10月27日 (水) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 1 0 0 0 0 2 セネタース 無効試合 伊藤次郎 野口明
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ジャイアンツ 無効試合 澤村栄治
二塁打 (ジ)中島、前川
三塁打 (ジ)水原、永澤
無効試合
この試合は、試合後ジャイアンツが聯盟に提訴して無効試合になっておりますのでご注意ください。但し、スコアブックは残されていますので、試合内容のアップは通常通り行います。
ジャイアンツは初回、水原茂の左中間三塁打と中島治康の左中間二塁打で1点を先制する。
セネタースは3回、一死後九番武田勇が四球で出塁、二死後苅田久徳の打席で武田が二盗に成功、直後に苅田が中前にタイムリーを放ち1-1の同点とする。更に5回、この回先頭の伊藤次郎が中前打で出塁、横沢七郎が送って武田が右前打、中村信一の三ゴロをサード水原茂が失して一死満塁、苅田が二本目のタイムリーを中前に放って2-1と逆転。
問題のシーンは最終回に登場する。ジャイアンツは9回、澤村栄治が左前に流し打って出塁、前川八郎の右中間二塁打で無死二三塁、呉波の代打スタルヒンの遊ゴロで澤村がホームを突くもショート中村信一からのバックホームにタッチアウト、スタルヒンの代走に平山菊二が起用される。一死一三塁となり、水原の当りは投ゴロ、野口明からセカンドベースカバーの苅田に送球、苅田は一塁転送するがこのボールが一走平山の頭に当たってセーフとなり三走前川が生還する。しかし苅田久徳監督がインターフェアであると抗議、苅田のアピールが通ってダブルプレーが完成しゲームセット。
この後ジャイアンツが聯盟に提訴して後日無効試合として取り消される。
この試合については松木謙治郎著「タイガースのおいたち」の記述を転載させていただきます。「・・・打者水原が投ゴロ、投手野口から二塁に投げられ、一塁走者平山が封殺された。併殺をねらった苅田の送球がこの平山の頭部にあたり、この間三塁から前川が還って同点となった。これに対して監督兼務だった苅田が、平山が故意に当ったと抗議し、主審二出川、塁審池田、沢の三氏が協議の結果、この抗議を受け入れて打者走者水原のアウトを認めたためだった。提訴を条件に試合を終了したが、この提訴を聯盟がとりあげ、平山は故意に当ったのではないとして再試合と決定した。再試合は選手権の日程上打切りとなったが、連盟と言っても巨人の圧力が強く、この打切りは後日に汚点をのこしたといえる。このため秋のリーグ戦は七回総当たりだったが、巨人とセネタースは48試合に終わったのである。」
なお、昭和12年秋季リーグ戦の澤村の成績は9勝5敗です。この日の無効試合がカウントされてしまったためか9勝6敗と伝わっているケースがありますが、正しくは9勝5敗ですのでご注意ください。ベースボールマガジン社編「プロ野球50年史」62ページにも「澤村は9勝6敗」との誤記載(1984年12月10日、第一版第一刷)がありますが、同書でも689ページの巻末成績欄には「9勝5敗」と正しく記載されています。
*後日書き加えられたと考えられますが、雑記欄に「この試合を取り消す」と記載されています。
*無効試合となりましたがスコアブックは残されています。
2010年10月19日火曜日
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