2010年8月26日木曜日

12年秋 イーグルスvsセネタース 3回戦

9月9日 (木) 洲崎


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 3 3 0 0 7  イーグルス  6勝2敗  0.750  畑福俊英
0 1 3 0 0 0 0 0 0 4  セネタース  1勝7敗   0.125  野口明


勝利投手 畑福俊英 4勝0敗
敗戦投手 野口明   1勝5敗


二塁打 (セ)中村信、大貫
本塁打 (セ)家村 1号


イーグルス、鮮やかな逆転勝利


 セネタースは2回、先頭の中村民雄が遊失に生き続く大貫賢は一塁線に送りバント、ファースト中河美芳が捕ってそのまま一塁ベースを踏み中村民は二塁に進むがオーバーラン、この隙を見逃さず中河がセカンドベースカバーに入ったサム高橋吉雄に送球して中村民はタッチアウト、大貫には犠打が記録されるが中河・高橋による併殺も記録される。二死無走者となったがここで家村相太郎の当りはセンターへ、センター杉田屋守が突っ込むが後逸、家村は一気にホームに還る。杉田屋のグラブに当っていなかったことから記録はインサイド・ザ・パーク・ホームラン。流石は「元祖・意外性の男」。

 セネタースは3回、この回先頭の野口明が右前打で出塁、二死後中村信一がセンター左奥に二塁打を放ち野口が還って2-0、尾茂田叶遊失から二盗を決めて二死二三塁、中村民が左前に2点タイムリーを放ち4-0とする。

 春季リーグ戦の野口明であれば勝負あったというところであるが、秋は違う。イーグルスは5回、この回先頭の太田健一がピッチャー強襲ヒット、中河三失、漆原進の送りバントは内野安打となり無死満塁、畑福俊英の三ゴロで1点を返す。イーグルスは6回、一死後バッキー・ハリスが遊失に生き、高橋左翼線安打で一死一二塁、ここでキャッチャー中村民雄が一塁に牽制、この隙を突いてハリスは三塁を陥れて記録は三盗。杉田屋の三塁内野安打でハリスが還り2-4、太田の左前タイムリーで3-4、二死後漆原の左前タイムリーで4-4の同点に追い付く。

 イーグルスは7回、先頭の寺内一隆右前打、野村実左前打、ハリスが送って高橋四球で一死満塁、杉田屋がライト戦に2点タイムリーを放ち6-4、太田も左前タイムリーで続き7-4として見事な逆転勝利を飾る。翌日の読売新聞市岡忠男の論評によるとイーグルスのヒットは大半がテキサス・リーガーズ・ヒットであったとのこと。実際、イーグルスが放った14本のヒットは全てシングルヒットであった。逆に言うとそれだけ振りきれていることが猛練習を背景とした好調の秘訣かもしれない(テキサス・ヒットが生じる原因には諸説ありますが、バットが振りきれていることを要因とする説が有力です。元々は「テキサス・リーグの二軍の試合で見られるようなヒット」と揶揄された表現だったようです。)。

 畑福俊英は6安打1四球6三振1ボークで4試合連続完投、無傷の4連勝。一方野口明は1勝5敗で春とは完全に立場が入れ替わってしまった。翌日の読売新聞は「今秋のセ軍は全く精彩を欠き気力的に見るべきものなく、持てる相当の力を腐らせているのはその原因を探求して一考せねばなるまい。」と記している。この後、横沢三郎監督が解任され苅田がプレイング・マネージャーとなることからもチームの内情は察しがつく。

0 件のコメント:

コメントを投稿