2021年5月30日日曜日

21年 ゴールドスターvs巨人 11回戦

9月1日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 1 2 0 0 0 1 0 0  4  ゴ軍 27勝40敗1分 0.403 石田光彦 江田孝 
0 4 0 4 0 3 0 1 X 12 巨人 42勝26敗1分 0.618 諏訪裕良 近藤貞雄

勝利投手 近藤貞雄 16勝9敗
敗戦投手 石田光彦 10勝15敗

二塁打 (ゴ)石田 (巨)山田、坂本、多田、川上、中島、近藤
三塁打 (ゴ)坪内、大友、酒沢 (巨)黒沢
本塁打 (巨)多田文久三 1号

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)中島治康 4、多田文久三 3


好調巨人打線

 後楽園の第1試合は西宮に遅れること2分、諏訪裕良と石田光彦の先発で午後1時丁度、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 ゴ軍は2回表、先頭の末崎正隆はレフトライナー、石田のピッチャー返しが近藤のグラブを弾くがバックアップのショート山田潔が一塁に送球してアウト、早川平一はゴロでセンターに抜けるヒット、これを呉新亨が後逸する間に早川は三塁に進み、辻功の三遊間タイムリーで1点を先制する。

 巨人は2回裏、先頭の中島治康が中前打で出塁、多田文久三も中前打で続いて無死一二塁、諏訪は三振に倒れ、呉新亨に変わる代打林清一がストレートの四球を選んで一死満塁、坂本茂の左犠飛で1-1の同点、レフト坂本勲からのバックホームをキャッチャー辻が後逸する間に二走多田もタッチアップからホームに還って2-1と逆転、一走林もタッチアップから三塁に進み、坂本茂は浅い左飛に倒れるが、トップに返り山田のレフトへのタイムリー二塁打で3-1、山川喜作の右前タイムリーで二走山田が還り4-1とする。

 ゴ軍は3回表、一死後酒沢政夫が中前打で出塁、坪内道則監督が中越えにタイムリー三塁打を放ち2-4、巨人ベンチはここで先発の諏訪から近藤貞雄にスイッチ、末崎は四球を選んで一死一三塁、石田が左越えにタイムリー二塁打を放ち3-4と1点差に迫り、早川は四球を選んで一死満塁、しかし辻の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 巨人は4回裏、先頭の坂本茂が右中間に二塁打、トップに返り山田の遊ゴロの間に坂本は三進、山川は四球を選んで一死一三塁、ここで山川がディレードスチールを仕掛け、「2-6-3-4-1」でタッチアウトとなるがこの間に三走坂本が還って5-3、坂本に本盗は記録されていない。黒沢俊夫がセンター左奥に三塁打、川上哲治の中前タイムリーで6-3、中島の左前打で川上は三塁に進んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて7-3、更に多田が左中間にタイムリー二塁打を放ち8-3とする。

 巨人は6回裏、先頭の山川が二失に生き、黒沢の投ゴロの間に山川は二進、川上が左中間にタイムリー二塁打を放ち9-3、この時川上が二塁をオーバーランして「8-6-5-4」の送球でタッチアウト、中島が右中間に二塁打を放って二死二塁、多田が右越えにツーランホームランを叩き込んで11-3と大量リードする。

 巨人は8回裏、一死後中島が四球で出塁、多田の二ゴロでランナーが入れ替わり、近藤の右中間タイムリー二塁打で12-3とする。

 リリーフの近藤貞雄は6回3分の2を3安打3四球1三振1失点の好投で16勝目をマーク、ハーラー単独トップに躍り出た。

 好調巨人打線は14安打で12得点。2安打2打点の川上が怪我で途中退場したのが気になるところ。川上は8回の守備から退いているが、6回に二塁をオーバーランした際に足を捻ったのかもしれない。川上は6月まで熊本で農作業に専念しており、野球のトレーニングは不足している。

*「備考欄」には「川上負傷」で8回の守備から交代と書かれている。ライトの中島治康がファーストに回り、ライトには川上に代わって藤本英雄が入った。

野球週報 ④

5月19日(水) 品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習は雨天中止。ということで、自宅マンション備え付けのゴルフレンジで90分打込み。アイアン30分、ドライバー30分、アプローチ30分で300円でした。

5月20日(木) 出勤日。

5月21日(金) 出勤日。

5月22日(土) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、130㌔、130㌔、130㌔、スライダーの5セット。右中間にいい感じで打てています。

5月23日(日) 休養日。 

5月24日(月) 出勤日。

5月25日(火) 出勤日。


21年 パシフィックvsグレートリング 12回戦

9月1日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 1 1 4 パ軍 28勝40敗2分 0.412 真田重蔵 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 グ軍 44勝25敗 0.638 丸山二三雄

勝利投手 真田重蔵    15勝14敗
敗戦投手 丸山二三雄 15勝11敗

二塁打 (パ)森下、伊勢川、藤井 (グ)河西

勝利打点 (パ)伊勢川真澄 4

猛打賞 (パ)森下重好(4安打)10、松井信勝 4


真田が完封、伊勢川が攻守に活躍

 9月に入っていよいよペナントレースも佳境。パソコンの故障で更新が途絶えていましたが、第19節4日目、西宮の第1試合は真田重蔵と丸山二三雄の先発で午後零時58分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 パ軍は初回、二死後藤井勇が中前打、森下重好が三塁線を破る二塁打を放って二死二三塁、伊勢川真澄も三塁線を抜く2点タイムリー二塁打を放ち2点を先制する。

 グ軍は1回裏、先頭の河西俊雄の当りは三ゴロ、これをサード平野徳松がエラー、安井亀和は中飛に倒れるが、河西が二盗に成功、田川豊は投ゴロに倒れ、山本一人監督の四球の時に安井が三盗に成功、山本も二盗を決めて二死二三塁、しかし堀井数男は投ゴロに倒れて無得点。

 この後は最多勝争いを繰り広げる真田、丸山両投手の力投で無得点が続く。

 パ軍は8回表、先頭の藤井が四球を選んで出塁、森下の左前打で無死一二塁、伊勢川は二飛に倒れるが、松井信勝の三塁内野安打で一死満塁、小林章良は三邪飛に倒れて二死満塁、ここで平野が押出し四球を選んで貴重な追加点、3-0とリードを広げる。

 真田は3回から7回まで毎回ヒットを許してきたが、この1点で気合が入ったか8回裏のグ軍の攻撃を三者凡退に抑える。

 パ軍は9回表、二死後藤井が左中間に二塁打、森下の左前タイムリーで4-0とダメ押す。

 真田は9回裏のグ軍を三者凡退に抑え、6安打1四球3三振で今季3度目の完封、15勝目をあげる。

 この結果、ハーラー争いは真田、近藤貞雄、丸山二三雄、内藤幸三が15勝で並び、14勝の白木義一郎が追うという熾烈な争いとなった。

 森下重好が4安打を記録して今季10度目の猛打賞。14度の金田正泰に続いて青田昇、上田藤夫と並び猛打賞争い2位タイに位置している。「Wikipedia」に書かれているとおり「固め打ちの名手」である。

 グ軍は初回に得意の機動力野球で3盗塁を決めたが無得点だったのが響いた。3回には安井が、6回にも田川が二盗を試みたが共に伊勢川に刺されて反撃機を失ったのである。「冷静沈着」で鳴る伊勢川も、初回に3盗塁を許して気合が入ったのであろう。勝利打点を記録した伊勢川は、グ軍の機動力野球も封じて守備面でもこの試合のヒーローであった。

2021年5月23日日曜日

21年8月 月間MVP

月間MVP

投手部門

 ゴールドスター 内藤幸三 4

 内藤幸三は8勝2敗、防御率2.93、WHIP1.36、奪三振率4.92。

 丸山二三雄は5勝1敗、防御率2.10、WHIP1.40、奪三振率4.59。

 8月のグ軍は16勝3敗で首位に立つ勢いの中で丸山は5勝1敗。

 8月のゴ軍は9勝10敗で内藤が8勝2敗と孤軍奮闘した。

 内藤は5月に続いて今季2度目の受賞、通算でも4度目の受賞となり、短い活躍期間で3回受賞した沢村を上回ることとなった。


打撃部門

 ゴールドスター 坪内道則 4

 坪内道則は打率3割8分9厘、13得点11打点、二塁打8本、三塁打3本、9四球で順当な受賞となった。

 田川豊も同じような成績であるが、二塁打2本、三塁打2本、6四球。

 打率では黒沢俊夫、打点では川上哲治であるが、坪内を上回る評価ではなかった。

 坪内は昭和17年以降4年連続受賞(公式戦の無かった昭和20年を除く)。兵役で有力打者が不在の時期に安定した成績を残してきた結果である。

2021年5月22日土曜日

野球週報 ③

5月12日(水) 品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習解禁。いい感じで打てています。シートバッティングで思いっきり引っ張った打球が低いライナーとなって三塁ベースを直撃、まっすぐ跳ね返って三塁線をころころと目の前まで帰ってきました。記録はフェアですが三塁線逆セーフティバントでしたね(笑)。

5月13日(木) 出勤日。

5月14日(金) 出勤日。

5月15日(土) シルバーウイングスと練習試合。第3打席でライトの頭上をライナーで超える三塁打。狙い撃ちでしたね。4歳から始めて58年に及ぶ野球歴でライトをライナーで超えたのは初めてです(笑)。

5月16日(日) 自宅マンション備え付けのゴルフレンジで1時間打込み。20年ぶりに買ったPRGRのドライバーを初打ち。30分100円なので200円でした。

5月17日(月) 出勤日。

5月18日(火) 出勤日。


2021年5月16日日曜日

櫛田由美彦の球史

 5月8日付け「21年 阪急vsグレートリング 12回戦」に「Kengi」様から情報提供をいただき、それに基づいて調べた結果、櫛田由美彦の球歴が判明してきました。

 櫛田由美彦投手は台北一中では昭和15年に夏の甲子園に出場し、京都商業の神田武夫投手と投げ合う。台湾大会予選決勝では遊撃手だった。

 キャリアのハイライトは昭和25年に熊谷組の主将として都市対抗大会に出場して準優勝。この時は捕手で、久慈賞を獲得した。熊谷組の監督は選手兼任の浅原直人で、浅原は戦前からプロで活躍し、この後昭和27年にプロに復帰して東急-東映の主力打者となる。櫛田は熊谷組野球部創設時から主将を務めてきた。「都市対抗野球大会 60年史」では写真入りでその活躍を伝えている。

 櫛田由美彦は、記録に残っている公式戦で投手、遊撃手、捕手を経験した万能選手でした。


 そして、1982年には60歳で野球の試合に出場していたことも判明しました。

 私も定年退職後還暦野球に参入、昨年11月から仕事にも復帰しましたが、今季は公式戦、練習試合でここまで14打数7安打、三塁打2本、二塁打2本です(笑)。

参照資料:「全国高等学校野球選手権大会 50年史」、「都市対抗野球大会 60年史」、サイト「台灣棒球維基館」。

2021年5月15日土曜日

野球週報 ②

5月5日  (水) 休日ということでグラウンドが取れず、コロナに関係なく元々品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習は無し。ということで、自宅マンション備え付けのゴルフレンジで30分打込み。

5月6日  (木) 昼は秋葉原のバッティングセンターで120㌔、140㌔、カーブ、140㌔、140㌔、スライダーの6セット。夕方はゴルフレンジで1時間打込み。

5月7日  (金) 20年ぶりに買ったクラブSRIXON Z765が届いたのでゴルフレンジで30分打込み。80年代から90年代にかけてDUNLOP DP-101を使っていましたので、ダンロップ以外のアイアンを使う気になれません。

5月8日  (土) 鬼怒川温泉に小旅行。山岳トレーニングも少々。

5月9日  (日) 秋葉原のバッティングセンターで130㌔、150㌔、カーブ、150㌔、スライダーの5セット。140㌔までは芯に当たる。150㌔にも付いていってはいる。

5月10日(月) 出勤日。

5月11日(火) 出勤日。

2021年5月8日土曜日

21年 阪急vsグレートリング 12回戦

8月31日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 3 0 0 0  3  阪急 40勝36敗 0.526 天保義夫 溝部武夫 
0 1 6 2 0 0 0 1 X 10 グ軍 44勝24敗 0.647 櫛田由美彦

勝利投手 櫛田由美彦 3勝0敗
敗戦投手 天保義夫   10勝9敗

二塁打 (急)青田 (グ)堀井、宮崎2、山本
三塁打 (急)坂井 (グ)山本

勝利打点 (グ)堀井数男 7

猛打賞 (急)青田昇 10 (グ)筒井敬三 3


櫛田由美彦、無傷の3連勝

 西宮の第2試合は天保義夫と櫛田由美彦の先発で午後3時8分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、先頭の山田伝は遊ゴロ、ショート宮崎が一塁に悪送球、しかし山田は二盗に失敗、上田は四球を選び、青田の中前打で一死一二塁と先制のチャンス、しかし野口二郎は一邪飛、野口明は左飛に倒れて無得点。

 グ軍は2回裏、先頭の山本一人監督が中越えに三塁打、堀井の左前タイムリーで1点を先制する。続く岡村の右前打で堀井は三塁に走るがライト野口二郎からの好返球にタッチアウト、筒井は中前打、櫛田はストレートの四球で一死満塁とするが、宮崎の投ゴロが「1-2-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は3回表、先頭の天保が四球を選んで出塁、しかしトップに返り山田の二塁ベース寄りのゴロをショート宮崎が捕球すると二塁を踏んで一塁送球、「6B-3」のダブルプレー、続く上田が中前打、青田の三ゴロをサード河西が二塁に送球するがベースカバーに入ったセカンド安井が落球、二死一二塁とするが野口二郎は右飛に倒れて無得点。

 グ軍は3回裏、先頭の河西の当りは三ゴロ、これをサード坂井豊司がエラー、安井は右飛に倒れ、田川の中前打で一死一二塁、山本の打席で二走河西がディレードスチール、天保はサード坂井に送球、二三塁間に挟まれた河西を追って坂井が二塁に送球するが悪送球となって一死二三塁、山本は四球で一死満塁、堀井がセンター左奥深く走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち4-0、岡村は四球、筒井は三塁内野安打で再度一死満塁、櫛田が押出し四球を選んで5-0、宮崎が三塁線を破る2点タイムリー二塁打を放ち7-0と大きくリードする。阪急ベンチはここで先発の天保から溝部武夫にスイッチ、溝部が後続を抑える。

 阪急は4回表、一死後坂井が中越えに三塁打、続く日比野は遊ゴロ、ショート宮崎からの一塁送球の隙をついて三走坂井がホームに突っ込むが、ファースト山本からの送球にタッチアウト。

 グ軍は4回裏、二死後堀井が四球を選んで出塁、岡村の右前打で堀井が三塁に進み、ライトからの返球の間に打者走者の岡村も二塁に進んで二死二三塁、筒井の右前タイムリーで8-0、二死一三塁から筒井が二盗、キャッチャー日比野からの二塁送球が悪送球となる間に三走岡村が還って9-0とする。

 阪急は6回表、先頭の野口二郎が左前打で出塁、野口明は四球、坂井もストレートの四球で無死満塁、日比野も押出し四球を選んで1-9、田中幸男の左前タイムリーで2-9、溝部の二遊間寄りのゴロをショート宮崎が捕球してベースを踏んで一塁送球、宮崎が3回に続いて「6B-3」の併殺を決める間に三走坂井が還って3-9と反撃する。

 グ軍は8回裏、先頭の田川が左前打で出塁、溝部の一塁牽制悪送球で田川は一気に三塁に進み、山本の遊ゴロの間に田川が生還して10-3とする。

 櫛田由美彦は8安打6四球1三振で完投、3勝目をマークする。

 グ軍は13安打で10得点。阪急の4つのエラーに付け込んで大量点に結び付けた。この結果、8月終了時点でグ軍はタ軍に1厘差で首位の座をキープした。

 櫛田のプロでの勝利はこの日が最後となり、シーズン終了後にプロ野球の世界を離れることとなる。「台北一中 - 台北高商 - 勧業銀行」と伝わるだけの無名の存在であるが、グ軍首位浮上の過程における救世主である。

2021年5月7日金曜日

21年 巨人vs中部日本 9回戦

8月31日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5  6  7 8 9  計
2 0 1 7 3 11 0 0 2  26 巨人 41勝26敗1分 0.612 藤本英雄 宮下信明
0 0 0 1 0  1  0 0 0   2  中部 22勝42敗2分 0.344 星田次郎 松尾幸造 井上嘉弘 西沢道夫

勝利投手 藤本英雄 9勝3敗
敗戦投手 星田次郎 0勝2敗
セーブ    宮下信明 1

二塁打 (巨)藤本、中島、呉新亨、山川 (中)古川
三塁打 (巨)呉新亨、中島、黒沢2
本塁打 (巨)川上哲治 4号、藤本英雄 1号

勝利打点 (巨)川上哲治 2

猛打賞 (巨)川上哲治(4安打)4、藤本英雄 1、呉新亨 5


クリーンナップトリオで15打点

 後楽園の第2試合は藤本英雄と星田次郎の先発で午後3時4分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、一死後山川が四球で出塁、黒沢の中前打で山川は三塁を狙うがセンター古川からの好返球にタッチアウト、二死一塁から川上がライトスタンドにツーランホームランを叩き込んで2点を先制する。

 巨人は3回表、山田潔、山川が連続四球、黒沢の投前送りバントを星田は三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死満塁、中部ベンチはここで先発の星田から松尾幸造にスイッチ、川上の左犠飛で3-0とする。

 巨人は4回表、先頭の藤本が左中間に二塁打、呉新亨のタイムリー右中間三塁打で4-0、坂本茂は三振に倒れるが、トップに返り山田、山川が又も連続四球で一死満塁、黒沢のニゴロをセカンド山本尚敏が二塁に悪送球する間に三走呉に続いて二走山田も還って6-0、何故か黒沢には2打点が記録された。続く川上の中飛で二走山川と一走黒沢がタッチアップから進塁して二死二三塁、多田は四球を選んで二死満塁、中島治康監督が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち8-0、多田は四球で二死一三塁、打者一巡して藤本の三遊間タイムリーで9-0、呉新亨のライト線タイムリーでこの回7点、10-0とする。

 中部は4回裏、先頭の杉浦清監督がストレートの四球で出塁、一死後杉浦が二盗に成功、大沢清は四球、藤原のニゴロの間に二者進塁して二死二三塁、ここで杉浦がホームスチールを決めて1-10、二走大沢もスタートを切っていて三盗に成功し記録はダブルスチール、理解不能の本盗ではあるが何とか1点を返す。

 7月22日のグ軍戦でも二走大沢、三走杉浦の時にダブルスチールを決めた。8月8日の阪急戦でも杉浦が単独ホームスチールを決めており、最下位街道を驀進する中部では杉浦清監督が孤軍奮闘しているようにも見えるが、一人浮いた存在になっていると見る方が正解かもしれない。後に「赤嶺旋風」に発展する中部の内紛の火種は、すでに燻っているのである。

 中部は5回から松尾に代わって井上嘉弘が3人目のマウンドに上がる。

 巨人は5回表、山田、山川が3打席連続となる連続四球で無死一二塁、黒沢の左前打で無死満塁、川上の一ゴロで黒沢が二封される間に三走山田が還って11-1、川上が二盗を決め、中島が左中間に2点タイムリー二塁打を放ち13-1とする。

 巨人は6回表、先頭の呉新亨が左中間に二塁打、坂本は四球、トップに返り山田の投ゴロで坂本は二封されて一死一三塁、山川は5打席連続四球、黒沢が押出し四球を選んで14-1、川上のニゴロ併殺崩れの間に三走山田が還って15-1、中島は四球で二死満塁、多田が押出し四球を選んで16-1、ここで藤本がレフトスタンドに満塁ホームランを放ち遂に20-1、続く呉新亨の遊ゴロをショート杉浦が一塁に悪送球、坂本が四球を選んで二死一二塁、中部はここで井上に代えて4番手として西沢道夫をマウンドに上げ、トップに返り山田がこの日4個目の四球を選んで二死満塁、山川のニゴロをセカンド山本が大きく逸らす間に塁上の3走者が一気に還って23-1、黒沢が右越えにタイムリー三塁打を放ちこの回11点、24-1とする。バレーボールならマッチポイントであるが野球はまだ終わらない。

 巨人は6回から藤本をベンチに下げて宮下信明をマウンドに送る余裕を見せる。

 中部は6回裏、先頭の藤原が二遊間にヒット、一死後西沢がストレートの四球を選んで一二塁、山本が三塁線にタイムリーを放ち2-24とする。

 巨人は最終回、先頭の山川が右中間に二塁打、黒沢が右越えに2打席連続となる三塁打を放ち25-2、川上のニゴロの間に黒沢が還って26-2とする。

 巨人は15安打で26得点、中部投手陣は合計16四球と壊滅した。

 三番黒沢が5打点、四番川上が6打点、五番中島が4打点とクリーンナップトリオで15打点、更に藤本もグランドスラムを含む5打点を記録した。

2021年5月6日木曜日

野球週報 ①

4月28日(水) 品川ビッグスターズ(旧・品川ベースボールクラブ)の練習は緊急事態宣言に伴い中止。ということで、お台場海浜公園まで往復7キロラン。

4月29日(木) 休

4月30日(金) 秋葉原のバッティングセンターで120㌔、135㌔、カーブ、130㌔の4セット。

5月1日  (土) 休

5月2日  (日) 秋葉原のバッティングセンターで110㌔、130㌔、カーブ、130㌔、スライダーの5セット。

5月3日  (月) 癌研有明病院のグラウンドでサーキットトレーニング。

5月4日  (火) 秋葉原のバッティングセンターで120㌔、130㌔、130㌔の3セット。えらい混んでました。「安・近・短」でバッセンは大盛況です(笑)。


引退試合

 昭和21年8月31日、西宮球場で行われたタイガースvsパシフィック戦において、パ軍は四番小島利男、五番高須清がスタメン出場。

 昭和初期の東京六大学野球全盛期に早稲田の大スターだった二人は今季でプロ野球を去ることになる。小島はシーズン終了までプレーを続け、昭和25年には一旦西日本パイレーツに復帰することになるが、高須はこの試合がプロでの最後の試合となる。

 したがって、この試合が高須清の引退試合となった。プロには馴染めなかった高須を、パ軍藤本定義監督は三顧の礼をもって戦後復活初年度に迎え入れたが、最後まで礼をもって遇したのである。

 小島はプロ野球を去ってからもビジネスマンとして実業界で成功することになるが、高須の消息は定かではない。元々プロに進む気の無かった高須をプロ野球界に引きずり込んだ高橋龍太郎が面倒を見たとは推察されるが・・・。


*昭和14年5月23日付け読売新聞は高須のイーグルス入りを大きく報じた。



2021年5月5日水曜日

21年 タイガースvsパシフィック 11回戦

8月31日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 1 0 1 0 0 0 2 0 6 タ軍 42勝23敗 0.646 御園生崇男 
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 パ軍 27勝40敗2分 0.403 真田重蔵

勝利投手 御園生崇男 6勝3敗
敗戦投手 真田重蔵  14勝14敗

二塁打 (タ)渡辺、御園生
三塁打 (タ)金田、御園生

勝利打点 (タ)本堂保次 7

猛打賞 (タ)御園生崇男 4


不振の本堂が決勝打

 西宮の第1試合は御園生崇男と真田重蔵の先発で午後1時8分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍は初回、先頭の金田が中越えに三塁打、塚本は四球、土井垣は三振に倒れるが、塚本が二盗を決めて一死二三塁、このチャンスに本堂が中前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とする。

 タ軍は2回表、この回も先頭の御園生が中越えに三塁打、長谷川善三の投ゴロで御園生が飛び出し三本間に挟まれてタッチアウト、打者走者の長谷川が二塁に向かい、サード平野徳松が二塁に送球するがセカンド高須清が落球して一死二塁、呉昌征は二飛に倒れるが、トップに返り金田の一二塁間ヒットで二死一三塁、塚本の遊撃内野安打がタイムリーとなって3-0とする。

 タ軍は4回表、先頭の渡辺が左中間に二塁打、二死後呉昌征が中前にタイムリーを放ち4-0とする。

 パ軍は4回裏、一死後四番小島利男が左前打で出塁、続く高須の遊ゴロをショート長谷川がエラー、伊勢川の遊ゴロも長谷川が連続エラーして一死満塁、松井信勝のニゴロ併殺崩れの間に三走小島が還って1-4、平野徳松に代わる代打森下重好が三塁にタイムリーを放ち三走高須が還って2-4と追い上げる。

 タ軍は8回表、先頭の本堂が三遊間にヒット、藤村冨美男監督はストレートの四球、渡辺が送りバントを決めて一死二三塁、御園生がセンター右に2点タイムリーを放ち6-2と突き放す。

 御園生崇男は7安打2四球1三振の完投で6勝目をマークする。2失点は何れもショート長谷川のWエラー絡みだったので自責点はゼロであった。打っても4打数3安打の猛打賞、8回には自らを助ける追撃の2点タイムリーを放つ活躍を見せた。

 初回に本堂保次が決勝となる先制タイムリーを放った。本堂は藤村冨美男監督欠場の間四番を務めてきたが、プレッシャーからか不振が続いていた。藤村の欠場は8月17~29日の7試合であったが、その間本堂は28打数2安打。昨日藤村が復帰しても本堂は四番に座り、プレシャーから解放されたか昨日、本日と2安打を記録した。藤村欠場によりタ軍はグ軍に首位の座を奪われたが、巻き返しなるか見ものである。

2021年5月4日火曜日

21年 ゴールドスターvsセネタース 9回戦

8月31日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 3 0 2 2 0 0 4 2 15 ゴ軍 27勝39敗1分 0.409 内藤幸三
3 0 0 0 0 0 0 0 0  3  セ軍 27勝40敗 0.403 一言多十 黒尾重明 上口政

勝利投手 内藤幸三 15勝15敗
敗戦投手 一言多十   5勝11敗

二塁打 (ゴ)酒沢2、大友2、坪内、坂本 (セ)熊耳
三塁打 (ゴ)酒沢、坂本
本塁打 (ゴ)酒沢政夫 1号 (セ)大下弘 11号

勝利打点 (ゴ)大友一明 3

猛打賞 (ゴ)酒沢政夫(4安打)3、坂本勲 3


ゴ軍、先発全員打点

 第19節3日目、後楽園の第1試合は内藤幸三と一言多十の先発で午後1時丁度、桝球審の右手が上がりプレイボール。

 ゴ軍は初回、一死後大友が四球を選んで出塁するとワイルドピッチで二進、酒沢のライト線二塁打で1点を先制、坪内の遊ゴロをショート鈴木清一がエラー、坪内が二盗を決めて一死二三塁、内藤の一ゴロの間に三走酒沢が還って2-0とする。

 セ軍は1回裏、一死後白木が死球を受けて出塁、飯島の左前打で一死一二塁、大下がライトスタンドに大きく弧を描く逆転スリーランを放ち3-2とするが、勝負になったのはここまでであった。

 ゴ軍は2回表、先頭の早川が四球で出塁、辻功は左飛に倒れるが、坂本勲の中前打で一死一二塁、セ軍ベンチは早くも先発の一言をセンターに回して黒尾重明がリリーフ、トップに返り中村信一は中飛に倒れるが、大友のショート強襲打が左中間への2点タイムリー二塁打となって4-3と逆転、酒沢はストレートの四球で二死一二塁、坪内が三塁線を破るタイムリー二塁打を放ち5-3とする。

 ゴ軍は4回表、先頭の辻が四球を選んで出塁、坂本のレフト線二塁打で無死二三塁、トップに返り中村の左犠飛で6-3、二死後酒沢のライト線タイムリー二塁打で7-3とする。

 ゴ軍は5回表、一死後末崎がセンター左にヒットを放つと二盗に成功、早川の三飛をサード横沢が落球、末崎は二塁ストップで一死一二塁、辻が右前にタイムリーを放ち7-3、坂本の右犠飛で9-3とする。

 ゴ軍は5回までに7人が打点を記録している。

 6回、7回を無失点に抑えた黒尾が降板して8回からゴ軍のマウンドに上口政が上がる。

 ゴ軍は8回表、先頭の坂本が左中間に三塁打、トップに返り中村のニゴロをセカンド清水喜一郎がエラーする間に三走坂本が還って10-3、中村には打点が記録され、中村に代走江崎正義を起用、大友は三振に倒れるが、酒沢の一ゴロをファースト飯島が二塁に悪送球、坪内は四球を選んで一死満塁、内藤が押出し四球を選んで11-3、末崎も押出し四球を選んで12-3、早川の左犠飛で13-3とする。

 8回を終わってゴ軍は先発全員打点を記録、中村信一に代走江崎正義が起用されたので全員打点ではない。

 ゴ軍は9回表、先頭の九番坂本は中飛に倒れ、トップに返り8回に中村の代走に出た江崎に打順が回る。ゴ軍が全員打点を記録するにはここで江崎がホームランを放つか、打者一巡してもう一度江崎に打順が回ってくるしかない。しかし江崎は三振に倒れて二死無走者、大友が右中間に二塁打を放ち二死二塁、酒沢がライトスタンドにツーランを叩き込んで15-3、坪内は遊飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 内藤幸三は7安打2四球1死球5三振の完投で15勝目をマーク、ハーラートップに並ぶ。

 ゴ軍は13安打で15得点、二塁打6本、三塁打2本、本塁打1本。これまで貧打に泣いてきたチームとは思えない猛打爆発で先発全員打点を記録した。中村信一に代走江崎正義を起用しなかったら、空前の全員打点を記録するところであった。

 ゴ軍がこの日記録した「先発全員打点」は、昭和17年4月7日に甲子園の巨人vs南海戦で南海が記録して以来のことになる。
 

2021年5月3日月曜日

21年 タイガースvsグレートリング 8回戦

8月30日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 1 0 1 0 4 タ軍 41勝23敗 0.641 呉昌征 野崎泰一 
1 0 0 4 0 0 0 0 X 5 グ軍 43勝24敗 0.642 別所昭

勝利投手 別所昭 10勝6敗
敗戦投手 呉昌征 12勝4敗

二塁打 (グ)山本、別所、河西
三塁打 (タ)藤村 (グ)田川

勝利打点 (グ)河西俊雄 1


グ軍、長打攻勢で首位奪還

 タ軍はここまで41勝22敗勝率6割5分1厘、グ軍はここまで42勝24敗勝率6割3分6厘、ペナントレースの山場を迎えた中で0.5ゲーム差での首位攻防戦。

 西宮の第2試合は呉昌征と別所昭の先発で午後2時57分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍は家庭の不幸で欠場を続けていた藤村冨美男監督が復帰。

 グ軍は初回、二死後田川がセンター左後方に三塁打、山本一人監督が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 タ軍は3回表、先頭の長谷川善三が捕手打撃妨害で出塁、捕手に打撃妨害が記録されるのは①捕手がボールを持たずに、本塁上または本塁より前に出た場合、②打者が打つ前に、捕手が投球を本塁上または本塁より前で捕球した場合もあるが、普通は振ったバットがミットに触れた場合でしょう。続く呉昌征が左前打、トップに返り金田の中前打で無死満塁、塚本の左前打で1-1の同点、土井垣の遊ゴロをショート宮崎が本塁に悪送球して2-1と逆転、本堂は二飛に倒れて一死満塁、藤村の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 グ軍は3回裏、先頭の宮崎が四球で出塁、トップに返り河西の投ゴロでランナーが入れ替わり、安井の三ゴロの間に河西は二進、田川は四球、山本もストレートの四球で二死満塁、堀井は左飛に倒れて無得点。

 グ軍は4回裏、一死後別所が左中間に二塁打、筒井がツーストライクナッシングから粘って四球を選び、宮崎も四球で一死満塁、トップに返り河西が左中間に逆転2点タイムリー二塁打を放ち3-2、一死二三塁から安井が右前に2点タイムリーを放ち5-2とする。タ軍はここで先発の呉昌征をセンターに回して野崎泰一にスイッチ、野崎が後続を抑える。

 タ軍は6回表、先頭の土井垣が中前打で出塁、本堂は左飛に倒れるが、藤村がセンター左後方にタイムリー三塁打を放ち3-5、野崎はストレートの四球で一死一三塁、渡辺の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 タ軍は8回表、先頭の塚本の当りは三ゴロ、これをサード河西がエラー、土井垣のニゴロの間に塚本は二進、本堂の二遊間ヒットで一死一三塁、本堂が二盗を決めて一死二三塁、藤村の右前タイムリーで4-5と1点差、なおも一死一三塁のチャンスが続くが、野崎は投ゴロに倒れて二死二三塁、高山泰夫は遊飛に倒れて同点には至らず。

 グ軍は8回裏、先頭の木村勉が二遊間にヒット、野崎の一塁牽制悪送球で木村は一気に三塁に進み、別所は浅い中飛に倒れて一死三塁、筒井の右飛で三走木村がタッチアップからスタート、ライト塚本からのバックホームに本塁寸前タッチアウト。

 タ軍は9回裏、先頭の長谷川が左前打で出塁、呉昌征の投ゴロでランナーが入れ替わり、トップに返り金田は右飛、呉が二盗を決めて二死二塁、塚本は四球を選んで二死一二塁、土井垣の左前打で二走呉は三塁ストップ、ボールはレフト堀井からの返球を中継したサード河西からキャッチャー筒井に送られ、これを見た打者走者の土井垣が二塁に向かうと筒井は二塁に送球、三走呉がスタートを切りかけるとセカンド安井が三塁に送球してタッチアウト、手に汗握る決戦はここにゲームセット。

 グ軍は4本の長打を全て得点に結びつけてタ軍に打ち勝った。機動力野球がダイナマイト打線に打ち勝ったこの試合が持つ意味は大きい。

 別所昭は11安打を打たれながら2四球2三振の粘りのピッチングで10勝目をマークする。

 山本一人監督はこの大事な試合に別所を起用した。グ軍のスケジュールは8月26日から中2日で29日からの5連戦。昨日のパ軍戦に丸山を起用した時点で本日の決戦は別所に決めていたことになる。山本監督はこの後別所をエースに育てる腹のようだ。

 グ軍は首位攻防戦を制して半ゲーム差、勝率1厘差で首位の座を奪還した。なお、後に没収試合により5月26日のグ軍の敗戦が勝利に入れ替わるのでこの時点で換算すると1.5ゲーム差になるが、当時の選手は当ブログが伝えている実況中継の勝敗を認識していたので0.5ゲーム差が正しい。

2021年5月1日土曜日

21年 阪急vsパシフィック 12回戦

8月30日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 阪急 40勝35敗 0.533 溝部武夫 今西錬太郎 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 パ軍 27勝39敗2分 0.409 井筒研一 木暮力三

勝利投手 溝部武夫   6勝1敗
敗戦投手 井筒研一 11勝14敗
セーブ   今西錬太郎 1

二塁打 (急)野口二郎

勝利打点 (急)上田藤夫 4


溝部-今西の完封リレー

 西宮の第1試合は溝部武夫と井筒研一の先発で午後1時4分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回先頭の山田伝が三失に生きただけ、5回二死後坂田清春が四球で歩くが、6回までパ軍先発の井筒の前に沈黙を続けて無安打。

 パ軍は1回裏、二死後藤井が中前打で出塁、森下の三ゴロをサード坂井豊司がエラーして一二塁と先制のチャンスを貰ったが、木暮は三振に倒れて無得点。

 パ軍は2回裏、二死後平野徳松が右前打を放つが、井筒は三ゴロに倒れて無得点。

 パ軍も3回以降無安打が続く。

 阪急は7回表、一死後野口二郎が左中間に二塁打、パ軍ベンチはここでライトの木暮をレフトに回し、レフト森下を下げて小島利男をライトに入れる。野口明はニゴロ、坂井は二飛に倒れて無得点。

 阪急は8回表、先頭の坂田が右前打で出塁、田中幸男が三前に送りバントを決めて一死二塁、阪急ベンチはここで好投の溝部に代えて代打日比野武を起用、日比野は遊ゴロに倒れるが二走坂田は三進、トップに返り山田が四球を選んで二死一三塁、ここで上田が左前にタイムリーを放ち1点を先制する。

 阪急は8回からリリーフに今西錬太郎を投入、今西は富松に代わる代打小林章良を三振、藤井を左飛、森下も左飛に抑えてベンチの期待に応える。

 パ軍は9回の守備から代打の小林に代えて高須清が入ってセカンド、セカンドの喜瀬正顕がセンターに回る。

 阪急は9回表、先頭の野口二郎が右前打で出塁、野口明の投ゴロの間に二郎は二進、坂井の左飛で二走野口二郎は果敢にタッチアップから三塁を陥れて二死三塁、坂田の中前タイムリーで2-0とする。さらに田中が三前にバントヒット、バントエンドランであったのか一走坂田は一気に三塁に進み、田中の代走に西村正夫監督が登場、パ軍ベンチはここでプロ入り初登板となる木暮をレフトからマウンドに呼び寄せ、ファーストの藤井をレフトに回し、ピッチャー井筒に代わり中谷順次が入ってファースト、キャッチャーも伊勢川から佐竹一雄に入れ替える布陣を敷いて必死の防戦、木暮は今西を一邪飛に抑えて追加点を許さなかった。

 パ軍は9回裏、先頭の木暮がツーストライクナッシングと追い込まれながらファウルで粘って四球を選んで出塁、しかし佐竹の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー、最後は松井信勝が右飛に倒れて、両軍死力を尽くす好ゲームが終了する。

 溝部武夫は7イニングを2安打5四球3三振、6勝目をあげる。

 今西錬太郎は好リリーフを見せてプロ入り初セーブを記録、今季がルーキーシーズンであるが本領を発揮してきた。現在もご健在の今西氏は、2019年セントラル・リーグクライマックスシリーズファーストステージで始球式のマウンドに立って全国の野球ファンにお元気な姿を見せた。