録されて一死一三塁、小鶴の打席で古川がディレードスチール、キャッチャー土井垣武が二塁送球、これを見た三走杉浦がスタートを切るがホームベースカバーにピッチャー若林が入ってタッチアウト、スコアカードの記載は「2-4-5-1H」となって杉浦には盗塁失敗が記録された。この間に一走古川は三塁に進み、小鶴が四球を選んで二死一三塁、大沢が得意の右打ちでライトにタイムリーを放ち3-0、加藤正二が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち5-0とリードを広げる。

 大阪は3回裏、先頭の玉置が四球で出塁、一死後長谷川善三の三ゴロをサード小鶴が一塁に悪送球して一死一三塁、トップに返り呉昌征の中犠飛で1点を返す。

 中日は5回表、一死後小鶴が左中間にこの日2本目となる三塁打、大沢の左犠飛で6-1と突き放す。

 大阪は5回裏、先頭の玉置が第2号ホームランを放ち2-6とする。スコアカードの記載ではセンターへのライナーの本塁打となっているが、柵越えではなくインフィールドの印になっているのでランニングホームランであった。

 中日は8回表、先頭の加藤が中前打で出塁、笠石徳五郎も右前打、一死後藤原鉄之助が右前にタイムリーを放ち7-2、トップに返り杉浦はストレートの四球で一死満塁、金山次郎が左前にタイムリーを放ち8-2と突き放す。

 大阪は9回裏、一死後本堂保次が左前打で出塁、玉置がレフト戦に二塁打を放って一死二三塁、二死後長谷川に代わる代打塚本博睦が中前にタイムリーを放ち1点を返すが焼け石に水。

 清水秀雄は8安打2四球3三振の完投で6勝目をマークする。

 強竜打線の破壊力は抜群で、ダイナマイト打線に打ち勝った。

2025年5月16日金曜日

22年 南海vs東急 6回戦

6月22日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 4 0 0 0 0 3 7 南海 21勝18敗1分 0.538 別所昭 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 東急 12勝24敗1分 0.333 北川桂太郎

勝利投手 別所昭       11勝8敗 
敗戦投手 北川桂太郎 2勝6敗

二塁打 (南)飯田
本塁打 (南)山本一人 2号

勝利打点(南)筒井敬三 1


別所が5度目の完封で11勝

 甲子園の第1試合は別所昭と北川桂太郎の先発で午後1時30分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、一死後鈴木清一が左前打で出塁、飯島滋弥は死球を受けて一死一二塁、大下弘の右前打で二走鈴木清一は三塁ベースを蹴ってホームに突っ込むがライト田川豊からの好返球にタッチアウト、先制のチャンスを逸す。

 2回、3回と二三塁のチャンスを逃した南海は4回表、先頭の岡村俊昭が右前打で出塁、飯田徳治の二ゴロでランナーが入れ替わり、別所の右前打で一死一三塁、筒井敬三の中前タイムリーで1点を先制、センター一言多十が打球を逸らして一死二三塁、二死後トップに返り安井亀和が三遊間にタイムリーを放ち2-0、河西俊雄の二ゴロをセカンド清水喜一郎はアウトカウントを間違えたのかホームに送球するが三走筒井が還って3-0、記録は野選、丸山二三男の中前タイムリーで4-0とする。

 清水の野選について、ホームへの野選で三走が還った場合は打者に打点が記録されるのだが、治村宗三公式記録員は「一塁へ投ずれば当然アウトとなり得点を許さずとすむものを無用の投球をなしたため得点を許したから得点打(打点=筆者注)を与えず。」として河西に打点は記録されなかった。

 南海は9回表、二死後河西が中前打から二盗に成功、丸山は四球、河西が三盗を決めて二死一三塁、ここで山本一人監督がレフトスタンドにスリーランを叩き込んで7-0として試合を決める。

 別所昭は8安打2四球1死球3三振で今季5度目の完封、11勝目をマークして藤本英雄と並びハーラートップタイに立つ。

 田川豊が第2打席で死球を受けてベンチに下がった。田川の怪我は重かったようで、しばらく欠場が続く。調子の上がらない南海としては痛いところ。

2025年5月15日木曜日

22年 金星vs巨人 6回戦

6月22日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 金星 17勝22敗1分 0.436 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 17勝22敗1分 0.436 諏訪裕良 川崎徳次

勝利投手 内藤幸三 4勝4敗 
敗戦投手 諏訪裕良 1勝3敗

勝利打点(金)酒沢政夫 4


酒沢政夫、決勝スクイズ

 第10節4日目、連日1万人を超える観客を集める後楽園球場は日曜日とあって32,088人の観衆が押し寄せた。今季最多だった6月1日に次いで2番目の観客数である。

 第1試合は内藤幸三と諏訪裕良の先発で午後零時55分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 諏訪は走者を出しながらも粘りのピッチングを見せて6回まで無失点。

 内藤も6回まで6安打を許しながら要所を締めて無失点。

 金星は7回表、一死後坂本勲が中前打で出塁、トップに返り坪内道則監督の右前打で坂本は三塁に進み、送球の間に打者走者の坪内も二塁を陥れて一死二三塁、ここで巨人ベンチは先発の諏訪に代えて二番手として川崎徳次をマウンドに送るが、酒沢政夫がワンボールからの2球目にスクイズバントを決めて1点を先制する。

 巨人は最終回、小松原博喜、平山菊二が連続四球で無死一二塁のチャンス到来、金星はファースト西沢道夫がバントシフトで前進守備、これを見て内堀保は三前に送りバント、一塁ベースカバーにはセカンド大友一明が入って「5-4A」で送りバントが決まって一死二三塁、田中資昭に代わる代打中島治康の三ゴロで三走小松原がホームを突くが、サード清原初男からの本塁送球にタッチアウト、最後は川崎が二飛に倒れて金星が僅差で逃げ切る。

 内藤幸三は6安打3四球4三振、今季4勝目を3度目の完封で飾る。

 坪内は第2打席から4打席連続ヒット。酒沢が決勝のスクイズを決めた。

 金星守備陣は最終回のピンチも落ち着いて防ぎ、巨人と同率5位に並んだ。

2025年5月13日火曜日

22年 太陽vs南海 7回戦

6月21日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 0 0 0 1 0 4 太陽 15勝23敗1分 0.395 井筒研一 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 南海 20勝18敗1分 0.526 松川博爾

勝利投手 井筒研一 1勝1敗 
敗戦投手 松川博爾 0勝2敗

三塁打 (太)森下
本塁打 (太)藤井勇 3号

勝利打点(太)藤井勇 2


井筒研一、自責点ゼロの完投で今季初勝利

 甲子園の第2試合は井筒研一と松川博爾の先発で午後3時50分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 夕方の開始であるが、1年で最も日が長い季節なので日没コールドのリスクはない。

 太陽は初回、先頭の荒川昇治が四球を選んで出塁、一死後藤井勇がライトスタンドに先制ツーランを叩き込んで2-0、中谷順次が左前打、佐竹一雄もレフト線ヒットで一死一二塁、二死後伊勢川真澄はピッチャー強襲ヒット、白球を拾い上げた松川の一塁送球が悪送球となる間に中谷が還って3-0とリードする。

 井筒は快調なピッチングを続け、6回まで1安打無失点。

 南海は7回裏、一死後田川豊が二遊間を破り中前に抜けるヒット、これをセンター森下重好が後逸する間に打者走者の田川は三塁に進み、山本一人監督の右犠飛で1-3とする。

 太陽は8回表、前の回に手痛いエラーを犯した先頭の森下がセンター右奥に三塁打、伊勢川は死球を受けて出塁すると二盗に成功、ここで松川がワイルドピッチ、三走森下が還って4-1と突き放す。

 井筒研一は後半疲れから7回以降は4安打を打たれたが、5安打1四球2三振、自責点ゼロの完投で今季初勝利をあげる。

 井筒は戦前は野手での出場が多く登板は少なかったが、戦場から復員すると本格的に投手に転向、昨年は13勝をマークした。今季は出遅れていたが、この日のピッチングを見ると今後に期待できる。

2025年5月12日月曜日

22年 中日vs巨人 5回戦

6月21日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中日 25勝12敗       0.676 松尾幸造 服部受弘 
0 0 0 2 0 0 0 1 X 3 巨人 17勝21敗1分 0.447 多田文久三

勝利投手 多田文久三 2勝2敗 
敗戦投手 松尾幸造     0勝1敗

二塁打 (巨)千葉茂

勝利打点(巨)川上哲治 2

猛打賞 (巨)千葉茂 7


巨人投手陣、3試合連続完封

 後楽園の第2試合は松尾幸造と多田文久三の先発で午後2時50分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は4回裏、先頭の山川喜作が三遊間にヒット、千葉茂も中前打を放って無死一二塁、川上哲治が中前にタイムリーを放ち1点を先制、中日ベンチはここで先発の松尾から服部受弘にスイッチ、小松原博喜の二ゴロが進塁打となって一死二三塁、二死後内堀保の遊ゴロをショート杉浦清が一塁に悪送球する間に三走千葉が還って2-0とする。

 巨人は8回裏、先頭の多田が中前打で出塁、しかしトップに返り呉新亨の一ゴロをファースト大沢清がベースを踏んで二塁に送球、多田もタッチアウトでゲッツー、しかし山川喜作と千葉が連続四球で二死一二塁、川上が左前にタイムリーを流し打って3-0とリードを広げる。

 多田文久三は5安打5四球4三振で戦後初完封、2勝目をマークする。本格的に投手転向してから好投を続けている。

 多田は昭和17年4月22日の黒鷲戦以来5年ぶりの完封勝利となった。この試合では現在同僚となっている黒鷲の小松原博喜が14四球を出した。前日の甲子園では空襲警報で試合途中打切りという時代でもあった。5年後の現在は、日曜であれば3万人の観客を集めるほどの平和が戻ってきた。

 巨人投手陣は19日の川崎徳次、昨日の中尾輝三に続いて3試合連続完封勝利を記録し、阪急に並んで4位タイに浮上してきた。

2025年5月11日日曜日

22年 東急vs阪急 6回戦

6月21日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
1 0 0 2 3 1 0 0 0  4  11 東急 12勝23敗1分 0.343 黒尾重明 白木義一郎
2 0 2 2 0 1 0 0 0  0   7  阪急 17勝21敗2分 0.447 野口二郎 森弘太郎 天保義夫

勝利投手 白木義一郎 5勝8敗 
敗戦投手 天保義夫     3勝6敗

二塁打 (東)熊耳、大下 (急)上田 2
本塁打 (急)青田昇 5号 (東)熊耳武彦 2号、3号

勝利打点(東)長持栄吉 1

猛打賞 (東)長持栄吉(5安打) 3、熊耳武彦(4安打)1 (急)田中幸男(4安打)1、上田藤夫 2


熊耳6打点、万波6打点

 甲子園の第1試合は黒尾重明と野口二郎の先発で午後1時30分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 東急はここ2試合トップに黒尾を起用していたが、この日はその黒尾が本業に戻って先発ということで一番には清水喜一郎が入った。

 東急の初回、その清水の二遊間ヒットから乱戦が開始された。一死後飯島滋弥が左前打、大下弘の一ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、長持栄吉の左前タイムリーで1点を先制する。

 阪急は1回裏、先頭の田中幸男が中前打、これをセンター一言多十が後逸する間に打者走者の田中は三塁に進み、上田藤夫の右越えタイムリー二塁打で1-1の同点、ライト長持からの送球が逸れる間に上田は三塁に進み、二死後坂元義一の左前タイムリーで2-1と逆転する。

 阪急は3回裏、先頭の上田がレフト線に2打席連続の二塁打、青田昇がレフトスタンドにツーランを叩き込んで4-1とする。

 東急は4回表、先頭の長持が中前打で出塁、熊耳武彦も左前打、一死後大沢喜好の右前タイムリーで2-4、一走熊耳は三塁に進んで一死一三塁、一言の中犠飛で3-4と追い上げる。

 阪急は4回裏、先頭の山田伝の当りは遊ゴロ、これをショート鈴木清一が一塁に悪送球して打者走者の山田は二塁に進み、トップに返り田中の右前打で無死一三塁、一死後青田の中犠飛で5-3、一走田中もタッチアップから二塁に進む好走塁を見せ、野口明の中前タイムリーで6-3と突き放す。

 東急は5回表、一死後大下が中前打で出塁、長持も中前打で続いて一死一二塁、阪急ベンチは先発の野口二郎から森弘太郎にスイッチ、ここで熊耳がレフトスタンドに同点スリーランを叩き込んで6-6と追い付く。

 東急は6回表、先頭の一言が四球を選んで出塁、トップに返り清水が三前に送りバントを決め、鈴木清一の中前打をセンター青田が後逸する間に二走一言が還って7-6と勝ち越す。
 阪急は6回裏、一死後田中が左前打で出塁、上田の二ゴロが進塁打となって二死二塁、青田が左前にタイムリーを放ち7-7の同点に追い付く。

 東急は7回表、先頭の熊耳がレフト線に二塁打、ここで阪急ベンチは森から三番手の天保義夫にスイッチ、天保が後続を抑える。

 東急先発の黒尾は8回二死満塁のピンチを無失点で切り抜けたところでお役御免となり、9回から白木義一郎がマウンドに上がり7対7のまま試合は延長へと進む。

 東急は10回表、二死後飯島が三前内野安打で出塁すると二盗に成功、大下は四球で二死一二塁、大下の初球はストライクなので敬遠ではないが勝負は避けた模様、ここで長持がこの日5安打目となるタイムリーを中前に放ち8-7と勝越し、更に熊耳がこの日2本目のスリーランをレフトスタンドに叩き込んで勝負を決める。

 東急は17安打、阪急は15安打の大乱戦であった。

 勝利打点は決勝打を放ち5安打の長持栄吉であるが、並列の殊勲者は2本のスリーランで6打点を記録した熊耳武彦であった。

 2025年5月11日のスポーツ紙は、前日6打点の北海道日本ハムファイターズ万波中正の活躍を伝えている。熊耳の6打点から77年後、チームの後輩となる万波も6打点を記録したのである。

2025年5月10日土曜日

22年 大阪vs金星 6回戦

6月21日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 1 1 0 0 0 3 大阪 28勝10敗1分 0.737 呉昌征
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 金星 16勝22敗1分 0.421 三富恒雄 重松通雄

勝利投手 呉昌征     1勝0敗 
敗戦投手 三富恒雄 2勝6敗

二塁打 (大)本堂、土井垣、玉置 (金)大友

勝利打点(大)玉置玉一 1


呉昌征が自責点ゼロの完投勝利

 第10節3日目、後楽園の第1試合は呉昌征と三富恒雄の先発で午後1時2分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 呉昌征は今季初登板となる。

 大阪は2回表、一死後土井垣武の当りは遊ゴロ、これを久々スタメン出場のショート中村信一が無難に捌き、続く本堂保次の当りも遊ゴロ、今度は中村が一塁に悪送球して打者走者の本堂は二塁に進み、玉置玉一のレフト線タイムリーで1点を先制する。

 大阪は5回表、先頭の呉昌征が四球で出塁すると二盗に成功、一死後金田正泰の一ゴロの間に呉は三進、富樫淳のレフト線タイムリーで2-0とする。

 大阪は6回表、先頭の土井垣武がレフト線に二塁打、一死後玉置が左越えにタイムリー二塁打を放ち3-0とリードを広げる。

 呉昌征は昨年は14勝をあげてノーヒットノーランも記録したが今季はこれが初登板。初回、いきなり先頭の坪内道則監督に死球を与えるが、その後は無難に抑え、5回には二死満塁のピンチ迎えるが無失点で切り抜ける。

 金星は最終回、先頭の大友一明が三塁線を破る二塁打、一死後辻勇夫に代わる代打内藤幸三の二ゴロをセカンド本堂が一塁に悪送球して一死一三塁、一走内藤には代走山本秀男が起用され、坂本勲に変わる代打酒沢政夫の遊ゴロの間に三走大友が還って1点を返すが反撃もここまで。

 呉昌征は6安打2四球1死球無三振、自責点ゼロの完投で今季初勝利をあげる。呉の登板は今季はこの1試合のみ、昭和23年と24年にも1試合ずつ登板するが白星は無く、この試合が最後の勝利投手となった。

2025年5月9日金曜日

22年 太陽vs阪急 4回戦

6月20日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 太陽 14勝23敗1分 0.378 池田善蔵 
0 0 0 0 2 1 1 4 X 8 阪急 17勝20敗2分 0.459 今西錬太郎

勝利投手 今西錬太郎 8勝4敗 
敗戦投手 池田善蔵     4勝6敗

二塁打 (太)中谷 (急)今西、青田、野口明
三塁打 (急)青田
本塁打 (急)上田藤夫 2号

勝利打点(急)野口明 6

猛打賞 (急)上田藤夫 1、青田昇 3


青田の4打点で阪急が快勝

 甲子園の第2試合は池田善蔵と今西錬太郎の先発で午後3時28分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は2回表、先頭の中谷順次が左中間に二塁打、一死後森下重好の左前タイムリーで1点を先制する。

 阪急は5回裏、先頭の今西がライト線にヒット、今西は二塁ベースを蹴って三塁に向かうが、ライト辻井弘からの送球がセカンド荒川昇治に中継されて三塁タッチアウト、二死後上田藤夫が遊撃内野安打、ショート松井信勝の一塁送球が悪送球となって上田は二塁に進み、青田昇のライト線タイムリー二塁打で1-1の同点、野口明もライト線にタイムリー二塁打を放ち2-1と逆転する。

 阪急は6回表、先頭の下社邦男が四球で出塁、日比野武の一ゴロの間に下社は二進、二死後今西が右前にタイムリーを放ち3-1とする。

 阪急は7回裏、先頭の上田がレフトスタンドにホームランを叩き込んで4-1と突き放す。

 阪急は8回裏、先頭の下社が3打席連続四球で出塁、一死後荒木茂が左前打、今西は四球で一死満塁、トップに返り田中幸男が押出し四球を選んで5-1、二死後青田が右中間に満塁走者一掃のタイムリー三塁打を放ち8-1として試合を決める。

 今西錬太郎は5安打1四球1三振の完投で8勝目をマークする。

 阪急は5本の長打攻勢で着々と加点、青田昇が4打点の活躍を見せた。

2025年5月8日木曜日

22年 大阪vs中日 6回戦

6月20日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 2 0 0 0 0 0 4 大阪 27勝10敗1分 0.730 梶岡忠義 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 中日 25勝11敗       0.694 藤本英雄

勝利投手 梶岡忠義   9勝2敗 
敗戦投手 藤本英雄 11勝5敗

二塁打 (大)梶岡、金田、本堂

勝利打点(大)金田正泰 3


梶岡がエース対決を制して大阪首位キープ

 後楽園の第2試合は梶岡忠義と藤本英雄の先発で午後2時57分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 首位大阪と0.5ゲーム差で追う二位中日との首位攻防戦はエース対決となった。

 中日は初回、先頭の笠石徳五郎が四球を選んで出塁、二死後小鶴誠の中前打で一三塁、杉浦清監督の遊ゴロをショート長谷川善三が失する間に三走笠石が還って1点を先制する。

 大阪は3回表、先頭の玉置玉一が右前打で出塁、長谷川が送って一死二塁、梶岡が右中間に同点タイムリー二塁打を放ち1-1、二死後金田正泰がレフト線にタイムリー二塁打を流し打って2-1と逆転に成功する。

 大阪は4回表、先頭の藤村富美男が中前打で出塁、土井垣武は三前に内野安打で無死一二塁、本堂保次のタイムリー二塁打で3-1、一死後長谷川がスクイズバントを決めて4-1とリードを広げる。

 大阪先発の梶岡は2回以降6回まで1安打無失点と快調なピッチング。

 中日は7回裏、一死後大沢清が得意の右打ちを見せて右前打、トップに返り笠石が左前打、二死後古川清蔵が四球を選んで満塁とするが、好調小鶴は中飛に倒れて無得点。

 中日は8回裏、先頭の杉浦清監督が中前打で出塁、加藤正二の二ゴロでランナーが入れ替わり代走に杉江文二を起用、藤本は右前打、二死後大沢も右前打で続いて満塁、しかしトップに返り笠石は二飛に倒れて無得点。

 梶岡忠義は最終回も四球と味方エラーで2走者を出すが無失点で切り抜け、8安打4四球6三振、自責点ゼロの完投で9勝目をマークする。終盤は毎回ピンチの連続であったが粘りのピッチングを見せた。

 第8節に行われた6月6日の4回戦は若林が藤本に投げ勝ったが、8日の5回戦は若林が8失点で敗れた。両チームは今節も2度の対戦が組まれているが、大阪はこの大事な初戦に梶岡を起用した。

 昭和22年の勝利数は最終的には若林が26勝、梶岡が22勝なので一般的には若林がエースであったと勘違いされているが、大阪が最も苦しかった中日と競っていたこの時期の投球内容や対戦相手を分析すると、実質的なエースは梶岡であったことが理解できる。

2025年5月7日水曜日

22年 東急vs南海 5回戦

6月20日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
2 0 0 0 0 0 0 1  0  3 東急 11勝23敗1分 0.324 白木義一郎
0 0 1 0 2 0 0 0 1X 4 南海 20勝17敗1分 0.541 丸山二三雄 中谷信夫

勝利投手 中谷信夫     4勝5敗 
敗戦投手 白木義一郎 4勝8敗

二塁打 (東)大下、大沢
本塁打 (東)飯島滋弥 3号 (南)安井亀和 1号

勝利打点 なし

猛打賞 (東)大下弘 3


大下のサヨナラエラーで決着

 甲子園の第1試合は白木義一郎と丸山二三雄の先発で午後1時30分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、このところ一番で起用されている黒尾重明が3球ファウルで粘って四球で出塁、一死後黒尾が二盗に成功、飯島滋弥が中前にタイムリーを放ち1点を先制、大下弘もセンター左奥にタイムリー二塁打を放ち2-0とリードする。

 南海は3回から先発の丸山に代えて中谷信夫をマウンドに送る。

 南海は3回裏、二死後河西俊雄が中前打から二盗に成功、田川豊が左前にタイムリーを放ち1-2とする。

 南海は5回裏、二死後小林悟楼が四球を選んで出塁、トップに返り安井亀和がレフトスタンドに逆転ツーランを叩き込んで3-2と試合をひっくり返す。

 東急は8回表、先頭の飯島がレフトスタンドに同点ホームラン、3-3とする。

 南海は9回裏、先頭の堀井数男の三ゴロをサード大沢喜好が一塁に悪送球、一死後坂田清春の遊ゴロでランナーが入れ替わり二死一塁、小林の左前打をレフト大下が後逸、一走坂田が一気にホームを駆け抜けサヨナラ勝ち。

 中谷信夫は7イニングを1しってんに抑えて4勝目をマークする。

 南海の勝因はキャッチャー筒井敬三が3つの盗塁を刺したことにあった。

2025年5月6日火曜日

22年 巨人vs金星 5回戦

6月20日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 1 0 0 0 0 3 巨人 16勝21敗1分 0.432 中尾輝三 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金星 16勝21敗1分 0.432 江田孝

勝利投手 中尾輝三 4勝6敗 
敗戦投手 江田孝     5勝9敗

二塁打 (巨)呉新亨、中尾 (金)西沢

勝利打点(巨)呉新亨 1

猛打賞 (巨)呉新亨 3、中尾輝三 1


中尾輝三、1安打完封

 第10節2日目、後楽園の第1試合は中尾輝三と江田孝の先発で午後1時丁度、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は3回表、先頭の田中資昭の当りは遊ゴロ、これをショート酒沢政夫がエラー、中尾が右中間に二塁打を放って無死二三塁、トップに返り呉新亨がレフト線に2点タイムリー二塁打を放ち2-0とする。

 巨人は5回表、先頭の山川喜作が右前打で出塁、千葉茂のライト線ヒットで無死一三塁、川上哲治の一ゴロの間に三走山川が還って3-0とする。

 中尾は2回裏、西沢道夫、小前博文に連続四球を与え、大友一明に送りバントを決められて一死二三塁のピンチを迎えるが、辻勇夫の二ゴロをセカンド千葉からの本塁送球で刺し、江田を三振に抑えて無失点。

 6回裏も二死後清原初男に四球を与え、西沢に三塁線を破られる二塁打、二死二三塁のピンチとなり小前にも3球ファウルで粘られるが三振に打ち取る。

 中尾輝三は、結局西沢に許した二塁打だけで抑え切り、1安打4四球9三振の力投で今季初完封、4勝目をマークする。

 巨人と金星は同率5位に並んだ。

 巨人は昨日の川崎徳次に続いて連続完封勝利、ようやく調子を上げてきた。

2025年5月5日月曜日

22年 南海vs太陽 6回戦

6月19日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 4 0 0 0 0 0 4 南海 19勝17敗1分 0.528 別所昭 
2 0 0 0 0 0 4 3 X 9 太陽 14勝22敗1分 0.389 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵 6勝7敗 
敗戦投手 別所昭   10勝8敗

二塁打 (太)中谷
本塁打 (南)堀井数男 1号 (太)森下重好 2号

勝利打点(太)森下重好 4

猛打賞 (太)森下重好 1、伊勢川真澄(4安打)2


堀井の満塁弾に森下の逆転スリーラン

 甲子園の第2試合は別所昭と真田重蔵の先発で午後3時32分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、二死後藤井勇がストレートの四球で出塁、中谷信夫は右前打、佐竹一雄も四球を選んで二死満塁、森下重好が右前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 南海は4回表、先頭の安井亀和が四球を選んで出塁、河西俊雄も四球、田川豊が送りバントを決め、山本一人監督も四球で一死満塁、飯田徳治の三ゴロで三走安井は本封されて二死満塁、ここで堀井数男がレフトスタンドに満塁ホームランを叩き込んで4-2と逆転する。

 太陽は7回裏、一死後辻井弘が四球で出塁、二死後中谷信夫のレフト線二塁打で二三塁、佐竹一雄の三ゴロをサード山本が一塁に悪送球する間に三走辻井が還って3-4、二死一三塁から森下がレフトスタンドに逆転スリーランを叩き込んで6-4とリードする。

 太陽は8回裏、先頭の荒川昇治が四球で出塁、ピッチャー別所の牽制悪送球で荒川は二進、辻井のショートへの内野安打で二走荒川は動かず無死一二塁、一死後中谷が四球を選んで満塁、佐竹の遊ゴロをショート朝井昇が失して7-4、二死後伊勢川真澄が中前に2点タイムリーを放ち9-4とダメ押す。

 真田重蔵は6安打6四球4三振の完投で6勝目をマークする。

 調子の上がらない別所昭は8敗目。勝利数は藤本英雄に次ぐ2位であるが、敗戦数はトップタイとなった。

 堀井の満塁弾に対して森下が逆転スリーラン。ラッキーゾーンが設置されてから甲子園は華々しい打ち合いが続いている。

2025年5月4日日曜日

22年 大阪vs巨人 6回戦

6月19日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大阪 26勝10敗1分 0.722 武智修 渡辺誠太郎 
0 0 0 2 2 0 0 0 X 4 巨人 15勝21敗1分 0.417 川崎徳次

勝利投手 川崎徳次 6勝5敗 
敗戦投手 武智修     1勝2敗

二塁打 (大)土井垣 (巨)千葉2、川上

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)千葉茂 6


川崎徳次、3試合連続完封

 後楽園の第2試合は武智修と川崎徳次の先発で午後2時58分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、先頭の呉昌征が四球を選んで出塁、金田正泰の投ゴロでランナーが入れ替わり、金田がスタートを切るが中途半端な走塁で一二塁間に挟まれタッチアウト、この拙走が後々まで響く。

 3回まで2つの併殺でチャンスを潰してきた巨人は4回裏、先頭の千葉茂が左中間に二塁打、川上哲治は四球で無死一二塁、小松原博喜の送りバントは正直すぎてピッチャー武智が三塁に送球して二走千葉は三封、武智は本来遊撃手でフィールディングは上手い、平山菊二は二塁への内野安打で一死満塁、内堀保の三ゴロをサード藤村富美男が痛恨のエラー、1-0となってなお一死満塁、田中資昭の遊ゴロ併殺崩れの間に三走小松原が還って2-0とする。

 巨人は5回裏、一死後山川喜作が四球で出塁、千葉がレフト線にタイムリー二塁打を放ち3-0、川上もレフト線にタイムリー二塁打を流し打って4-0とリードを広げる。

 大阪は4回二死から土井垣武が二塁打を放つが後続なく、7回も二死から本堂保次、玉置玉一の連続ヒットでチャンスを作るが後が続かず無得点。2度の好機が何れも二死からだったことが敗因となった。

 川崎徳次はダイナマイト打線を3安打に抑え、3四球4三振で完封、6勝目をマークする。

 川崎は6月8日の南海戦で5年ぶりの完封勝利をあげると、12日の中日戦での1安打完封に続いて3試合連続完封勝利を記録した。戦後になって覚えたシンカーが冴えわたっている。

2025年5月3日土曜日

22年 阪急vs東急 5回戦

6月19日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 3 2 0 0 0 6 阪急 16勝20敗2分 0.444 天保義夫 森弘太郎 
0 0 0 0 0 0 1 2 1 4 東急 11勝22敗1分 0.333 一言多十

勝利投手 天保義夫 3勝5敗 
敗戦投手 一言多十 3勝3敗 
セーブ  森弘太郎 1

二塁打 (急)日比野、下社 (東)大下、清水
本塁打 (急)青田昇 4号 (東)熊耳武彦 1号

勝利打点(急)野口明 5

猛打賞 (東)大下弘 2


阪急、森弘太郎のリリーフで逃げ切る

 甲子園の第1試合は天保義夫と一言多十の先発で午後1時32分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は3回表、一死後田中幸男が右前打で出塁、上田藤夫も左前打、二死後野口明の左前タイムリーで1点を先制する。

 阪急は5回表、一死後上田が四球を選んで出塁、二死後野口明も四球、坂元義一の三ゴロをサード大沢喜好が失して二死満塁、下社邦男が押出し四球を選んで2-0、日比野武が左前に2点タイムリーを放ち4-0とする。

 阪急は6回表、一死後田中が中前打で出塁、上田の三ゴロでランナーが入れ替わり、青田昇がレフトスタンドにツーランを叩き込んで6-0と突き放す。

 東急は7回裏、先頭の熊耳武彦がレフトスタンドにホームランを叩き込んで反撃開始。

 東急は8回裏、先頭の鈴木清一が左前打で出塁、一死後大下弘の右前打で一三塁、長持栄吉が右前にタイムリーを放ち2-6、熊耳の三ゴロをサード荒木茂がエラーする間に二走大下が還って3-6と追い上げる。

 東急は9回裏、先頭の清水喜一郎が右前打で出塁、トップに返り黒尾重明の中前打で無死一三塁、阪急ベンチはここで天保に代えて森弘太郎を投入、鈴木清一はストレートの四球で無死満塁、飯島滋弥は捕邪飛に倒れ、大下が押出し死球を選んで4-6と2点差、しかし長持の三ゴロで三走黒尾は本封、熊耳は三振に倒れてゲームセット。

 東急は最下位に低迷しているが終盤追い上げる粘りを見せた。調子が上がらなかった大下も3安打と復調気配を見せている。

2025年5月2日金曜日

22年 中日vs金星 6回戦

6月19日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中日 25勝10敗 0.714 服部受弘 星田次郎 浜崎忠治 
0 0 1 0 2 2 0 1 X 6 金星 16勝20敗1分 0.444 重松通雄

勝利投手 重松通雄 6勝2敗 
敗戦投手 服部受弘 7勝1敗

二塁打 (中)加藤 (金)重松、坪内
三塁打 (金)清原
本塁打 (金)西沢道夫 4号

勝利打点(金)清原初男 2


重松通雄、今季3度目の完封

 第10節初日、後楽園の第1試合は服部受弘と重松通雄の先発で午後1時9分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は3回裏、先頭の坂本勲がレフト線にヒット、トップに返り坪内道則監督の投ゴロの間に坂本は二進、酒沢政夫の二ゴロの間に坂本は三進、清原初男が左中間にタイムリー三塁打を放ち1点を先制する。

 金星は4回裏、先頭の小前博文の遊ゴロをショート杉浦清が一塁に悪送球、ここは続く大友一明の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 金星は5回裏、先頭の辻勇夫の当りは遊ゴロ、これをショート杉浦がエラー、坂元が送りバントを決め、トップに返り坪内の中前タイムリーで2-0、酒沢の右前打で一走坪内は三塁に向かいうがライト加藤正二からの返球にタッチアウト、この間に打者走者の酒沢は二塁に進み、清原の左前タイムリーで3-0、打者走者の清原は二塁を狙うがレフト笠石徳五郎はバックホームせず二塁に送球してタッチアウト。

 現在ではこのケースは打者走者が犠牲になって二塁走者の本塁生還を助ける走塁はセオリーとなっているが、この当時そういう発想があったかは不明。いずれにせよ金星の積極的走塁が目に付く。

 金星は6回裏、先頭の西沢道夫がライナーでレフトスタンドに突き刺さる第4号を放ち4-0、中日ベンチはここで先発の服部から星田次郎にスイッチ、一死後大友が中前打で出塁、重松の遊ゴロをショート杉浦が二塁に悪送球、辻はストレートの四球で一死満塁、坂本もストレートの押出し四球で5-0とする。

 中日ベンチは7回から浜崎忠治を三番手としてマウンドに上げる。

 金星は8回裏、先頭の大友が左前打で出塁するとワイルドピッチで二進、重松は四球で歩き、二死後坪内のタイムリー二塁打で6-0と突き放す。

 重松通雄は初回から4回までスコアリングポジションに走者を背負う苦しいピッチングが続いたが粘り強く無失点で切り抜け、後半は尻上がりに調子を上げて4安打2四球1死球2三振で強竜打線を完封、6勝目をマークする。

 中日は杉浦監督の3失策が痛かった。

 金星は積極走塁が功を奏して着々と加点、首位争いを続ける中日に快勝した。

2025年5月1日木曜日

22年 第9節 週間MVP

週間ⅯⅤP 

投手部門
 巨人 川崎徳次 1 12日の中日戦で1安打完封。 
打撃部門
 中日 岩本章  1 6打数4安打6得点4打点、2本塁打。 

殊勲賞
 太陽 荒川昇治 1 12日の南海戦で2点差から満塁走者一掃二塁打。
 阪急 田中幸男 1 13日の太陽戦で満塁走者一掃同点三塁打。 
 金星 三富恒雄 1 14日の東急戦で5年ぶり完封勝利。 

敢闘賞
 大阪 金田正泰 1 19打数8安打3得点4打点。
 阪急 坂元義一 1 17打数6安打2得点1打点、1本塁打。 
 阪急 荒木茂  1 14打数6安打3得点2打点、二塁打2本、三塁打1本。 
 巨人 川上哲治 3 12打数5安打、二塁打2本。

技能賞
 中日 杉浦清  1 13日の東急戦で1試合4四球。 
 南海 安井亀和 1 16日の太陽戦11回裏に2盗塁でサヨナラのホームを踏む。