１２年春 セネタースvsジャイアンツ ８回戦

7月11日 （日） 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1　セネタース　　２９勝２５敗　　　　0.537　野口明
0 0 0 1 0 0 2 0 X 3　ジャイアンツ　４１勝１２敗２分　 0.774　スタルヒン-澤村栄治


勝利投手　澤村栄治　２４勝４敗
敗戦投手　野口明　　 １８勝７敗


二塁打　（ジ）筒井
三塁打　（セ）尾茂田


スタルヒン-澤村の継投で野口明から初勝利


　現在マジック2のジャイアンツは今日勝ってタイガースが敗れればその時点で優勝が決定する。上井草の第一試合として行われるこの試合は13時2分に開始、西宮の第一試合タイガースvs金鯱は13時ちょうどに開始。ジャイアンツは好調スタルヒンの先発、セネタースはジャイアンツ戦4勝0敗の野口明が昨日に続き連投で勝負。

　ジャイアンツは4回、一死後三原脩が中前打で出塁、中島治康の二ゴロでランナーが入れ替わる。ここで中島は盗塁を敢行、キャッチャー中村民雄の送球がセンターに抜ける間に中島は三塁へ、バックアップのセンター尾茂田叶がこれを後逸する間に中島はホームに還り1点を先制、昨日のセネタースの1点目と同じようなパターンである。

　セネタースは5回、二死から中村信一が四球で出塁すると尾茂田が汚名返上の右越え三塁打を放って1-1の同点。スタルヒンの連続イニング無失点記録は28回3分の2で途切れる。

　ジャイアンツ戦に意地を見せる野口明と好調スタルヒンの投げ合いで6回を終わって1対1。西宮では金鯱が2回に1点、3回に2点を入れて3対0とリード、恐らく試合経過は電話で刻々とジャイアンツベンチに伝えられていたのではないだろうか。金鯱は5回に2点を追加、タイガースは昨日に続いて連投の中山正嘉を打ちあぐんで5回まで2安打0点。

　ジャイアンツは7回からスタルヒンに代えて澤村栄治を注ぎ込み背水の陣を敷く。この時点で金鯱の5回の追加点が伝わっていたか否かは微妙なところであるが、最終戦の名古屋8回戦は7月15日に組まれているので仮に今日負けても澤村先発は可能であり、6月26、27日のタイガースとの決戦同様澤村で勝負をかける。
　藤本定義監督の執念が伝わったかジャイアンツは7回裏、三原の三ゴロをサード岩田次男が悪送球して無死一塁、四番中島が送って一死二塁、前川八郎は右飛に倒れて二死二塁、永澤富士雄が粘って四球を選び二死一二塁、ここで七番筒井修が左翼線に二塁打を放って二者を迎え入れて3-1とリードする。

　澤村は7回を三者凡退、8回も中村信を一飛、尾茂田を右飛、中村民を二飛と好調な時に見せる右打者を右方向のフライアウトに打ち取り最終回へ。9回は先頭の岩田次男三振、好調綿貫惣司も三振、苦手としている大貫賢に右前打を許して二死一塁、しかし最後は伊藤次郎を投ゴロに打ち取りジャイアンツが野口明から初勝利をあげてマジックナンバーを1とする。
　このカードは4勝4敗のドロー、セネタースの4勝は全て野口明によるもの、ジャイアンツは最終戦でようやく一矢を報いる。
　
　試合終了は14時8分、西宮は8回あたりであろうか、金鯱が5対0でリードしたままである。