2012年9月30日日曜日

15年 第8節 週間MVP



 今節はイーグルスが3勝0敗、タイガースが1勝0敗、ジャイアンツ が4勝1敗、阪急が2勝1敗、名古屋が4勝4敗、セネタースが3勝3敗、南海が0勝2敗1分、ライオンが0勝2敗、金鯱が0勝4敗1分であった。


週間MVP

投手部門

 ジャイアンツ スタルヒン 2

 今節は3勝0敗2完封、27イニングスを投げて13安打10四球14三振、防御率0.67。春季シリーズ逆転優勝の立役者となった。


 阪急 森弘太郎 1

 今節は2勝0敗1完封、21イニングスを投げて8安打4四球1三振、防御率0.00。名投手と呼ばれるだけのピッチングを見せた。


 イーグルス 亀田忠 1

 今節は2勝0敗1セーブ1完封、19イニングス3分の1を投げて8安打7四球15三振、防御率0.00。森弘太郎とのピッチングスタイルの違いが数字に表れている。名古屋の優勝を阻止した投球が光る。ジャイアンツナインは亀田忠に足を向けて寝ることはできない。




打撃部門

 ジャイアンツ 中島治康 1

 今節20打数8安打4得点4打点二塁打2本、三塁打1本、本塁打1本。不振を託っていたが最終節で爆発した。


 ジャイアンツ 吉原正喜 1

 今節14打数4安打3得点2打点4四球二塁打1本。23日の名古屋との決戦で3補殺を記録するなど、数字に現れない定性面での評価が高い。






殊勲賞

 名古屋 河村章 1

 19日のライオン戦では2イニングを1安打1四球無失点と中継ぎで好投して勝利に貢献。20日のダブルヘッダー第二試合となった南海戦では完投でプロ入り初勝利。24日の金鯱戦でも4回3分の1を5安打1四球3三振1失点と中継ぎで好投して勝利に貢献する。


 
 南海 前田貞行 1

 20日の名古屋戦で4打数3安打二塁打1本の活躍を見せる。





敢闘賞

 ジャイアンツ 川上哲治 1

 今節17打数7安打4得点2打点2四球三塁打1本、本塁打1本と復活する。


 セネタース 苅田久徳 1

 今節21打数3安打であったが2本塁打を放つ。




技能賞

 イーグルス 中河美芳 3

 26日の名古屋戦でサヨナラ打を放ちジャイアンツ逆転優勝に結びつける。歴史を変える一打となった。











 

三冠への道 2012 ⑮



 さあ皆さん、⑭で指摘させていただいたとおりミゲール・カブレラの連続ホームラン無しは7試合で終了し、本日第43号スリーランを放って再び三冠王の座に返り咲きました。内角の厳しいコースを低い弾道でレフトスタンドに一直線のラインドライブでした。今季通算609打数199安打、打率3割2分7厘で二位マイク・トラウト3割2分1厘、三位ジョー・マウアー3割2分を引き離して首位打者をキープ、打点は136打点に伸ばして二位ジョシュ・ハミルトンと11打点差、本塁打は43本でハミルトンに並びました。


 タイガースは残り4試合、ハミルトンのホームラン次第となってきました。レンジャーズは本日雨で順延となって明日はエンゼルスとダブルヘッダー、最後はアスレチックスとの三連戦を残しています。エンゼルス、アスレチックス共にワイルドカード争いの最中なので簡単には打たせてくれませんが、ハミルトンには5月8日のオリオールズ戦のようにツボにはまれば5打数5安打8打点4本塁打の爆発力がありますので最終戦まで結果は分かりません。


 ジャスティン・バーランダーが17勝目をあげて今季通算238回3分の1で239奪三振、防御率2.64、WHIP1.06としました。ホワイトソックスとの地区優勝争い次第では最終戦の10月3日のリリーフ登板があるかもしれませんが本日が今季最終登板の可能性が高い。このローテーションならディビジョン・シリーズ初戦から行けます。タイガースの場合はワイルドカードの可能性がありませんのでディビジョンシリーズ進出はホワイトソックスを破っての地区優勝しかありません。2年連続アメリカン・リーグサイ・ヤング賞の可能性がありますが、昨年の24勝5敗、250奪三振、防御率2.40で投手三冠、WHIPも0.92と比べると大きく内容が劣ります。今季は終盤になって帳尻を合わせてきた印象も強く、記者投票は伸びない可能性があります。昨日20勝をマークしたジェレッド・ウィーバーは今季通算20勝4敗、187回3分の2で141奪三振、防御率2.73、WHIP1.00です。数字的にはバーランダーを大きく下回りますが今季の安定身は抜群であり、WHIP1.00を頼りとして当ブログはジェレッド・ウィーバーをサイ・ヤング賞候補に推しています。


 ピッチングの凄味ではバーランダーが上なので今季の数字単体だけを見ればバーランダーでも納得ですが、どうも今季のピッチングでは2年連続の壁を乗り越えるのは難しいのではないかと考えています。1999年~2002年のランディ・ジョンソンの4年連続以降で2年連続サイ・ヤング賞を獲得したのは2008年、2009年のナ・リーグのティム・リンスカムだけですが、リンスカムの場合は2008年が227回で265奪三振、防御率2.62、WHIP1.17、2009年が225回3分の1で261奪三振、防御率2.48、WHIP1.05と圧倒的な奪三振率に加えて防御率、WHIPを大きく伸ばしていることが2年連続受賞の要因でした。


 バーランダーの投票順位を下げた場合、誰が上位に浮上するかがポイントとなります。デービッド・プライスとフェリックス・ヘルナンデスは共にWHIPが1.10なのでバーランダーとの比較でバーランダーより上位にはしにくい。ジェレッド・ウィーバーは投球回数と奪三振で劣りますがこれはピッチングスタイルの違いに起因していることは誰でも理解していることであり、バーランダーの上位に名前を書き易いのではないでしょうか。投球回数が200回に届かなかったので最初からオミットされてしまう可能性はありますが。










*2008年、2009年二年連続でナショナル・リーグサイ・ヤング賞を獲得したティム・リンスカムのサインボール。















 

2012年9月29日土曜日

15年 セネタースvsジャイアンツ 4回戦



5月27日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 1 0 0 0 0 0 0  2 セネタース   18勝11敗3分 0.621 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 ジャイアンツ 21勝11敗 0.656 中尾輝三

勝利投手 野口二郎 10勝4敗
敗戦投手 中尾輝三   7勝4敗

本塁打 (セ)苅田 3号

勝利打点 苅田久徳 2


野口二郎1安打完封

 優勝が決まったジャイアンツは中尾輝三が先発。第一試合で名古屋が勝っていたら当然スタルヒンだったでしょう。一方、セネタースは野口二郎が先発する。

 セネタースは初回、苅田久徳が初球を先頭打者ホームラン、1点を先制する。

 セネタースは3回、先頭の苅田がツースリーから四球を選んで出塁、村松長太郎が三前に送りバントを決めて一死二塁、野口の遊ゴロで二走苅田は三塁に走り、ショート白石敏男が三塁に送球するがセーフ、野選となって一死一三塁、小林茂太が右前にタイムリーを放って2-0とする。

 野口二郎は立ち上がりから8人連続打ち取るが中尾に四球、ボークを犯して二死二塁とするが白石を三ゴロに打ち取る。4回から6回は三者凡退に抑えてここまで無安打無得点を続ける。

 ジャイアンツは7回、先頭の水原茂が三塁に内野安打、しかし千葉茂の投ゴロは「1-6-3」と渡ってダブルプレー。川上哲治は遊飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 野口二郎は8回を三者凡退に抑え、9回は三者三振で締めて、1安打1四球9三振で今季3度目の完封、10勝目をあげる。野口にとって通算5回目の1安打ピッチングとなった。

 翌日の読売新聞によると水原の内野安打は「水原の放った三塁頭上直球を横沢が日光に妨げられて存分に跳躍せず弾いた」とのことである。



 この試合を以て春季シリーズは全日程を終了した。夏季シリーズは6月1日の甲子園、中百舌鳥両球場で開始される。7月31日からはいよいよ満州シリーズも行われることとなる。










                 *野口二郎は1安打完封で10勝目をあげる。
















     *野口二郎に1安打に抑えらたジャイアンツ打線。












 

15年 名古屋vs阪急 4回戦



5月27日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋 20勝11敗1分 0.645 松尾幸造 村松幸雄
0 0 0 0 0 0 1 0 X  1 阪急    18勝11敗3分 0.621 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 10勝3敗
敗戦投手 松尾幸造   3勝4敗

二塁打 (名)吉田

勝利打点 なし


名古屋が敗れてジャイアンツの春季優勝が決定

 ジャイアンツに首位の座を奪われた名古屋はこの試合に勝って第二試合のジャイアンツvsセネタース戦の結果を待ちたいところ。

 名古屋は初回、一死後村瀬一三が左翼線にヒット、桝嘉一が四球を選んで一死一二塁、大沢清の二ゴロの間に二者進塁し、吉田猪佐喜がストレートの四球で二死満塁、しかし中村三郎は右飛に倒れる。3回は二死後桝がピッチャー強襲ヒットを放つが大沢は遊ゴロ、5回は二死後三浦敏一が左前打を放つが芳賀直一は中飛に終わる。

 名古屋は6回、先頭の桝の遊ゴロをショート下村豊がエラー、しかしエンドランで大沢は三直、「5-3」と渡ってダブルプレー、直後に吉田が左中間に二塁打を放つが中村は遊飛に終わる。2回、5回、7回は三者凡退でここまで無得点が続く。

 名古屋先発の松尾幸造に6回まで無得点に抑えられてきた阪急は7回裏、先頭の下村が四球を選んで出塁、森弘太郎が送って一死二塁、名古屋ベンチはここで力投の松尾を下げて村松幸雄をマウンドに送る。トップに返り中島喬に代わる代打浅野勝三郎の当りは遊ゴロ、これをショート村瀬が一塁に悪送球する間に下村が還って1点を先制する。

 森弘太郎は8回、9回の名古屋の反撃を吉田のヒット1本に抑えて、結局5安打2四球1三振、今季4度目の完封で10勝目をあげ、この瞬間、昭和15年春季シリーズにおけるジャイアンツの優勝が決まった。


 昭和14年から一シーズン制となっていますが、実際にはシーズンを春季、夏季、秋季に分けてそれぞれ優勝を決めて個人表彰を行っています。歴史に残っているのはシーズン記録だけですが。15年春季の優勝はジャイアンツ、首位打者は鬼頭数雄となっています。完全な一シーズン制となるのは昭和21年からとなります。

 歴史に残らない春季シリーズとは言え優勝を逃した名古屋の初優勝は、昭和29年までお預けとなったのである。









*森弘太郎は今季4度目の完封で名古屋打線を完封、10勝目をあげる。この瞬間昭和15年春季の優勝はジャイアンツに決定した。













     *森弘太郎に封じ込められて優勝を逃した名古屋打線。





















 

2012年9月28日金曜日

三冠への道 2012 ⑭



 本日のパイレーツ戦でR.A.ディッキーは7回3分の2を投げて13奪三振をマークし20勝目をあげました。13個の奪三振のうち当ブログが「伸びるナックル」と名付けているハイナックルで2個とっています。


 ニューヨーク・メッツにとって20勝投手は1990年のフランク・バイオーラ以来のこととなります。シティ・フィールドでは「20 dickey」のカードが配られたようで多くの観客が掲げています。手製の「RA=SY」のプラカードも見えました。もちろんこれはR.A.ディッキーのサイ・ヤング賞獲得を確信するファンによるものです。本日のMLB.comでは約3分間に渡るディッキーのヒーローインタビューを見ることができます。インタビューの最後にサイ・ヤング賞の感触を聞かれて「I don't know」と答えていますが本日のピッチングでまず間違いないでしょう。今季の最終登板は中四日で10月2日のマーリンズ戦が予定されていますが中五日で最終戦となる10月3日のマーリンズ戦になるかもしれません。インタビュー中にも「サイ・ヤング コール」が沸き起こっていました。この雰囲気でディッキーに投票しない記者はいないでしょう。


 ナショナル・リーグ首位打者にバスター・ポージーが立ちました。本来はメルキー・カブレラですがメルキーは薬漬けが発覚して50試合の出場停止となり、規程では規定打席に達しない分は凡打としてカウントされて二位を上回っていれば首位打者となりますがオーバールールにより首位打者資格をはく奪されていますのでアンドルー・マカッチェンを抜いたバスター・ポージーが現時点での首位打者となります。定性評価で高い評価を受けているポージーは100打点に達したうえ首位打者となれば定量評価でも優位に立つこととなります。ナ・リーグMVP争いはバスター・ポージー有利の展開となっています。


 ミゲール・カブレラは4打数1安打で今季通算601打数196安打、打率3割2分6厘で首位打者をキープしていますが二位のジョー・マウアーとは3厘差、3割2分台の争いとなるとマイク・トラウトに加えてデレク・ジーターにも可能性が残ります。打点は133打点で二位のジョシュ・ハミルトンに8点差をつけて安全圏にいますが本塁打は42本で足踏みしてハミルトンと1本差、エドウィン・エンカーナシオンと並んで二位タイ。更に41本でアダム・ダン、40本でカーティス・グランダーソンが続く混戦となっています。


 ミギーはこの日で6試合連続ホームラン無しが続いています。今季は4月10日~19日に10試合連続、4月29日~5月14日に14試合連続、5月16日~26日に10試合連続ホームラン無しが続きましたが、後半戦は8月8日~14日に7試合連続ホームラン無しが続いたことがあるだけなので長くても明日までで連続ホームラン無し記録は終了する予定です。












*1990年のニューヨーク・メッツで20勝をマークしたフランク・バイオーラの直筆サイン入りカード。写真はツインズ時代です。名前が楽器のヴィオラと同じスペルなので「Sweet Music」と呼ばれました。










 

15年 阪急vsジャイアンツ 4回戦



5月26日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪急             17勝11敗3分 0.607 石田光彦 森弘太郎
0 0 0 0 1 3 0 0 X  4 ジャイアンツ 21勝10敗 0.677 スタルヒン

勝利投手 スタルヒン 12勝4敗
敗戦投手 石田光彦    5勝5敗

二塁打 (阪)井野川

勝利打点 川上哲治 4


ジャイアンツ首位に立つ

 阪急は初回、浅野勝三郎の右前打、上田藤夫の中前打、井野川利春の四球で二死満塁とするが黒田健吾は遊飛に倒れる。2回も森田定雄の四球、下村豊の送りバント、石田光彦の右前打、フランク山田伝の死球で二死満塁とするが浅野は投ゴロに倒れる。阪急は序盤のチャンスを潰したことが敗因となった。

 4回まで4安打で無得点のジャイアンツは5回、一死後水原茂が中前打で出塁、千葉茂も中前打で続いて一死一二塁、川上哲治が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 ジャイアンツは6回、先頭の平山菊二が左前打で出塁、吉原正喜が四球を選び、スタルヒンの送りバントが内野安打となって無死満塁、呉波が右前に2点タイムリーを放って3-0、阪急ベンチはここで先発の石田に代えて森弘太郎をリリーフに送る。トップに返り白石敏男の三塁内野安打で再び無死満塁、水原の遊ゴロの間にスタルヒンが還って4-0とする。千葉の投ゴロは「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 スタルヒンは7安打4四球3三振、今季5度目の完封で12勝目をあげて亀田忠と並んでハーラートップタイとなった。

 ジャイアンツ打線は全員安打で11安打を放ち名古屋を抜いて春季シリーズ土壇場で首位に立った。







               *スタルヒンは今季5度目の完封で12勝目をあげる。













     *全員安打を記録したジャイアンツ打線。



















 

2012年9月27日木曜日

15年 名古屋vsイーグルス 4回戦



5月26日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 0 0 1 0 0  0  1 名古屋       20勝10敗1分 0.667 村松幸雄
0 0 0 0 0 0 1 0 1X 2 イーグルス 17勝14敗1分 0.548 亀田忠

勝利投手 亀田忠     12勝7敗
敗戦投手 村松幸雄 10勝3敗

二塁打 菅、中河

勝利打点 中河美芳 1


天敵

 名古屋は今季ここまで亀田忠に3連敗を喫している。3月20日は2安打5四球7三振で完封負け。3月29日は3安打6四球8三振で1点しか取れず完投負け、5月11日は2安打2四球5三振で完封負け。春季シリーズの優勝がかかった一戦で雪辱を期す。

 しかし名古屋打線は5回まで亀田の前に無安打無得点に抑えられる。6回、一死後桝嘉一がストレートの四球で出塁、大沢清が三遊間を破りこれをレフト岩垣二郎が後逸する間に一走桝が還って1点を先制する。翌日の読売新聞によるとこの日はグラウンド状態が悪く、ショート山田潔が足をとられて動けず三遊間を抜かれて岩垣も後逸したものとのことである。前日の25日は雨で順延となっている。

 イーグルスは名古屋先発の村松幸雄から6回まで4安打を奪うが2回と4回は併殺でチャンスの芽を潰してここまで無得点。

 イーグルスは7回、二死後亀田が右前打で出塁、谷義夫に代わる代打菅利雄が右中間に二塁打を放って亀田を迎え入れ1-1の同点に追い付く。

 イーグルスは9回裏、先頭の岡田福吉がセンター右にヒット、岩垣が投前に送りバントを決めて一死二塁、ここで中河美芳が初球を右越えに二塁打して岡田が還りサヨナラ勝ちをおさめる。

 亀田忠は1安打6四球6三振1失点、自責点0の完投でハーラー単独トップとなる12勝目をあげる。亀田は自身通算8度目の1安打ピッチングとなった。


 名古屋はこれで亀田に四連敗を喫した。完封負けが2回、1点試合の完投負けが2回、亀田の自責点は4試合で0点であり防御率は0.00である。名古屋は天敵・亀田忠に捻られて20勝10敗1分となってジャイアンツに並ばれた。










     *亀田忠は通算8度目の1安打ピッチングで今季12勝目をあげる。















     *亀田忠に1安打に抑え込まれた名古屋打線。












 

2012年9月26日水曜日

三冠への道 2012 ⑬



 アメリカン・リーグ本塁打王争いが激烈となってきました。ジョシュ・ハミルトンが43号を放って単独ホームラン王に返り咲きました。高目のチェンジアップという最も飛ぶ球をいつものようにワンポイントで叩いた打球は右中間最深部と言うよりほとんどセンターオーバー、FOXの画像では正確には確認できませんがアッパーデッキまで飛んだバカでかい当りのようです。アダム・ダンは外に逃げるツーシームをバックスクリーンに40号、更に同じような球を右中間最深部に41号と2発放ちました。過去40本ちょうどを4回記録しているダンにとって41本は2004年に46本を記録して以来のこととなります。エンカーナシオンも右中間最深部に41号を流し打ち、グランダーソンも右中間最深部のアッパーデッキに40号を叩き込みました。


 5本ともセンター方向への当りであることにご注目ください。メジャーで40本打つにはこのバッティングができないと無理です。中田には期待はしていますがどこまで応えてくれることやら。ミゲール・カブレラだけが蚊帳の外で42本のままでした。




 アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞争いも激しくなっています。数字的にはジャスティン・バーランダーが抜けかけてきましたが昨年が良すぎただけに今年はインパクトに欠ける。ジェレッド・ウィーバーの安定身は突出していると思いますが投球回数と奪三振が少ない。WHIPは1.00とトップですがこちらもバーランダーが1.06と迫ってきました。デービッド・プライスも数字的には候補ですがWHIP1.12では苦しいか。フェリックス・ヘルナンデスは単純に今年の成績ではバーランダーより落ちるでしょう。プライスが苦しくヘルナンデスはバーランダーより下でバーランダーは二年連続の壁を越えられそうにないとなると、消去法でジェレッド・ウィーバーが選出されるというのが当ブログの見解です。







          *本日2発放って41号としたアダム・ダンの直筆サイン入りカード













 

2012年9月25日火曜日

15年 ジャイアンツvsセネタース 3回戦



5月24日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 0 2 3 0 2 0 2  10 ジャイアンツ 20勝10敗 0.667 中尾輝三
0 0 0 0 0 0 2 0 2   4  セネタース    17勝11敗3分 0.607 苅田久徳 浅岡三郎

勝利投手 中尾輝三 7勝3敗
敗戦投手 苅田久徳 0勝1敗

二塁打 (ジ)千葉、吉原、中島2 (セ)佐藤2、柳
三塁打 (ジ)中島
本塁打 (ジ)中島 2号、川上 3号

勝利打点 千葉茂 5


中島治康爆発

 春季シリーズ逆転優勝の可能性を残すセネタースは昨日野口二郎を使ってしまった関係で苅田久徳が先発、セカンドには浅岡三郎が入る。残る2試合で阪急、セネタースと対戦するジャイアンツはスタルヒンを温存して中尾輝三が先発する。

 ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が中前打で出塁、水原茂は中飛に倒れるが千葉茂が右中間にタイムリー二塁打を放って1点を先制する。

 ジャイアンツは4回、先頭の川上哲治がツースリーから四球を選んで出塁、中島治康がレフトスタンドに第2号ツーランを叩き込んで3-0とする。

 ジャイアンツは5回、一死後千葉の遊ゴロをショート柳鶴震がエラー、川上が左前打を放って一死一二塁、中島が右中間に二塁打を放ち千葉が生還して4-0、ライト村松長太郎からの返球を中継したセカンド浅岡が悪送球する間に一走川上も還って5-0、平山菊二は一邪飛に倒れるが吉原が右中間に二塁打を放って中島を迎え入れ6-0とする。

 セネタースは6回から苅田がセカンドに回りセカンドの浅岡がマウンドに上がる。

 ジャイアンツは7回、一死後川上がライトスタンドにホームラン、更に中島が右中間に三塁打、平山は浅い中飛に倒れるが吉原が左前にタイムリーを放って8-0とする。

 セネタースは7回裏、一死後佐藤武夫が左中間に二塁打、横沢七郎が四球を選んで一死一二塁、トップに返り柳が左中間に二塁打を放って1-8としてなお一死二三塁、吉原がパスボールを犯して横沢が還り2-8とする。

 ジャイアンツは9回、先頭の川上が四球で出塁、中島が右中間に二塁打を放って無死二三塁、平山に代わり代打でプロ入り初出場の泉田喜義は二ゴロに倒れるが吉原に代わる代打でプロ入り初出場の大橋智千がセンター右に放ったプロ入り初ヒットがタイムリーとなって大橋はプロ入り初打点も記録、呉波の右犠飛で10-2とする。吉原は今季ここまで全イニングにマスクを被ってきたが9回裏のキャッチャーは代打に出た大橋がそのまま入った。

 セネタースは9回裏、一死後横沢が四球を選んで出塁、大橋がプロ入り初捕逸を犯して一死二塁、柳の投ゴロをピッチャー中尾が弾くがショート白石がバックアップして一塁に送球しアウト、横沢は三塁に進む。村松が四球を選んで二死一三塁、村松は二盗に成功、大橋が二塁に悪送球する間に三走横沢が還って3-10、野口二郎の右前タイムリーで4-10、小林茂太も右前打を放つが最後は西岡義晴が遊ゴロに倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 中尾輝三は9安打6四球5三振の完投で7勝目をあげる。


 中島治康が5打数4安打4得点3打点、二塁打2本、三塁打1本、本塁打1本と春季シリーズ最後にようやく爆発した。


 ジャイアンツでは泉田喜義と大橋智千がプロ入り初出場を記録した。大橋はプロ入り初ヒット、初打点、初捕逸、初失策を記録する派手なデビューであったが今季5試合に出場するだけで引退することとなる。本日のヒットと打点はプロ生活唯一の記録となった。大橋は下関商業出身で平山菊二の後輩となる。大橋の後輩では藤本英雄もジャイアンツに入ることとなる。戦後では何と言っても池永正明となる。











*中尾輝三は9安打6四球ながら完投で7勝目をあげる。阪急、セネタース戦を残すジャイアンツにとってスタルヒンを温存できた意味は大きい。













     *中島治康が4本の長打を放ったジャイアンツ打線。














*大橋智千の下関商業の後輩となる池永正明のサイン入りカード。ライオンズクラシックはよく流通していますがこちらのライオンズメモリアルは珍しい。しかも25枚限定の縦バージョンと75枚限定の横バージョン揃いです。

























 

三冠への道 2012 ⑫



 さあ皆さん、ミゲール・カブレラの勢いが止まりません。本日はミネソタ・ツインズとのダブルヘッダーです。第一試合ではサードの右を抜いた打球がレフトの左を抜けてフェンスまで達するタイムリー二塁打を放って4打数1安打1打点。もう一度言いますが三塁線ではなく、サードの右を抜いた打球にレフトが追い付けずフェンスまで達したものです。レフトはセンター寄りに守っていたようですが、それにしても凄まじい当りです。


 第二試合では低目のチェンジアップを右中間最深部にタイムリー二塁打を放って4打数1安打1打点。今季通算586打数194安打で3割3分1厘、二位マイク・トラウトに8厘差をつけて首位打者をキープ、打点は133打点に伸ばしてジョシュ・ハミルトンに10打点差、本塁打は42本で変わらずハミルトンと並んでトップをキープしています。


 FOXのアナウンサーは今季40二塁打、42本塁打となったことを伝えた上で「Hank Greenberg,The only Tigers to ever,do that」と言っているようです。英語は得意ではありませんので正確ではない可能性がありますが、デトロイト・タイガース史上40二塁打40本塁打を達成したのはハンク・グリーンバーグ以来のことのようです。グリーンバーグの記録を調べてみると1937年に49二塁打40本塁打、1940年に50二塁打41本塁打を記録していますのでタイガースでは1940年以来72年振りの記録のようです。




 昨日のブログで「クレイトン・カーショウは9月11日以降登板しておらず明日の先発予定でもありません。」とお伝えしてしまいましたが本日先発して5回を投げて5安打6四球5三振で自責点は1でした。奪三振でR.A.ディッキー209個を抜いて211個としてトップに立ちました。防御率は伸ばしましたがWHIPを落としたのでサイ・ヤング賞争いではディッキー有利は動かないでしょう。


 ナショナル・リーグのバットマンレースで異変が起こっています。現在3割4分6厘で首位打者のメルキー・カブレラは薬漬けが発覚して50試合の出場停止となっており今季出場できません。規定打席に1打席足りないだけなので規程では足りない分を凡打とみなして計算されますので首位打者となる可能性が高かったのですが、流石に薬漬けの首位打者はまずいということになったのか今季の首位打者資格をはく奪されました。したがってナ・リーグ首位打者争いは現在3割3分6厘のアンドルー・マカッチェンと3割3分2厘のバスター・ポージーによる一騎打ちとなりました。そのままナショナル・リーグMVP争いともなりますが、MVPは首位打者を落としてもバスター・ポージー有利は動かないのではないでしょうか。










 *1940年に50二塁打41本塁打を記録したハンク・グリーンバーグの迫力あるバッティングフォームと直筆サイン。
















 

2012年9月24日月曜日

15年 金鯱vs名古屋 4回戦



5月24日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 0 1 0 0 3 金鯱       9勝21敗2分 0.300 内藤幸三 古谷倉之助
2 1 0 1 0 1 0 0 X 5 名古屋 20勝9敗1分 0.690 西沢道夫 河村章 村松幸雄

勝利投手 村松幸雄  10勝2敗
敗戦投手 古谷倉之助 3勝7敗

三塁打 (金)山本

勝利打点 大沢清 6


名古屋一二番コンビが活躍

 名古屋は初回、先頭の石田政良が四球で出塁、一死後桝嘉一が左前打、大沢清が四球を選んで一死満塁、吉田猪佐喜が押出し四球を選んで1点を先制、中村三郎は三振に倒れるが三浦敏一が押出し四球を選んで2-0、金鯱ベンチは早くも先発の内藤幸三をあきらめて古谷倉之助をリリーフに送り、芳賀直一が遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 金鯱は2回、一死後竹林実が四球で出塁、古谷は右飛に倒れるが上野義秋がストレートの四球を選んで二死一二塁、山本次郎が右中間に同点三塁打を放って2-2と追い付く。

 名古屋は2回裏、先頭の西沢道夫の遊飛をショート濃人渉が落球、石田は遊直に倒れ村瀬一三の二ゴロでランナーが入れ替わり桝が四球を選んで二死一二塁、大沢がセンター右にタイムリーを放って3-2と勝ち越す。結局これが決勝点となった。

 名古屋は3回の守備で、先発の西沢が先頭の濃人をストレートで歩かせたところで二番手として河村章をマウンドに送る。河村は森田実に四球を与えて無死一二塁とするが長島進を三ゴロ併殺、室脇正信を三振に打ち取る。

 名古屋は4回、先頭の石田が四球で出塁、村瀬の右翼線ヒットで無死一三塁、桝の三塁内野安打で三走石田は自重して無死満塁、大沢の二ゴロで桝が二封される間に石田が還って4-2とする。

 名古屋は6回、先頭の石田の二ゴロをセカンド五味芳夫がエラー、村瀬が又も右翼線にヒットを放って無死一三塁、桝嘉一は二飛に倒れるが大沢の三ゴロをサード山本がエラーする間に石田が還って5-2とリードを広げる。

 金鯱は7回、先頭の五味が右前打で出塁、古谷の右前打で五味は三塁を狙うがライト吉田からの好返球にタッチアウト、上野が中前打を放って一死一二塁、山本がレフト線にタイムリーを放って3-5、名古屋ベンチはここで河村に代えて村松幸雄を三番手のマウンドに送る。村松は佐々木常助を中飛、濃人を右飛に打ち取りピンチを防ぐ。

 村松は8回、9回も三者凡退におさえるパーフェクトリリーフで10勝目をあげる。先発の西沢道夫が2回3分の0で降板して、二番手の河村章が4回3分の1を投げて、三番手の村松幸雄が2回3分の2を抑えて決勝点が2回に入っているので現行ルールであれば河村に勝利投手が記録されて村松にセーブが記録される可能性が高いと考えられるが公式記録では村松に勝利投手が記録されている。


 名古屋は一番の石田政良が3打数無安打ながら2四球を選んで3得点、二番村瀬一三が石田を一塁に置いて2本の右翼線安打で一塁三塁の形を作ったのが勝因となった。大沢清は6個目の勝利打点を記録して現在勝利打点王である。

 金鯱では山本次郎が3打数2安打3打点、三塁打1本の活躍を見せた。山本にとってプロ生活で唯一の三塁打となった。








     *石田、村瀬の一二番コンビが活躍した名古屋打線。
















                *山本次郎はプロ生活唯一の三塁打を放った。











   *第23回全国中等学校優勝野球大会に浅野中学の主力選手として出場した山本次郎。









 

2012年9月23日日曜日

三冠への道 2012 ⑪



 さあ皆さん、いよいよトリプルクラウンの座に就きました。ミゲール・カブレラは本日第42号ホームランを放ち今季通算578打数192安打で打率3割3分2厘、二位のマイク・トラウトに7厘の差をつけて首位打者、打点は131打点となって二位のジョシュ・ハミルトンに7打点差をつけてトップ、本塁打は42本でジョシュ・ハミルトンに並びました。残りは12試合、この位置をキープできれば1967年のカール・ヤストレムスキー以来45年振りの三冠王となります。昨日の試合が順延となりましたので明日はダブルヘッダーとなります。残りの12試合は下位に低迷してモチベーションの上がらないツインズと5試合、ロイヤルズと7試合なのでチャンス大です。しかもライバルとなるジョシュ・ハミルトンは欠場が続いています。


 コメリカ・パークで観客が手にするボードには「MVP」の文字の下に「3つのクラウン」が描かれていました。本日の42号は内角に食い込んでくる高目のファストボールをレフトブルペンに運んだものです。FOXのアナウンサーが「Highest Home run ,I have ever seen!」と叫んだほど高々と舞い上がる一発でした。


 R.A.ディッキーは本日今季32回目の登板で31回目の先発、8回まで無失点でしたが8回3分の0を投げて6安打4三振3四球で勝利投手となり19勝6敗となりました。今季通算220回3分の0を投げて209奪三振で二位のクレイトン・カーショウに3個の差をつけてトップ、防御率は2.66でこちらも二位のカーショウ2.70を抑えてトップ、最多勝争いではトップのジオ・ゴンザレス20勝と1勝差の二位です。WHIPも1.04でトップのカーショウ1.02に次いで二位となっています。クレイトン・カーショウは9月11日以降登板しておらず明日の先発予定でもありません。


 20勝のジオ・ゴンザレスは今季オークランドからワシントンに移籍してナショナルズ快進撃の原動力となっていますが9月22日現在奪三振は201個、防御率は2.84、WHIPは1.12で数字的にはディッキーより見劣りします。但し被打率はディッキーの2割2分3厘に対して2割4厘、被本塁打もディッキーの21本に対して9本と安定身は抜群です。ナショナル・リーグのサイ・ヤング賞争いはR.A.ディッキーが一歩リードしています。




 本日のFOXのアナウンサーは現在完了形を用いていましたが、私の年代では「Creedence Clearwater Revival」(以下「CCR」)の「Have you ever seen the rain」で現在完了形を勉強しました。邦題「雨を見たかい」は当時はいい唄だなぁと聴いていただけで、ベトナム戦争の反戦歌であることは知りませんでした。歌詞「I want to know, have you ever seen the rain?  Comin' down on a sunny day 」は「俺は知りたい、君はその雨を見た事があるのかい?晴れた日に降る雨を」と訳されますが、この雨はベトナム戦争で使われたナパーム弾のことだそうです。日本では簡単に聴けましたがアメリカでは放送禁止となっていたようです。CCRのけだるい感じはサザンロックの代表ですが、こんな硬派な歌詞だったとは最近知ったことです。因みに当ブログが(私ですが(笑))が一番好きな曲は「Someday Never Comes」です。







*R.A.ディッキーのライバルとなるクレイトン・カーショウとミゲール・カブレラのライバルとなるジョシュ・ハミルトンの直筆サイン入りカード。
 カーショウの肘の角度からするとカーショウは猿腕の持ち主のようです。1時の方向から7時の方向に落ちると言われるカーショウの大きなカーブはこの猿腕から生まれているのでしょう。因みに澤村栄治も猿腕の持ち主であったと言われています。















 

15年 名古屋vsジャイアンツ 4回戦



5月23日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 1 0 0 0 2 名古屋      19勝9敗1分 0.679 松尾幸造 村松幸雄
0 2 0 1 0 0 0 2 X 5 ジャイアンツ 19勝10敗 0.655 スタルヒン

勝利投手 スタルヒン 11勝4敗
敗戦投手 松尾幸造     3勝3敗

二塁打 (ジ)スタルヒン
三塁打 (名)石田 (ジ)川上
本塁打 (名)松尾 1号

勝利打点 スタルヒン 1


スタルヒン八面六臂

 春季シリーズの優勝を占う一戦。19勝8敗1分勝率7割5厘の名古屋と18勝10敗勝率6割4分3厘のジャイアンツとの決戦は14時45分、二出川延明チーフアンパイアの右手が上がりプレイボール。

 ジャイアンツは2回、名古屋先発の松尾幸造を攻めて先頭の川上哲治がツーツーからの5球目を右前に叩いて出塁、平山菊二が中前打で続いて無死一二塁、吉原正喜が死球を受けて無死満塁、林清一の三ゴロで三走川上が本封されて一死満塁、ここでスタルヒンが右前に先制の2点タイムリーを放って2-0とする。

 名古屋は3回、先頭の三浦敏一が四球で出塁、しかし芳賀直一の二直でゲッツー、直後に松尾がライトスタンドにホームランを叩き込んで1-2とする。

 ジャイアンツは4回、先頭の吉原が四球を選んで出塁、林が送って一死二塁、スタルヒンが又も左前にタイムリーを放って吉原を迎え入れて3-1とする。

 粘る名古屋は6回、二死後石田政良が右中間に三塁打、村瀬一三が右前にタイムリーを放って2-3と追い上げる。

 ジャイアンツは8回、二死後スタルヒンが左中間に二塁打、トップに返り白石敏男の二ゴロをセカンド中村三郎が大きく弾く間にスタルヒンに続いて打者走者の白石もホームに還って5-2と突き放す。

 スタルヒンは4安打4四球3三振の完投で大事な一戦をものにして11勝目をあげる。


 本日のヒーローは完投に4打数3安打3打点と八面六臂の活躍を見せたスタルヒンであることは間違いないが、吉原正喜の働きも見逃せない。打撃では4打席1打数無安打2得点2四球1死球でスタルヒンの前に出塁して2度ホームを踏んだ。守備では初回に石田の二盗を刺し、6回に村瀬の二盗を刺し、7回には吉田猪佐喜の三盗を刺して3補殺を記録し、ピンチを未然に防ぐ活躍を見せた。

 ジャイアンツ打線では中島治康が4打数2安打、川上哲治が3打数2安打三塁打1本と春季シリーズ終盤に来てようやく主力の二人が復調してきた。二試合連続2安打の川上は今季通算107打数33安打で3割8厘と3割に復帰、中島は104打数23安打2割2分1厘と低迷している。











     *スタルヒンは好調名古屋打線を4安打に抑える完投で11勝目をあげる。










  *左から2列目が「補殺」欄となります。吉原正喜は3つの盗塁を刺して3補殺を記録する。
















     *スタルヒンが八面六臂の活躍を見せたジャイアンツ打線。












 

訂正のお知らせ



 9月19日付けブログ「三冠への道 2012 ⑧」において、R.A.ディッキーについて「本日のフィリーズ戦は31回目の登板で31回目の先発です。」と書いていましたが、「31回目の登板で30回目の先発」の誤りでしたのでお詫びして訂正させていただきます。本文は訂正済です。


 ディッキーは7月21日のドジャース戦で五番手ピッチャーとして9回にリリーフ登板しています。1イニングを投げて2安打2失点でした。7月19日のナショナルズ戦では先発して7回3分の1を投げており、24日のナショナルズ戦にも先発して6回を投げています。今季開幕から先発ローテーションの柱として投げ続けているディッキーの唯一のリリーフ登板です。




 

15年 金鯱vsセネタース 4回戦



5月23日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 金鯱             9勝20敗2分 0.310 内藤幸三 中山正嘉 長尾貞利
0 1 2 0 1 0 0 0 X 4 セネタース 17勝10敗3分 0.630 浅岡三郎 野口二郎 浅岡三郎

勝利投手 野口二郎 9勝4敗
敗戦投手 中山正嘉 3勝10敗
セーブ    浅岡三郎 2

二塁打 (セ)柳
三塁打 (セ)柳、山崎
本塁打 (金)内藤 1号

勝利打点 小林茂太 3


浅岡-野口-浅岡のリレー

 セネタースは2回、先頭の柳鶴震が右中間に三塁打、浅岡三郎が右前に先制タイムリーを放って1-0とリードする。

 金鯱は3回、一死後内藤幸三がライトスタンドに同点ホームランを放って1-1と追い付く。逆転優勝の可能性が残るセネタースはここで先発の浅岡をファーストに回してファーストの野口二郎を連投となるマウンドに送る。野口は佐々木常助を投ゴロ、濃人渉を三ゴロに打ち取ってスリーアウトチェンジ。

 金鯱も先発の内藤を2回で下げて3回から中山正嘉をマウンドに送る。翌日の読売新聞で鈴木惣太郎はこの継投策に疑問を呈しているが、せっかくホームランを打って気を良くしている内藤を降ろすことはないでしょう。

 セネタースは3回裏、先頭の苅田久徳がストレートの四球で出塁、村松長太郎もツースリーから四球を選んで無死一二塁、野口の投前送りバントは苅田が三封されて失敗、一死一二塁となったところで「戦前随一のクラッチヒッター」四番・小林茂太が左前にタイムリーを放って2-1と勝ち越し、柳が左翼線にタイムリー二塁打を放って3-1とする。

 セネタースは5回、一死後野口が右前打を放って出塁、小林の三塁内野安打で野口がサードに達して一死一三塁、柳が右前にタイムリーを放って4-1と突き放す。

 野口二郎は6回まで金鯱打線を無失点に抑える。リードを奪ったセネタースは7回からファーストの浅岡三郎を再びマウンドに上げて野口をファーストに回す。浅岡は7回からの3イニングを2安打無四球3三振無失点に抑える。この試合の勝利投手は二番手の野口二郎に記録されているので、当ブログルールにより浅岡にセーブが記録される。野口は3回3分の2を投げているので現行ルールでも勝利投手は野口、セーブは浅岡となる可能性が高い。


 柳鶴震が3打数3安打2打点、二塁打1本、三塁打1本の活躍を見せる。四番小林茂太も3打数1安打1打点で決勝タイムリーを放ち3つ目の勝利打点を記録した。

 セネタースは春季シリーズの残り2試合は共にジャイアンツ戦となる。名古屋の結果次第ではあるが逆転優勝の可能性を残している。









*セネタースは浅岡-野口-浅岡のリレーで逃げ切る。スコアカードには浅岡の成績は合算して記録されている。













*3回に野口がピッチャー、浅岡がファーストに回り、6回に浅岡がピッチャー、野口がファーストの戻る。
 6回から山崎文一がレフトに入っているが山崎は8回に三塁打を放った。
















     *主軸が活躍したセネタース打線。












 

2012年9月22日土曜日

15年 阪急vs南海 4回戦



5月23日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 1 0 0 0 1 0 1  3 阪急 17勝10敗3分 0.630 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 南海   8勝22敗2分 0.267 平野正太郎 政野岩夫

勝利投手 森弘太郎     9勝3敗
敗戦投手 平野正太郎 0勝5敗

二塁打 (阪)黒田

勝利打点 なし


森弘太郎今季3度目の完封

 阪急は1回、2回とフランク山田伝、森田定雄がヒットを放つがいずれも二死からで無得点。3回、先頭の森弘太郎が中前打で出塁、トップに返り中島喬の投ゴロでランナーが入れ替わり中島が二盗に成功、西村正夫が中前打を放ちセンター山尾年加寿が弾く間に中島がホームに還って1点を先制する。記録はワンヒットワンエラーで西村には打点は記録されていないので、これが決勝点となったが中島のホームインはセンター山尾のエラーによるもので西村には勝利打点は記録されない。

 阪急は4回、上田藤夫、井野川利春が連続四球で無死一二塁、南海ベンチはここで先発の平野正太郎から政野岩夫にスイッチ、黒田健吾は遊飛、森田の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー、南海の継投策が実る。

 阪急は7回、一死後森田がショートに内野安打、下村豊の中前打で一死一二塁、森がストレートの四球を選んで一死満塁、トップに返り中島の三ゴロをサード藤戸逸郎がバックホームするがこれが悪送球となる間に三走森田が還って2-0とする。

 阪急は9回、先頭の黒田が右翼線に二塁打、森田の三ゴロを又も藤戸が一塁に悪送球して無死一三塁、下村の投ゴロで一走森田が二封される間に三走黒田が還って3-0とする。これは黒田の好走塁によるもので送球の間に生還したと判定されたようで下村には打点は記録されていない。


 南海打線はピッチャーの平野正太郎と政野岩夫が1本ずつヒットを打っただけで野手陣は無安打に終わる。

 森弘太郎は2安打2四球無三振で今季3度目の完封、9勝目をあげる。


 阪急は3得点をあげたがいずれも打点は記録されておらず0打点であった。

 最も無名の最強打者として名高い森田定雄は本日も4打数2安打を記録してデビュー以来通算26打数10安打、3割8分5厘となった。







                *森弘太郎が今季3度目の完封で9勝目をあげる。












 

15年 名古屋vsセネタース 4回戦



5月21日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 0 0 0 0 0 0 1  2 名古屋       19勝8敗1分 0.704 松尾幸造 村松幸雄
0 0 0 0 1 2 0 1 X  4 セネタース 16勝10敗3分 0.615 野口二郎

勝利投手 野口二郎 8勝4敗
敗戦投手 村松幸雄 9勝2敗

二塁打 (名)石田
本塁打 (セ)小林 1号、苅田 2号

勝利打点 なし


小林茂太、苅田久徳が本塁打

 ここまで19勝7敗1分、勝率7割3分1厘で春季シリーズ優勝に向けてひた走る名古屋は松尾幸造が先発。ここまで15勝10敗3分のセネタースは今日勝つとジャイアンツ戦を2試合残しているので逆転二位から逆転優勝の可能性も残しておりエース野口二郎で応戦する。

 名古屋は初回、石田政良が三塁に内野安打、村瀬一三は三振に倒れるが桝嘉一の遊ゴロをショート柳鶴震がエラーして一死一二塁、大沢清がセンター右に先制タイムリーを放って1-0とする。セネタース・苅田久徳監督はここでキャッチャーを小島二男から佐藤武夫に交代、すると野口が立ち直り吉田猪佐喜、中村三郎を連続三振に打ち取る。

 キャッチャーが佐藤武夫に代わった途端甦った野口二郎は2回~4回を無安打、5回は二死後石田に左翼線二塁打を許すが村瀬を三ゴロに打ち取り味方の反撃を待つ。

 セネタースは5回裏、四番小林茂太が左翼スタンドに同点ホームランを叩き込んで1-1と追い付く。

 セネタースは6回、先頭の苅田の三ゴロをサード芳賀直一がエラー、続く村松長太郎のカウントがノーストライクツーボールとなったところで名古屋ベンチは先発の松尾から村松幸雄にスイッチ、しかし村松長太郎は四球を選んで無死一二塁、野口の送りバントが内野安打となって無死満塁、小林は遊飛に倒れて一死満塁、ここで一走野口が飛び出しトリックプレーを見せるが三走苅田がタッチアウトとなって二死二三塁、柳の三ゴロを再び芳賀がエラーする間に二者還って3-1とする。

 セネタースは8回、苅田がレフトスタンドに第2号ホームランを放って4-1と止めを刺す。

 名古屋は9回、先頭の桝の遊ゴロをショート柳がこの日2つ目のエラー、大沢の一ゴロをファースト石井豊が二塁に悪送球して無死一二塁、吉田の中飛で二走桝はタッチアップから三塁に進み、中村の右犠飛で2-4とするが最後は三浦敏一が右飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 野口二郎は3安打1四球7三振の完投で8勝目をあげる。


 名古屋は5連勝でストップするが勝率は7割をキープしている。芳賀直一の連続エラーが痛かった。残り4試合となった名古屋は23日にジャイアンツとの決戦を控えている。






                 *野口二郎は3安打完投で8勝目をあげる。















     *小林茂太と苅田久徳がホームランを放ったセネタース打線。










 

2012年9月21日金曜日

15年 イーグルスvsライオン 4回戦



5月21日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 1 1 0 0 1 1 0  5 イーグルス 16勝14敗1分 0.533 亀田忠
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 ライオン        8勝23敗1分 0.258 菊矢吉男 近藤久

勝利投手 亀田忠  11勝7敗
敗戦投手 菊矢吉男 6勝9敗

二塁打 (イ)岡田 (ラ)戸川
三塁打 (イ)寺内、亀田 (ラ)鬼頭

勝利打点 寺内一隆 1


亀田忠今季7度目の完封

 イーグルスは初回、一死後岩垣二郎の当りは左中間に飛び岩垣は二塁に向かうがレフト鬼頭数雄からセカンド西端利郎に送球されてタッチアウト。中河美芳が中前打を放って二死一塁、寺内一隆が左中間に三塁打を放って1点を先制する。

 イーグルスは3回、先頭の岡田福吉が右翼線に二塁打、岩垣の二ゴロの間に岡田は三進、中河の二ゴロの間に岡田が生還し、しぶとく1点を追加して2-0とする。

 イーグルスは4回、先頭の亀田忠が中越えに三塁打、続く谷義夫のカウントツーツーで菊矢吉男がワイルドピッチ、亀田が還って3-0とする。ライオンベンチはツースリーとなったところで菊矢をあきらめて二番手に近藤久をマウンに送る。谷が四球を選んで無死一塁、木下政文の二ゴロは「4B-3」と渡ってゲッツー、清家忠太郎が四球を選ぶが山田潔は右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 イーグルスは7回、先頭の山田が右翼線にヒット、トップに返り岡田の遊ゴロの間に山田が二進、岩垣は三飛に倒れるが中河が左翼線にタイムリーを放って4-0とする。

 イーグルスは8回、先頭の亀田が三塁に内野安打、谷の遊ゴロをショート松岡甲二がエラー、木下の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、清家の投ゴロの間に三走亀田が還って5-0とする。

 亀田忠はライオン打線を7安打1四球8三振に抑えて今季7度目の完封でハーラー単独トップとなる11勝目をあげる。


 鬼頭数雄は4打数1安打三塁打1本で今季通算126打数44安打、打率3割4分2厘で首位打者をキープしている。塁打数は73であり、川上哲治の104打数31安打44塁打と比べても強打ぶりが際立っている。










               *亀田忠は今季7度目の完封で11勝目をあげる。









 

2012年9月20日木曜日

三冠への道 2012 ⑩



 さあ皆さん、いよいよ現実味を帯びてきました。本日のミゲール・カブレラは3打数1安打1打点1本塁打。打率は3割3分3厘で二位マイクトラウトに6厘差、打点は130打点に乗せて二位ジョシュ・ハミルトンに7打点差、ホームランは41本となってトップのジョシュ・ハミルトンに1本差と迫ってきました。ハミルトンは本日欠場していますが昨日も第一打席四球、第二打席一ゴロとなったところで引っ込んでいます。故障の報道はありません。


 本日の41号はほとんど顔の高さを左越えに運んでいます。OPSも1.014に乗せてきて堂々のMVP候補です。


 アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞争いは混とんとしてきています。数字の総合力ではレイズのデービッド・プライスが18勝、防御率2.54で二冠、奪三振は181個、最終的には200個に乗せてくるでしょう。しかし現在バーランダーとは奪三振で40個以上の差があり、WHIPは1.11と良くない。受賞歴のあるジャスティン・バーランダーとフェリックス・ヘルナンデスも及第点の数字は残していますがインパクトに欠ける。ジェレッド・ウィーバーは投球回数でトップと50回少なく奪三振も132個と少ないのですがこれはピッチングスタイルの違いです。WHIPは1.00で両リーグ通じてトップ、安定身は際立っており現在18勝4敗でプライスと並んで最多勝です。プライス有利にも見えますが、安定身を買って当ブログはジェレッド・ウィーバーを推しています。





 

15年 南海vs金鯱 4回戦



5月21日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
2 0 1 0 2 0 0 0 2  0   0   7 南海 8勝21敗2分 0.276 清水秀雄 平野正太郎
0 2 1 2 1 0 0 1 0  0   0   7 金鯱 9勝19敗2分 0.321 内藤幸三 中山正嘉

二塁打 (南)国久 (金)竹林

勝利打点 なし


清水秀雄4打数4安打4打点

 南海は初回、先頭の岡村俊昭の遊ゴロをショート濃人渉がいきなりエラー、藤戸逸郎の三ゴロでランナーが入れ替わり、国久松一、吉川義次が連続四球で一死満塁、清水秀雄が中前に先制の2点タイムリー放って2-0とする。

 金鯱は2回、先頭の古谷倉之助が四球で出塁、竹林実が右翼線に二塁打を放って無死二三塁、内藤幸三に代わる代打荒川正嘉が中前に2点タイムリーを放って2-2の同点に追い付く。

 金鯱は先発の内藤に代打を出した関係で3回から中山正嘉がマウンドに上がる。

 南海は3回、先頭の国久松一が投前にセーフティバント、ピッチャー中山が一塁に大暴投する間に国久は一気に三塁に進む。吉川は遊ゴロに倒れるが清水が右前に2打席連続タイムリーを放って3-2と勝ち越す。

 金鯱は3回裏、一死後森田実が三遊間に内野安打、長島進が四球を選んで無死一二塁、室脇正信の三ゴロをサード藤戸が二塁に悪送球する間に二走森田が還って3-3の同点に追い付く。

 金鯱は4回、一死後山本次郎がストレートの四球で出塁、トップに返り佐々木常助も四球、濃人も四球を選んで一死満塁、森田は三振に倒れるが四番長島の二遊間内野安打で二者還り5-3と逆転する。

 南海は5回、先頭の藤戸の遊ゴロをショート濃人が一塁に悪送球、国久が右中間に二塁打を放って無死二三塁、吉川は遊ゴロに倒れ清水が歩かされて一死満塁、山尾年加寿が右前に同点の2点タイムリーを放って5-5と追い付く。

 金鯱は5回裏、一死後竹林がツースリーから四球を選んで出塁、中山もツースリーから四球、山本もワンスリーから四球を選んで一死満塁、トップに返り佐々木は3球三振に倒れるが濃人がツースリーから2球ファウルで粘って押出し四球を選んで6-5と再度勝ち越す。

 南海は5回まで5安打10四球5三振の清水をファーストに回して平野正太郎をリリーフに送る。

金鯱は8回、先頭の濃人が中前打で出塁、森田がツースリーから四球を選んで無死一二塁、長島の三ゴロで森田が二封されて一死一三塁、室脇に代わる代打新井一の左犠飛で7-5と突き放す。

 南海は9回、先頭の藤戸が左翼線にヒット、国久の遊ゴロをショート濃人がこの日3つ目のエラー、続く吉川はツーワンから4球ファウルで粘るが三振、清水が中前にこの日3本目のタイムリーを放って6-7、バックホームの間に一走国久は三塁に進み、打者走者の清水は二塁に向かうが一二塁間に挟まれるボールは「8-5-4-3-2」と転送されて国久がホームイン、7-7の同点に追い付く。すなわち、清水の中前タイムリーでセンター佐々木がバックホームし、キャッチャー長島は三塁に走った国久を牽制するため三塁に送球、この時清水が一塁をオーバーランしておりサード山本は二塁に送球して一二塁間での挟殺プレー、セカンド竹林がファースト上野義秋に送球した刹那、三走国久が決死の本塁突入を試み上野からの本塁送球をかいくぐってホームインしたものである。ランナー一二塁からの中前タイムリーヒットなのでバッター清水は二走藤戸のホームインを助けるために一塁をオーバーランした可能性がある。清水が一二塁間に挟まれる間に三走国久がホームに突っ込んだもので、練習してできるプレーではないでしょう。清水秀雄と国久松一の野球センスがもたらした同点劇であった。


 延長戦に入って両軍無得点、11回、7対7で引き分けた。


 清水秀雄が4打数4安打4打点1四球の活躍を見せたが5残塁でもあった。清水に続くバッターがいないのが南海低迷の原因となっている。

 金鯱のショート濃人渉が手痛いエラーを3つ犯した。濃人の守備が下手だと思う方がいるとまずいので事情をお話しますと濃人の身体には戦場で受けた砲弾の破片が残っています。痛む身体を推しての懸命のプレーの結果です。






 

2012年9月19日水曜日

三冠への道 2012 ⑨



 さあ皆さん、歴史の目撃者になりましょう。本日のミゲール・カブレラは4打数3安打6打点2本塁打、アメリカン・リーグのワイルドカードレーストップをいくアスレチックスを粉砕しました。


 6打点の内容は、ライトへの犠牲フライで1点、肩口から入るカーブをレフトアッパーデッキに39号ソロホームラン、内角中寄りに入ったストレートを左中間最深部に満塁ホームランで6打点です。もう1本のヒットは右中間を真っ二つに破る二塁打でした。


 打率を3割3分3厘に上げて首位打者をキープして二位マイク・トラウトに6厘差、打点は129点でトップに立って二位ジョシュ・ハミルトンに6点差、ホームランは40本でエドウィン・エンカーナシオンに並びトップのジョシュ・ハミルトン42本に2本差と迫ってきました。1967年のカール・ヤストレムスキー以来45年振りとなる三冠王が現実味を増してきました。コメリカ・パークには「MVPコール」が響き渡っています。



 ナショナル・リーグMVP争いではバスター・ポージーの可能性が高まってきました。サイ・ヤング賞投票は数値基準を重視する定量評価に重点が置かれますが、MVPは数値基準だけでなく定性評価も重視されます。バスター・ポージーは若いながらもキャッチャーとしての評価が高く、西地区首位を独走するサンフランシスコ・ジャイアンツをソフト面を含めて引っ張っている点が評価されているようです。ルーキー時代から冷静な精神面が高く評価されていました。現在93打点ですが100打点に乗せてくれば可能性大でしょう。