2013年8月10日土曜日

15年 黒鷲vs名古屋 13回戦


12月4日 (水) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 黒鷲     46勝54敗4分 0.460 亀田忠
0 0 0 2 0 2 0 0 X  4 名古屋 57勝41敗5分 0.582 西沢道夫

勝利投手 西沢道夫 20勝9敗
敗戦投手 亀田忠    26勝23敗

本塁打 (名)吉田 3号

勝利打点 吉田猪佐喜 11


西沢道夫20勝達成

 黒鷲は今季最終戦となる。

 黒鷲先発の亀田忠は3回まで名古屋打線を無安打に抑える。1回、2回は四球とエラーで走者を背負ったが何れも併殺で切り抜け、3回は三者三振であった。

 名古屋は4回、先頭の村瀬一三が四球で出塁、芳賀直一の送りバントが野選を誘い無死一二塁、桝嘉一は右飛に倒れるが、大沢清が右前打を放って一死満塁、吉田猪佐喜が押出し四球を選んで1点を先制、三浦敏一の中犠飛で2-0とする。

 名古屋は6回、一死後桝が四球で出塁、大沢の二ゴロの間に桝は二塁に進んで二死二塁、ここで吉田猪佐喜が右翼にホームランを放つ。スコアカードの記録だけでは柵越えか否かは分からないが、翌日の読売新聞によると「吉田が右中間深く直球で抜き四球の桝とともに得点する脚の本塁打」とのことでランニングホームランであった。と言うことで4-0とリードを広げる。

 昨日浅野勝三郎に2安打完封された黒鷲打線は、本日は名古屋先発の西沢道夫から7安打を奪ったが2試合連続完封負けで今季最終戦を終えることとなった。一方、名古屋は2安打で4得点をあげた。

 西沢道夫は7安打1四球3三振で今季6度目の完封、20勝目をあげる。プロ野球発足以来、20勝投手は12年春の澤村栄治以降10人目となった。


 吉田猪佐喜が11個目の勝利打点を記録、今季の勝利打点ランキングでは川上哲治、中島治康に次いで第三位である。6回に放ったランニングホームランは今季全体で106本目の本塁打となるが甲子園球場では4本目である。柵越えは4月17日の吉田猪佐喜と12月2日の寺内一隆だけで、6月8日の岡田福吉と本日の吉田猪佐喜がランニングホームランであった。


 この時代は中島や川上だけが強打者であったと勘違いされている方が数多く存在しますが、今季川上が放った9本の本塁打の球場別内訳は神戸市民球場が2本、後楽園球場が7本で、中島の4本塁打は全て後楽園球場で放ったものです。今季の106本塁打のうち後楽園球場で放たれた本塁打が85本を占めているという歴史上の事実を持ち出すまでもなく、両翼80メートルにも満たないホームランを量産させるために造られた後楽園球場の本塁打と、両翼100メートルを超え右中間と左中間が膨らみを持つ構造の甲子園球場の本塁打を同列に考えて数字だけを比較することが如何にナンセンスであるかよく考えましょう。吉田猪佐喜の強打、寺内一隆のパンチ力は高く評価されるべきものです。事実、昭和25年に吉田和生と改名する吉田猪佐喜は松竹水爆打線に名を連ねて二リーグ分裂後の松竹によるセントラル・リーグ初制覇に貢献することとなります。








*西沢道夫は黒鷲打線を7安打に抑えて今季6度目の完封、20勝目をあげる。












     *2安打で4得点をあげた名古屋打線。吉田猪佐喜が3打点を記録した。















 

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