2025年3月29日土曜日

22年 金星vs太陽 7回戦

6月8日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 0 3 金星 13勝19敗 0.406 内藤幸三 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 太陽 12勝19敗 0.387 藤村隆男

勝利投手 内藤幸三 3勝4敗 
敗戦投手 藤村隆男 0勝1敗

二塁打 (金)坪内、小前 (太)藤井
本塁打 (金)大友一明 2号

勝利打点(金)大友一明 2


大友が又も決勝本塁打

 甲子園の第1試合は内藤幸三と藤村隆男の先発で午後1時6分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は4回表、先頭の坪内道則監督が右中間に二塁打、酒沢政夫が送って一死三塁、清原初男の遊ゴロで三走坪内はホームに向かい、ショート蔵本光夫から本塁に送球されて坪内は三本間に挟まれ挟殺プレー、打者走者の清原が二塁に向かうと、ピッチャー藤村が二塁に送球して「6-2-5-1-4」でタッチアウト、坪内は三塁に戻って二死三塁、西沢道夫は三ゴロに倒れて無得点。

 金星は5回表、先頭の小前博文が四球を選んで出塁、大友一明がレフトスタンドにツーランを叩き込んで2点を先制する。

 金星は6回表、一死後清原が四球で出塁するが二盗に失敗、西沢が左前打で出塁、小前がライト線に二塁打、ライト辻井弘からの返球が悪送球になる間に西沢が一塁から生還して3-0とする。小前に打点は記録されなかった。

 太陽は7回裏、一死後蔵本が三塁に内野安打、藤村の三ゴロをサード清原が一塁に悪送球、一死二三塁からトップに返り荒川昇治の一ゴロで三走蔵本がホームに向かいかけ、ファースト西沢が三塁に送球するが悪送球、蔵本が還って1-3とするが追い上げもここまで。

 内藤幸三は5安打4四球5三振、自責点ゼロの完投で3勝目をマークする。

 大友一明は6月1日の西宮での阪急戦に続いて決勝本塁打を放った。5月26日に甲子園球場にラッキーゾーンが設置されて日比野武が甲子園での戦後初ホームランを放ってから、全体で16本のホームランが出たが、甲子園では半分の8本が記録されている。

2025年3月28日金曜日

22年 東急vs阪急 4回戦

6月8日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 東急 11勝17敗1分 0.393 白木義一郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 阪急 12勝19敗1分 0.387 天保義夫 今西錬太郎

二塁打 (東)飯島 

勝利打点 なし


延長12回0対0

 第8節4日目、後楽園の第1試合は午後1時1分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、一死後横沢七郎が左前打で出塁、飯島滋弥の遊ゴロでランナーが入れ替わり、天保からの牽制球に飯島は戻れず「1-3-6-3」の挟殺プレーでタッチアウト。

 阪急は1回裏、一死後上田藤夫は投ゴロ、白木はキャッチャー鈴木圭一郎にトスして鈴木からファースト飯島に送球されて「1-2-3」でアウト。

 阪急は3回裏、一死後天保の当りは三ゴロ、これをサード横沢が弾き、バックアップしたショート鈴木清一が一塁に悪送球する間に打者走者の天保は二塁に進んだ。このプレーでサード横沢とショート鈴木の2人にエラーが記録された。白木が後続を抑えて無得点。

 東急は4回表、先頭の横沢が四球で出塁、ここも天保の牽制に横沢が飛び出し「1-3-4」と送球されてタッチアウト、直後に飯島がレフト線に二塁打を放つが、天保が後続を抑えて無得点。

 阪急は8回裏、先頭の安井鍵太郎に代わる代打森田定雄が三塁線にヒット、ここで西村正夫監督が代走で登場、しかし白木が後続を抑えて無得点。

 東急は9回表、一死後横沢、飯島が8球連続ボールで連続ストレートの四球、阪急ベンチはここまで好投を続けてきた天保から今西錬太郎にスイッチ、今西が後続を抑えて無得点。

 阪急は9回裏、先頭の上田がライト線にヒットで出塁、しかし上田の二盗をキャッチャー鈴木圭一郎が刺し、白木が後続を抑えて試合は0対0のまま延長戦へ。

 10回、11回と両軍1人ずつ走者を出すが無得点。

 東急は12回表、二死後白木が四球を選んで出塁、鈴木清一の右中間ヒットで二死一三塁とするが、苅田久徳監督は投ゴロに倒れて無得点。

 阪急は12回裏、先頭の野口明の当りは投ゴロ、ここも白木はキャッチャー鈴木圭一郎にトスして鈴木からファースト飯島に送球されて「1-2-3」のアウト、一死後下社邦男に代わる代打野口二郎が中前打、しかし白木が後続を抑えて延長12回両軍無得点、0対0の引分けに終わった。

 白木義一郎はこの試合で投ゴロをキャッチャーにトスするプレーを2回見せた。白木がこのプレーを見せたのは今季7回目であるが、1試合2度は初めてであった。白木がトスしたキャッチャーは熊耳武彦だったと多くの人が誤解しているが、ここまで7回の内、熊耳は3回で、残る4回は鈴木圭一郎である。歴史は正しく認識しましょう。

2025年3月26日水曜日

22年 巨人vs阪急 6回戦

6月7日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 巨人 11勝20敗 0.355 多田文久三 
0 0 0 0 0 0 0 0 4X 4 阪急 12勝19敗 0.387 今西錬太郎 

勝利投手 今西錬太郎 6勝4敗 
敗戦投手 多田文久三 0勝2敗

本塁打 (急)青田昇 3号

勝利打点(急)青田昇 4


青田がサヨナラグランドスラム

 後楽園の第2試合は多田文久三と今西錬太郎の先発で午後3時10分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は当りの出てきた千葉茂が欠場し苦戦が予想された。

 巨人は初回、先頭の呉新亨が右前打で出塁するが後続なく無得点。

 巨人は3回表、先頭の田中資昭が四球を選んで出塁、トップに返り呉新亨が右前打で続いて無死一三塁と先制のチャンス、しかし古家武夫の三ゴロをサード安井鍵太郎が二塁に送球して一走呉は二封、三走田中は動かず一死一三塁、千葉に代わって三番に入った小松原博喜の投ゴロで今西はゲッツーを狙って二塁に送球、呉は二封されてセカンド上田藤夫は一塁に転送せず本塁に送球して三走田中がタッチアウト、「1-4-2」の」併殺となった。上田は一塁転送で併殺崩れからの1失点というリスクを取るより、ホームに向かってゆっくり走っていた三走田中の方が刺せると判断したのであろう。ベテラン上田らしい好判断だった。

 巨人は7回表、先頭の平山菊二が三塁線にヒット、多田の右前打で無死一二塁、しかしここも後続なく無得点。

 本格的に投手転向2戦目の多田は好投を続け、8回までピンチらしいピンチも無く無失点。

 阪急は9回裏、先頭の山田伝が四球を選んで出塁、トップに返り田中幸男の送りバントはピッチャー正面で多田は二塁に送球、しかし千葉に代わってセカンドに入っていた古家が落球、上田の三塁線バントも内野安打となって無死満塁、ここで青田昇がワンボールからの2球目をレフトスタンドにサヨナラ満塁ホームラン。

 今西錬太郎は5安打3四球3三振、今季2度目の完封で6勝目をマークする。今西は6勝中5勝が巨人戦、2度目の完封も何れも巨人からである。

 巨人は攻守に亘って千葉の欠場が響いた。

 多田文久三は2度目の先発で好投、6月1日の大阪戦は延長12回サヨナラ負け、この日も青田の一発で2戦連続サヨナラ負けとなった。

2025年3月25日火曜日

22年 太陽vs中日 5回戦

6月7日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 2 0 0 0 0 0 3 太陽 12勝18敗 0.400 真田重蔵
0 0 1 0 0 1 2 2 X 6 中日 21勝8敗 0.724 松尾幸造 服部受弘

勝利投手 服部受弘 7勝0敗 
敗戦投手 真田重蔵 5勝6敗

三塁打 (太)荒川
本塁打 (中)金山次郎 1号

勝利打点(中)小鶴誠 4


小鶴誠、完全復活

 甲子園の第2試合は真田重蔵と松尾幸造の先発で午後2時50分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、先頭の荒川昇治が右中間に三塁打、一死後中谷順次の遊ゴロで三走荒川がホームを突き、ショート杉浦清監督は本塁に送球するがセーフ、野選が記録されて1点を先制する。

 中日は3回裏、先頭の金山次郎のセンターへのライナーが右中間に抜けて行き、そのままホームに還ってランニングホームラン、1-1の同点に追い付く。

 太陽は4回表、先頭の中谷が三失に生き、藤井勇が中前打を放って無死一二塁、中日ベンチはここで先発の松尾から服部受弘にスイッチ、佐竹一雄も三塁線にヒットを放ち無死満塁、森下重好の中犠飛で2-1と勝ち越し、二死後蔵本光夫に代わる代打湯浅芳彰の中前タイムリーで3-1とリードする。

 中日は6回裏、先頭の古川清蔵が四球で出塁すると二盗に成功、キャッチャー伊勢川真澄の送球ミスもあって古川は三塁に進み、一死後杉浦の右前タイムリーで2-3と1点差に迫る。

 中日は7回裏、先頭の藤原鉄之助が遊失に生きると二盗とワイルドピッチで三塁に進み、服部の中前タイムリーで3-3の同点、一死後金山の遊ゴロの間に服部は二塁に進み、真田は当たっている古川との勝負を避けて敬遠気味に歩かせて二死一二塁、ここで復調してきた小鶴誠が中前に勝越しタイムリーを放ち4-3とリードする。

 中日は8回裏、一死後加藤正二が左前打で出塁、大沢清の中前打で無死一三塁、藤原がスクイズバントを決めて5-3、服部が中前に2打席連続のタイムリーを放ち6-3と突き放す。

 リリーフ服部受弘は6イニングを2安打無四球無失点に抑えて無傷の7連勝をマークする。

 小鶴誠は開幕から5月まで62打数7安打、打率1割1分3厘と不振が続いていたが、6月に入って15打数8安打と完全復活。一昨日の決勝本塁打に続いてこの日も勝利打点を記録した。真田は当たっている古川との勝負を避けて小鶴と勝負したが、小鶴が復調していたデータを知らなかったのだろうか。

2025年3月24日月曜日

22年 大阪vs金星 4回戦

6月7日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 3 0 1 0 5 大阪 23勝7敗 0.767 梶岡忠義 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金星 12勝19敗 0.387 江田孝

勝利投手 梶岡忠義 7勝2敗 
敗戦投手 江田孝     4勝8敗

二塁打 (大)藤村
本塁打 (大)玉置玉一 1号

勝利打点(大)富樫淳 4


梶岡忠義、1安打完封

 大阪は初回、先頭の塚本博睦の当りは二ゴロ、これをセカンド大友一明が一塁に悪送球する間に打者走者の塚本は二塁に進み、金田正泰の二ゴロが進塁打となって一死三塁、富樫淳の左前タイムリーで1点を先制する。藤村富美男も右前打で続いて一死一二塁、土井垣武は三振、富樫の三盗もキャッチャー辻勇夫からの送球に刺されて三振ゲッツー。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督の当りは二ゴロ、これをセカンド本堂保次が一塁に悪送球する間に打者走者の坪内は二塁に進み、二死後坪内が三盗を試みるがキャッチャー土井垣からの送球にタッチアウト。

 初回の攻撃は同じようなパターンであったが点を取ったのは大阪であった。

 大阪は6回表、先頭の富樫が三塁に内野安打、一死後土井垣が左前打、二死後玉置玉一がライトスタンドにスリーランを叩き込んで4-0と突き放す。

 大阪は8回表、一死後藤村が中越えに二塁打、土井垣の二ゴロが進塁打となって二死三塁、本堂の三塁内野安打がタイムリーとなって5-0とする。

 梶岡忠義は初回の味方エラーでリズムを崩しかけたが土井垣の三盗阻止によりリズムを取り戻し、以降は6回の酒沢政夫の右前打1本に抑え切り、1安打4四球1三振でプロ入り初完封、7勝目をマークする。

 大阪はこれで11連勝、中日がしぶとく食い下がっており首位独走とはなっていない。

2025年3月23日日曜日

22年 南海vs東急 4回戦

6月7日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 南海 18勝12敗 0.600 別所昭 松川博爾 
2 0 0 5 0 0 1 0 X 8 東急 11勝17敗 0.393 北川桂太郎

勝利投手 北川桂太郎 2勝4敗 
敗戦投手 別所昭        9勝6敗

二塁打 (南)飯田、山本 (東)長持
本塁打 (東)一言多十 1号

勝利打点(東)大下弘 4


一言多十が満塁本塁打

 第8節3日目、後楽園の第1試合は別所昭と北川桂太郎の先発で午後1時2分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、先頭の一言多十の当りは遊ゴロ、これをショート朝井昇がエラー、横沢七郎は中前打、飯島滋弥の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、大下弘が中前に2点タイムリーを放ち2-0とする。

 南海は4回表、二死後飯田徳治がレフト線に二塁打、山本一人監督が左前にタイムリーを放ち1-2と追い上げる。

 東急は4回裏、先頭の長持栄吉がライト線に二塁打、鈴木圭一郎の右前打で無死一三塁、鈴木清一の右犠飛で3-1、北川のライト線ヒットで一死一三塁、苅田久徳監督は四球を選んで一死満塁、トップに返り一言がライトスタンドにグランドスラム、7-1と大量リードする。

 東急は7回裏、一死後飯島がストレートの四球で出塁、大下が二遊間にヒット、長持が中前にタイムリーを放ち8-1とダメ押す。

 北川桂太郎は5安打4四球3三振で完投、2勝目をあげる。北川の1勝目も完投勝利であったが7回コールドであったため、9回完投勝利はプロ入り初めてのこととなる。

 北川は、島田商業時代に戦前最後のセンバツとなった昭和16年の第18回センバツ大会に右翼手として出場した。ショートの鈴木清一はその時のチームメイトであった。

 満塁本塁打を放った一言多十は島田商業では北川桂太郎の先輩となる。一言は春夏の甲子園に7回出場した名選手であった。この日は後輩を援護する貴重な一打を放った。

2025年3月21日金曜日

22年 大阪vs中日 4回戦

6月6日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 3 0 0 1 6 大阪 22勝7敗 0.759 若林忠志
1 0 0 0 0 2 0 1 0 4 中日 20勝8敗 0.714 藤本英雄 星田次郎

勝利投手 若林忠志 7勝3敗 
敗戦投手 藤本英雄 9勝4敗

二塁打 (大)長谷川、玉置 (中)金山
三塁打 (中)笠石
本塁打 (大)金田正泰 1号 (中)古川清蔵 4号、5号

勝利打点(大)富樫淳 3

猛打賞 (大)金田正泰 1、土井垣武 2


大阪、首位攻防戦を制して10連勝

 直近10試合で9勝1敗の大阪と8勝2敗の中日による首位攻防戦。

 甲子園の第2試合は若林忠志と藤本英雄の先発で午後2時48分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は初回、二死後古川清蔵がレフトスタンドに先制ホームラン、1-0とリードする。

 大阪は2回表、先頭の土井垣武が中前打で出塁すると二盗に成功、更にワイルドピッチで三進、本堂保次は四球で無死一三塁、一死後長谷川善三がスクイズバントを決めて1-1の同点に追い付く。

 大阪は3回表、一死後呉昌征が右前打で出塁、金田正泰も右前打で続いて一死一三塁、富樫淳の左犠飛で2-1と勝ち越す。

 中日ベンチは5回から先発の藤本に代えて星田次郎をマウンドに送る。

 大阪は6回表、一死後本堂が四球を選んで出塁、玉置玉一のレフト線二塁打で一死二三塁、長谷川が四球を選んで一死満塁、若林が押出し死球を受けて3-1、トップに返り呉昌征の二ゴロで若林が二封される間に三走玉置が還って4-1、二走長谷川の三塁オーバーランを見てショート杉浦清監督が三塁に送球するが悪送球、長谷川が還って5-1とする。

 中日は6回裏、一死後笠石徳五郎が右中間に三塁打、二死後古川がこの日2本塁打となるツーランを叩き込んで3-5と追い上げる。

 中日は8回裏、先頭の三村勲に代わる代打大沢清がストレートの四球で出塁、トップに返り笠石に代わる代打服部受弘の遊ゴロでランナーが入れ替わり、金山次郎が中越えにタイムリー二塁打を放ち4-5と1点差に迫る。

 大阪は9回表、先頭の金田正泰がライトスタンドにホームランを叩き込んで6-4と突き放す。

 若林忠志は7安打2四球2三振の完投で7勝目をマークする。

 甲子園にラッキーゾーンが設置されてからホームラン時代が到来した。この日の3本を加えて、5月26日以降5本目になる。

 首位攻防戦を制した大阪は中日に1.5ゲーム差を付けた。

2025年3月20日木曜日

22年 南海vs阪急 6回戦 放棄試合

6月6日 (金) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 11勝19敗 0.367 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 9 南海 18勝11敗 0.621


放棄試合

 前日雨で中止の後楽園はこの日も朝から雨だった。

 気象庁ホームページによると、東京の降水量は昭和22年6月5日は2.0㎜、6月6日は1.4㎜が記録されている。

 この日の第1試合は予定どおり行われた。グラウンドにガソリンを撒いて火を付けてグラウンドを乾かしたのであろう。

 第2試合が予定されていた南海ナインは球場に集まっていたが、阪急ナインは球場に姿を現さなかった。

 阪急の宿舎は食料事情の良い松戸であったが、この日の松戸は東京よりも雨が激しく、勝手に中止と判断したためであった。当時の通信事情では東京と松戸の間の電話は通じにくかったとも言われている。

 昭和21年9月27日のセネタースも同様の理由で球場に姿を現さず「放棄試合」が宣告されて「没収試合」となった。

 この日も阪急にも「放棄試合」が宣告されて「没収試合」となったのでる。

 この結果、阪急は巨人と並んで同率最下位に沈んだ。

2025年3月19日水曜日

22年 巨人vs東急 5回戦

6月6日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
5 0 0 0 2 0 1 0 0 8 巨人 11勝19敗 0.367 中尾輝三 
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 東急 10勝17敗 0.370 黒尾重明

中尾輝三 3勝5敗 
黒尾重明 2勝4敗

二塁打 (巨)呉新亨、千葉 (東)横沢、飯島
三塁打 (巨)小松原、川上

勝利打点(巨)千葉茂 3

猛打賞 (巨)千葉茂 5


黒沢に捧げる勝利

 昨日雨天中止であった後楽園は本日も雨模様の中、第1試合は中尾輝三と黒尾重明の先発で午後1時10分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 黒沢俊夫は病気が悪化してこの日から戦列を離れた。

 巨人は初回、先頭の呉新亨が左前打で出塁、平山菊二の右前打で無死一三塁、千葉茂が一二塁間にタイムリーを放ち1点を先制、川上哲治の中前タイムリーで2-0、小松原博喜が左中間に2点タイムリー三塁打を放ち4-0、古家武夫の三ゴロの間に三走小松原が還って一気に5点を先制する。

 黒沢を欠く巨人打線の迫力溢れる先制攻撃であった。

 巨人は5回表、一死後千葉が中前打で出塁、川上は5球ファウルで粘って四球を選び、小松原のレフト線タイムリーで6-0、古家の中犠飛で7-0とリードを広げる。

 巨人は7回表、一死後千葉が右中間に二塁打、川上の右中間三塁打で8-0と突き放す。

 東急は8回裏、二死後横沢七郎、飯島滋弥の連続二塁打で1点を返すが反撃もここまで。

 中尾輝三は4安打6四球7三振の完投で3勝目をマークする。

 黒沢が不振の続く巨人で病気を隠しながらプレーを続けていたことはナインに衝撃を与えた。この日の勝利は、黒沢に捧げる勝利であった。

2025年3月18日火曜日

22年 太陽vs金星 6回戦

6月6日 (金) 甲子園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 1 0 0 0 0 3 太陽 12勝17敗 0.414 スタルヒン
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 金星 12勝18敗 0.400 内藤幸三 重松通雄 

勝利投手 スタルヒン 4勝5敗 
敗戦投手 内藤幸三     2勝4敗

三塁打 (金)大友

勝利打点 なし

猛打賞 (太)佐竹一雄 3


スタルヒン、完投で4勝目

 第8節2日目、甲子園の第1試合はスタルヒンと内藤幸三の先発で午後1時丁度、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は2回表、先頭の藤井勇の遊ゴロをショート酒沢政夫がエラー、佐竹一雄がレフト線にヒットを放って無死一二塁、一死後伊勢川真澄の右前打で二走藤井はホームを狙うがライト門馬祐からの好返球にタッチアウト、佐竹は三塁に進んで二死一三塁、ここで伊勢川がディレードスチール、キャッチャー辻勇夫が二塁に送球して伊勢川は故意に一二塁間に挟まれ、「2-6-3-4」の「挟殺プレーで時間を稼ぐ間に三走佐竹がタイミング良くホームに還って1点を先制する。

 太陽は3回表、先頭の蔵本光夫が中前打で出塁、スタルヒンの投ゴロでランナーが入れ替わり、トップに返り荒川昇治はストレートの四球、辻井弘も四球を選んで一死満塁、中谷順次の投ゴロの間に三走スタルヒンが還って2-0とする。

 内野ゴロで三塁走者が還って得点が入った場合は、通常は打者に打点が記録される。しかし、治村宗三記録員は「中谷の投ゴロをピッチャー内藤がホームに送球していればアウトであったタイミングにも関わらず一塁に送球した」と判断して中谷に打点を記録しなかった。

 金星ベンチは4回から内藤に代えて重松通雄をマウンドに送る。

 太陽は5回表、一死後荒川が右前打で出塁、辻井の右前打で一死一三塁、中谷の二ゴロ併殺崩れの間に三走荒川が還って3-0とする。

 併殺崩れなので今度は中谷に打点が記録された。

 金星は5回裏、先頭の小前博文が二遊間にヒット、大友一明が左中間にタイムリー三塁打を放ち1-3、一死後辻の右犠飛で2-3と追い上げる。

 スタルヒンは6回以降金星打線を無得点に抑え込み、6安打2四球5三振の完投で4勝目をマークする。

2025年3月17日月曜日

22年 大阪vs太陽 5回戦

6月5日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 2 6 0 0 0 9 大阪 21勝7敗 0.750 御園生崇男 武智修 
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 太陽 11勝17敗 0.393 池田善蔵 井筒研一 

勝利投手 御園生崇男 8勝0敗 
敗戦投手 池田善蔵     3勝4敗 
セーブ     武智修     2

二塁打 (太)佐竹2
三塁打 (大)呉昌征 (太)荒川

勝利打点(大)土井垣武 3


大阪9連勝

 甲子園の第2試合は御園生崇男と池田善蔵の先発で午後3時丁度、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁すると二盗に成功、金田正泰も四球、富樫淳の二ゴロで金田が二封されて一死一三塁、藤村富美男の三ゴロで三走呉がホームを突くが、サード中谷順次からの本塁送球にタッチアウト、二死一二塁から土井垣武の中前タイムリーで1点を先制する。

 太陽は、2回に佐竹一雄が二塁打、3回に荒川昇治が三塁打、4回に佐竹が2本目の二塁打と、散発的に長打を放つが御園生に抑えられて無得点。

 大阪は5回表、二死後御園生が四球で出塁、トップに返り呉も四球、金田が右前にタイムリーを放ち2-0、呉は三塁に進んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて3-0とする。

 三走呉昌征-一走金田正泰のコンビでは5月24日の巨人戦でも重盗を決めていた。

 大阪は6回表、先頭の藤村が中前打で出塁、土井垣も中前打、本堂保次の三ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、玉置玉一の四球で一死満塁、長谷川善三の中前タイムリーで4-0、御園生の一塁線タイムリーで5-0、トップに返り呉が押出し四球を選んで6-0、金田も押出し四球で7-0、二死後藤村が左前に2点タイムリーを放ち9-0と突き放す。

 大阪は6回から御園生に代わって武智修がマウンドに上がる。

 太陽は6回裏、荒川のヒットと中谷のタイムリーで1点を返すが焼け石に水。

 御園生崇男は5回を無失点、開幕から無傷の8連勝をマークする。

 中日も負けずに食らい付いてくるが、大阪は9連勝で半ゲーム差の首位の座を守った。

2025年3月13日木曜日

22年 中日vs金星 5回戦

6月5日 (木) 甲子園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 2 0 3 中日 20勝7敗 0.741 服部受弘 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金星 12勝17敗 0.414 三富恒雄 

勝利投手 服部受弘 6勝0敗 
敗戦投手 三富恒雄 1勝4敗

三塁打 (金)門馬
本塁打 (中)小鶴誠 2号

勝利打点(中)小鶴誠 3


復調小鶴が決勝本塁打

 第8節初日、後楽園の試合は雨のため中止で甲子園の2試合のみ。梅雨の季節になってしばらく天候不順が続くことになる。

 甲子園の第1試合は服部受弘と三富恒雄の先発で午後1時6分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は4回表、二死後小鶴誠がレフトスタンドに先制ホームラン、1-0とリードする。

 中日は8回表、先頭の加藤正二が中前打で出塁、三村勲の右前打で無死一二塁、服部の遊ゴロをショート酒沢政夫がエラー、二走加藤がホームに還って2-0、無死一二塁から藤原鉄之助の中飛で二走三村がタッチアップから三塁を狙うがセンター坪内道則監督からの送球にタッチアウト、一走服部はタッチアップから二塁に進み、トップに返り笠石徳五郎はストレートの四球、金山次郎が左前にタイムリーを放ち3-0とする。

 金星は8回裏、一死後門馬祐が右中間に三塁打、トップに返り坪内の痛烈なピッチャー返しを服部がキャッチ、三走門馬は戻れず「1-5」と渡ってダブルプレー。

 服部受弘は4安打3四球4三振で今季初完封、無傷の6連勝を飾る。

 5月まで62打数7安打1割1分3厘と極度の不振に陥っていた小鶴誠は、6月2日の阪急戦で3打数3安打とようやく復活、この日も第2号決勝本塁打の活躍を見せた。

 中日はこの時点で首位大阪に並んだ。第2試合で大阪は太陽と対戦する。

2025年3月11日火曜日

22年 第7節 週間MVP

週間MVP 
投手部門 
 大阪 梶岡忠義 1 2勝0敗はいずれも1点差完投勝利。
打撃部門 
 金星 清原初男 1 19打数10安打2得点2打点。 現在3割7分7厘で首位打者。

殊勲賞
 巨人 千葉茂 1 2試合連続猛打賞&V打。 
 太陽 スタルヒン 1 31日の巨人戦で11回表決勝本塁打。 
 金星 大友一明 1 6月1日の阪急戦で決勝の逆転ツーラン。 
 金星 江田孝 1 30日の近畿戦で2安打完封。 

敢闘賞
 東急 飯島滋弥 1 17打数8安打4得点5打点。 
 南海 田川豊 1 21打数8安打2得点3打点6盗塁。 

技能賞
 金星 西沢道夫 1 2試合連続決勝犠飛。 
 大阪 呉昌征 1 29日の東急戦でセンターから挟殺プレーに参加して「6-4-5-8」で刺殺を記録。 
 東急 鈴木圭一郎 1 30日の巨人戦でファウルフライをベンチで捕球 。
 中日 金山次郎 1 31日の金星戦で4打席連続四球。

2025年3月10日月曜日

黒沢俊夫、最後のヒット

 昭和22年6月2日、東急vs巨人戦4回裏、黒沢俊夫は左前に通算459本目のヒットを放った。

 黒沢はこの試合を最後に戦列を離れ、6月23日に病没することになる。最下位に低迷する巨人で、病気を隠してプレーを続けていたと言われている。

 7月9日に背番号「4」は球界初の永久欠番に制定される。

2025年3月9日日曜日

22年 東急vs巨人 4回戦

6月2日 (月) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 3 0 0 4 東急 10勝16敗 0.385 黒尾重明 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 巨人 10勝19敗 0.345 川崎徳次

勝利投手 黒尾重明 2勝3敗 
敗戦投手 川崎徳次 3勝5敗

三塁打 (東)黒尾

勝利打点(東)鈴木清一 1


黒尾重明、3安打ピッチング

 後楽園の第2試合は黒尾重明と川崎徳次の先発で午後3時9分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は5回表、先頭の黒尾がセンター後方に三塁打、苅田久徳監督は四球を選んで無死一三塁、鈴木清一の中犠飛で1点を先制する。

 東急は7回表、先頭の黒尾が右前打で出塁、苅田が送りバントを決めて一死二塁、鈴木清一の右前タイムリーで2-0、一死後横沢七郎が右前打。ライト小松原博喜からの返球が悪送球となる間に二者進塁して一死二三塁、飯島滋弥が中前に2点タイムリーを放ち4-0と突き放す。

 巨人は7回裏、一死後千葉茂が四球を選んで出塁、川上哲治も四球で一死一二塁、ここでダブルスチールを敢行、キャッチャー鈴木圭一郎からの三塁送球が悪送球となって千葉が生還、1点を返すが反撃もここまで。

 黒尾重明は3安打4四球4三振、自責点ゼロの完投で2勝目をマークする。

 七番黒尾と九番鈴木清一のコンビで2点をあげたことが大きかった。黒尾は4月26日にも右中間に三塁打を打っており、ピッチャーながら七番に起用されている。苅田監督らしい起用方法である。

 巨人の安打は黒沢俊夫、平山菊二、川上哲治の3本だけ。黒沢は生涯最後のヒットであった。

2025年3月7日金曜日

22年 南海vs金星 4回戦

6月2日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 2 5 0 0 0 0  1  8 南海 17勝11敗 0.607 丸山二三男
0 0 0 0 1 0 0 6 0  0  7 金星 12勝16敗 0.429 内藤幸三 門馬祐 江田孝

勝利投手 丸山二三雄 5勝2敗 
敗戦投手 江田孝         4勝7敗

二塁打 (南)朝井、丸山
三塁打 (南)朝井

勝利打点(南)田川豊 3

猛打賞 (金)清原初男 4


南海ホークス初勝利

 西宮の第2試合は丸山二三雄と内藤幸三両左腕の先発で午後2時55分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 南海は4回表、先頭の朝井昇が四球を選んで出塁、飯田徳治の三ゴロで朝井は二進、山本一人監督はストレートの四球で一死一二塁、堀井数男の三塁線タイムリーで1点を先制、二死後丸山がレフト線にタイムリー二塁打を放ち2-0とする。

 南海は5回表、先頭の安井亀和が四球を選んで出塁、トップに返り田川豊は一塁線にヒット、安井、田川の俊足コンビがダブルスチールを決めて無死二三塁、一死後飯田の左前タイムリーで3-0、飯田が二盗を決め、山本は四球で一死満塁、堀井が左前に2打席連続のタイムリーを放ち4-0、岡村俊昭が中前に2点タイムリーを放ち6-0、丸山も右前にタイムリーを放ち7-0と大量リードする。

 金星は5回裏、先頭の坪内道則監督が左前打で出塁、酒沢政夫の二ゴロの間に坪内は二進、清原初男の中前打で一死一三塁、西沢道夫の左犠飛で1点を返す。

 金星は8回裏、先頭の小前博文が中前打で出塁、大友一明が左前打で続いて無死一二塁、7回から内藤に代わってマウンドに上がっていた門馬祐が右前にタイムリーを放ち2-7、辻勇夫の左前タイムリーで3-7、山本秀男は四球を選んで無死満塁、トップに返り坪内の左犠飛で4-7、レフト堀井からの本塁送球を中継したセカンド安井の悪送球で二走辻は三塁に、一走山本は二塁に進んで一死二三塁、酒沢の連続左犠飛で5-7、清原の中前タイムリーで6-7と1点差、西沢の中前タイムリーで7-7の同点に追い付く。

 金星は9回から三番手として江田孝がマウンドに上がる。

 南海は10回表、二死後坂田清春が左前打で出塁、安井はストレートの四球で二死一二塁、トップに返り田川が右前にタイムリーを放ち8-7と勝ち越す。

 丸山二三男は14安打を打たれたが1四球1死球4三振の完投で5勝目をマークする。
 金星は14安打全てがシングルヒットであった。

 南海ホークスはチーム名改称後初勝利をあげた。

2025年3月6日木曜日

22年 阪急vs中日 5回戦

6月2日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 11勝18敗 0.379 森弘太郎 天保義夫 
0 1 0 2 0 1 0 0 X 4 中日 19勝7敗 0.731 清水秀雄

勝利投手 清水秀雄 3勝3敗 
敗戦投手 森弘太郎 1勝3敗

二塁打 (中)古川

勝利打点(中)三村勲 2

猛打賞 (急)野口明 2 (中)小鶴誠 1


小鶴が復活、清水は今季初完封

 西宮の第1試合は森弘太郎と清水秀雄の先発で午後1時8分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は2回裏、先頭の小鶴誠が中前打で出塁、杉浦清監督が送りバントを決めて一死二塁、加藤正二の三ゴロに二走小鶴が飛び出してしまい二三塁間でタッチアウト、加藤が二盗に成功、キャッチャー日比野武の悪送球もあって加藤は三塁に進み、三村勲の右前タイムリーで1点を先制する。

 中日は4回裏、先頭の古川清蔵が四球を選んで出塁、小鶴の三遊間ヒットで古川が三塁に進んで無死一三塁、ダブルスチールを決めて2-0、一死後加藤の中前タイムリーで3-0とリードを広げる。

 中日は6回裏、一死後古川がレフト線に二塁打、小鶴の左前タイムリーで4-0と突き放す。

 清水秀雄は安定した投球を見せて5安打3四球3三振、今季初完封で3勝目をマークする。

 強竜打線の中で不振だった小鶴誠が今季初の猛打賞。

 中日は首位を走る大阪に半ゲーム差で食らい付いている。

2025年3月5日水曜日

22年 太陽vs大阪 4回戦

6月2日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 1 0 0 0 0 2 0  0  3 太陽 11勝16敗 0.407 藤村隆男 井筒研一 
0 0 3 0 0 0 0 0 0 1X 4 大阪 20勝7敗 0.741 渡辺誠太郎 若林忠志

勝利投手 若林忠志 6勝3敗 
敗戦投手 井筒研一 0勝1敗

二塁打 (太)松井、中谷 (大)藤村
三塁打 (太)藤村、辻井

勝利打点(大)玉置玉一 1


大阪、3試合連続サヨナラ勝ちで8連勝

 第7節最終日、後楽園の第1試合は藤村隆男と渡辺誠太郎の先発で午後1時4分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は3回表、先頭の松井信勝が左中間に二塁打、藤村隆男が右中間にタイムリー三塁打を放ち1点を先制、一死後辻井弘の左飛で三走藤村はタッチアップからホームを狙うがレフト金田正泰からの好返球にタッチアウト。

 大阪は3回裏、一死後長谷川善三が四球を選んで出塁、トップに返り塚本博睦の中前打で一死一三塁、金田が中前に同点タイムリーを放ち1-1、富樫淳の遊ゴロでショート松井はゲッツーを狙って二塁に送球するがセカンド荒川昇治が落球、その間に金田が還って2-1と逆転、藤村富美男が四球を選んで一死満塁、土井垣武も押出し四球で3-1、太陽ベンチはここで先発の藤村隆男から井筒研一にスイッチ、本堂保次の中飛で三走富樫がタッチアップからホームを狙うがセンター森下重好からの好返球にタッチアウト。

 太陽は8回表、先頭の松井が四球を選んで出塁、井筒は二飛に倒れるが、セカンド本堂からの一塁送球が悪送球となる間に松井は二進、二死後辻井が右中間にタイムリー三塁打を放ち2-3と1点差、中谷順次が左中間に同点タイムリー二塁打を放ち3-3と追い付く。大阪はここで先発の渡辺が降板して若林忠志がマウンドに上がる。

 太陽は9回表、先頭の森下が左前打で出塁、伊勢川真澄が送りバントを決めて一死二塁と勝越しのチャンスを作るが後続なく無得点。

 大阪は9回裏、先頭の長谷川がストレートの四球で出塁、しかしトップに返り塚本は強攻策に出て「5-4-3」のゲッツー、金田も一ゴロに倒れて試合は延長へ。

 大阪は10回裏、一死後藤村が左中間に二塁打、土井垣は敬遠、本堂が中前打で続いて一死満塁、玉置玉一の二ゴロの間に三走藤村がサヨナラのホームに還って大阪が3試合連続のサヨナラ勝ち。

 大阪は5月23日の近畿戦で7点差をひっくり返して逆転勝ちしてから8連勝と勢いに乗る。

2025年3月3日月曜日

22年 巨人vs大阪 5回戦

6月1日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
3 0 0 0 0 0 1 0 0  0   0   0  4 巨人  10勝18敗 0.357 多田文久三 
1 2 0 1 0 0 0 0 0  0   0  1X 5 大阪  19勝7敗 0.731 梶岡忠義

勝利投手 梶岡忠義     6勝2敗 
敗戦投手 多田文久三 0勝1敗

二塁打 (巨)多田 (大)藤村
三塁打 (大)塚本
本塁打 (巨)小松原博喜 2号

勝利打点(大)藤村富美男 2

猛打賞 (大)藤村富美男(4安打)3


藤村富美男がサヨナラ打

 後楽園の第2試合は多田文久三と梶岡忠義の先発で午後3時2分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、先頭の山川喜作が四球を選んで出塁、一死後山川が二盗に成功、二死後川上哲治が右前に先制タイムリーを放ち1-0、ライト富樫淳が打球を逸らして川上は二進、当たっている小松原博喜がレフトスタンドにツーランを叩き込んで3-0とリードする。

 大阪は1回裏、二死後富樫が中前打で出塁、藤村富美男の左越え二塁打で二死二三塁、多田のワイルドピッチで富樫が還って1-3とする。

 大阪は2回裏、先頭の本堂保次が左前打で出塁、一死後長谷川善三が中前打、二死後トップに返り塚本博睦が中越えに同点の2点タイムリー三塁打を放ち3-3と追い付く。

 大阪は4回裏、先頭の玉置玉一が右中間にヒット、一死後梶岡の右前打で一三塁、トップに返り塚本は四球で一死満塁、金田正泰の右犠飛で4-3と逆転に成功する。

 巨人は7回表、一死後多田が左越えに二塁打、当たっている内堀保の中前タイムリーで4-4の同点に追い付く。

 その後は多田と梶岡の熱投が続き、試合は延長12回まで進む。梶岡の投球数は188球に達した。

 大阪は12回裏、先頭の塚本がストレートの四球で出塁、金田が三塁線にヒット、呉昌征が送りバントを決めて一死二三塁、藤村が多田の166球目を左前にサヨナラヒット、熱戦に終止符を打つ。

 梶岡忠義は9安打5四球5三振、12回を188球で完投し6勝目をマークする。

 12回裏は藤村を敬遠する手もあったが、その後も土井垣、本堂と強打者が続くので多田は勝負に出た。打線に隙が無いことがダイナマイト打線の強みである。

 一方の巨人では、山川、小松原、内堀だけが当たっているが、打順は一番、五番、八番と離れているので打線に繋がりがない。四番の川上も3割を超える打率を残しているが、小松原を投手として起用しているので常時川上の後ろを打ってはいないため、川上が歩かされると得点できないパターンが確立されているのである。

 黒沢俊夫は6打数無安打に終わった。最下位に低迷する巨人で病気を隠して出場を続けていたが、限界が近付いてきた。

2025年3月2日日曜日

22年 南海vs中日 5回戦

6月1日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 16勝11敗 0.593 別所昭 
0 0 0 2 0 0 0 0 X 2 中日 18勝7敗 0.720 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄 9勝3敗 
敗戦投手 別所昭     9勝5敗

二塁打 (南)山本 (中)金山、杉浦
三塁打 (中)大沢

勝利打点(中)古川清蔵 3


藤本英雄、エース対決を制す

 西宮の第2試合は別所昭と藤本英雄両エースの先発で午後2時54分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 近畿グレートリングはこの日からチーム名を南海ホークスに改称した。

 3回まで無安打の中日は4回裏、先頭の金山次郎がレフト線に二塁打、古川清蔵が中前に先制タイムリーを放ち1-0、杉浦清監督の遊ゴロの間に古川は二進、大沢清がセンター左後方にタイムリー三塁打を放ち2-0とりーどする。

 中日先発の藤本は3回まで無安打ピッチング。4回から7回までは毎回ヒットを許すが、5回は「4-6-3」、7回は「5-4-3」の併殺で切り抜ける。

 南海先発の別所も4回以外は無失点。

 南海は最終回、先頭の朝井昇が中前打で出塁、しかし岡村俊昭の二ゴロは「4-6-3」と渡ってこの日3つ目のゲッツー、最後は山本一人監督が中飛に倒れて「南海ホークス」としての初日を飾ることはできなかった。

 藤本英雄は6安打1死球1三振の完封でエース対決を制し、9勝目をマークしてハーラートップの別所に並んだ。