12月2日 (月) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 2 阪急 59勝38敗5分 0.608 石田光彦
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1X 3 南海 28勝68敗6分 0.292 川崎徳次
勝利投手 川崎徳次 1勝2敗
敗戦投手 石田光彦 15勝13敗
勝利打点 岩本義行 2
岩本義行がサヨナラ打、川崎徳次はプロ入り初勝利
阪急は2回、先頭の山下好一は三振に倒れるが、森田定雄が左中間に三塁打、伊東甚吉は三振に倒れるが、池田久之が右中間に三塁打を放って1点を先制する。
阪急先発の石田光彦は7回まで木村勉打たれた左前打1本に抑えて無失点、過去2回達成しているノーヒットノーランに匹敵するピッチングを見せる。
南海は8回、先頭の前田貞行が四球を選んで出塁、川崎徳次の三前送りバントをサード黒田健吾が二塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死一二塁、加藤喜作の捕前送りバントはキャッチャー池田久之がダッシュ良く飛び出して三塁に送球、二走前田が三封されて一死一二塁、トップに返り国久松一の二ゴロで加藤は二封、木村が四球を選んで二死満塁、ここで石田が痛恨のワイルドピッチを犯して1-1の同点。
延長戦に入って阪急は10回表、先頭の伊東が四球を選んで出塁、池田の三前送りバントで伊東は一気に三塁に進んで一死三塁、石田がスクイズ(記録は内野安打)を決めて2-1と勝ち越す。
南海は10回裏、先頭の前田が四球を選んで出塁、川崎が送って一死二塁、加藤が左前打を放って一死一三塁、阪急ベンチはここでレフトを山下好一から中島喬に交代、これは石田に一息入れさせるためであろうが石田は続く国久に四球を与えて一死満塁、木村は浅い中飛に倒れるが、岩出清が押出し四球を選んで2-2の同点に追い付く。
南海先発の川崎は11回二死後中島に四球を与えるが森田を遊ゴロに打ち取り、12回~15回は一人の走者も許さず好投を続ける。
南海は15回裏、先頭の国久が四球を選んで出塁、木村の一塁線送りバントは内野安打となって無死一二塁、岩出の投前送りバントは石田の野選を誘い無死満塁、ここで岩本義行が左翼線にサヨナラタイムリーを放って南海が激戦を制す。
秋季シリーズ(昭和14年から1シーズン制がスタートしましたが実際は春季、夏季、秋季の3シーズン制でそれぞれ優勝チームや首位打者が表彰されています。もちろんシーズン通算の優勝と首位打者等も表彰されていますが。)から引分が廃止され、延長15回以上の試合はこれで6度目となります。9月16日の名古屋vsイーグルス10回戦は延長16回2対1でイーグルスがサヨナラ勝ち、9月24日の金鯱vs阪急10回戦は延長17回2対1で阪急がサヨナラ勝ち、10月26日の阪急vs南海11回戦は延長15回1対0で阪急の勝ち、11月1日の南海vs巨人12回戦は延長15回1対0で巨人がサヨナラ勝ち、11月3日の南海vsライオン12回戦は延長16回5対3でライオンの勝ち、本日は南海が延長15回3対2でサヨナラ勝ちしました。南海は3カ月の間に15回以上の延長戦を4度行い、本日まで3連敗でしたが遂に勝利を得ました。
完投勝利を飾った川崎徳次はこれが記念すべきプロ入り初勝利となります。川崎の自伝とも言える「戦争と野球」にも「初勝利は12月2日の甲子園球場の対阪急13回戦」と触れられてはいますが「ほとんど記憶がない」とのことです。同著のタイトルどおり、戦前の記述は大半が軍隊時代の話で、野球史と言うより戦史と言える内容です。全517ページの大著ですが、一読をお薦めします。
*川崎徳次は延長15回を完投してプロ入り初勝利をあげる。
*岩本義行が延長15回サヨナラ打を放った南海打線。
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