2010年8月16日月曜日

一騎討ち ⑤

謝罪会見


 5月7日付け「三冠への道⑧&一騎討ち②」においてクリフ・リーはリッチ・セクソン以上の高値掴みになると明言いたしましたが、この場を借りまして大いなる間違いであったことを認めお詫び申し上げます。シアトル・マリナーズにとってはある意味高値掴みになりましたので的中したとも言えない訳ではありませんが、もちろん当ブログの主旨はクリフ・リーの活躍はないとの見解からのものですので、自らの勉強不足を恥じ入るばかりです。


 故障のため4月を棒に振ったことから、5月7日の段階では予想的中でどんなもんだいと慢心しておりました。クリフ・リー投手は、故障で出遅れて4月30日に今季初登板を果たして以来、8月15日現在で、20試合(シアトル・マリナーズで13試合、テキサス・レンジャーズ移籍後7試合)に登板して20先発、10勝5敗は普通ですが、161回3分の1を投げて与四球僅かに9個で与四球率は1試合当たり0.5個という歴史的快投を続けております。これによりWHIPは0.93と両リーグトップであり、2008年以来のサイ・ヤング賞が視野に入ってきました。勝利数が少ないことが気になりますが、近年のサイ・ヤング賞投票では勝利数はあまり重要視されておらず、15勝に届いて現在のスタッツをキープしていれば今年のアメリカン・リーグには強敵が見当たらないことから可能性大となります。出遅れの影響で奪三振数が少ないことがネックとはなりますが。


 投球内容がまた素晴らしく、20試合中、6回3分の1で降板が2度、7回降板が2度、8回が8度、9回が6度で、完投が7試合(負け試合の8回完投2試合を含む)、うち完封1試合です。


 22勝3敗でサイヤング賞を獲得した2008年でも228回3分の1を投げて与四球は34個、WHIPは1.11でしたから、如何に今年のピッチング内容が充実しているかが分かります(なお2008年は松坂が18勝3敗であったことから日本では松坂がサイ・ヤング賞を獲得するという馬鹿げた報道がありましたが、同年の松坂のWHIPは1.32であり、クリフ・リーの足許にも及ばないものでした。)。






自画自賛


 一方、ウバルト・ヒメネスに関する当ブログの見解は大的中しております。5月31日付け「一騎討ち③」において「ナショナル・リーグ投手部門では、勝利数、防御率共にロッキーズのヒメネス投手が他を圧しておりますが、本拠地クアーズ・フィールドが高地にあるため打撃戦になることが多く、今後は極めて厳しいのではないでしょうか。」と指摘させていただいたとおり、当時1点台前半であった防御率は8月15日現在2.59まで落ち、WHIPは1.12であり、アダム・ウェインライトの0.97、ロイ・ハラデーの1.01と比べても大きく見劣りします。
 
 グーグルで「ウバルト・ヒメネス」を検索すると当時は「サイ・ヤング賞は決まり」「何冠を取るのだろう」「30勝するのではないか」というコメントがネット上を駆け巡っており、ヒメネスに対して悲観的な見通しを述べていたのは当ブログだけではないでしょうか。

 オールスター戦の中継でたまたま担当になった女子アナが「ヒメネス、ヒメネス」と訳も分からずに騒いでいた画像を見たときは思わず笑ってしまいました。

 ヒメネスのようにシンカーを武器とする投手は最初は好投するのですが慣れると打てるようになるものです。2007年に19勝してブレイクしたファウスト・カルモナもシンカーを武器としますが現在は普通のピッチャーです。ヒメネスには160キロのストレートがあると反論がくると思いますが、クローザーには160キロのストレートは必須ですが先発投手には必要ありません。現在世界で160キロのストレートを有する先発投手はデトロイト・タイガースのジャスティン・バーランダーとヒメネスだけですが、バーランダーですら未だサイ・ヤング賞には手が届いていないのです(彼の実力からすればいつ取ってもおかしくはないのですが。)。BSのメジャー中継をご覧になっている方はご存知と思いますが、向こうの球速表示はあまりあてにしない方がよいと思います(ロサンゼルス・オリンピックの体操競技で10点満点が乱発されたのと同じことです。)。


*当ブログにおけるWHIPはSANSPO.COMの数値を参考に独自に算出しているものであり、公式記録と異なる可能性がありますのでご注意ください。

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