2013年8月8日木曜日

尾藤スマイルに涙



 今大会最大の注目校とも言える箕島高校は初戦で敗れました。29年ぶりの出場もさることながら、矢張り尾藤ジュニアの采配に注目が集まりました。試合終了後のインタビューでは、涙こそ見せませんでしたが声がつまっていました。と言うより、汗で涙が目立たなかっただけかもしれません。新潟高校で甲子園を目指し、東大時代は東京六大学リーグ戦で通算8勝をあげたNHK「news Watch 9」のアンカー・大越健介の「尾藤スマイルを思い出しますね」のコメントはぐっとくるものがありました。大越も箕島野球全盛期の年代です。同じ時代を白球に賭けてきた人間だけが共有できる感覚でしょう。NHKの中継でも、当時中学生だったという女性からの「全国の箕島ファンが応援しています」というコメントが紹介されていました。


 監督インタビューにおける涙と言えば、浜松商業の監督として初めて甲子園に出てきた時の上村監督の涙を思い出します。上村は浜松商業時代は甲子園に出場し、大学では早稲田の準硬式に進みました。筆者の一年上の世代なので東京六大学準硬式野球リーグ戦では何度も対戦させていただきました。昭和54年にブラジル遠征した全日本チームでも主将を務めた東京六大学準硬式野球史に残る名選手でした。浜松商業の重鎮として静岡県高校野球界では知らない人はいないでしょう。「全日本大学軟式野球連盟50年史」には上村敏正の「第1回ブラジル遠征」という手記が掲載されています。


 箕島vs星稜戦の日は夏合宿の初日でした。新宿からバスに乗った時に車内放送で箕島vs星稜戦の1回表を聴きました。すぐに寝ましたが(笑)。御前崎の宿に着いた時、まだ試合をやっているのに驚きました。「まだやってるのかよ~」と叫んだのを覚えています。サヨナラのシーンは宿のテレビで見ました。星稜の左腕堅田は現在、甲子園で審判を務めています。


 御前崎の夏合宿では絶好調でした。自分の打撃とは思えないほどのライナーがセンターから右に飛んでいました。甲子園の少し前に33試合連続ヒットの新記録を樹立した高橋慶彦のバッティングフォームを真似てみたらピタリとはまりました。秋のリーグ戦では二シーズン連続1割台だった打率が3割台に跳ね上がりました。上村さんの打率を上回ったのが私の球歴における(唯一の、瞬間的な)ピークでした。星稜vs箕島戦は準決勝だとばかり思っていましたが、改めて調べてみると3回戦のことでした。人間の記憶程アテにならないものはありませんね。






 

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