2014年7月30日水曜日

16年 巨人vs朝日 12回戦


11月10日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
1 1 0 0 0 1 0 0 1  1  5 巨人 60勝22敗2分 0.732 多田文久三 広瀬習一
1 2 0 0 0 0 1 0 0  0  4 朝日 25勝57敗1分 0.305 福士勇

勝利投手 広瀬習一 7勝3敗
敗戦投手 福士勇  17勝27敗

二塁打 (巨)水原、中島 (朝)福士
三塁打 (朝)坪内
本塁打 (巨)吉原 3号、4号

勝利打点 吉原正喜 5

猛打賞 (巨)吉原正喜 2

ファインプレー賞 (朝)坪内道則 2


吉原正喜、人生最後の爆発

 巨人は初回、先頭の白石敏男が四球で出塁、水原茂の右翼線タイムリー二塁打で白石が還り1点を先制する。

 朝日は1回裏、一死後戸川信夫、鬼頭政一、岩田次男3連続四球、野村高義が右中間にタイムリーを放って1-1の同点とする。続く伊勢川真澄の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 巨人は2回、先頭の吉原正喜がレフトスタンドにホームランを叩き込んで2-1とリードする。

 朝日は2回裏、先頭の広田修三が四球で出塁、福士勇の左中間二塁打で広田が還り2-2の同点、巨人は「ここで先発の多田文久三から広瀬習一にスイッチ、前田貞行が三前にバントヒットを決めて無死一三塁、坪内道則のスクイズで3-2と逆転に成功する。

 巨人は6回、一死後千葉茂が左前打で出塁、吉原の右前打で千葉は三塁に進み一死一三塁、平山菊二の二ゴロの間に三走千葉が還って3-3の同点に追い付く。

 朝日は7回、先頭の坪内が右中間に三塁打、戸川信夫は三ゴロに倒れるが、鬼頭政一のバントヒットで坪内が還って4-3と勝ち越す。

 巨人は9回、二死後水原が四球で出塁、中島治康が左中間に二塁打を放って水原を迎え入れ土壇場で追い付く。

 巨人は10回表、先頭の吉原がレフトスタンドにこの日2本目のホームランを叩き込んで5-4として勝利をおさめる。


 吉原正喜が2本塁打を放って勝利打点と猛打賞を記録した。吉原は今シーズン後に応召し戦死することとなる。人生最後の大爆発であった。吉原に2本塁打を打たれた福士勇は延長10回を完投して10安打5四球3三振、5失点であった。福士も昭和17年に応召して戦死することとなる。福士が使っていたグラブは野球殿堂博物館に保存されており、時々展示されている。2回途中からリリーフに出た広瀬習一は9イニングを4安打3四球1死球4三振1失点に抑えて7勝目をあげる。広瀬も昭和17年を最後に応召し戦死することとなる。










*吉原正喜が猛打賞2本塁打と大爆発した巨人打線。












 

16年 阪神vs名古屋 12回戦


11月9日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪神     39勝41敗 0.488 御園生崇男 藤村隆男
0 0 1 1 0 0 0 1 X  3 名古屋 37勝45敗 0.451 河村章

勝利投手 河村章      14勝9敗
敗戦投手 御園生崇男 0勝2敗

勝利打点 なし


河村章、3安打完封と猛打賞

 阪神は3回、先頭の松尾五郎が四球を選んで出塁、山根実の一塁線バントが内野安打となって無死一二塁と先制のチャンスを迎えるが、二走松尾がキャッチャー三浦敏一からの牽制球にタッチアウト、村瀬一三は三邪飛に倒れ、トップに返り宮崎剛も二ゴロに倒れて無得点。阪神打線はこの後名古屋先発の河村章に抑え込まれ7回まで1安打無得点であった。

 名古屋は3回裏、先頭の河村が左前打で出塁、トップに返り石丸藤吉が送って一死二塁、桝嘉一は三振に倒れるが大沢清が四球を選んで二死一二塁、吉田猪佐喜が投前にセーフティバント、これが内野安打となり、ピッチャー御園生崇男からの一塁送球が悪送球となる間に二走河村がホームに還って1点を先制する。

 名古屋は4回、先頭の芳賀直一が中前打で出塁、石丸進一が送って一死二塁、河村は三塁に内野安打して一死一三塁、トップに返り石丸藤吉がスクイズを決めて2-0とする。石丸兄弟の犠打で追加点をあげた。

 名古屋は8回、先頭の岩本章が四球で出塁、芳賀直一が送って一死二塁、石丸進一は二飛に倒れて二死二塁、河村がレフト線にこの日3本目のヒット、これがタイムリーとなって3-0とする。

 河村は投げては8回、二死後藤村隆男に左前打を許すが中田金一に代わる代打野口昇を中飛に打ち取りこの回も無失点。9回、一死後皆川定之に中前打を許すがカイザー田中義雄を二ゴロ併殺に打ち取りゲームセット。


 名古屋は4犠打を記録したが全て得点に結びつけた。

 河村章は3安打2四球無三振で今季5度目の完封、14勝目をあげる。打っても3打数3安打1打点で猛打賞を獲得した。河村は戦後も投げつづけて通算36勝をあげることになるが、この日の投球こそ会心のピッチングだったのではないか。







*河村章は今季5度目の完封で14勝目をあげる。











*河村章が猛打賞を記録した名古屋打線。













 

2014年7月29日火曜日

16年 南海vs黒鷲 12回戦


11月9日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  1  1 南海 41勝40敗 0.506 石田光彦
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 黒鷲 27勝53敗1分 0.338 金子裕

勝利投手 石田光彦 6勝7敗
敗戦投手 金子裕    1勝5敗

勝利打点 村上一治 11


猛打賞 (南)岩本義行 8



遠いホームベース

 南海先発の石田光彦は素晴らしい切れ味を見せて3回まで黒鷲打線を三者凡退に抑える。内野陣も2つの併殺を決めて石田を盛り立て、結局9回まで3安打無失点。

 一方、黒鷲先発の左腕・金子裕は再三のピンチを凌いで9回まで8安打6四球ながら無失点で切り抜ける。

 南海は初回、先頭の鬼頭数雄が二失に生き、安井鍵太郎は右飛に倒れるが北原昇が四球を選んで一死一二塁、ここで鬼頭が三盗失敗、スコアカードに残されている記録は「2-5-4-5」なのでエンドランを外されたかディレードスチールに失敗したか。村上一治は三ゴロに倒れて無得点。

 南海は2回、岩本義行と石田が四球を選んで二死一二塁とするが前田貞行が左飛に倒れて無得点。3回も先頭の鬼頭が中前打、安井が送り北原の右翼線ヒットで一死一三塁、しかし村上のショートライナーに三走鬼頭が飛び出しダブルプレー。3イニング連続スコアリングポジションに走者を送りながら無得点。4回、5回は三者凡退。

 南海は6回、先頭の安井が四球で出塁、北原が送って一死二塁、村上は遊ゴロに倒れるが岩本が左前打を放って一死一三塁、ここで岩本がディレードスチールから一二塁間に挟まれ、挟殺プレーの隙を突いて三走安井がホームを突くがファースト中河美芳からの送球にタッチアウト、記録は「1-4-6-3-2」で安井には本盗失敗が記録されている。

 南海は7回、先頭の岡村俊昭が一塁に内野安打、国久松一の三ゴロでランナーが入れ替わり、石田が四球を選んで一死一二塁、前田の三ゴロで石田は二封、セカンドセカンド木村孝平からファースト中河美芳に転送されるがセーフ、この隙を突いて三走岡村が快足を飛ばしてホームを突くが又も中河からの好返球にタッチアウト。南海にはホームベースが遠かった。


 南海は10回表、先頭の安井が四球を選んで出塁すると代走に猪子利男を起用、北原がこの日2つ目の送りバントを決めて一死二塁、村上の中前タイムリーで1点を先制、これが決勝点となった。
 石田光彦は黒鷲最終回の反撃を三者凡退に退け、延長10回を3安打3四球2三振に抑えて今季3度目の完封、6勝目をあげる。








 *石田光彦は3安打完封で6勝目をあげる。











*石田光彦に3安打無得点に抑えられた黒鷲
打線。







 

2014年7月28日月曜日

16年 阪急vs朝日 12回戦


11月9日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 4 0 0 0 2  6 阪急 51勝30敗1分 0.630 橋本正吾
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 朝日 25勝56敗1分 0.309 山本秀雄

勝利投手 橋本正吾 6勝1敗
敗戦投手 山本秀雄 7勝18敗

二塁打 (急)新富 (朝)戸川、室脇
本塁打 (急)日比野 3号、田中 1号

勝利打点 日比野武 7

猛打賞 (急)新富卯三郎(4安打) 5

ファインプレー賞 (朝)戸川信夫 2、3


新富卯三郎5打数4安打

 阪急は4回まで毎回の5安打を放つが、朝日セカンド戸川信夫の二度に亘るファインプレーに阻まれて無得点。

 阪急は5回、先頭の橋本正吾が左前打から二盗に成功、中島喬の投前バントはピッチャー山本秀雄が三塁に送球してタッチアウト、フランク山田伝は右飛に倒れて二死一塁、新富卯三郎のレフト線ヒットで二死一二塁、ここで日比野武がレフトスタンドに先制のスリーランホームランを叩き込んで3-0とする。更に黒田健吾の二ゴロをセカンド戸川がエラー、森田定雄が三塁に内野安打、伊東甚吉が左前にタイムリーを放って4-0とする。

 阪急は9回、先頭の黒田が死球を受けて出塁、森田は中飛、伊東は左飛に倒れるが、田中がレフトポール際にツーランホームランを叩き込んで6-0として試合を決める。

 阪急先発の橋本正吾は4安打3四球3三振で今季4度目の完封、6勝目をあげる。


 前節15打数6安打で週間MVPに輝いた新富卯三郎は今節に入っても昨日が4打数2安打、本日が5打数4安打と猛打を炸裂させている。新富は小倉工業から門司鉄道局に進み全米軍と対戦するために編成された昭和9年の全日本チームに参加、翌10年のアメリカ遠征では主軸打者を務めた。その後応召のためジャイアンツには進まず、昭和14年2月に除隊後は小倉工業のコーチを務めていた。同年10月27日に阪急に入団、当初は荒いバッティングであったが、昭和16年秋季には川上哲治や中島治康をはるかに凌ぐ打撃を見せている。三宅大輔が新富のバッティングを高く評価していたが、この数字がそれを証明している。






*橋本正吾は今季4度目の完封で6勝目をあげる。











*日比野武が決勝スリーラン、田中幸男がダメ押しツーランを放ち新富卯三郎が5打数4安打を記録した阪急打線。














 

2014年7月26日土曜日

四度目の正直



 センバツには1回出場していますが夏は2001年、08年、10年と3回決勝に進出しながら涙を呑んできた東海大望洋が専大松戸との決勝戦を制して四度目の正直で夏の甲子園初出場を果たしました。おめでとう!


 結果は13対2ですからスコアだけを見ると凡戦に見えるかもしれませんが、ちょっとしたことで流れが変わる試合でした。望洋が2回に6点をあげたのはよくある話ですが、3回あたりから流れは専松に向いてきました。4回の2点はマリンの風に助けられたものでしたが2対6に追い上げた時点ではまだ逆転の目はありました。続く専松の攻撃で一死二三塁のチャンスを作りましたが犠牲フライには十分のセンターライナーに三走が飛び出して3点目を奪えず、この走塁ミスで試合は決したのです。


 それでも次の点を取ればまだ専松にもチャンスはあると見ていましたが望洋が7点目を取ったところでノーチャンスとなりました。冷静に考えれば望洋の力が上回っていたということです。但し、甲子園では1回戦か2回戦で姿を消すでしょう。千葉県は170校が参加する全体のレベルは落ちているとも思えませんが、有力選手が分散して単体のチーム力が落ちているのは明らかです。



 千葉県高校野球の黄金時代が1974年の銚子商業、1975年の習志野による2年連続夏の甲子園優勝をピークとする時代であったことは疑いようのない事実です。当時は千葉県東部地区の銚子商業、県央の成東と木更津中央、西部地区の習志野に有力選手が集中していましたが、80年代から東京のベッドタウン化してきた東葛地区に人口が集中していくに連れ、東部及び県央地区の地盤沈下は著しく、さりとて東葛地区には複数の有力校が現出して有力選手の分散化が推し進められていったのです。神奈川が四強に有力選手が集中している現象と極めて対称的です。


 昭和40年の人口は市川市が20万人、松戸市が16万人、柏市が10万人でした。48年後の平成25年では市川市が47万人、松戸市が48万人、柏市が40万人です。更に、流山市は4万人から17万人、我孫子市も5万人から13万人、野田市が5万人から15万人、鎌ヶ谷市(市制は昭和46年から)は4万人から10万人という増加となっています。一方、銚子市は昭和40年の9万人から平成25年には7万人を割り込んでいるのです。これでは銚子商業に有力選手が集まらなくなるのも当然ですね。


 人口の急増地域には新興勢力が現出します。上記のデータで人口増加率が流山市に次いで二位の柏市(10万→40万=400%)の躍進は著しく、柏日体、流経大柏、沼南などいつ甲子園に行ってもおかしくない新興勢力が目白押しです。



 このような状況下で、2007年に持丸監督を招聘した専大松戸が異質の強豪校へと変貌を遂げてきたのです。千葉県高校野球黄金時代においてもベスト8の常連で1977年にはベスト4にも進出しています。2010年、12年、13年がベスト4、今年はベスト4の壁を突破して決勝にまで進出してきました。専大松戸が甲子園の重い扉をこじ開ける時は、間近に迫っているのです。










 

16年 巨人vs大洋 12回戦


11月9日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 1 1 1 4 巨人 59勝22敗2分 0.728 中尾輝三
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 大洋 43勝35敗3分 0.551 野口二郎

勝利投手 中尾輝三 25勝9敗
敗戦投手 野口二郎 23勝12敗

二塁打 (巨)白石、川上
三塁打 (巨)白石

勝利打点 中尾輝三 4

ファインプレー賞 (巨)水原茂 15


中尾輝三、25勝目

 現在ハーラートップは森弘太郎で28勝。神田武夫と中尾輝三が24勝で並び野口二郎が23勝で追う展開。本日は中尾と野口の対戦となった。

 巨人は2回、先頭の川上哲治が中前打、中島治康の二ゴロでランナーが入れ替わり、吉原正喜は三振に倒れて二死一塁、平山菊二が四球を選んで二死一二塁、呉波の左前打で二死満塁、中尾輝三が押出し四球を選んで1点を先制する。

 巨人は7回、先頭の水原茂の三ゴロをサード中村信一が一塁に悪送球、千葉茂は一飛、川上は右飛に倒れて二死一塁、水原が二盗を決めてキャチャー佐藤武夫の送球ミスで三進、中島は四球を選んで二死一三塁、吉原正喜の三ゴロをサード中村がエラーする間水原が生還、2-0とする。

 大洋は7回裏、先頭の佐藤武夫の三邪飛をサード水原茂がファインプレー、しかし織辺由三の三ゴロを水原がエラー、トップに返り苅田久徳が四球を選んで一死一二塁、中村に代わる代打山川喜作の遊ゴロは「6-4-3」と転送されるがセカンド千葉からの一塁送球が悪送球となる間に二走織辺がホームに還り1-2とする。

 巨人は8回、一死後中尾が四球で出塁、トップに返り白石敏男が右中間に三塁打を放って3-1とリードを広げる。

 巨人は9回、先頭の川上が左中間に二塁打、中島が右前にタイムリーを放って4-1とダメ押す。

 中尾輝三は3安打7四球1三振の完投で25勝目をあげてハーラー単独二位に躍り出る。

 野口二郎も9回を完投したが10安打を浴びて12敗目、23勝止まりである。






*中尾輝三は3安打完投で25勝目をあげる。







 

16年 阪神vs南海 11回戦


11月8日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 阪神 39勝40敗 0.494 藤村隆男 若林忠志
1 0 3 0 0 0 0 0 X 4 南海 40勝40敗 0.500 神田武夫

勝利投手 神田武夫 24勝14敗
敗戦投手 藤村隆男 11勝10敗

二塁打 (南)村上

勝利打点 岩本義行 5


神田武夫、24勝目

 南海は初回、二死後北原昇が中前打で出塁、村上一治が右翼線に二塁打、ライト山根実からの返球が悪送球となる間に北原が還って1点を先制する。北原には打点は記録されていない。

 阪神は3回、一死後村瀬一三の三ゴロをサード安井鍵太郎が一塁に悪送球、トップに返り宮崎剛が中前打、センター岩本がファンブルする間に二塁に達した村瀬が三進、宮崎が二盗を決めて一死二三塁、皆川定之が中前にタイムリーを放って1-1の同点、皆川が二盗を決め、カイザー田中義雄は四球を選んで一死満塁、土井垣武の中犠飛で2-1と逆転に成功する。

 南海は3回裏、先頭の鬼頭数雄が二塁に内野安打、セカンド宮崎の悪送球が加わって鬼頭は二進、安井の右前打で無死一三塁、送球の間に打者走者の安井が二塁に進んで無死二三塁、北原の三ゴロをファースト土井垣が落球、走者は動かず無死満塁、村上のボテボテの投ゴロの間に三走鬼頭が還って2-2の同点、岩本の二ゴロで三走安井がホームに突っ込みセカンド宮崎がバックホームするがセーフ、野選が記録されて3-2と逆転、岩本には打点が記録される。阪神はここで先発の藤村隆男から若林忠志にスイッチ、なお一死一三塁から岡村俊昭の二ゴロの間に三走北原が還って4-2とする。

 序盤戦は点の取り合いとなったが4回以降は一転、若林は7回、北原に1安打を許したのみで無失点のピッチングを続ける。南海先発の神田武夫も4回以降無安打無失点、5回からは5イニング連続三者凡退に抑える好投であった。

 神田武夫は4安打1四球3三振の完投で24勝目をあげる。このところ調子を落としていたが10月28日以来の勝利となった。


 秋季シリーズで巨人と優勝争いを繰り広げている南海は負けられない試合に勝った。後楽園の第一試合で巨人が負けているため、秋季シリーズは巨人が17勝7敗、南海が16勝8敗でその差は1ゲームとなった。




*神田武夫は5回以降パーフェクトピッチングで24勝目をあげる。









 

2014年7月25日金曜日

専大松戸、史上初の決勝進出



 専大松戸が本日の準決勝で柏日体の追撃を振り切り、夏の県予選では史上初の決勝進出を果たしました。いよいよ甲子園まで文字通りあと一歩です。


 近年の成績からはむしろまだ甲子園に出ていないのが不思議なくらいです。春の県大会では今年は優勝、昨年は準優勝、一昨年は優勝、その前は準優勝。夏の大会も2010年、12年、13年がベスト4と、もう一歩のところまできているのです。



 茨城県の竜ケ崎一高、藤代、常総学院で合計7回甲子園出場に導いた持丸修一監督を招聘し、かつてのベスト8止まりの印象は払拭されました。当ブログでは、2013年12月22日付けブログ「絶賛」に「当ブログでは数年以内に甲子園初出場を成し遂げると予測しています。」と書かせていただきました。数年どころか、翌年に当たる今年、早くもチャンスが訪れたのです。明日は関東地方では朝10時からNHK総合テレビで千葉県予選決勝「専大松戸vs東海大望洋」戦が中継されますのでお見逃しなく!


http://shokuyakyu.blogspot.jp/2013/12/blog-post_22.html




 

16年 名古屋vs黒鷲 12回戦


11月8日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
3 0 0 0 0 0 0 0 0  3 名古屋 36勝45敗 0.444 西沢道夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 黒鷲     27勝52敗1分 0.342 畑福俊英

勝利投手 西沢道夫 7勝13敗
敗戦投手 畑福俊英 7勝14敗

勝利打点 三浦敏一 2


西沢道夫、3安打完封

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉が四球を選んで出塁、古川清蔵の三ゴロの間に石丸は二進、大沢清の右飛でタッチアップから三進、吉田猪佐喜が四球を選んで二死一三塁、三浦敏一が中前に先制タイムリーを放って1-0、一走吉田が三塁に走り、センター谷義夫からのバックサードが悪送球となる間に吉田は一気に生還して2-0、打者走者の三浦は二塁に進み、岩本章の中前タイムリーで3-0と試合の主導権を握る。

 この3点を名古屋先発の西沢道夫が守り抜いた。

 黒鷲は初回、先頭の山田潔が四球を選ぶが清家忠太郎は中飛、玉腰忠義の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。この併殺で西沢は調子に乗った。2回、3回は三者凡退。4回二死後玉腰に中前打を許すが木下政文を三邪飛に打ち取る。5回、6回、7回も三者凡退。

 黒鷲は8回、先頭の富松信彦が左前打で出塁、木下は三邪飛に倒れ谷義夫に代わる代打吉水幸夫も三振、畑福俊英が中前打を放って二死一二塁とこの試合始めてスコアリングポジションにランナーを送るが宗宮房之助に代わる代打菅利雄は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 西沢道夫は9回も1四球無安打に抑えて3安打2四球3三振で今季2度目の完封、7勝目をあげる。
 


 

 2回以降を無失点に抑えた畑福俊英も9回を完投して5安打5四球3三振3失点、自責点1のピッチングであった。戦後、専修大学出身の畑福は初期の専大松戸野球部の監督を務め、専松野球の礎を造ることとなる。畑福の専松魂は平成の世になっ名将・持丸監督に引き継がれ、近年徐々に力を付けてきた専大松戸は本日の千葉県予選準決勝で柏日体を破り決勝に進出、明日は史上初の甲子園出場を賭けた大一番を迎えます。関東地方では朝10時からNHK総合テレビで中継されますのでお見逃しなく!




*西沢道夫は3安打完封で7勝目をマークする。









 

国分高校、準々決勝に散る




 快進撃を続けた千葉県立国分高等学校は準々決勝で東海大望洋に0対5で敗れましたが、最早社会現象と言ってもよいほどの反響を呼んでいます。7月23日付けスポニチ七面では「創部51年目 涙の初8強 国分 千葉経大付討ち」の大見出しで高校野球面の大半を独占しています。当ブログの国分高校特集にはアクセスが殺到しております。更に、フェイスブックの「千葉県立国分高等学校同窓会」は大変な盛り上がりようです。



 23日の準決勝では当ブログの本命・専大松戸が木更津総合をコールドで撃破してベスト4に進出、いよいよ初の甲子園が見えてきました。国分高校なき今、心置きなく専大松戸の応援に専念できます。






 

2014年7月24日木曜日

16年 巨人vs阪急 13回戦


11月8日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 2 0 2 0 0 5 巨人 58勝22敗2分 0.725 中尾輝三 広瀬習一
3 0 1 0 0 0 1 1 X 6 阪急 50勝30敗1分 0.625 笠松実 森弘太郎

勝利投手 笠松実    11勝11敗
敗戦投手 中尾輝三 24勝9敗
セーブ     森弘太郎 6

二塁打 (巨)中尾 2、呉、水原 (急)新富、森田
三塁打 (急)新富

勝利打点 日比野武 6

猛打賞 (急)森田定雄 1

ファインプレー賞 (巨)呉波 4、5 (急)フランク山田伝 8


今季最高の好ゲーム

 阪急は初回、一死後フランク山田伝が四球で出塁、新富卯三郎が左中間に二塁打を放って一死二三塁、日比野武は四球を選んで一死満塁、黒田健吾の右前タイムリーで1点を先制、森田定雄のセンターへの当りは呉波がファインプレー、三走新富がタッチアップから悠々と生還して2-0、伊東甚吉が右前にタイムリーを放って3-0として試合の主導権を握る。

 巨人は3回、先頭の呉の二ゴロをセカンド伊東がエラー、中尾輝三の左越え二塁打で呉が快足を飛ばしてホームを駆け抜け1-3とする。

 阪急は3回裏、一死後日比野が中前打、黒田がストレートの四球を選んで一死一二塁、森田が左中間に二塁打を放って4-1と突き放す。

 巨人は5回、一死後呉が左中間に二塁打、中尾が左中間に2打席連続のタイムリー二塁打を放って2-4、トップに返り白石敏男は遊ゴロに倒れるが、水原茂が右中間を破って中尾が生還、3-4と追いすがる。打者走者の水原は二塁ベースを蹴って三塁に向かうが、ライト新富、セカンド伊東、サード黒田と中継されてタッチアウト。

 巨人は4回で先発の中尾をあきらめて5回から広瀬習一をマウンドに送り込む。

 阪急は6回から先発の笠松実に代えて森弘太郎をマウンドに送り込む。

 巨人は7回、一死後呉が四球で出塁、広瀬が三塁に内野安打、トップに返り白石が四球を選んで一死満塁、水原が押出し四球を選んで4-4の同点、千葉茂の遊ゴロの間に三走広瀬が還って5-4と逆転に成功する。

 阪急は7回裏、先頭の森田が左前打で出塁、伊藤の一ゴロの間に森田は二進、田中幸男の遊ゴロに二走森田が飛び出し「6-4」と送られてタッチアウト、しかし森が四球を選んで二死一二塁、トップに返り中島喬の代打井野川利春監督が左前に殊勲の同点タイムリーを放って5-5と追い付く。

 阪急は8回、先頭の新富が左中間に三塁打、日比野武が右前にタイムリーを放って6-5と勝ち越す。これが決勝打となった。

 巨人は最終回、一死後千葉が左前打で出塁、川上哲治の右前打で一死一二塁、川上に代えて代走に林清一を起用、しかし最後は中島治康の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレーで試合終了。


 両軍死力を尽くした激戦となった。両チームのセンター呉波が2つ、フランク山田伝が1つの美技を見せるなど内容の濃い試合となり、‶今季最高のゲーム”と言ってもよいでしょう。昭和16年通年の優勝は既に巨人に決まっており、消化試合となってもおかしくないのに何故このような好ゲームが生まれるのでしょうか。、昭和14年以降は実質三シーズン制で、昭和16年の秋季シリーズは巨人、南海が首位争いを繰り広げており、阪急はこれで8連勝となり現在絶好調と言ってよいチーム状況であることがこのような好ゲームを生んだ理由です。













 

2014年7月23日水曜日

千葉県立国分高等学校ベスト8進出!!!



 昨日は千葉経大付に負けると書いてしまい大変申し訳ございませんでした。国分高校は本日、強豪・千葉経大付を延長12回の激闘の末、13対9で降して学校創立50周年を飾る今季、史上初の準々決勝進出を果たしたのです!!!!!


 かつての栄光ほどではないにせよ、野球王国千葉県でベスト8とは立派なものです。準々決勝では東洋大望洋との対戦となりますが、ここまで来たら持ち前の粘りを発揮して一気に突破してもらいましょう。ここを勝てば準決勝では東海大浦安と流通経大柏の勝者とぶつかる訳ですが、あちらのブロックは強豪校と対戦してきているので疲弊しているはずです。ここも突破したら恐らく決勝では筆者が優勝候補としている専大松戸と甲子園の座を争うことになります。


 ほとんど妄想に近い予想を書きましたが、筆者の予想は良く当たることで有名です(笑)。決して絵空事ではないと考えています。



 国分高校はあまり有名人を輩出しているとは言えませんが、奥山美夏が制服向上委員会の第一期生として活躍しました。制服向上委員会は現在で言えばAKB48に匹敵するアイドルグループとして君臨していたのです。更に、奥山みかから泉尚子に改名して1996年、第22回クラリオンガールに選出されています。クラリオンガールと言えば、初代のアグネス・ラム以降、烏丸せつこ、宮崎ますみ、蓮舫、大河内志保、立河宜子、原千晶とビッグネームを輩出することで知られています。


 国分高校だけでは少しインパクトに欠けるので、近隣の高校から助っ人を頼みます。国分高校の北方、松戸市に入りますが聖徳大学附属高等学校には倉木麻衣が在籍していました。倉木麻衣は立命館宇治高等学校の出身として有名ですが、Wikipediaによると聖徳大学附属高等学校から立命館宇治高等学校に転校したとのことです。また、国分高校から南方に市川西高校(現・千葉県立市川昴高等学校)があります。Wikipediaによると元日テレの人気アナだった西尾由佳理が市川西の出身とのことです。


 話が脱線しましたが、ここまで来たら無欲の勝利を期待しましょう。国分高校が甲子園に出場したら、千葉県市川市からは1982年センバツに剛腕・平沼定晴を擁して出場した千葉商科大学付属高校以来のこととなります。因みに商大付属高校は筆者の実家から徒歩5分の所にあり、小学校時代はしょっちゅう校庭に忍び込んで遊んでいました(笑)。



 

2014年7月21日月曜日

国分旋風



 千葉県予選で国分高校が4回戦を突破して5回戦に進出しました。1964年の学校創設以来初めての快挙です!


 筆者の実家は市川市国分です。国分高校は曽谷の先の稲越町にありますので国分4丁目の実家とはかなり離れていますが何故か国分高校を名乗っています。JR市川駅から国分高校行きバスが出ているので名前を知っている人も多いでしょう。


 昔から野球弱小高校として有名で、1965年に千葉県予選に初参加して以来、90年の不参加を除いて過去48回の成績は、1回戦敗退が11回、2回戦敗退が24回、3回戦敗退が8回、4回戦敗退が5回で、今年は史上初の5回戦進出を果たしたのです!2回戦敗退が24回ですが2回戦から登場することも多いので初戦敗退の常連であることは事実です。


 明日QVCマリンフィールド第三試合で千葉経大付と対戦するので多分負けるでしょう。国分旋風を報じるには今日しかないと思い筆をとった次第です。


 国分旋風はスポニチ誌上でも伝えられています。「ミス帳消し 松田で劇勝」のタイトルで、千葉学芸に7回の守備でミスした松田の右前打でサヨナラ勝ちした4回戦が記事になっているのです。筆者の知る限り、この50年で国分高校野球部がスポーツ紙の記事になったのはこれが初めてです!記事は「ウチは粘り勝ちが売り」で締めくくっています。初登場となった2回戦で県立銚子を10対9で降して波に乗りました。3回戦は四街道に2対0で競り勝ち、4回戦は千葉学芸に9回裏逆転サヨナラで3対2と粘り勝ちしたのです!


 今年の千葉県予選では千葉の高校で偏差値No1の渋谷幕張も27年ぶりに5回戦に進出しました。優勝候補が30校と言われる混戦が続く千葉県らしい現象と言えるでしょう。初戦敗退の常連である国分高校と渋谷幕張が16強に進出、これがあるから高校野球ウォッチングはやめられないのです!


 筆者は市川から神奈川の高校に通っていました。現在は東京に住んでいます。それでもこの季節になると千葉県高校野球予選の結果が気になって仕方がありません。因みに今年の優勝は専大松戸と予想しています。一昨日アメリカ野球学会東京支部の会合で知り合った方とも‶銚子商業ファン”で意気投合しました(笑)。



*国分高校が5回戦(16強)に進出したのは今年が初めてですが、過去に16強に進出したことはあります。2008年記念大会は千葉が東西に分割されて西千葉予選で4回戦に進出して16強までいきました。1973年も4回戦に進出しています。当時はまだ5回戦が無く、4回戦進出で16強でした。この年は成東に10対0で破れています。その成東は準決勝でこの年江川の作新学院を破り、翌年全国優勝することとなる銚子商業に1対0で敗れました。全国制覇するより千葉県代表になる方が難しいと言われた時代です。70年も4回戦に進出して東葛飾に13対2でコールド負けしています。

*この項は「房総高校野球物語」というサイトを参照させていただきました。




 

16年 大洋vs朝日 12回戦


11月8日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 大洋 43勝34敗3分 0.558 三富恒雄 長尾貞利
0 2 2 0 1 1 1 0 X  7 朝日 25勝55敗1分 0.313 山本秀雄 福士勇 横田澄賢

勝利投手 山本秀雄 7勝17敗
敗戦投手 三富恒雄 5勝9敗

二塁打 (朝)坪内
本塁打 (朝)室脇 1号、福士 1号

勝利打点 室脇正信 3

猛打賞 (朝)坪内道則 4、広田修三 3


朝日打線、毎回の14安打

 朝日は四番に岩田次男を起用。岩田は名古屋に在籍していた昭和11年9月23日にプロ野球史上初の満塁ホームランを放ち、12年春季リーグ戦終了後応召し、戦場からから戻ってきた今季も2度目の満塁ホームランを放っている強打者で、四番に入るのは昭和12年6月19日以来のこととなる。

 朝日は2回、一死後鬼頭政一が左前打で出塁、室脇正信がレフトスタンドに先制ツーランを叩き込んで2-0とする。

 朝日は3回、先頭の広田修三が中前打で出塁、トップに返り坪内道則が右前打、五味芳夫の中前打で無死満塁、戸川信夫は二飛に倒れるが四番・岩田が押出し四球を選んで3-0、鬼頭の左犠飛で4-0とする。

 朝日は先発の山本秀雄が4回でマウンドを降りて5回から福士勇が登板する。

 黒鷲も先発の三富恒雄を下げて5回から長尾貞利がマウンドに上がる。

 朝日は5回、一死後岩田がストレートの四球で出塁、鬼頭がレフト線にヒットを放ち一死一二塁、室脇は左飛に倒れるが伊勢川真澄の右前タイムリーで5-0とリードを広げる。

 朝日は6回、先頭の福士がライトスタンドにホームランを叩き込んで6-0とダメ押す。

 朝日は7回、二死後鬼頭が四球で出塁、室脇が中前打で続いて二死一二塁、伊勢川の二塁への内野安打がタイムリーとなって7-0として試合を決める。


 朝日打線は坪内道則と広田修三が猛打賞を獲得するなど、14安打の猛攻であった。

 投げても山本秀雄-福士勇-横田澄賢のリレーで大洋打線を封じ込めた。山本は4回で降板しているので現行ルールでは勝利投手とはならないが公式記録では勝利投手が記録された。三番手で登板した横田澄賢はこれがプロで唯一の登板となった。したがって通算防御率は0.00である。


 前節は16試合で合計63得点でしかなかったが、今節は22試合で123得点となる。今季最後といことで、隠し持っていた状態の良いボールを使用したと見て間違いない。これは当ブログの邪推ではなく、当時の新聞記事にはよく「飛ぶボールの使用」について書かれているのです。この頃を十把一絡げに「ボールが飛ばない」と決めつけている論調が見られるが、事実関係と当時の資料をきちんと調べることをお薦めします。トータルの数字をネットで見ているだけでは真実は見えてきません。








*14安打を記録した朝日打線。










 

中村信一のセネタース入団の経緯について




 今年の7月1日に、2013年5月25日付けブログ「15年 翼vs黒鷲 12回戦」に櫻井孝昭さんから「中村信一選手は「プロ野球人名事典」には法政大学中退と書いてますが、普通に卒業したのでは?とも思ってます」とのコメントをいただきました。


 参考になりそうな情報を見つけましたのでご報告いたします。


 昭和11年2月21日付け読売新聞に「景浦、立教を退学」の見出しで景浦将が立教大学を中退してタイガース入りする記事が掲載されています。この記事の中で「東京セネタース軍入りした中村、綿貫、高橋、山崎同様中途退学して職業団の傘下に馳せ参じたものである」と書かれています。この「中村」が「中村信一」の可能性が高い。昭和11年のセネタースには熊本工業出身の「中村民雄」も在籍していますが、昭和11年3月11日付け読売新聞に掲載されている「メンバー表」にはまだ「中村民雄」の名前は見られず「中村信一」は掲載されています。


 したがって、中村信一は法政大学を、綿貫惣司は立教大学を、高橋輝彦は専修大学を、山崎文一は日本大学を、それぞれ中退してセネータース入りしたものと考えられます。


 プロではセカンドをやることを決意していた苅田久徳は、ショート中村信一、サード高橋輝彦、ファースト綿貫惣司の3人を大学を中退させてセネタースに引っ張り、「百万ドル内野」を形成したようです。


*「15年 翼vs黒鷲 12回戦」のコメント欄にも返信しています。

http://shokuyakyu.blogspot.jp/2013/05/vs_25.html?showComment=1403882434888#c498028822656676679


 

16年 第17節 週間MVP



 今節は阪急が4勝0敗、巨人が3勝1敗、黒鷲が2勝1敗1分、大洋が2勝1敗1分、南海が2勝2敗、朝日が1勝3敗、阪神が1勝3敗、名古屋が0勝4敗であった。

 打撃不振は極みに達し、各チーム4試合の合計得点は大洋が9点、南海が8点、黒鷲が7点、巨人が7点、朝日が4点、阪神が4点、3試合連続完封負けを喫した名古屋は1点のみであった。このような状況下で阪急だけが3試合連続6得点以上をあげて合計23点であった。


週間MVP

投手部門

 阪急 森弘太郎 6

 今節オールリリーフで3勝0敗。18回3分の1を投げて、9安打2四球4三振無失点と完璧なピッチングであった。


 巨人 中尾輝三 3

 11月1日の名古屋戦で3安打完封、4日の阪神戦でも完投勝利。


 阪神 藤村隆男 1

 11月2日の名古屋戦で延長17回を投げ抜いて5安打完封。



打撃部門

 阪急 新富卯三郎 2

 今節15打数6安打3得点4打点、3四球1盗塁、二塁打1本で阪急4連勝に貢献。


 阪急 森田定雄 1

 今節16打数3安打2得点6打点、2四球1盗塁、三塁打1本。2試合連続決勝打を放ち阪急4連勝の立役者。


 南海 北原昇 1

 今節16打数6安打1得点3打点、1四球、二塁打1本、本塁打1本。秋季シリーズ途中で選手登録されて10月23日に初出場したばかりであるが、早くもプロのレベルに適応している。




殊勲賞

 黒鷲 金子裕 1

 3日の朝日戦では延長10回を完封して自らのサヨナラ打で決着を付ける。


 阪神 松下繁二 1

 2日の名古屋戦で延長17回裏にサヨナラ打を放つ。



敢闘賞

 
 黒鷲 石原繁三 1

 4日の大洋戦では延長12回を2安打無失点に抑えて引分ける。


 南海 川崎徳次 2

 
 今節2勝1敗で2節連続敢闘賞を獲得。現時点では神田武夫に代わってエース格の活躍を見せている。


 朝日 山本秀雄 2

 1日の大洋戦では好リリーフでセーブを記録。3日の黒鷲戦では9回まで3安打無失点であったが10回裏に金子裕にサヨナラ打を許して惜敗。




技能賞

 黒鷲 中河美芳 6

 3日の朝日戦延長10回裏に二盗を決めて金子のヒットでサヨナラのホームを踏む。


 朝日 岩田次男 1

 2試合連続ファインプレー賞を獲得する。


 南海 安井鍵太郎 1

 今節2個のファインプレー賞を獲得、3日の大洋戦では石井豊にファインプレー賞を献上する一邪飛を放つ。






 

2014年7月20日日曜日

16年 巨人vs阪神 12回戦


11月4日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 1 0 0 0 2 巨人 58勝21敗2分 0.734 中尾輝三
0 0 0 0 0 0 0 1 X 1 阪神 39勝39敗 0.500 松本貞一 藤村隆男

勝利投手 中尾輝三 24勝8敗
敗戦投手 松本貞一   4勝4敗

二塁打 (巨)中尾、川上
三塁打 (神)皆川

勝利打点 中尾輝三 3


中尾輝三、相手の拙攻に助けられて24勝目

 阪神は1回裏、先頭の御園生崇男が二塁に内野安打、次のプレーの解読は難しい。スコアカードには続く宮崎剛の投ゴロで一走御園生が「1-6-4」でアウトと書かれている。バントエンドランで快足御園生が二塁に達し、投前バントをピッチャー中尾が一塁に偽投、御園生が飛び出したところに中尾が御園生を三塁方向に追い詰めてからショート白石敏男に送球、白石からセカンド千葉茂に渡ってタッチアウト。御園生が二塁をオーバーランしていないとこのプレーは成り立たない。続くカイザー田中義雄が右前打、土井垣武が四球を選んで一死満塁、しかし松下繁二のショートライナーで二走田中が飛び出し「6-4」と渡ってダブルプレー。

 阪神は2回、先頭の松尾五郎が右前打で出塁、野口昇は三振に倒れるが松本貞一が左前打を放ち一死一二塁と又も先制のチャンス、しかし皆川定之は三振、トップに返り御園生も中飛に倒れてこの回も無得点。

 1回、2回と無安打の巨人は3回、先頭の呉波の遊ゴロをショート皆川定之がエラー、中尾輝三の左中間二塁打で一走呉が快足を飛ばしてホームを駆け抜け1点を先制する。

 巨人は6回、一死後川上哲治が右中間に二塁打、中島治康の投前バントをピッチャー松本が三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて一死一三塁、一死なので中島はセーフティバントを試みたのでしょう。中島が二盗を決めて一死二三塁、吉原正喜が左前にタイムリーを放って2-0とする。

 阪神は7回から先発の松本に代わり藤村隆男がマウンドに上がる。

 阪神は7回裏、二死後皆川が右中間に三塁打を放つが御園生は遊ゴロに倒れて無得点。

 阪神は8回、先頭の宮崎が右前打で出塁、田中も右前打で続いて無死一二塁、巨人ベンチはここでファーストを川上から永沢富士雄に代えて一息入れると共に守備を固める。続く土井垣のカウントツーナッシングの時にダブルスチールを試みるが土井垣は三振、キャッチャー吉原からの三塁送球に二走宮崎もタッチアウト、三振ゲッツーが成立して二死二塁、森国五郎に代わる代打若林忠志は四球で二死一二塁、これは敬遠の可能性がある。松尾が右前打を放って二死満塁、村瀬一三に代わる代打松木謙治郎監督が押出し四球を選んで1-2、しかし藤村は二ゴロに倒れて1点止まり。

 中尾輝三は阪神最終回の反撃を三人で片付け9安打4四球7三振で完投、24勝目をあげる。


 2併殺10残塁の阪神の拙攻、拙走が目に付いた試合であった。






*中尾輝三は9安打を許しながら阪神の拙攻に助けられて24勝目をあげる。










 

2014年7月19日土曜日

16年 阪急vs名古屋 12回戦


11月4日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 4 3 0 0 0 7 阪急     49勝30敗1分 0.620 橋本正吾 森弘太郎
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 名古屋 35勝45敗 0.438 西沢道夫 岡本敏男 森井茂

勝利投手 森弘太郎 28勝8敗
敗戦投手 西沢道夫   6勝13敗

二塁打 (名)石丸藤吉
三塁打 (急)森田

勝利打点 森田定雄 4

猛打賞 (急)新富卯三郎 4



森田定雄、決勝の満塁走者一掃三塁打

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉が右前打で出塁すると岩本章の投ゴロの間に二進、更に大沢清の右飛でタッチアップから三進、服部受弘の中前タイムリーで1点を先制する。

 4回まで名古屋先発の西沢道夫に抑えられてきた阪急は5回、一死後中島喬が右前打で出塁、フランク山田伝が四球を選んで一死一二塁、新富卯三郎の三塁内野安打で一死満塁、日比野武の三ゴロをサード芳賀直一がエラーする間に三走中島が還って1-1の同点、更に一死満塁で黒田健吾の記録は「1-4-2」で三走山田が本封となっているので、黒田のピッチャー返しを西沢道夫が弾いたところバックアップのセカンド石丸藤吉がホームに送球して山田をフォースアウトにしたと読むべきでしょう。ということで二死満塁、ここで森田定雄が左中間に走者一掃の三塁打を放って4-1、この一打で勝負は決した。

 リードを奪った阪急は5回裏から先発の橋本正吾に代えて森弘太郎を注ぎ込んで逃げ込みを図る。

 阪急は6回、先頭の田中幸男が左前打で出塁、森が四球を選んで無死一二塁、トップに返り中島が送って一死二三塁、山田の二ゴロで三走田中がホームに突っ込み、セカンド石丸藤吉がバックホームするがこれが悪送球となる間に田中に続いて二走森も生還して6-1、打者走者の山田は二塁に進み一死二塁、ピッチャー岡本敏男からの二塁牽制が悪送球となって山田は三塁に走り、白球を拾い上げたショート石丸進一が三塁に送球するがこれも悪送球となる間に山田が生還して7-1とする。新富の遊ゴロもショート石丸進一がエラー、打者走者の新富は二塁に進み日比野は中飛に倒れて二死二塁、黒田が中前打から二盗を決めて二死二三塁、森田が二ゴロに倒れて阪急の長い攻撃が終わった。

 リリーフの森弘太郎は5イニングを2安打2四球無三振無失点に抑えて28勝目をあげる。


 森田定雄が決勝の満塁走者一掃三塁打を放って2試合連続勝利打点を記録、当ブログでは森田を「最も無名の最強打者」と主張していますが、この一打で裏付けられました。







*森弘太郎は好リリーフを見せて28勝目をあげる。










*森田定雄が決勝三塁打を放った阪急打線。











 

16年 大洋vs黒鷲 12回戦


11月4日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 大洋 43勝33敗3分 0.566 古谷倉之助 浅岡三郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 黒鷲 27勝51敗1分 0.346 石原繁三

勝利打点 なし


日没引分け

 大洋打線は12回まで、黒鷲先発の石原繁三に2安打無得点に抑えられたが、スコアリングポジションには4度走者を送っている。1回、2回と三者凡退後の3回二死から織辺由三が三塁に内野安打、トップに返り苅田久徳が死球を受けて二死一二塁とするが中村信一は投ゴロに倒れる。9回まで、結局ヒットはこの織辺の内野安打1本であった。

 4回、先頭の濃人渉が四球で出塁、しかし野口二郎は強攻策に出て三振、石井豊も遊飛に倒れて二死から濃人が二盗に成功、しかし村松長太郎は中飛に倒れて無得点。5回も先頭の古谷倉之助がストレートの四球で出塁、、佐藤武夫が捕前に送りバントを決めて一死二塁、しかし織辺は三ゴロ、苅田が四球を選んで二死一二塁とするが中村は右飛に倒れる。

 11回、先頭の苅田が左前打で出塁すると続く中村の打席で二盗に成功して無死二塁、この日最大のチャンスを迎えるが中村は遊飛、濃人は三ゴロ、野口は遊ゴロに倒れてこの回も無得点。12回も先頭の石井が三失に生きるが西岡義晴の投前バントを石原が巧く捌いて石井は二封、浅岡三郎の遊ゴロで西岡が二封、佐藤の三ゴロで浅岡が二封されてスリーアウトチェンジ。


 黒鷲打線も大洋先発の古谷倉之助のドロップが打てず初回一死後清家忠太郎が左前打を放ってからは8回まで無安打。7回二死後、谷義夫が四球で出塁、石原の二塁内野安打で二死一二塁、大洋はここでセンターの村松とライトの野口二郎の守備位置を入れ替える。宗宮房之助に代わる代打菅利雄の打球は代わったところに飛んでライトフライ、ライトに回った村松がキャッチしてスリーアウトチェンジ。

 8回、一死後清家が遊失に生き、玉腰忠義は遊飛に倒れるが中河美芳が中前打を放って二死一二塁、しかし富松信彦は中飛に倒れて無得点。9回も先頭の木下政文がレフト線にヒットを放つが二塁にも進めず無得点に終わる。

 黒鷲は12回裏、先頭の石原は三振に倒れるが8回からセカンドに入っている木村孝平が三塁に内野安打、トップに返り山田潔が右前打を放って一死一二塁、清家の右前打で三塁コーチャーズボックスの畑福俊英は二走木村をストップさせて一死満塁、しかし三番玉腰は三振、四番中河も三邪飛に倒れて無得点、午後4時33分日没引分け再試合となった。


 翌日の読売新聞によると「清家の右翼安打に三塁コーチ畑福が木村を三塁に止めて好機を失し・・・」とのこと。打球を見ていないので何とも言えませんが、三番玉腰、四番中河に期待して無謀な三塁突入を避けたのであれば納得の三塁ストップでしょう。

 石原繁三は169球の熱投で12回を投げ抜き2安打3四球1死球4三振無失点であった。古谷倉之助は10回を投げて4安打3四球3三振無失点、リリーフの浅岡三郎は2イニングを3安打無四球2三振無失点であった。


 今季は引分再試合制度、制度というより軍部から引分けは敢闘精神に反するとされて再試合を強要され、11月17日に13回戦が行われることとなります。







*石原繁三は169球で延長12回を2安打無失点。














2014年7月17日木曜日

16年 南海vs朝日 12回戦


11月4日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   2   2 南海 39勝40敗 0.494 川崎徳次
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0 朝日 24勝55敗1分 0.304 福士勇

勝利投手 川崎徳次 11勝16敗
敗戦投手 福士勇  17勝26敗

二塁打 (南)鬼頭数雄 (朝)鬼頭政一
本塁打 (南)北原 1号

勝利打点 北原昇 1


ファインプレー賞 (朝)五味芳夫 1 


北原昇、決勝ツーラン

 南海先発川崎徳次と、朝日先発福士勇との投げ合いで両軍無得点が続き、試合は延長11回に突入した。

 南海は11回表、先頭の鬼頭数雄が右中間二塁打で出塁すると代走に猪子利男を起用、トップに返り国久松一は三振、安井鍵太郎は右飛に倒れて二死二塁、ここで三番北原昇がカウントワンワンからの3球目をレフトスタンドに決勝ツーラン、2-0とする。

 朝日は11回裏、二死後坪内道則が中前打を放って最後の抵抗を試みるが伊勢川真澄が左飛に倒れて万事休す。

 川崎徳次は11回を4安打2四球3三振に抑えて今季3度目の完封、11勝目をあげる。このところやや疲れの見られる神田武夫に代わって川崎の安定ぶりは際立っている。

 福士勇も11回を完投して5安打6四球2三振と健闘したが北原の一発にやられた。


 秋季シリーズ途中で選手登録されて10月23日に初出場した北原昇は最初の4試合では14打数1安打であったが、28日の名古屋戦で4打数3安打を記録するとそこから5試合で20打数9安打。11月3日から三番に入り本日は延長11回表に決勝ツーランという驚異的な活躍ぶりである。







*このところ安定した投球を続けている川崎徳次は11回を完封。













*延長11回表に北原昇が決勝ツーランを放った南海打線。












 

2014年7月15日火曜日

16年 阪神vs阪急 12回戦


11月3日(月)甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪神 39勝38敗 0.506 若林忠志 木下勇
0 0 0 0 0 2 4 1 X  7 阪急 48勝30敗1分 0.615 中田武夫 江田孝

勝利投手 江田孝       3勝2敗
敗戦投手 若林忠志 17勝16敗

二塁打 (神)野口、田中 (急)新富、中島

勝利打点 森田定雄 3


森田定雄、決勝打

 阪神は一番に御園生崇男を起用。御園生は昭和17年に24盗塁を記録することとなる快足の持主でもあります。

 5回まで阪急打線は阪神先発の若林忠志の前に無安打1四球無得点。

 一方、阪神は2回、土井垣武、松下繁二が連続四球、阪急はここで先発の中田武夫から江田孝にスイッチ、若林は一飛に倒れるが皆川定之も四球を選んで一死満塁、野口昇の右飛で三走土井垣がタッチアップからホームを突くがライト新富卯三郎からのバックホームにタッチアウト。

 阪神は3回、一死後御園生が四球で出塁、宮崎剛は左飛に倒れるが御園生がボークで二進、しかしカイザー田中義雄は右飛に倒れる。

 阪神は4回、先頭の土井垣が右前打で出塁するが松下は中飛、若林の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 阪神は5回、先頭の皆川が四球で出塁、野口が左中間に二塁打を放って無死二三塁、しかし森国五郎は投ゴロ、トップに返り御園生は浅い左飛、宮崎も三ゴロに倒れて絶好のチャンスを逃す。
 阪神は6回、先頭の田中が右翼線に二塁打、ライト新富からの返球が悪送球となる間に打者走者の田中は三塁に進み無死三塁、しかし土井垣は浅い左飛、松下は三振、若林も遊ゴロに倒れてこの回も無得点。6回表までは明らかに阪神が押していた。


 阪急は6回裏、先頭の中島喬が左前打で出塁、フランク山田伝が右前打、新富の投前バントはピッチャー若林が三塁に送球して二走中島は三封、日比野武は一邪飛に倒れて二死一二塁、上田藤夫が四球を選んで二死満塁、ここで森田定雄が中前に2点タイムリーを放って2-0とする。
 阪急は7回、先頭の黒田の遊ゴロをショート皆川がエラー、黒田が二盗を決めて江田は四球、トップに返り中島が送って一死二三塁、山田が四球を選んで一死満塁、新富が左中間に走者一掃の二塁打を放ち三者生還して5-0、日比野が左前にタイムリーを放って6-0とする。


 阪急は8回、先頭の伊東甚吉が左前打で出塁、黒田の一ゴロの間に伊東は二進、江田の投ゴロの間に伊東は三進、トップに返り中島が右中間に二塁打を放って7-0とする。

 2回途中からリリーフに出た江田孝は8回を投げて5安打4四球2三振無失点、中田武夫との完封リレーとなった。


 前半戦押しまくっていた阪神は結局無得点、前半のチャンスに1点でも取っていれば違った展開になっていたはずである。


 森田定雄が殊勲の決勝打を放った。当ブログが森田を「最も無名の最強打者」と呼んでいることはご存知のとおりです。


http://shokuyakyu.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html











 

2014年7月14日月曜日

16年 巨人vs名古屋 12回戦


11月3日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 1 0 0 0  1 巨人    57勝21敗2分 0.731 広瀬習一
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋 35勝44敗 0.443 河村章

勝利投手 広瀬習一 6勝3敗
敗戦投手 河村章  13勝9敗

二塁打 (巨)中島

勝利打点 平山菊二 5


広瀬習一、雪辱の完封

 巨人の先発は昨日の阪急戦で2回3分の1でKOされた広瀬習一が雪辱のマウンドに上がる。

 巨人は6回、一死後中島治康が左前打で出塁、吉原正喜も左前打で続いて一死一二塁、平山菊二が中前にタイムリーを放って1-0、なお一死一三塁から林清一の右飛で三走吉原がタッチアップからホームを突くがライト吉田猪佐喜からのバックホームにタッチアウト、結局1点止まりであった。


 本日の広瀬にはこの1点で十分だった。2回、3回、5回と先頭打者にヒットを許し、全て送りバントで送られてスコアリングポジションに走者を背負ったが次の打者を全て凡飛に打ち取る圧巻の出来であった。下手からの速球が伸びていたことをスコアカードが物語っている。経過は以下のとおり。

 名古屋は2回、先頭の吉田が中前打、三浦敏一が投前に送りバントを決めて一死二塁、しかし岩本章は左邪飛、芳賀直一は投ゴロに倒れる。

 名古屋は3回、先頭の石丸進一が左前打、河村章が捕前に送りバントを決めて一死二塁、しかしトップに返り石丸藤吉は二飛、桝嘉一は遊ゴロに倒れる。

 名古屋は5回、先頭の岩本が左前打、芳賀が投前に送りバントを決めて一死二塁、しかし石丸進一は捕邪飛、河村の当りは遊撃内野安打となって岩本は動けず二死一二塁、トップに返り石丸藤吉は二ゴロに倒れる。


 名古屋の送りバント戦法は先頭打者のヒットが下位打線であったことから致し方のない点はあったかもしれないが、巨人の積極打法に比べると消極的に過ぎたと言えるでしょう。左の代打として松尾幸造を使うべきだったのではないか。

 広瀬習一は4安打無四球無三振で今季4回目の完封、6勝目をあげる。夏季シリーズ終盤に大津青嵐から巨人入りした広瀬は、1年目の今季は波が大きくいい時と悪い時がはっきりしているが、いい時はほとんど打たれていない。来季の飛躍が期待できる。


 名古屋は11月に入って3試合連続完封負け。10月最後の試合、28日の南海戦は1点取ったが2対1で敗れ、その前日27日の阪急戦では森弘太郎にノーヒットノーランをやられている。この日で5連敗、38イニングス連続無得点を継続中である。







*広瀬習一は4安打完封で6勝目をあげて昨日の雪辱を果たした。