9月17日 (金) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 1 0 0 0 3 0 5 セネタース 3勝7敗 0.300 浅岡三郎 伊藤次郎 野口明
0 0 0 0 0 1 1 2 0 4 名古屋 3勝6敗1分 0.333 木下博喜 森井茂
勝利投手 野口明 3勝5敗
敗戦投手 森井茂 2勝3敗
二塁打 (セ)尾茂田、中村信、中村民 (名)大沢
苅田監督初陣を飾る
9月15日付け読売新聞は、セネタース横沢三郎監督の辞任を次のように報じている。「セネタース監督横沢三郎氏は今回監督を辞任すると同時に同軍から退社したが今後は聯盟専属審判として活躍することとなった。」
セネタースは苅田久徳がプレイングマネージャーとしての初戦とあって負けられないところ。セネタースは3回、辞任した横沢三郎氏の弟横沢七郎が四球で出塁、浅岡三郎が送って横沢はワイルドピッチで三進、中村信一が左前に先制タイムリーを放ち1点を先制する。更に4回、先頭の尾茂田叶が左中間を破る二塁打、綿貫惣司が左前にタイムリーを放って2-0。
セネタース先発浅岡三郎に5回まで1安打に抑えられていた名古屋は6回、先頭の石丸藤吉が四球で出塁、石田政良が送って大沢清の右前タイムリーで1-2とする。更に7回、二番手伊藤次郎から一死後小島茂男が四球を選んで出塁、芳賀直一が中前打で続き森井茂が左前にタイムリーを放ち2-2の同点、セネタースは三番手に野口明を投入して後続を断つ。
セネタースは8回、横沢がセカンド内野安打で出塁、野口明の遊ゴロで横沢は二進、中村信一の中越え二塁打で3-2、尾茂田の中前タイムリーで4-2、中村民雄が左中間に二塁打を放ち5-2と突き放す。
名古屋は8回裏、石田、桝嘉一の連続ヒットから大沢清が右中間を破る二塁打を放って二者還り4-5と詰め寄るが後続なく、セネタースが苅田監督に初勝利をプレゼントする。
辞任した横沢三郎氏の弟七郎が先制と決勝のホームを踏む。三郎氏は弟に無念の胸の内を伝えていたのだろうか。横沢三郎はセネタース監督に就任するや明治大学から野口明を引き抜いたため駿台倶楽部を除名されている。今またセネタース監督を辞任、戦後も第二次セネタースを作るが東急が乗り出してきたことから辞任、審判に復帰し、1988年に野球殿堂入りしている。自説を曲げない気骨の人物なのであろう。これまた気骨の人・キャプテン大貫賢も横沢三郎に殉じてセネタースを去ることとなる。
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