1993年~昨年まで20年連続負け越しという全米プロスポーツ史上最長連続負け越し記録を更新中のピッツバーグ・パイレーツが快進撃を続けています。8月6日現在68勝44敗、勝率6割7厘でナショナル・リーグ中地区はおろか、30球団中勝率トップを走っています。シーズン終了時点ではポシャっている可能性がありますのでピークと考えられるこの時点でパイレーツ特集といきましょう。
チームを引っ張るアンドルー・マカッチェンは昨年もあわや首位打者というところまでいきましたが、今年も8月6日現在3割9厘15本塁打69打点、OPS0.884で、本命不在で混戦模様のナ・リーグMVPを狙える位置にいます。むしろパイレーツが地区優勝となるとインパクトが強烈なので記者投票が流れる可能性があります。まだ数字的には大穴中の大穴ですが、チームの勢いに乗じて数字を伸ばしていくと分かりませんよ。
タイトルの「すすめ!!パイレーツ」は70年代に週間少年ジャンプに連載された野球漫画です。千葉パイレーツを主舞台とし、フランチャイズは千葉県流山市という設定です。2013年8月2日付けヤフーニュースは「30代人口急増! 流山市、“異端”の街づくり」のタイトルで人口流入が続く流山市の奮闘ぶりを伝えています。2013年7月26日付けブログ「ドラフトへの道 2013 ④」では「近年急激に開発されて人口が急増している東葛地区北部(野田市、流山市、柏市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市)に近年の強豪校が集中し」として千葉県の人口移動動向と高校野球勢力地図の推移について分析させていただきました。つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅や流山おおたかの森駅近辺の新築マンションも大人気です。
ピッツバーグ・パイレーツは近年こそ下位に低迷していますが、1903年の第1回ワールドシリーズに出場している名門です。ベースボールカードが2億8千万円で取引されたことで知られるホーナス・ワグナーがチームの中心でした。この第1回ワールドシリーズでワグナーは優勝したボストン・ピルグリムス(現・レッドソックス)のサイ・ヤングと対戦しています。因みに当時のレッドソックスのチーム名には諸説があるようですが、当ブログが参照している「The World Series」という米国書籍では「Boston Pilgrims」となっていますので「ピルグリムス」とさせていただきます。
1909年のワールドシリーズではタイ・カッブのデトロイト・タイガースと対戦して4勝3敗で優勝し、初のワールドチャンピオンとなりました。このシリーズでワグナーは24打数8安打4得点6打点4四球6盗塁、二塁打2本、三塁打1本の活躍を見せて“フライング・ダッチマン”ぶりを発揮しました。
1925年のワールドシリーズではウォルター・ジョンソンのワシントン・セネタースを1勝3敗から逆転しました。チーム生え抜きのパイ・トレイナーは26打数9安打2得点4打点3四球1盗塁、三塁打2本、本塁打1本の活躍を見せました。因みにタイ・カッブは自伝でパイ・トレイナーを史上最高の三塁手に選出しています。
1960年のワールドシリーズでは既にロベルト・クレメンテがデビューしていましたが主役はビル・マゼロスキーでした。3勝3敗で迎えた第7戦9回裏にマゼロスキーが放ったサヨナラホームランでヤンキースを破り大番狂わせを演じました。クレメンテは29打数9安打1得点3打点、マゼロスキーは25打数8安打4得点5打点、二塁打2本、本塁打2本の活躍でした。
1971年のワールドシリーズでは既にウィリー・スタージェルがデビューしていまいたが主役はロベルト・クレメンテでした。クレメンテはこのシリーズで29打数12安打3得点4打点2四球、二塁打2本、三塁打1本、本塁打2本と神懸り的な活躍を見せました。この年来日する“ダイナスティ”と呼ばれた全盛期のボルチモア・オリオールズを4勝3敗で破る大番狂わせでした。ロベルト・クレメンテがニカラグア大地震の救援活動中、飛行機事故でカリブ海に沈むのは翌年のことです。クレメンテの死後、慈善活動家に授与される「コミッショナー賞」は「ロベルト・クレメンテ賞」に改称され、受賞者はMVP以上の名誉と言われています。薬漬け金まみれの現在のMLBに、真に「ロベルト・クレメンテ賞」に値する選手はいるのでしょうか?
1979年のワールドシリーズでもボルチモアを4勝3敗で降して5度目のワールドチャンピオンに輝きました。デーブ・パーカーが29打数10安打2得点4打点2四球、二塁打3本の活躍を見せましたが主役はウィリー・スタージェルでした。スタージェルは30打数12安打7得点7打点、二塁打4本、本塁打3本の驚異的活躍を見せてワールドシリーズMVPに輝きました。因みにこの年はリーグチャンピオンシップシリーズMVP、シーズンMVPにも選出されています。
パイレーツの本拠地PNCパークにはホーナス・ワグナー、ロベルト・クレメンテ、ウィリー・スタージェルの銅像が建立されています。
パイレーツ史を簡単にまとめると、5回のワールドシリーズ制覇は全て4勝3敗によるもので、チームの中心選手が驚異的な活躍をしてワールドチャンピオンになってきたというものです。
*ホーナス・ワグナーのベースボールカードは2億8千万円で取引されました。写真のカードは単なる印刷物ですから資産的価値はありません(笑)。
*パイ・トレイナーの直筆サインカード。タイ・カッブは自伝でパイ・トレイナーを史上最高の三塁手に選出しています。
*ビル・マゼロスキーがワールドシリーズ第七戦9回裏、1960年10月13日午後3時35分にサヨナラホームランを放った瞬間。もちろん直筆サイン入りです。
*少し薄くなっていますがロベルト・クレメンテの直筆サイン。当ブログ最高のお気に入り選手です。
*1979年はシーズン中もポストシーズンも大活躍したウィリー・スタージェル。
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