2013年8月10日土曜日

死闘



 当ブログではこれまで甲子園史上最高の名勝負は「昭和49年第56回大会準々決勝第4試合、鹿児島実業vs東海大相模」の激闘であると何度も述べてきましたが、本日考えを改めました。「平成25年第95回大会1回戦、浦和学院vs仙台育英」の死闘こそが甲子園史上最高の名勝負です。


 今大会1回戦屈指のカードであることは皆さんよくご存知で、甲子園には満員の観衆が押し掛けました。浦学のエース小島は立ち上がりボールが浮き、1回だけで約50球を要しました。初回に3つの押出しで6失点とは予想もできなかったことかもしれませんが、小島は立ち上がりにボールが高めに浮くことはよくあります。2013年3月14日付けブログ「全力疾走 」において、「エースの左腕小島和哉は序盤にストレートが高めに浮く癖がありますがインストレートに威力があり」と書いたうえでセンバツ優勝を浦和学院と予想させていただきましたが、これは何かを読んだのではなく、誰かに聞いたのでもなく、秋季関東大会の銚子商業戦でも立ち上がりはボールが高目に浮きコントロールに苦しんでいるところを見ていたからです。春季関東大会も見に行きましたがこの時は低目にコントロールされていて「随分成長したなぁ~」と思ったものです。夏の埼玉大会決勝はテレビで見ましたがかなりバテていて矢張りストレートが高目に抜けていました。


 11対10の死闘を制した仙台育英は重い十字架を背負うことにもなりました。この試合を「歴史に残る名勝負」にするためには、仙台育英が史上初めて東北に真紅の大優勝旗を持って帰ることが必須条件となります。仙台育英には春夏連覇を目指した浦和学院のためにも今大会に優勝する義務が発生しました。そして後世の野球史家は、「1回戦の浦和学院戦こそが事実上の決勝戦であった」と語り継いでいくこととなります。







 

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