2013年8月25日日曜日

16年 阪神vs阪急 2回戦


4月6日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 2 0 0 3 阪神 1勝1敗 0.500 木下勇 若林忠志
0 0 0 0 0 3 1 0 X 4 阪急 1勝1敗 0.500 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 1勝0敗
敗戦投手 若林忠志 1勝1敗

三塁打 (急)森田

勝利打点 日比野武 1


森弘太郎、自責点ゼロの完投

 阪神は初回、二死後カイザー田中義雄の遊ゴロをショート上田藤夫がエラー、打者走者の田中は二塁に進み、ジミー堀尾文人が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 阪神先発の木下勇は5回まで伊東甚吉の一塁内野安打1本に抑えて無失点。

 阪急は6回、先頭の伊東がショートにこの日2本目となる内野安打、森弘太郎が送って一死二塁、トップに返り中島喬が左前打を放って一死一三塁、フランク山田伝の投前スクイズを木下がエラー、山田には犠打と打点が記録されて1-1の同点、なお無死一二塁から上田の二ゴロが野選を誘い無死満塁、阪神ベンチはここ木下から若林忠志にスイッチ、しかし新富卯三郎が中前に2点タイムリーを放って3-1とする。

 阪神は7回、先頭の松尾五郎が四球で出塁、野口昇に代わる代打松本貞一の遊ゴロをショート上田がエラーして無死一二塁、若林が送りバントを決めて一死二三塁、平桝敏男に代わる代打松木謙治郎の二ゴロで三走松尾はホームに突っ込む。セカンド伊東がバックホームするがこれが悪送球となって松尾に続いて二走松本も生還、野選とエラーが記録されて3-3の同点とする。

 阪神は7回攻撃で代打攻勢をかけたため、松木がファーストに、松本がライトに入り、ファーストの田中がキャッチャーに回り、キャッチャー土井垣武が下がって小林好雄が入ってサードのシフトをとる。代打を送られたサードの野口昇とライトの平桝敏男は当然ベンチに下がっています。

 阪急は7回裏、先頭の森田定雄が左越えに三塁打、阪神ベンチはここでレフトを松尾から森国五郎に代えて守備を固めるが、日比野武が決勝の右犠飛を放って4-3とする。

 森弘太郎は2安打4四球1死球1三振、3失点ながら自責点ゼロの完投で今季初勝利をあげる。点を取られたのは全てエラー絡みであった。唯一のピンチは4回、先頭の田中に右前打、堀尾にぶつけて土井垣に送られ、松尾を歩かせて一死満塁、ここで野口を三振、木下を三ゴロに打ち取り無失点で切り抜けたことが逆転勝利に結び付いた要因であった。


 勝利打点は決勝犠飛の日比野武に記録されるが、真の殊勲打は日比野の犠飛に結び付けた森田定雄の三塁打であった。森田が「最も無名の最強打者」であることは、当ブログが再三にわたってお伝えしてきているところです。


 日比野武については戦後の西鉄ライオンズ時代のベテラン捕手としてのエピソードが有名です。昭和33年日本シリーズでは3連敗後4連勝した要因として、キャッチャーを若手の和田からベテランの日比野に変えたことにより稲尾の神通力が甦ったとも言われています。戦前の“若手”キャッチャー時代の強打ぶりは当ブログ以外に伝えるソースは皆無です。







                 *森弘太郎は自責点ゼロの完封で今季初勝利を飾る。










     *森田定雄の三塁打を日比野武の決勝犠飛で還した阪急打線。










*日比野武のサイン。左に「西鉄ライオンズ」と書かれており、その左は川崎徳次です。昭和20年代後半の西鉄のチームサインボールと考えられます。






 

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