2017年3月28日火曜日

18年 阪神vs朝日 8回戦


8月3日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪神 25勝21敗4分 0.543 御園生崇男
0 0 1 2 0 0 0 0 X 3 朝日 29勝20敗2分 0.692 林安夫

勝利投手 林安夫      17勝8敗
敗戦投手 御園生崇男 2勝5敗

二塁打 (朝)中谷

勝利打点 中谷順次 3


林安夫、無四球で今季10度目の完封勝利

 朝日は3回、一死後坪内道則の当りは遊ゴロ、これをショート武智修がエラー、酒沢政夫の中前打で一死一二塁、中谷順次のレフト線二塁打で1点を先制、なおも一死二三塁から浅原直人の中飛で三走酒沢がタッチアップからホームを突くが、センター塚本博睦からのバックホームにタッチアウト、ゲッツーとなってこの回1点止まり。

 朝日は4回、早川平一、林安夫が連続して左前打を放ち無死一二塁、キャッチャー田中義雄からの一塁牽制が悪送球となり二走早川が生還して2-0、林も三塁に進んで無死三塁、小林章良は投ゴロ、野本良雄に代わる代打大友一明も三振に倒れて二死三塁、広田修三の三ゴロをサード玉置玉一が一塁に悪送球する間に三走林が還って3-0とリードを広げる。


 朝日先発の林安夫は5回まで3安打を許すが6回以降をパーフェクトピッチング、4安打無四球3三振で今季10度目の完封、17勝目をあげる。


 林はこれで4連勝。8月1日の南海戦でも無四球1失点の完投勝利で、7月27日の大和戦では延長12回を完封して6回以降の7イニングを無四球に抑えており、現在25イニングス連続無四球を継続中である。



18年 南海vs朝日 8回戦


8月1日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 南海 17勝31敗1分 0.354 別所昭
0 0 0 0 0 1 0 2 X 3 朝 28勝19敗2分 0.596 林安夫

勝利投手 林安夫 16勝8敗
敗戦投手 別所昭 11勝15敗

三塁打 (南)八木 (朝)坪内

勝利打点 なし


酒沢政夫、好走塁

 朝日は南海先発の別所昭の前に5回まで2安打無得点。

 朝日は6回、先頭の酒沢政夫が四球を選んで出塁、中谷順次が三塁線にセーフティバント、これをピッチャー別所が一塁に悪送球、一走酒沢が快足を飛ばしてホームを駆け抜け1点を先制する。
 

 朝日は8回、先頭の坪内道則がレフト線に三塁打、酒沢が右前にタイムリーを放って2-0、中谷は三ゴロ、二塁に進んだ酒沢が送球の隙を突いて一気に三塁を陥れ、浅原直人の右前タイムリーで3-0とする。

 南海は9回、一死後八木進がレフト線に三塁打、長谷川善三の遊ゴロの間に八木が還って1点を返すが反撃もここまで。


 林安夫は2安打無四球無三振1失点の完投で16勝目をあげる。朝日守備陣は無失策で、林は4回と9回を除いて7度の三者凡退を記録した。


 この試合の勝利打点は「なし」であったが、「真の殊勲者」は追撃タイムリーを放ち好走塁が目立った酒沢政夫であった。




追加のお知らせ


 8月1日、甲子園球場の第一試合「南海vs朝日 8回戦」のアップが抜けていましたので追加させていただきます。

 ご迷惑をお掛けします
が、よろしくお願い申し上げます。


2017年3月26日日曜日

肉を切らせて骨を断つ


 稀勢の里はわざともろ差しを許したのでは。

 最初から右からの小手投げを狙っていたのではないでしょうか。


 本割では左から絞っていましたので右しか残っていなかった。


 凄かった。


 う~ん、表彰式も見せてほしかったですね(笑)。


2017年3月25日土曜日

18年 西鉄vs大和 8回戦


8月3日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1  1  2 西鉄 17勝29敗5分 0.370 近藤貞雄 野口二郎
0 0 0 0 1 0 0 0 0  0  1 大和 22勝25敗3分 0.468 畑福俊英 片山栄次

勝利投手 近藤貞雄 1勝2敗
敗戦投手 片山栄次 8勝14敗
セーブ      野口二郎 2

勝利打点 なし


近藤貞雄、プロ入り初勝利

 4回まで三者凡退3度で無安打の大和は5回、先頭の苅田久徳が左前打で出塁すると二盗に成功、畑福俊英の遊ゴロの間に苅田は三進、渡辺絢吾に代わる代打小島利男の遊ゴロの間に苅田が生還して1点を先制する。

 西鉄打線は大和先発の畑福俊英に7回まで4安打無得点に抑え込まれる。


 大和は8回から畑福に代えて片山栄次をマウンドに送り逃げ込みを図る。


 西鉄は9回、先頭の北浦三男の当りは遊ゴロ、これをショート木村孝平がエラーして無死一塁、代走に村瀬秀孝を起用、黒沢俊夫が送って一死二塁、野口明は三邪飛に倒れ、濃人渉が四球を選んで二死満塁、富松信彦に代わる代打野口二郎が中前に同点タイムリーを放って1-1と追い付く。


 西鉄は10回、先頭の近藤貞雄が右前打で出塁、鵜飼が三前に送りバントを決めて一死二塁、トップに返り中村信一は左飛に倒れて二死二塁、佐藤武夫に代わる代打中村民雄が左前打を放ち近藤が生還して2-1と勝ち越す。


 このプレーでは、最初、三塁塁審沢東洋男が「7-4-5」のアウトを宣告した。これに対して西鉄が抗議し、25分間の中断を経て「三塁手守備妨害」として「オブストラクション」が宣告され、近藤貞雄の生還が認められて決勝点となった。記録はレフト小松原博喜の悪送球とされ、中村民雄には打点が記録されていないので、この試合の勝利打点は「なし」となる。


 西鉄は10回裏から野口二郎がマウンドに上がり、二死後木村孝平に中前打を許すが岡田福吉を中飛に打ち取り試合終了。


 近藤貞雄は9回を投げて2安打6四球3三振1失点、野口二郎のリリーフを仰いだが、プロ入り初勝利をあげる。


 近藤は巨人時代の1946年に23勝をあげるが、その年の秋に進駐軍のジープにはねられそうになって避けた際に手を突いたところにガラス破片があり右手の指を怪我するが、これを利用してナチュナルチェンジアップを駆使して活躍を続ける。現役引退後も様々な形で球界に貢献し、1999年に野球殿堂入りすることとなる。この試合では「オブストラクションによる生還」で決勝のホームを踏んだが、波乱の野球人生を予感させるものであったかもしれない。



*「雑記」欄に走塁妨害の経緯が書かれている。



2017年3月21日火曜日

18年 南海vs阪神 7回戦


8月2日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 4 1 1 6 南海 18勝31敗1分 0.367 長沼要男 別所昭 丸山二三雄
0 1 0 0 0 4 0 0 0 5 阪神 25勝20敗4分 0.556 若林忠志


勝利投手 丸山二三雄 2勝10敗
敗戦投手 若林忠志   15勝7敗

二塁打 (南)増田

勝利打点 丸山二三雄 1

猛打賞 (南)中野正雄 3、増田敏 1 (神)玉置玉一 3


南海、毎回安打で大逆転

 阪神は六番セカンドで戦地から戻ってきた藤村冨美男が登場。

 阪神は2回、先頭の四番玉置玉一が四球で出塁するとボークで二進、五番門前真佐人も四球を選んで無死一二塁、いきなりチャンスで打席に立った藤村冨美男は一邪飛に倒れて一死一二塁、田中義雄がセンター左にヒットを放ち一死満塁、若林忠志の二ゴロの間に三走玉置が還って1点を先制する。


 南海は4回から先発の長沼要男に代えて別所昭をマウンドに送る。


 阪神は4回、先頭の玉置が右前打で出塁、門前が四球を選んで無死一二塁、別所と藤村の初対決は遊ゴロ、「6-4-3」と渡ってダブルプレー、田中も遊飛に倒れて無得点。


 阪神は6回、先頭の金田正泰がストレートの四球で出塁すると二盗に成功、山口政信も四球を選んで無死一二塁、玉置の三前バントが内野安打となって無死満塁、門前の打席で別所がワイルドピッチを犯して三走金田が生還し2-0、藤村が中前にタイムリーを放って3-0、二走玉置は三塁にストップするが、センター猪子利男からのバックホームがキャッチャーに達したのを見て打者走者の藤村は二塁に進み一死二三塁、復帰初戦から試合勘が戻ってきたようだ。南海ベンチは別所を下げて三番手として丸山二三雄をマウンドに送る。田中の二ゴロで三走玉置がホームに突っ込み、セカンド増田敏がバックホームするがセーフ、野選が記録されて4-0、田中が二盗を決めて一死二三塁、若林の遊ゴロの間に三走藤村が還って5-0と大きくリードを広げる。


 南海は6回まで毎回1安打ずつを放ちながら無得点。


 南海は7回、先頭の猪子が二遊間にヒット、鈴木芳太郎が四球を選んで無死一二塁、岡村俊昭が右前にタイムリーを放って1-5と反撃の口火を切り、中野正雄の左前打で無死満塁、堀井数男の二ゴロで阪神は二塁ゲッツーを狙うが、セカンド藤村からの二塁送球が大悪投となって三走鈴木に続いて二走岡村もホームに還り3-5、なおも無死二三塁から長谷川善三が三遊間にタイムリーを放って4-5、ピッチャー若林はここで踏ん張り増田を投ゴロ、荒木正を投飛、丸山を三振に打ち取り何とかリードをキープする。


 南海は8回、先頭の猪子が三塁に内野安打、鈴木が送って一死二塁、岡村が右前に同点タイムリーを放って5-5、中野の二ゴロをセカンド藤村がこの日2個目のエラー、一死一二塁から堀井が中前打を放ち、二走岡村が三塁ベースを蹴ってホームを狙うが、センター塚本博睦からのバックホームにタッチアウト、この回は同点止まり。


 南海は9回、先頭の増田敏が右中間に二塁打、荒木が一塁線に送りバントを決めて一死三塁、丸山がセンター右に勝越しのタイムリーを放って6-5と大逆転。


 南海三番手の丸山二三雄は3回3分の2を2安打無四球無三振無失点に抑え、自ら決勝打を放って2勝目をあげる。


 阪神先発の若林忠志は15安打を浴びながら9回を完投したが、最後に力尽きた。


 南海は中野正雄と増田敏が猛打賞、毎回の15安打を記録して大逆転勝利を飾ったが、14残塁でもあった。


 戦場から帰還した藤村冨美男は、手痛い2失策もあったがタイムリーを放ち好走塁も見せた。いずれ復調してくることでしょう。


2017年3月20日月曜日

18年 朝日vs阪急 7回戦


8月2日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 朝日 28勝20敗2分 0.583 真田重蔵
2 0 0 0 0 1 1 0 X 4 阪急 19勝31敗1分 0.380 笠松実


勝利投手 笠松実     5勝5敗
敗戦投手 真田重蔵 7勝7敗

勝利打点 池田久之 2


笠松実、3安打完封

 阪急は初回、一死後上田藤夫がライト線にヒット、山田伝も三遊間を破り一死一二塁、下社邦男はツースリーから三振に倒れるが、この時上田と山田がダブルスチールを決めて二死二三塁、笠石徳五郎はツースリーから四球を選んで二死満塁、池田久之のライト線タイムリーで二者還り2点を先制する。

 阪急は6回、先頭の笠石が中前打で出塁、池田が送りバントを決めて一死二塁、笠松実の遊ゴロの間に笠石は三進、伊藤健一の遊ゴロをショート酒沢政夫が一塁に悪送球する間に三走笠石が還って3-0とリードを広げる。


 阪急は7回、一死後上田が死球を受けて出塁、山田も四球を選んで一死一二塁と初回と同じ二人でチャンスを作り、下社は中飛に倒れるが、笠石が右前にタイムリーを放ち4-0とダメ押す。


 阪急先発の笠松実は、1回~3回に1安打ずつを許し2個の四球を出したが、4回以降は無安打ピッチング。許した走者は2個のエラーによるものだけで、3安打2四球2三振で今季3度目の完封、5勝目をあげる。


 この試合の殊勲者は初回に先制&決勝の2点タイムリーを放ち勝利打点を記録した池田久之となるが、6回に追加点の口火となるヒットを放ち7回にもダメ押しタイムリーを放った笠石徳五郎も「並列の殊勲者」であった。






2017年3月18日土曜日

18年 大和vs巨人 7回戦


8月2日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 22勝24敗3分 0.478 石田光彦
0 0 2 0 0 0 0 0 X 2 巨人 32勝17敗2分 0.653 藤本英雄


勝利投手 藤本英雄 20勝6敗
敗戦投手 石田光彦   7勝6敗

勝利打点 青田昇 7


藤本英雄20勝!

 巨人は初回、先頭の呉昌征が左前に流し打って出塁、白石敏男は二飛に倒れるが、呉が二盗を決めて小暮力三は四球、青田昇の遊ゴロで小暮は二封、青田が二盗を決めて二死二三塁とするが、不調に喘ぐ中島治康監督は遊ゴロに倒れて無得点。 

 巨人は2回も先頭の多田文久三が左前打で出塁するが後続なく無得点。


 巨人は3回、先頭の呉が二遊間にヒット、白石もセンター左にヒットを放ち無死一二塁、小暮は三振に倒れるが、青田がセンター右に先制タイムリーを放って1-0、中島は遊飛に倒れて二死一二塁、多田が右前にタイムリーを放ち2-0とする。


 エースの貫禄が出てきた巨人先発の藤本英雄は、大和打線を3安打に抑え、3四球5三振で今季7度目の完封、20勝目をあげる。


 大和は一番の木村孝平が1安打、二番の岡田福吉が2安打を放ったが、三番以降が無安打に抑え込まれた。


 巨人はこれで8連勝と首位固めに入った。この間、藤本は8連投、7勝0敗1セーブ、4完封。4完封には3度の無四球完封が含まれている。


 打線では青田昇が主砲として目覚め、不振が続く中島治康の穴を埋めている。青田は現在3試合連続勝利打点を記録、8連勝中4度の勝利打点を記録し、全てが決勝タイムリーである。


 白石敏男、多田文久三も渋い活躍を見せ、小暮力三も強打を発揮してきた巨人に死角は見当たらない。




2017年3月17日金曜日

18年 名古屋vs西鉄 7回戦


8月2日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   1   0  1 名軍 28勝16敗6分 0.636 石丸進一
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   1   0  1 西鉄 16勝29敗5分 0.356 野口二郎

二塁打 (名)古川
三塁打 (西)山田

勝利打点 なし


野口二郎、12回を無四球

 名古屋先発の石丸進一が快投を見せた。

 初回、先頭の中村信一に右前打を許したが、続く富松信彦を二ゴロ併殺に打ち取り、野口二郎も遊ゴロ。2回は二死後中村民雄にレフト線ヒットを許すが、山田秀夫を三振に仕留める。

 石丸進一は3回以降、10回まで無安打ピッチング。この間2四球だけで、6度の三者凡退を記録している。

 一方、調子を取り戻してきた西鉄戦発の野口二郎は、10回まで6安打を許したが無四球ピッチングを続け、10回まで両軍無得点。

 名古屋は11回表、二死後古川清蔵がレフト線に二塁打、小鶴誠の三ゴロをサード中村信一がエラーする間に二走古川が還って均衡を破る。

 西鉄は11回裏、一死後好調が続く山田秀夫が右中間に三塁打、鵜飼勉に代わる代打北浦三男は四球で一死一三塁、このところ九番に入っている濃人渉が左前に殊勲の同点タイムリーを放って1-1と追い付く。

 名古屋の12回表の攻撃は三者凡退。

 西鉄は12回裏、先頭の野口明が四球を選んで出塁、しかし黒沢俊夫は守備妨害で一死一塁、中村民雄が左前打を放ち一死一二塁、期待の山田の当りは遊ゴロ、「6-4-3」と渡るダブルプレーとなって試合終了。

 通常二番を打っている濃人渉は、7月28日から3試合連続で九番に入っており、11回裏に貴重な同点打を放った。昭和18年に濃人が九番で起用されたのはこの3試合だけで、翌日の大和戦で五番に入り、その次の試合からシーズン終了まで定位置の二番に戻ることとなる。

 石丸進一は12回を5安打5四球2三振1失点。野口二郎は12回を8安打無四球6三振1失点で自責点ゼロ。

 名古屋のエースに成長した石丸進一と、復調してきた野口二郎による壮絶な投げ合いであった。


2017年3月14日火曜日

18年 阪急vs阪神 8回戦


8月1日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 阪急 18勝31敗1分 0.367 中田武夫 高橋敏
2 0 0 0 0 1 3 0 X 6 阪神 25勝19敗4分 0.568 御園生崇男


勝利投手 御園生崇男 2勝4敗
敗戦投手 中田武夫     4勝7敗

二塁打 (神)乾
本塁打 (神)金田 

勝利打点 なし


金田正泰、ランニングホームラン

 阪神は初回、先頭の塚本博睦が中前打で出塁、金田正泰が四球を選んで無死一二塁、山口政信の遊ゴロで金田は二封、一死一三塁から山口が二盗、キャッチャー池田久之からの二塁送球が悪送球となり三走塚本が還って1点を先制、二盗が記録された山口も三塁に進み、玉置玉一は三ゴロに倒れて二死三塁、門前真佐人の遊ゴロをショート中村栄が一塁に悪送球する間に三走山口が還り、阪神は阪急の2エラーで2-0とする。

 阪急は阪神先発の御園生崇男に4回まで無安打に抑え込まれる。5回一死後三木久一が中前に初安打を放つが、池田の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。


 阪急は6回、一死後仁木安が四球で出塁、トップに返り中村の右前打で仁木は三塁に進み、中村が二盗を決めて一死二三塁、上田藤夫は遊飛に倒れるが山田伝が四球を選んで二死満塁、下社邦男が押出し四球を選んで1-2と追い上げる。


 阪神は6回裏、先頭の金田の当りはライト線に飛び、金田が快足を飛ばしてホームに還りランニングホームラン、3-1と突き放す。


 阪急は7回から先発の中田武夫に代えて高橋敏をマウンドに送り込む。


 阪神は7回、一死後田中義雄の三ゴロをサード三木が一塁に悪送球、武智修は右邪飛に倒れるが、乾国雄がレフト線に二塁打を放って二死二三塁、トップに返り塚本はストレートの四球で二死満塁、ここで金田が右前に2点タイムリーを放って5-1、山口も左前にタイムリーを放ち6-1として試合を決める。


 御園生崇男は阪急打線を3安打に抑え、8四球を出したが1三振1失点の完投で2勝目をあげる。
 この試合の決勝点は初回のエラーによるもので勝利打点は「なし」となるが、2打数2安打3打点、1犠打1四球、1本塁打を記録した金田正泰が「真の殊勲者」であった。




*スコアカードの記載から、金田正泰のホームランはライナーで外野に抜けたランニングホームランであることが分かる。





2017年3月13日月曜日

18年 巨人vs西鉄 8回戦


8月1日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 2 0 4 7 巨人 31勝17敗2分 0.646 藤本英雄
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 西鉄 16勝29敗4分 0.356 重松通雄

勝利投手 藤本英雄 19勝6敗
敗戦投手 重松通雄   6勝15敗

二塁打 (巨)白石

勝利打点 青田昇 6


青田昇が決勝打

 巨人は3回、先頭の呉昌征の当りは二ゴロ、これをセカンド鵜飼勉が失して無死一塁、呉が二盗を決めて無死二塁、調子を上げてきた白石敏男が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 西鉄は6回、先頭の濃人渉が左前打で出塁、トップに返り中村信一の投前内野安打で無死一二塁、富松信彦の送りバントは捕邪飛となって失敗、黒沢俊夫は三振に倒れて二死一二塁、野口明の当りは遊ゴロ、これをショート白石が一塁に悪送球する間に二走濃人が還って1-1の同点に追い付く。


 巨人は7回、先頭の呉が二前にドラッグバントを決めて出塁、白石が死球を受けて無死一二塁、小暮力三が送りバントを決めて一死二三塁、このチャンスに青田昇が中前に2点タイムリーを放って3-1と勝ち越す。


 巨人は9回、先頭の白石が左中間に二塁打、小暮の右前打で無死一三塁、小暮が二盗を決め、青田は一邪飛に倒れて一死二三塁、中島治康の遊ゴロをショート濃人がエラーして三走白石が生還、中島には打点が記録されて4-1、なお一死一三塁から多田文久三の二ゴロ併殺崩れの間に三走小暮が生還して5-1、多田が二盗を決めて二死二塁、藤本英雄の三塁線タイムリーで6-1、小池繁雄の遊ゴロを濃人がこの回2個目のエラーとなる一塁悪送球で二死二三塁、坂本茂の遊ゴロを濃人がこの回3個目のエラー、三走藤本が還って7-1として試合を決める。


 西鉄は7エラーで自滅した。


 藤本英雄は5安打3四球7三振1失点、自責点ゼロの完投で19勝目をあげる。


 藤本が完全復調し、打線でも中島治康は依然として不振が続くが青田昇と白石敏男が調子を上げてきた巨人が首位固めに入ってきた。



2017年3月11日土曜日

18年 名古屋vs大和 8回戦


8月1日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 1 0 0 1  0   0   0  2 名軍 28勝16敗5分 0.636 野口正明 石丸進一 西沢道夫
0 0 0 0 0 0 2 0 0  0   0   0  2 大和 22勝23敗3分 0.489 片山栄次 石田光彦

三塁打 (名)小鶴
本塁打 (名)古川 2号

勝利打点 なし


桝嘉一の同点打で引分け

 名古屋は5回まで2安打無得点。大和も6回まで2安打無得点。

 名古屋は6回、古川清蔵がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点を先制する。


 大和は7回、先頭の小松原博喜がライト線にヒット、片山が送りバントを決めて一死二塁、苅田久徳はストレートの四球を選んで一死一二塁、名古屋ベンチはここで先発の野口正明から石丸進一にスイッチ、呉新亨に代わる代打小島利男は三邪飛に倒れて二死一二塁、トップに返り木村孝平がレフト線に同点タイムリーを放ち1-1、岡田福吉はストレートの四球で二死満塁、鈴木秀雄が押出し四球を選んで2-1と勝ち越す。


 名古屋は9回、二死後加藤正二がレフト線にヒット、芳賀直一に代わる代打西沢道夫の二遊間ヒットで二死一二塁、藤原鉄之助に代わる代打桝嘉一が中前に同点タイムリーを放って2-2と追い付く。大和ベンチはここで先発の片山栄次から石田光彦にスイッチする。


 大和は11回裏、小松原と石田が連続ストレートの四球、名古屋ベンチは石丸進一に代えて代打の後ライトに入っていた西沢を三番手のマウンドに送る。苅田の一塁線送りバントはファースト加藤が三塁に送球して二走小松原は三封、西沢が後続を抑えてスリーアウトチェンジ。


 大和は12回裏、一死後鈴木が四球で出塁、高橋吉雄が左前打を放って一死一二塁、しかし金子裕の遊ゴロが「6-4-3」と渡るダブルプレーとなってゲームセット。


 大和が押し気味に試合を進めたが、12残塁で引き分ける。


 昭和11年から兵役無しで出場し続けている桝嘉一が今季2打点目を記録。桝がこの試合で記録した通算145打点目が、桝の現役最後の打点となった。


18年 朝日vs西鉄 7回戦


7月28日 (水) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 朝日 27勝19敗2分 0.587 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 8 0 X 8 西鉄 16勝28敗4分 0.364 野口二郎

勝利投手 野口二郎 10勝10敗
敗戦投手 内藤幸三   5勝5敗

勝利打点 山田秀夫 2

猛打賞 (西)野口二郎 3


山田秀夫、攻守に活躍

 朝日先発の内藤幸三は前半から快調なピッチングで6回まで3安打無失点。

 西鉄戦発の野口二郎は肩の故障から不振が続いており、この日も4回まで4安打を許したが何とか無失点切り抜ける。


 試合の流れを変えたのは5回朝日の攻撃、一死後広田修三が四球を選んで出塁、トップに返り坪内道則の当りは鋭くライトを襲うライナー、これを捕球した山田秀夫が一塁に送球、一走広田が戻れずダブルプレー。


 野口二郎は以降を無安打に抑え込んだ。


 西鉄は7回、先頭の野口明の右前打で出塁、黒沢俊夫の三前バントが野選を誘い無死一二塁、記録は犠打と野選、、中村民雄の三前バントも内野安打となって無死満塁、山田が中前に先制タイムリーを放って1-0、鵜飼勉は三振に倒れるが、濃人渉が左前にタイムリーを放って2-0、トップに返り中村信一がストレートの押出し四球を選んで3-0、富松信彦が中前にタイムリーを放って4-0、続く野口二郎の右前打をライト浅原直人が後逸する間に三者生還して7-0、野口二郎に2打点が記録されて三塁に進み、野口明の右犠飛で8-0として試合を決める。野口明は今季3個目の犠牲フライを記録して永沢富士雄に並んでトップタイとなった。なお、当時は公式記録では「犠飛」は記録されておらず、当ブログがスコアカードの記載から「犠飛」と判断してお伝えしておりますのでご注意ください。


 猛打賞も記録した野口二郎は4安打3四球1三振で今季6度目の完封、10勝目をあげる。ここに来てようやく復調してきた。


 5回の守備で坪内のライトライナーを好捕してダブルプレーを記録した山田秀夫が、打っても先制打を放つ活躍を見せた。




2017年3月5日日曜日

18年 阪急vs巨人 8回戦


7月28日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 1 0 0 0 2 阪急 18勝30敗1分 0.375 笠松実 江田孝 中田武夫
1 0 3 2 2 1 0 0 X 9 巨人 30勝17敗2分 0.638 川畑博 藤本英雄


勝利投手 藤本英雄 18勝6敗
敗戦投手 江田孝      4勝2敗

二塁打 (巨)白石

三塁打 (巨)青田2、呉、小暮

勝利打点 青田昇 5

猛打賞 (巨)白石敏男 1


4本の三塁打

 阪急は初回、先頭の中村栄が四球を選んで出塁、上田藤夫の三ゴロの間に中村は二進、山田伝は四球、下社邦男の左前打で一死満塁、笠石徳五郎は三振に倒れて二死満塁、三木久一の三塁内野安打で1点を先制する。巨人ベンチはここで早くも先発の川畑博から藤本英雄にスイッチ、藤本が池田久之を二ゴロに抑えてスリーアウトチェンジ。

 巨人は1回裏、先頭の呉昌征が四球から二盗に成功、白石敏男も四球を選んで無死一二塁、阪急ベンチもここで先発の笠松実から江田孝にスイッチ、小暮力三が送りバントを決めて一死二三塁、青田昇の遊ゴロの間に三走呉が還って1-1の同点とする。


 巨人は3回、先頭の呉が四球で出塁、白石が中前打、小暮が二打席連続で送りバントを決めて一死二三塁、青田昇が右中間に三塁打を放って3-1、中島治康の二ゴロの間に青田が還り4-1とする。


 巨人は4回、一死後呉が二失から二盗に成功、白石が左中間に二塁打を放って5-1、小暮がライト線にタイムリーを放って6-1とリードを広げる。


 巨人は5回、二死後小池繁雄の当りは三ゴロ、これをサード三木が一塁に悪送球、坂本茂の三ゴロも三木が連続エラーして二死一二塁、トップに返り呉が右中間に三塁打を放って8-1とダメ押す。
 阪急は6回、先頭の上田が左前打で出塁、山田は右飛に倒れるが、下社がストレートの四球で一死一二塁、笠石は三振に倒れるが、三木が右前にタイムリーを放って2-8とする。


 巨人は6回裏、先頭の小暮が左中間に三塁打、青田も右中間に三塁打を放って9-2とする。


 1回途中からリリーフ登板した藤本英雄は8回3分の1を投げて4安打2四球7三振、18勝目をあげる。


 巨人は4本の三塁打を効果的に得点に結びつけた。



2017年3月4日土曜日

18年 朝日vs大和 8回戦


7月27日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   1  1 朝日 27勝18敗2分 0.600 林安夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 大和 22勝23敗2分 0.489 小松原博喜 石田光彦

勝利投手 林安夫   15勝8敗
敗戦投手 石田光彦 7勝5敗

二塁打 (和)高橋2
三塁打 (朝)酒沢

勝利打点 小林章良 3

猛打賞 (朝)中谷順次 2 (和)高橋吉雄 1


林安夫、延長12回を完封

 大和先発の小松原博喜は2回で降板してレフトに回り、3回から石田光彦がマウンドに上がる。

 5回表朝日の攻撃、一死後酒沢政夫の当りは一塁線を襲うゴロ、これに対してファースト金子裕がミットを投げつけた。この場合、テイクスリーとなって記録は三塁打となる。ということで一死三塁、中谷順次は投ゴロに倒れて二死三塁、浅原直人が歩かされて二死一三塁、早川平一は三振に倒れてこの回無得点。


 朝日先発の林安夫はヒットを打たれながらも要所を締めるピッチング。7回、先頭の石田に右前打を許すが、小松原を投ゴロ併殺に仕留め、渡辺絢吾に右前打を許すがキャッチャー小林章良が一塁牽制で渡辺を刺す。8回も2安打を許すが得点は許さない。


 大和二番手の石田は尻上がりに調子を上げ、8回~11回は無安打ピッチング。


 朝日は12回表、一死後中谷が中前打で出塁、浅原はストレートの四球で一死一二塁、早川の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、林はストレートの四球で二死満塁、小林が決勝の押出し四球を選んで均衡を破る。


 林安夫は12回裏の大和の反撃を無安打に抑え、9安打3四球4三振で今季9度目の完封、15勝目をあげる。




*「雑記」欄には「金子の投げたグラブが打球を捕えて地上に落ちる」と書かれている。このプレーで打者酒沢政夫には「三塁打」が記録された。