2011年12月23日金曜日

14年 金鯱vsライオン 7回戦


7月30日 (日) 中百舌鳥


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 4 0 0 0 0 2 0 0 6 金鯱    18勝32敗1分 0.360 中山正嘉
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ライオン 18勝27敗4分 0.400 菊矢吉男


勝利投手 中山正嘉 12勝10敗
敗戦投手 菊矢吉男 11勝12敗


二塁打 (金)中山 (ラ)坪内


中山正嘉、今季初完封


 金鯱は前節に続いて今節も阪急とタイガースに連敗しており本日のライオン戦は負けられない一戦となった。中山正嘉、菊矢吉男の両先発投手は現在11勝同士で阪急の高橋敏と並んでハーラー四位タイ。スタルヒン、野口二郎、御園生崇男に続く単独四位を巡る争いでもある。

 金鯱は2回、一死後中山が左翼線に二塁打、二死後長島進が左前に先制タイムリーを放って1-0、バックホームの隙を衝いて長島が二塁に達すると続く佐々木常助も左前打にタイムリーを放って2-0、佐々木もバックホームの隙を衝いて二塁に達する。トップに返り五味芳夫の二ゴロをセカンド松岡甲二がエラーする間に二走佐々木が一気にホームを陥れて3-0、五味が二盗を決めて濃人渉の左前タイムリーで4-0とする。

 金鯱は7回、一死後佐々木が中前打で出塁、二死後濃人が左前打、野村高義が四球を選んで二死満塁、ここでこのところ勝負強さが際立っている小林利蔵が左前に2点タイムリーを放って6-0として試合を決める。

 中山正嘉は3安打2四球6三振、今季初完封で12勝目をあげてハーラー単独四位に躍り出る。翌日の読売新聞によると「中山が投げ込む速球は外角へシュートする決め球と相俟ってラ軍の打棒を意の儘に牛耳り・・・」とのことである。ライオンの3本のヒットのうちクリーンヒットは7回に坪内道則が左中間に放った二塁打だけで、初回の鬼頭数雄は二塁への内野安打、4回の菊矢吉男はショートへの内野安打であった。

 3回の金鯱の得点は脚を絡めて積み重ねたものである。岡田源三郎監督の指導の下、金鯱は昭和12年秋季から今季まで島秀之助、江口行男、佐々木常助、五味芳夫と四期連続盗塁王を輩出することとなる。「脚の金鯱」と呼ばれる所以である。







          *中山正嘉は今季初完封で12勝目をあげる。


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