5月30日 (木) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 4 4 阪急 12勝7敗 0.632 森弘太郎 野口二郎 鳥居兵治
3 2 0 3 0 5 0 0 X 13 パ軍 9勝11敗1分 0.450 真田重蔵
勝利投手 真田重蔵 5勝3敗
敗戦投手 森弘太郎 0勝1敗
二塁打 (急)野口明 (パ)伊勢川
本塁打 (パ)森下 2号
勝利打点 (パ)伊勢川真澄 1
猛打賞 (パ)小島利男 1
伊勢川真澄、満塁走者一掃二塁打
「日本野球年鑑」によると、「阪急は不運にも着京後直ちに試合をせねばならなかったので全員睡眠不足」とのこと。阪急は27日に西宮球場でグレートリングとの試合があったが、東京行の切符が手配できなかったのか、昨晩大阪発の夜行で今朝東京に着いたようだ。進駐軍の軍用機が使えればこんな事態に追い込まれることはなかったでしょうが、敗戦国ということでちょっと無理か。
後楽園の第2試合は森弘太郎と真田重蔵の先発で午後3時20分、池田球審の右手が上がりプレイボール。
パ軍は初回、先頭の木暮力三が四球を選んで出塁、富松信彦の二遊間ヒットで木暮は三塁に進み、富松が二盗を決めて無死二三塁、小島利男は三ゴロに倒れ、森下重好は歩かされて一死満塁、辻井弘は浅い左飛に倒れて二死満塁、ここで伊勢川真澄がライト線に鋭いライナーの二塁打を放ち走者を一掃、3点を先制する。
パ軍は2回裏、先頭の平野徳松が中前打、真田も左前打で続き、トップに返り木暮が四球を選んで無死満塁、阪急ベンチはここで森から野口二郎にスイッチ、富松の二ゴロ併殺の間に三走平野が還って4-0、小島が左前にタイムリーを放ち5-0と突き放す。
パ軍は4回裏、先頭の真田が三失に生き、二死後小島が左前打を放って一二塁、ここで森下がレフトスタンドに第2号スリーランホームランを叩き込み8-0として前半にして試合を決める。
阪急は5回から鳥居兵治がプロ入り初登板。
眠気が抜けきらない阪急は5回まで1安打無得点。6回表、ようやく三木久一の四球と野口明のヒットで一死一二塁のチャンスを作るが、上田藤夫は右飛、日比野武は左飛に倒れて無得点。
パ軍は6回裏、一死後富松がストレートの四球、小島は右前打、森下もストレートの四球を選んで一死満塁、辻井は浅い左飛に倒れて二死満塁、ここで藤本定義監督は伊勢川に代えて代打に白石敏男を起用、白石がストレートの押出し四球を選んで9-0、松井信勝に代わる代打高須清の押出し四球で10-0、平野のニゴロでセカンド上田が二塁に送球するがベースカバーに入ったショート尾西信一が落球する間に三走森下に続いて二走白石も還って12-0、真田が中前にタイムリーを放ち13-0とする。
阪急は9回表、鳥居、尾西が連続四球、トップに返り山田伝の左前打で無死満塁、下社邦男の押出し四球で1点目、青田の中犠飛で2点目、二死後野口明の左中間二塁打で2点を返して4点を取り返すが反撃もここまで。
最終回は少しバテたが、真田重蔵は5安打8四球無三振の完投で5勝目をマークする。
移動の不備という不運はあったが、阪急は勢いが落ちてきた。
阪急が本調子を欠いていたととは言え、パ軍は伊勢川真澄が満塁走者一掃二塁打、森下重好がスリーランホームラン、小島利男が猛打賞の猛攻を見せた。
*初回に満塁走者一掃二塁打を放った伊勢川真澄。大映スターズ時代の選手名鑑に残された直筆サイン。