2019年1月27日日曜日

19年 産業vs朝日 5回戦


7月30日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 産業 10勝17敗1分 0.370 野口正明
0 1 1 0 3 0 0 0 X 5 朝日 8勝18敗1分 0.308 松尾幸造

勝利投手 内藤幸三 7勝7敗
敗戦投手 野口正明 4勝4敗

二塁打 (産)藤原 (朝)仁木
三塁打 (朝)内藤

勝利打点 桜沢三郎 1

猛打賞 (朝)仁木安 2


内藤幸三、力で捻じ伏せる

 朝日は金光彬夫がプロ入り初めてスタメンマスクを被り四番キャッチャー。実は、筆者も高校3年の時は四番キャッチャーでした。神奈川軟式ですが(笑)。

 朝日は2回、その金光が3球ファウルで粘った末四球を選んで出塁、菊矢吉男は中飛に倒れるが、内藤幸三も四球、仁木安が三前にバントヒットを決めて一死満塁、田端美夫は一飛に倒れるが、桜沢三郎が押出し四球を選んで1点を先制する。

 朝日は3回、先頭の酒沢政夫がセーフティバントを試みるが投ゴロ一塁アウト、坪内道則が左前打で出塁、金光は左飛に倒れるが、坪内が二盗に成功、菊矢がレフト線にタイムリーを放って2-0とする。

 朝日は5回、先頭の田中豊一の当りは二ゴロ、これをセカンド小坂三郎がエラー、田中が二盗を決め、酒沢は右飛に倒れて一死二塁、坪内が中前にタイムリーを放って3-0、坪内が二盗を決め、金光は左飛に倒れるが、菊矢が左前にタイムリーを放って4-0、内藤が右越えに三塁打を放って5-0と大きくリードする。

 産業は9回、一死後金山次郎がセンター前にクリーンヒット、藤原鉄之助がライト線に二塁打を放って一死二三塁、野口正明の当りはピッチャーライナー、捕球したピッチャー内藤が二塁に送球するが悪送球、この間に三走金山が生還して1-5とするが反撃もここまで。

 内藤幸三は自らのエラーで完封を逃したものの、4安打3四球7三振、自責点ゼロの完投で7勝目をあげる。

 朝日守備陣は補殺が3個のみ、すなわち、遊ゴロが2個と投ゴロが1個のみ。三振が7個で残りの17個のアウトの内訳は、遊飛が4個、二飛が1個、三飛が1個、一邪飛が1個、投直が1個、捕邪飛が1個、中飛が3個、右飛が4個、右直が1個。

 アウトの大半をフライが占めており、この記録は内藤幸三の球威が優れていたことを物語っている。産業打線では左打者は松尾幸造だけで右打者が多かったが、左飛がゼロであったことからも内藤の球の力が優っていたことを示している。

 

2019年1月23日水曜日

19年 産業vs近畿 7回戦


7月29日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 産業 10勝16敗1分 0.385 井上嘉弘 大沢紀三男
0 2 0 1 1 0 2 0 X 6 近畿 8勝16敗1分 0.333 清水秀雄

勝利投手 清水秀雄 5勝7敗
敗戦投手 井上嘉弘 1勝2敗

二塁打 (産)藤原 (近)清水、八木

勝利打点 加藤喜作 1


清水秀雄、今季3度目の完封

 近畿は2回、先頭の清水秀雄が左越えに流し打って二塁打、岡村俊昭の中前打で無死一三塁、八木進は浅い左飛に倒れ、荒木正の投ゴロで三走清水は動けず岡村は二進、二死二三塁から加藤喜作のショートへの内野安打がタイムリーとなって1点を先制、ショート金山次郎からの一塁送球が悪送球となる間に二走岡村も還って2-0とする。

 近畿は4回、一死後岡村が四球を選んで出塁、八木は遊飛に倒れるが、荒木の一二塁間ヒットで二死一三塁、加藤がライト線に2打席連続となるタイムリーを放って3-0とする。

 近畿は5回、先頭の松川博爾がストレートの四球で出塁、吉川義次は三飛に倒れ、堀井数男の遊ゴロでランナーが入れ替わり、堀井が二盗、清水は四球、岡村も四球を選んで二死満塁、八木の中前タイムリーで4-0と突き放す。

 近畿は7回、二死後岡村が三前にバントヒット、八木がレフト線に二塁打を放って二死二三塁、八木の打席で2球目、キャッチャー藤原鉄之助からのピッチャーへの返球が逸れる間に三走岡村が還って5-0、荒木が左前にタイムリーを放って6-0とダメ押す。

 清水秀雄は5安打3四球6三振で今季3度目の完封、5勝目をあげる。

 近畿は9安打を記録したがヒットを打ったのは四番から八番の5人だけ。五番岡村俊昭が3得点を記録したように、八木進、荒木正、加藤喜作の下位打線が適時打を打ちまくった。

 

2019年1月22日火曜日

19年 阪神vs朝日 7回戦


7月29日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 1 0 0 3 0 0 0 1 7 阪神 20勝5敗2分 0.800 若林忠志
1 0 0 0 0 0 2 0 2 5 朝日 7勝18敗1分 0.280 菊矢吉男

勝利投手 若林忠志 16勝3敗
敗戦投手 菊矢吉男   0勝4敗

二塁打 (朝)田中、仁木2

勝利打点 藤村冨美男 3


武智修、5打席連続出塁

 阪神は初回、先頭の塚本博睦が二遊間にヒット、辻源兵衛が右前打を放って無死一二塁、呉昌征の一ゴロで辻は二封、呉が二盗を決めて一死二三塁、ここで藤村冨美男が中前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とする。

 朝日は1回裏、先頭の田中豊一が左中間に二塁打、酒沢政夫がセオリーどおり右に流して二ゴロ、これが進塁打となって二走田中は三進、坪内道則が中前にタイムリーを放って1-2と追い上げる。


 阪神は2回、先頭の森田明義が右前打で出塁、武智修の三前バントが内野安打となって無死一二塁、朝日ベンチはここで先発の菊矢吉男をファーストに回してファーストの内藤幸三がマウンドに上がり、トップに返り塚本の捕前バントにキャッチャー吉田弘がダッシュよく飛び出し二走森田は三封、辻は中飛に倒れて二死一二塁、ここで呉昌征がライト線にタイムリーを放って3-1と突き放す。


 阪神は5回、先頭の呉昌征が四球で歩くとこの日2個目の二盗に成功、藤村の中前打で無死一三塁、藤村が二盗を決めて無死二三塁、本堂保次のサードライナーに二走藤村が飛び出しており、サード金光彬夫が二塁に送球するがセカンド桜沢三郎がファンブルする間に三走呉がホームに還って4-1、藤村は二塁にストップ、門前真佐人がストレートの四球を選んで一死一二塁、若林忠志の右前タイムリーで5-1、一走門前が三塁に走り、ライト田中からのバックサードが悪送球となる間に門前まで生還して6-1とリードを広げる。


 朝日は7回裏、7回表から内藤に代わって三番手としてマウンドに上がっている先頭の大橋一郎が中前打で出塁、仁木安の一塁線二塁打で無死二三塁、7回表からサードの守備に就いた田端美夫の三ゴロの間に三走大橋が還って2-6、一死一三塁となって桜沢の遊ゴロの間に三走仁木が生還、渋い得点経過で3-6と追い上げる。


 阪神は9回表、一死後本堂が四球を選んで出塁、門前は中飛に倒れるが、本堂が二盗を決めて二死二塁、若林が四球を選んで二死一二塁、ここでダブルスチールに成功、森田も四球で二死満塁、武智が押出し四球を選んで7-3とダメ押す。


 朝日は9回裏、先頭の田端が二塁にヒット、桜沢は二飛に倒れるが、トップに返り田中の中前打で一死一二塁、酒沢が四球を選んで一死満塁、坪内のピッチャー強襲ヒットがタイムリーとなって4-7、菊矢は捕邪飛に倒れて二死満塁、金光が三塁にタイムリーを放って5-7と最後の粘りを見せるが、途中出場で2打数2安打と当っている大橋は三ゴロに倒れてゲームセット。


 若林忠志は13安打を許しながら3四球1三振の完投で16勝目をマークする。


 朝日の3投手は合計9個の四球を乱発、阪神は12残塁、朝日は10残塁の乱戦となった。


 この中で光ったのは阪神の九番打者・武智修の活躍。2本の内野安打と3四球で5打席連続出塁を記録して、前日から7打席連続出塁を継続中である。


 

2019年1月20日日曜日

19年 産業vs阪神 5回戦


7月25日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 産業 10勝15敗1分 0.400 井上嘉弘
0 0 0 2 0 0 0 1 X 3 阪神 19勝5敗2分 0.792 若林忠志

勝利投手 若林忠志 15勝3敗
敗戦投手 井上嘉弘   1勝1敗

二塁打 (産)加藤 (神)本堂

勝利打点 武智修 3


本堂保次、3試合連続犠飛

 産業は2回、先頭の藤原鉄之助が中前打で出塁、松尾幸造の一ゴロの間に藤原は二進、大沢紀三男の遊ゴロの間に藤原は三進、須原武志が左前にタイムリーを放ち1点を先制する。

 阪神は4回、先頭の本堂保次が左中間深く二塁打、門前真佐人の二前プッシュバントが内野安打となって無死一三塁、門前が二盗を決め、若林忠志は三振に倒れて一死二三塁、、森田明義の遊ゴロで三走本堂がホームに突っ込み、ショート金山次郎がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1-1の同点、なお一死一三塁から武智修が左前に逆転の決勝タイムリーを放って2-1とする。

 阪神は8回、先頭の御園生崇男が中前にクリーンヒットを放つと二盗に成功、藤村冨美男の右飛で御園生はタッチアップから三塁に進み、本堂の左犠飛で3-1とダメ押す。

 若林忠志は7安打1四球2三振の完投で15勝目をマークする。

 この試合で両軍全員刺殺を記録した。刺殺で最も困難なのは投手であるが、阪神1回の攻撃で御園生崇男が井上嘉弘へのピッチャーライナー、産業8回の攻撃で井上嘉弘が若林忠志へのピッチャーライナーを記録して両軍全員刺殺が達成された。

 この試合の歴史的価値は本堂保次が3試合連続犠飛を記録したことにある。この時代には公式記録では「犠飛」は記録されていないので、これは歴史的発見となります。スコアカードから全犠飛を拾い上げている当ブログ以外では発見できないでしょうね。

 

2019年1月17日木曜日

19年 巨人vs朝日 5回戦


7月25日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 1 1 0 0 0 0 3 巨人 15勝9敗2分 0.625 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 朝日 7勝17敗1分 0.292 菊矢吉男

勝利投手 藤本英雄 7勝4敗
敗戦投手 菊矢吉男 0勝3敗

二塁打 (朝)田中

勝利打点 なし


宮下信明が2試合連続殊勲打

 巨人は3回、一死後黒沢俊夫が四球を選ぶと二盗に成功、近藤貞雄の遊ゴロの間に黒沢は三進、中村政美はストレートの四球で二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制する。

 巨人は4回、一死後六番・杉江繁雄が四球を選んで出塁、七番・佐藤武夫は遊飛に倒れるが、杉江が二盗に成功、八番・宮下信明が中前にタイムリーを放って2-0とする。宮下は「8-1-3」でアウトとなったが、これは二走杉江の本塁生還を助けるためのアシストであったかもしれない。この記録からも分かるとおり、昭和19年時点においても外野からの本塁送球にはピッチャーがカットに入っていた。

 巨人は5回、先頭の九番・渡部弘が左前打を放って出塁、トップに返り黒沢はストレートの四球、近藤の遊ゴロで黒沢が二封されて一死一三塁、中村の右犠飛で3-0とリードを広げる。

 巨人は7回、先頭の好調・宮下が左前打で出塁、渡部も四球を選んで無死一二塁、トップに返り黒沢が三前にバントヒットを決めて無死満塁、近藤の中飛で三走宮下がタッチアップからホームを狙うが、センター坪内道則からのバックホームにタッチアウト、この回は無得点に終わる。

 6回まで3安打無得点の朝日は7回裏、一死後田端美夫の当りは二ゴロ、これをセカンド渡部がエラー、吉田弘は四球を選んで一死一二塁、桜沢三郎の左前打で一死満塁、トップに返り酒沢政夫の遊ゴロをショート杉江がエラーする間に二者生還して2-3と1点差に追い上げるが反撃もここまで。

 藤本英雄は5安打3四球7三振、2失点自責点ゼロの完投で7勝目をあげる。

 巨人は八番・宮下信明と九番・渡部弘の活躍で2連勝。但し、7回はセカンド渡部とショート杉江繁雄のエラーで冷や汗をかいた。下位を打つ内野陣の踏ん張りが今季の明暗を分けることとなる。

 宮下信明は4回と7回に暴走気味にタッチアウトとなったが、これは打撃好調が走塁にも積極性を生んでいると解すべきであろう。戦後は投手に転向して昭和25年には14勝をあげることとなる。ここにも積極的な性格が見て取れる。

 

2019年1月15日火曜日

19年 巨人vs産業 7回戦


7月24日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 4 0 2 0 0 0 0 0 6 巨人 14勝9敗2分 0.609 近藤貞雄 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 産業 10勝14敗1分 0.417 森井茂 井上嘉弘

勝利投手 近藤貞雄 2勝3敗
敗戦投手 森井茂    5勝11敗

二塁打 (巨)近藤、黒沢、宮下、渡部 (産)小坂
本塁打 (巨)佐藤 1号

勝利打点 なし

巨人、下位打線の爆発で連敗ストップ

 産業は初回、先頭の小坂三郎が右中間に二塁打、藤野美登は四球、加藤正二も四球を選んで無死満塁、巨人ベンチはここでセンターの藤本英雄をマウンドに呼び、先発の近藤貞雄をセンターに回す。続く金山次郎は三振、藤原鉄之助の三ゴロはサード宮下信明からキャッチャー川畑博、更にファースト佐藤武夫と転送されて「5-2-3」のゲッツー、無得点に終わる。

 巨人は2回、一死後センターに回った近藤が左中間に二塁打、杉江繁雄が四球を選んで一死一二塁、佐藤武夫もストレートの四球、この4球目、キャッチャー藤原からの一塁牽制をファースト松尾幸造が後逸する間に三塁に歩きかけた二走近藤が生還して1点を先制、バックアップのライト藤野からの送球を内藤が又も後逸、二塁に進んでいた一走杉江もホームに還って2-0、この間打者走者の佐藤は一塁にストップ、鈍足の佐藤とは言え、ライトがかなり前で守っていたことがうかがえるシーンである。続く宮下が中前打を放って一死一二塁、渡部弘は遊飛に倒れるが、トップに返り黒沢俊夫が右中間を破る間に二走佐藤に続いて一走宮下も還って4-0、黒沢は二塁ベースを蹴って三塁に向かうが、「9-6-5」と転送されてタッチアウト、記録は2点タイムリー二塁打。


 リードを奪った巨人は、2回頭からセンターの近藤をマウンドに呼び戻し、藤本が再度センターに入る。


 産業は2回、一死後井上嘉弘が中前打を放って出塁、しかし大沢紀三男の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。


 産業は3回、先頭の森井茂が左前打で出塁、トップに返り小坂の三ゴロで森井は二封、藤野が右前打を放って一死一二塁、加藤の三ゴロをサード宮下が三塁ベースを踏んでから一塁に送球してゲッツー。


 巨人は4回、二死後七番佐藤がレフトスタンドにホームランを叩き込んで5-0、続く八番宮下がライト線に二塁打、九番渡部もレフト線に二塁打を放って6-0と突き放す。


 近藤貞雄は4回まで5安打を許すが6回以降無安打ピッチング、完投勝利ではなかったが今季2勝目をマークする。


 巨人は6連敗でストップ。今季の巨人低迷は須田博の軽井沢幽閉が大きいのは事実であるが、下位打線の低迷も大きな要因である。この試合は七番佐藤武夫が3打数1安打1本塁打、八番宮下信明が3打数2安打2得点二塁打1本、九番渡部弘が4打数2安打1打点二塁打1本の活躍を見せた。守備でもサード宮下とセカンド渡部が好守を見せて初回から3回まで3イニング連続併殺を記録した。


 

2019年1月14日月曜日

19年 朝日vs阪神 6回戦


7月24日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 朝日 7勝16敗1分 0.304 菊矢吉男
2 0 2 1 0 1 0 0 X 6 阪神 18勝5敗2分 0.783 御園生崇男

勝利投手 御園生崇男 2勝1敗
敗戦投手 菊矢吉男    0勝2敗

二塁打 (朝)菊矢

勝利打点 御園生崇男 3


御園生崇男、復活の完封勝利

 阪神は初回、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁、辻源兵衛は左飛に倒れるが、呉が二盗を決めて一死二塁、御園生崇男が左前に先制タイムリーを放って1-0、御園生が二盗を決め、藤村冨美男は四球を選んで一死一二塁、本堂保次の三ゴロはサード田端美夫が三塁ベースを踏んで二死一二塁、門前真佐人の三遊間タイムリーで2-0とする。

 阪神は3回、先頭の藤村が左前打で出塁、本堂の三遊間ヒットで藤村は三塁に進み無死一三塁、本堂が二盗を決めて無死二三塁、しかし藤村がキャッチャー吉田弘からの牽制に刺されて一死二塁、  門前は四球、田中義雄は三振に倒れるが、森田明義はストレートの四球で二死満塁、武智修が押出し四球を選んで3-0、トップに返り呉昌征も押出し四球を選んで4-0とする。

 朝日先発の菊矢吉男は3回まで8四球1死球。

 阪神は4回、先頭の御園生が四球を選ぶと二盗に成功、藤村の三ゴロの間に御園生は三進、本堂の中犠飛で5-0とリードを広げる。

 本堂は前日の巨人戦での決勝犠飛に続いて2試合連続犠飛、今期3個目の犠飛を記録してこの時点で犠飛王となっている。当然のことですが、この時期は公式記録では「犠飛」は記録されておらず、当ブログがスコアカードから「犠飛」と認定できる場合に「犠飛」として実況中継させていただいております。

 阪神は6回、先頭の辻が四球を選んで出塁、御園生も四球を選んで無死一二塁、朝日先発の菊矢はまだ投げ続けており、これが10個目の四球となった。藤村は遊飛に倒れて一死一二塁、本堂が左前打を放って一死満塁、門前の左犠飛で6-0として試合を決める。

 前日の巨人戦で4月10日以来今季2試合目の出場となった田中義雄が2試合連続スタメンマスクを被った。田中はこの試合を最後に現役を引退することとなるので、昭和19年の出場試合は3試合であった。
 御園生崇男が6安打5四球1三振で完封勝利。阪神初期の主戦投手であった御園生は戦場から復帰後の昭和17年には13勝をマークしたが、18年と19年は2勝止まり。戦後の昭和21年から3年連続二桁勝利を記録して投手として復活することとなるが、そのきっかけとなった試合がこの日の完封勝利であった。その試合で勝利打点と2盗塁を記録するところが「マルチプレーヤー」御園生崇男らしい。


 

2019年1月13日日曜日

追記


 お伝えしましたように、昭和19年7月23日「近畿vs阪急6回戦」、1回表近畿の攻撃一死二塁走者松川博爾の場面で堀井数男は三ゴロ、サード坂井豊司からセカンド上田藤夫に転送されたプレーは「5・4・4」で上田が松川をタッチアウトにし、このプレーでサード坂井に補殺が1個と、セカンド上田に補殺と刺殺が1個ずつ記録されました。

 挟殺プレーで二塁手に連続して補殺と刺殺が記録されるとは考えにくく、サード坂井からの二塁送球から上田が松川にタッチするまでプレーが切れていないということは、「隠し玉」の可能性が考えられますが、「隠し玉」は昭和18年に禁止されており、昭和17年以前に雑記欄や新聞記事から「隠し玉」と確認できるプレーでは「×4」などと記録されていますので本件とは異なります。もちろん「雑記欄」には何も書かれていません。

 したがって、この挟殺プレーは「5・4・4」ではなく、「5・4・5・4」の記載ミスであったと考えられます。この場合はセカンド上田に補殺と刺殺が1個ずつ記録され、サード坂井に補殺が1個記録されることとなりますので、この試合で記録された上田と坂井の補殺数と刺殺数にも整合します。サード坂井は2度ボールに触れていますが、1つのプレーで記録される補殺は1個だけとなります。

 

2019年1月1日火曜日

謹賀新年 2019


明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

3月末に定年退職しますので、還暦野球リーグ戦に参戦させていただく予定にしております。

3年計画で体造りをしてきました。と言っても、57歳でいきなり3年計画を立てるのは無理があります。それまで15年間週末のランニングを続けてきたから可能であったと考えています。近年急速に発展してきたトレーニング理論を勉強することが最初の一歩ですね。