2019年2月27日水曜日

マジック1


 ここまで阪神は23勝5敗2分、巨人は15勝10敗2分。

 両チームの直接対決はこれで終了。

 巨人が残り8試合に8連勝して阪神が残5試合に5連敗したら同率首位となります。阪急以下の他チームには優勝の目は残されていない。

 すなわち、阪神のマジックは「1」ということになります。

 

19年 巨人vs阪神 7回戦


8月6日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 巨人 15勝10敗2分 0.600 藤本英雄
1 0 0 2 0 0 1 0 X 4 阪神 23勝5敗2分 0.821 若林忠志

勝利投手 若林忠志 18勝3敗
敗戦投手 藤本英雄   7勝5敗

二塁打 (神)辻2、藤村

勝利打点 門前真佐人 3

猛打賞 (神)門前真佐人 1


戦前最後の伝統の一戦

 戦前最後の伝統の一戦。

 阪神は初回、先頭の塚本博睦が右前打で出塁、辻源兵衛がレフト線に二塁打、レフト黒沢俊夫がエラーして一走塚本が生還、辻に打点は記録されずワンヒットワンエラーで1点を先制する。

 巨人は3回、先頭の藤本英雄が左前打で出塁、杉江繁雄が送って一死二塁、ここで藤本が三盗、サード藤村冨美男のエラーが加わり藤本が生還して1-1の同点とする。

 阪神は4回裏、先頭の藤村が汚名返上の右中間二塁打、本堂保次は三邪飛に倒れるが、パスボールで藤村は三進、門前真佐人が右前に決勝タイムリーを放って2-1、若林忠志の一塁線バントが内野安打となって一死一二塁、ピッチャー藤本の二塁牽制が悪送球となって一死一三塁、金田正泰が四球を選んで一死満塁、ここで武智修が投前にスクイズバントを決めて3-1とする。

 阪神は7回、先頭の辻がこの日2本目の二塁打を左中間に放ち、呉昌征の三塁へのヒットで無死一三塁、藤村の右犠飛で4-1とダメ押す。

 若林忠志は6安打2四球1三振、自責点ゼロの完投で18勝目をマークする。

 門前真佐人が猛打賞と勝利打点を記録、辻源兵衛が効果的な2本の二塁打を放って気を吐いた。4回のタイムリーエラーを挽回した藤村冨美男の活躍も見逃せない。


 

2019年2月24日日曜日

19年 朝日vs近畿 7回戦


8月6日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 0 0 0 0 0 3 5 朝日 9勝19敗1分 0.321 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 近畿 9勝18敗1分 0.333 清水秀雄

勝利投手 内藤幸三 8勝8敗
敗戦投手 清水秀雄 6勝8敗

二塁打 (朝)坪内2 (近)松川、堀井

勝利打点 菊矢吉男 3

猛打賞 (朝)坪内道則 3


内藤幸三、清水秀雄との対決を制す

 最下位争いを演じる両チームであるが、戦前屈指の左腕剛球投手である清水秀雄と内藤幸三の対決は見応えがる。両サウウポーの激突は今季4度目。

 朝日は初回、先頭の酒沢政夫が左前打を放って出塁、田中豊一は三振に倒れるが、坪内道則がライト線に二塁打を放って一死二三塁、金光彬夫が四球を選んで一死満塁、菊矢吉男の左犠飛で1点を先制する。

 朝日は2回、先頭の桜沢三郎の当りは遊ゴロ、これをショート松川博爾が一塁に悪送球する間に打者走者の桜沢は二塁に進み、大島渡が左前打を放って無死一三塁、仁木安のピッチャー強襲ヒットがタイムリーとなって2-0とする。

 南海は初回、先頭の松川がレフト線に二塁打、しかし吉川義次は三振、堀井数男は三ゴロ、四番ピッチャー清水秀雄は四球を選ぶが、首位打者の岡村俊昭は遊ゴロに倒れて無得点。

 南海は2回、二死後加藤喜作が右前打を放つが、丸山二三雄は三振に倒れて無得点。

 朝日先発の内藤幸三は3、4、5回と三者凡退。6回二死後、堀井に左中間二塁打を許すが、清水を遊飛に打ち取り無失点。7回、8回も無失点に抑える。

 朝日は9回、先頭の桜沢が右前打で出塁、大島が四球を選んで無死一二塁、ここで八木進がパスボールを犯して無死二三塁、仁木が三塁にタイムリーヒットを放って3-0、トップに返り酒沢は三振に倒れるが、田中の遊ゴロの間に三走大島が還って4-0、坪内が左中間に二塁打を放ち5-0として試合を決める。

 内藤幸三は9回に2安打を許すが無失点で切り抜け、5安打5四球8三振の力投で今季2度目の完封、8勝目をあげる。

 内藤と清水の対決は昭和19年が白眉。この二人は4年後の昭和23年7月10日の中日vs金星戦で延長12回の投げ合いを演ずることとなる。約6年後に実況中継しますのでお楽しみに。

 

2019年2月20日水曜日

19年 阪急vs産業 6回戦


8月6日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 1 0 0 2 阪急 14勝12敗1分 0.538 大平茂
2 2 0 0 0 1 0 0 X 5 産業 12勝18敗1分 0.400 野口正明

勝利投手 野口正明 5勝4敗
敗戦投手 大平茂     3勝3敗

二塁打 (急)三木、安田、上田
本塁打 (急)野口明 1号

勝利打点 金山次郎 3


5安打の産業、10安打の阪急を降す

 ダブルヘッダーの第二試合。

 産業は初回、先頭の小坂三郎の遊ゴロをファースト野口明が落球、松尾幸造が四球を選んで無死一二塁、加藤正二の三前バントが内野安打となって無死満塁、金山次郎が中前にクリーンヒットを放って2者生還、2点を先制する。

 阪急は2回、先頭の野口明がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1-2と1点差に迫る。

 産業は2回裏、一死後小坂が一塁にヒット、ここで小坂が二盗、キャッチャー坂田清春からの送球が悪送球となって小坂は三進、松尾が四球から二盗を決めて一死二三塁、加藤の一ゴロで三走小坂がホームに突っ込むがファースト野口明からのバックホームにタッチアウト、この間に打者走者の加藤は二塁に走り、キャッチャー坂田清春は二塁に送球、ここで三走松尾がホームにスタートする構えを見せたためセカンド上田藤夫が三塁に送球するが悪送球、この間に三走松尾がホームに還って3-1とするが、松尾の生還はスコアカードには「投失」、すなわちピッチャーのエラーと記録されているので、上田の三塁悪送球のカバーに入ったピッチャー大平茂がカバーの際に後逸する間に三走松尾が生還したものと考えられる。この間に加藤は三塁に進み、続く金山の遊ゴロをショート遠山晴富が一塁に悪送球する間に三走加藤が還って4-1とリードを広げる。

 阪急は2回裏の守備で4失策、これが敗因となった。

 産業は6回、二死後須原武志が四球から二盗に成功、トップに返り小坂も四球を選んで二死一二塁、松尾が中前にタイムリーを放って5-1とダメ押す。

 阪急は7回、先頭の遠山に代わる代打安田信夫が右中間に二塁打、トップに返り山田伝はストレートの四球で無死一二塁、上田がレフト線に二塁打を放って2-5としてなお無死二三塁、坂田の三ゴロをサード井上嘉弘がエラーして無死満塁、しかし野口明の遊ゴロで三走山田は本封、三木久一の遊ゴロが「6-4-3」と渡って万事休す。

 野口正明は阪急打線に10安打を浴びながら5四球3三振の完投で5勝目をあげる。

 産業は5安打であったが、阪急守備陣の乱れを突いて10安打の阪急に快勝した。

 

2019年2月11日月曜日

19年 産業vs阪急 5回戦


8月6日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 3 0 0 3 0 0 0 7 産業 11勝18敗1分 0.379 森井茂
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 14勝11敗1分 0.560 天保義夫 木暮英路

勝利投手 森井茂     6勝11敗
敗戦投手 天保義夫 3勝3敗

三塁打 (産)金山
本塁打 (産)小坂 1号

勝利打点 なし


森井茂、無四球完封

 いよいよ戦前最終月に突入。8月6日の時点で、夏季リーグ戦を最後に秋季リーグ戦が中止されると決定していたかどうかは不明。

 産業は2回、先頭の藤原鉄之助が四球を選んで出塁、野口正明の投ゴロの間に藤原は二進、井上嘉弘が三塁に内野安打、これをサード坂井豊司が間に合わない一塁に投げて悪送球、二走藤原が一気に生還して1点を先制する。

 産業は3回、先頭の小坂三郎が中前打で出塁、松尾幸造も右前打で続いて無死一二塁、加藤正二の中前打で無死満塁、金山次郎の遊ゴロで加藤が二封される間に三走小坂が還って2-0、金山が二盗を決めて一死一三塁、藤原が左前に2点タイムリーを放って4-0とリードする。

 産業は6回、二死後須原武志が三塁にヒット、森井茂はストレートの四球で二死一二塁、、トップに返り小坂がレフトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで試合を決定付ける。

 森井茂は3安打無四球2三振、98球で今季2度目の完封、6勝目をマークする。

 阪急は7回に坂田清春と野口明の連打があったが得点には結びつかず、8回には坂井がライトライナー、9回にも遠山晴富と山田伝が連続レフトラーナーと、終盤になって森井のスローカーブにタイミングが合ってきたが打ち崩すまでには至らなかった。

 森井茂は初回に1安打、7回に2安打を打たれたのみで残りの7イニングを三者凡退に抑え込んだ。

 

2019年2月10日日曜日

19年 7月 月間MVP


月間MVP

投手部門

 阪神 若林忠志 5 

 8勝1敗1S、1完封。防御率1.92、WHIP1.09と投球内容は突出した内容ではないが、勝つピッチングに徹している。


打撃部門

 近畿 岡村俊昭 1

 45打数19安打7得点0打点。今月0打点どころか、今期ここまで0打点。岡村は昭和19年、全試合に出場して首位打者となるが、打点は僅かに4打点。しかし打率は突出している。

 次点は朝日の菊矢吉男で、53打数15安打9打点。
 

19年 第7節 週間MVP


 今節は阪神が6勝0敗、巨人が2勝1敗、近畿が3勝2敗、阪急が1勝1敗、朝日が1勝5敗、産業が1勝5敗であった。


週刊MVP

投手部門

 阪神 若林忠志 5

 4勝0敗1完封。

 近畿 清水秀雄 2

 2勝1敗1完封。


打撃部門

 阪神 藤村冨美男 2

 24打数9安打4得点4打点、2V打。

 阪神 本堂保次 2

 23打数7安打5得点5打点。

 近畿 加藤喜作 1

 13打数3安打1得点3打点、2V打。

 巨人 宮下信明 1

 9打数4安打2得点1打点、連日の殊勲打。

 阪神 武智修 1

 15打数4安打2得点3打点6四球。九番で渋い活躍が目立つ。


殊勲賞

 阪神 門前真佐人 1

 21打数6安打5得点4打点。

 産業 金山次郎 2

 23打数8安打2得点2打点。今節産業唯一の勝利でV打を記録した。

 産業 須原武志 1

 14打数4安打1打点、二塁打1本。須原にとって、現役生活唯一の打点と二塁打を記録したウィークであった。


敢闘賞

 近畿 岡村俊昭 4

 17打数6安打5得点。

 巨人 渡部弘 1

 10打数4安打1得点1打点。

 阪急 坂井豊司 2

 7打数4安打。

 朝日 菊矢吉男 1

 24打数7安打2得点3打点。

 朝日 仁木安 1

 19打数7安打、二塁打3本。


技能賞

 阪神 御園生崇男 1

 3試合連続2盗塁。
 

2019年2月3日日曜日

19年 近畿vs朝日 6回戦


7月31日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 1 1 1 0 4 近畿 9勝17敗1分 0.346 清水秀雄
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 朝日 8勝19敗1分 0.296 内藤幸三

勝利投手 清水秀雄 6勝7敗
敗戦投手 内藤幸三 7勝8敗

勝利打点 加藤喜作 2


近畿、5犠打4盗塁

 近畿先発は清水秀雄、朝日先発は内藤幸三。戦前を代表する左腕剛球派同士の対決。この二人は2回戦でも対戦して1対0で清水が投げ勝った。

 近畿は2回、先頭の岡村俊昭が三塁にヒット、八木進が送りバントを決めて一死二塁、荒木正は三振に倒れるが、加藤喜作が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 近畿は6回、先頭の堀井数男が左前打で出塁、清水は打撃妨害に生きて無死一二塁、岡村が送りバントを決めて一死二三塁、八木の捕前スクイズをキャッチャー金光彬夫が捕ってホームに滑り込んできた三走堀井にタッチに行くが、堀井の脚が一瞬早くホームベースに触れてセーフ、金光に野選が記録されて2-0とする。

 近畿は7回、先頭の加藤の遊ゴロをショート酒沢政夫がエラー、野口渉が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り松川博爾の左前打で一死一三塁、ここで松川がスタートするとキャッチャー金光が二塁に送球してタッチアウト、三走加藤は動かず二死三塁、吉川義次の三ゴロをファースト菊矢吉男が後逸する間に加藤が還って3-0とする。

 近畿は8回、一死後岡村が三前にセーフティバントを決めて出塁、八木の遊ゴロの間に岡村は二進、鬼頭勝治の右前打で二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて4-0と突き放す。

 朝日は8回裏、一死後田端美夫に代わる代打大橋一郎が四球を選んで出塁、桜沢三郎の三ゴロをサード野口渉がゲッツーを狙って二塁に送球するがセカンド加藤が落球、トップに返り田中豊一は三振、酒沢が四球を選んで二死満塁、坪内道則が三前にタイムリーセーフティバントを決めて1-4とするが反撃もここまで。

 清水秀雄は4安打3四球7三振、自責点ゼロの完投で6勝目をあげる。

 近畿は内藤幸三の剛球に対して5犠打4盗塁と、小技と機動力を活かして攻略した。

 

19年 阪神vs産業 6回戦


7月31日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 2 0 3 0 0 0 1 8 阪神 22勝5敗2分 0.815 若林忠志
0 2 0 0 0 0 0 0 1 3 産業 10勝18敗1分 0.357 井上嘉弘

勝利投手 若林忠志 17勝3敗
敗戦投手 井上嘉弘   1勝3敗

二塁打 (神)呉、本堂、若林2、門前 (産)須原
三塁打 (神)本堂 (産)藤原

勝利打点 門前真佐人 2


阪神6連勝

 阪神は初回、一死後辻源兵衛が四球を選んで出塁、呉昌征のレフト線二塁打で辻が一気にホームに還り1点を先制、藤村冨美男が死球を受けて一死一二塁、本堂保次がライト線にヒットを放って一死満塁、門前真佐人の三ゴロの間に2-0とする。

 産業は2回、先頭の金山次郎が三塁線にヒットを放つと二盗に成功、藤原鉄之助が右中間に三塁打を放って1-2、門前が捕逸を犯して藤原が還り2-2の同点に追い付く。

 阪神は3回、二死後本堂が左中間に二塁打、門前が左前にタイムリーを放って3-2と勝越し、若林忠志のライト線二塁打で門前が還り4-2とする。

 阪神は5回、先頭の呉昌征の当りは遊ゴロ、これをショート金山がエラー、呉が二盗に成功すると、藤村が左前にタイムリーを放って5-2、本堂が左中間を深々と破る三塁打を放ち6-2、門前は四球を選んで無死一三塁、ここで井上嘉弘がボークを犯して7-2と大きくリードする。

 阪神は9回、二死後門前がレフト線に二塁打、若林がセンター左奥に二塁打を放って8-2とダメ押す。

 産業は9回裏、二死後松尾幸造が二遊間にヒット、須原武志がレフトに二塁打を放って二死二三塁、井上が左前にタイムリーを放って1点返すが反撃もここまで。

 若林忠志は10安打を許しながら無四球無三振の完投で17勝目をマークする。井上嘉弘も無三振完投で、両軍無三振であった。

 阪神は今節6連勝で独走体勢を固める。藤村、本堂の強打に加えて、武智修の渋い活躍が目立っている。

 

2019年2月2日土曜日

19年 阪神vs近畿 5回戦


7月30日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 1 0 0 0 1 4 阪神 21勝5敗2分 0.808 武智修
1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 近畿 8勝17敗1分 0.320 中本政夫

勝利投手 武智修     2勝1敗
敗戦投手 中本政夫 3勝10敗

二塁打 (近)吉川2

勝利打点 藤村冨美男 4

猛打賞 (神)藤村冨美男 3 (近)吉川義次 1


武智修の技巧光る

 近畿は初回、一死後吉川義次がレフト線に二塁打、堀井数男は三ゴロに倒れるが、清水秀雄が中前にタイムリーを放って1点を先制、センター塚本博睦からのバックホームが悪送球となる間に打者走者の清水は二塁に進み、岡村俊昭の右前打で二死一三塁、ここで岡村がディレード気味にスタートを切り、キャッチャー門前真佐人は二塁に送球、、ここで三走清水もスタートを切るが三本間に挟まれ「2-4-5-1」と転送されてタッチアウト。

 近畿先発の中本政夫は3回まで阪神打線をぴしゃりと封じてパーフェクトピッチング、しかし4回に捕まった。

 阪神は4回、先頭の塚本が四球を選んでこの試合初走者、辻源兵衛は中飛に倒れるが、呉昌征がショートに内野安打、松川博爾が間に合わない一塁に送球するがこれが悪送球となって二者進塁し一死二三塁、このチャンスに藤村が左前に逆転の2点タイムリーを放って2-1と試合をひっくり返す。

 阪神は5回、先頭の門前が四球を選んで出塁、森田明義もストレートの四球で無死一二塁、小林英一は中飛に倒れるが、武智修が三前にセーフティバントを決めて一死満塁、トップに返り塚本の投ゴロで三走門前は本封されて二死満塁、辻の三ゴロをサード吉川が一塁に悪送球して三走森田が生還、3-1とする。

 阪神先発の武智修は2回以降快調なピッチングで5回まで4イニング連続で三者凡退を続ける。6回には2安打を許すが失点はなし、7回、8回も三者凡退に抑える。
 阪神は9回、先頭の森田が三塁にヒット、小林が送って一死二塁、武智の投ゴロに二走森田が飛び出し二三塁間に挟まれタッチアウトとなるが、巧く時間を稼いで打者走者の武智は二塁に達し、トップに返り塚本が二遊間にタイムリーを放って武智が生還、4-1と突き放す。


 近畿は9回裏、先頭の吉川がレフト線に二塁打、堀井が左前にタイムリーを放って2-4、9回表の攻撃でダイヤモンドを一周した武智に疲れが見られ、清水の当りもセンターに抜けるが、前進守備の塚本が二塁に送球して堀井はフォースアウト、センターゴロが記録されて一死一塁、岡村は投ゴロ、八木進はショートライナーに倒れて阪神が逃げ切る。

 初回に失点につながる悪送球を犯した塚本博睦は、9回には清水のセンターに抜けるゴロを捌いて一走堀井を二封し、疲れの見えかけた武智を助けた。

 武智修は7安打無四球1三振の完投で2勝目をマークする。バントヒット、好走塁、無四球ピッチングと、武智の技巧が光った試合であった。