9月26日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 2 0 0 1 0 0 0 6 名古屋 27勝47敗4分 0.365 石丸進一
0 2 2 0 0 0 0 0 1 5 巨人 51勝23敗4分 0.689 須田博
勝利投手 石丸進一 12勝14敗
敗戦投手 川畑博 0勝3敗
二塁打 (名)古川、岩本 (巨)須田
三塁打 (名)吉田 (巨)小暮
本塁打 (巨)中島 5号
勝利打点 吉田猪佐喜 1
猛打賞 (巨)青田昇(4安打) 1、白石敏男 3
名古屋の強力打線が打撃戦を制す
名古屋は石丸進一、巨人は川畑博の先発で打撃戦は開始された。
名古屋は初回、先頭の石丸藤吉の当りは三ゴロ、これをサード青田昇がエラーして無死一塁、しかし岩本章の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー、ここで古川清蔵がレフト線に二塁打、吉田猪佐喜も左中間に三塁打を放って1点を先制、小鶴誠の遊ゴロをショート白石敏男が一塁に悪送球する間に吉田が還り2-0、打者走者の小鶴は二塁に進み、本田親喜の左前タイムリーでこの回3点を先制する。
巨人は2回、先頭の中島治康がストレートの四球で出塁、伊藤健太郎もワンスリーから四球を選んで無死一二塁、小暮力三が右中間に三塁打を放って2-3と追い上げる。しかし続く坂本茂は三振、多田文久三も三振、川畑は遊飛に倒れて同点機を逸す。
名古屋は3回、先頭の古川が四球で出塁、巨人ベンチはここで川畑をあきらめて須田博をマウンドに送る。しかし吉田も四球、小鶴の中飛で二走古川がタッチアップから三塁に進み、吉田も二盗を決めて一死二三塁、本田親喜が中前に2打席連続適時打となる2点タイムリーを放ち5-2と突き放す。
巨人は3回裏、一死後青田が左中間に二塁打、白石の遊ゴロの間に青田は三進、中島がライトスタンドにツーランホームランを叩き込んで4-5、再び1点差に追い上げる。
名古屋は4回、二死後岩本章がレフト線にヒットを放ち出塁すると二盗に成功、古川の三ゴロをサード青田が一塁に悪送球、これを見て三塁に達していた二走岩本がホームを狙うが、久保田製のニューボールを拾いあげたファースト小暮がホームに送球して岩本はタッチアウト。
名古屋は6回、三盗の桝嘉一の当りは三ゴロ、これを青田がこの日3つ目のエラーとなる悪送球して桝は二塁に進み、石丸進一は投前に送りバント、須田が一塁に送球するとベースカバーに入ったセカンド坂本が落球、犠打とエラーが記録されて無死一三塁、芳賀直一は遊飛、トップに返り石丸藤吉も遊飛に倒れるが、岩本がセンター左奥に二塁打を放って6-4、一走桝も三塁ベースを蹴ってホームを狙うがレフト伊藤-ショート白石-キャッチャー多田と渡ってタッチアウト。
巨人は6回裏、先頭の伊藤がピッチャー強襲ヒット、小暮も右前打で続いて無死一二塁、しかし坂本は中飛、多田の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。
巨人は7回裏、一死後呉波が中前打、青田は猛打賞となる3安打目を左前に放ち、白石も三塁内野安打で一死満塁の大チャンスを迎えて今日ホームランを放っている中島が打席に入る。中島の痛烈な当たりが三塁を襲うがサード芳賀がグラブに収め、そのまま三塁ベースを踏んで無補殺併殺、巨人はチャンスを逸す。
巨人は9回裏、一死後須田がセンターオーバーの二塁打、トップに返り呉の二ゴロの間に須田は三進、青田が4本目のヒットを左前に放って須田を迎え入れ6-5と1点差に詰め寄り、白石も右前打を放って二死一二塁として当たっている中島が打席に入るが、石丸進一が踏ん張り中島は投ゴロ、6対5で名古屋が打撃戦を制す。
岩本章、古川清蔵、吉田猪佐喜、小鶴誠とホームランバッターが並ぶ名古屋の強力打線は、久保田製のニューボールを打ちまくったのである。
巨人打線に13安打を許しながら粘りの投球を見せた石丸進一は、2四球2三振の完投で12勝目をあげる。翌日の読売新聞によるとドロップが良かったようだ。
巨人打線は中島治康が2試合連続本塁打、青田昇が4安打、白石敏男が3安打を放つが名古屋に打ち負ける。青田の3失策を筆頭に6個のエラーが響いた。
巨人投手陣は広瀬習一が虫垂炎で離脱してそのまま兵役に就き、中尾輝三も応召、泉田喜義も戦場に赴き、現状では須田博と川畑博だけとなっている。9月26日付け読売新聞は、写真付きで「明治の藤本巨人へ」と報じている。藤本英雄は9月25日付けで聯盟登録され、27日の大洋戦でデビューすると報じられた。