更新が久々となった理由はご推察のとおり、アルバート・プホルスの数字が伸びてこないことに起因しております。と言うより例年のような爆発力に欠けていること、そして何と言っても例年のような試合を制する一撃が影を潜めていることです。今年の三冠は無理でしょう、と言うより試合を制する一撃が影を潜めている年度に三冠を取ってもらいたくはありません。しかしチームはシンシンティ・レッズと昭和12年のジャイアンツvsタイガース並みの激しい首位争を続けております。マット・ホリデイとの三四番が固定していることから周りの連中が日替わりヒーローとなっており、チームとして機能しています。いくらイチローが出塁しても全く点を取る気のないシアトル・マリナーズとはえらい違いです。
8月1日のピッツバーグ・パイレーツ戦では二試合連続の25号を放ち、本塁打ではアダム・ダンと並びジョーイ・ボットに次ぐ第2位、打点は74でライアン・ハワード、デビッド・ライトに次いで3位と30本塁打・100打点は可能な位置にいますが打率は2割9分8厘で10年連続3割・30本塁打・100打点にも黄信号が灯っています。
今年のナショナル・リーグは投手優位の展開が続いており、このままいくと1968年以来の「投手の年」と言われそうです。1968年はナショナル・リーグではセントルイス・カージナルスのボブ・ギブソンが防御率1.12と、1906年のモデカイ・スリーフィンンガー・ブラウン(1.04)、1909年のクリスティ・マシューソン(1.14)、1913年の“ビッグ・トレイン”ウォルター・ジョンソン(1.14)、1915年のグローバー・クリーブランド・ピート・アレキサンダー(1.22)といった神話の時代並みの数字を残しました。アメリカン・リーグではデトロイト・タイガースのデニー・マクレインが31勝をマークし、現在のところ最後の30勝投手となった年でもあります。
そのあおりを受けて現在首位打者のジョーイ・ボットでも3割2分2厘であり、十分逆転可能な位置にはおりますが。ということで今年のナショナル・リーグのMVP争いは近年稀に見る超混戦となっており予測不可能な状態です。今年大化けしたボットもここからが正念場です。
アメリカン・リーグのMVP争いは完全にジョシュ・ハミルトンとミゲール・カブレラの一騎打ちに絞られました。カブレラは三冠を取るか、極めて三冠に近い数字でないと記者投票では圧倒的に不利でしょう。理由はご承知のとおり、ジョシュ・ハミルトンは四年前までは薬物中毒により生死をさまよっていたところから復活を遂げたからです。昨年精神障害から立ち直りアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したザック・グレインキー以上の復活劇に全米が注目しています。もちろんテキサス・レンジャーズの大躍進に貢献していることも加点材料です(ジョシュ・ハミルトンが日本ではほとんど報道されていないとは何とも不思議な話です。)。
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