昭和22年6月1日より、近畿グレートリングは南海ホークスにチーム名を変更した。
変更理由は有名なのでここでは省略する。
昭和22年5月30日現在、4位の金星は11勝14敗勝率4割4分、最下位の太陽は9勝15敗勝率3割7分5厘。
1.5ゲーム差の中に4位から8位の5球団がひしめき合う大混戦となっている。
開幕から出遅れていた阪急が盛り返してきており、一時は単独最下位だった巨人もようやく上向いてきた。最下位の金星は投手陣が6完封を記録しているように好調。太陽も打線が好調で、東急は安定した試合運びが続いている。
月間MVP争いは、投手部門は藤本英雄、別所昭、御園生崇男の上位3球団の争いであるが、打撃部門は藤井勇、川上哲治、清原初男の下位球団の争いになっているのが特徴である。
昭和22年5月30日現在、3割7分2厘で首位打者の清原初男は、開幕から103打席で無三振。
ルーキーシーズンの昭和21年も101打席で1三振だけだっだので、プロ入り以来、通算204打席で1三振である。
三振が少ないミート打法なので長打は少ない。月間MVPは、川上哲治、藤井勇との争いとなるが、その点がネックになる可能性もある。
週刊MVP
昭和22年5月26日から、甲子園球場にラッキーゾーンが設置された。
この年の第6節は5月22日から25日に行われる予定であったが、25日(日)は雨天により中止となり、26日(月)に順延されたため、雨の日曜日にラッキーゾーンが設置され、初試合が5月26日になったのである。
第7節は5月29日から西宮球場で組まれていたので、当初の予定では6月5日から始まる第8節が初お目見えであったはずである。中途半端に第6節の最終日からになった事情は推測しかできない。
工事の予定が本来であれば第6節終了翌日の5月26日から第8節が始まる前日の6月4日までに組まれていたはずであるが、5月25日に設置工事が行われたということは、元々26日(月)に工事が予定されていて、27日以降は施工業者の予定が詰まっていたところ、25日(日)が雨で試合中止となってしまって26日にも順延試合を行わなければならなくなったため、設置工事を1日早めて雨の中、25日(日)に工事を行い、26日が初試合になったとしか考えられない。
戦後の復興期だったので、施行業者のスケジュールもギリギリ一杯だったのだろう。当然、施工に従事した方々には休日出勤手当てが支払われたはずである。