2010年10月11日月曜日

12年秋 イーグルスvsセネタース 5回戦

10月20日 (水) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 1 0 2  イーグルス  13勝16敗1分  0.448  畑福俊英
1 1 1 0 0 1 3 1 X 8  セネタース  11勝16敗1分  0.407  野口明


勝利投手   野口明   8勝9敗
敗戦投手 畑福俊英 7勝10敗


二塁打 (イ)小島、畑福、漆原 (セ)伊藤
本塁打 (イ)高橋 3号 (セ)中村信  4号


セネタース、脚でハリスの肩に対抗


 セネタースは初回、トップの中村信一が四球で出塁、しかし苅田久徳は右飛、尾茂田叶は三振に倒れる。中村民雄の二球目に中村信は二盗に成功、中村民が左翼線にタイムリーを放って1点を先制。

 イーグルスは2回、先頭の小島利男が右中間に二塁打、ワイルドピッチで三塁に進み野村実のタイムリーで1-1の同点。セネタースはその裏、一死後伊藤次郎が左翼線に二塁打、北浦三男の遊ゴロをショート野村が失する間に伊藤が還って2-1。

 セネタースは3回、尾茂田、中村民、野口明のクリーンナップ三連打で3-1、更に6回、先頭の家村相太郎が中前打で出塁、伊藤四球で無死一二塁、ここで一走伊藤がバッキー・ハリスの牽制に刺されて一死二塁(この牽制死はスコアブックには「2-4」でアウトと記されているので恐らくピックオフプレーでセカンド高橋が一塁ベースカバーに入ったものと考えられる。但し拡大鏡で良く見ると右上に「?」と書かれており、公式記録員も理解に迷ったのかもしれない。二走家村は九番北浦の遊ゴロで三進しているので、ダブルスチールでの二塁送球アウトでないことは明らかである。伊藤次郎に盗塁死が記録されていないことからも確認できる。ハリスから高橋への送球で一塁ランナー伊藤次郎がアウトということはピックオフプレーでセカンド高橋が一塁ベースカバーに入ったという結論が導き出されることになる。英語で会話するサム高橋吉雄とハリスとの間で事前に打ち合わせていたであろうことは容易に想像がつく。なお、ハリスからの牽制はファースト小島利男への送球で「2-3」の記載ミスの可能性も考えましたが、この試合の高橋の刺殺は6、小島の刺殺は4と記録されており、全プレーを検証しましたが当該プレーの刺殺が高橋のものでないと数が合わなくなってしまいますので記載ミスではないと思います。)。続く横沢七郎四球で一死一二塁、北浦三男の遊ゴロで横沢は二封され二死一三塁、ここで北浦が二盗を敢行、ハリスの二塁送球が悪送球となる間に三走家村がホームに還り4-1。セネタースらしく1点ずつ加点する。

 セネタースは7回、苅田、尾茂田の連続ヒットに野口明の四球で一死満塁、家村の右犠飛で5-1、伊藤が中前に2点タイムリーを放ち7-1とリードを広げる。イーグルスは8回、一死後サム高橋吉雄が左翼スタンドに第3号ホームランを放てば、セネタースはその裏、一死後中村信一が左翼スタンドに第4号ホームランを打ち返して8-2で快勝する。

 野口明は8安打2四球3三振の完投で8勝目。イーグルスはバッキー・ハリスの肩に対抗して積極的に脚で揺さぶる。ハリスに3補殺を記録されるが中村信一と北浦三男が盗塁を決め、二度とも得点に結び付けている。この辺りに苅田監督の意地を垣間見ることができる。但しハリスも流石、6回のプレーでは北浦は三塁に進んだが、打者苅田の時にハリスからの三塁牽制で北浦を釣り出しアウトにしている。脚と肩の意地のぶつかり合いが見てとれる。





*写真はセネタース6回の攻撃の場面。打者は中前ヒットが六番家村相太郎、四球(BB)が伊藤次郎、横沢七郎、遊ゴロ(6)が九番北浦三男。

 伊藤次郎の(2-4)はキャッチャー バッキー・ハリスからセカンド サム高橋吉雄に送球されてアウト(下の1はワンアウト目を表します)となったことを表していますが、右上に小さく「?」マークが確認できます。通常一塁走者が(2-4)でアウトになるケースは一塁走者が二盗を試みて二塁手がセカンドベースカバーに入って盗塁失敗の場合ですが、本件は無死一二塁でのプレーであり、二塁走者の家村相太郎は走っていません。家村は九番(i)北浦の遊ゴロで三塁に進塁しています。したがって、セカンド高橋が一塁ベースカバーに入ったところにハリスの牽制球が投じられ、高橋が伊藤をタッチアウトしたことになります。

 次に、北浦の遊ゴロで横沢が二封され二死一三塁(一塁に北浦、三塁に家村)となりますが、三塁ランナー家村は、北浦の二盗の際、ハリスのセカンドへの悪送球により生還しています。スコアブックの記載は((2-4))の下に黒ぽつ「・」が付されています(見えずらいですが上の二重括弧の方です)のでハリスが二塁に低投したことを表します。本来であれば(2’-4)と記載されるべき(「’」はエラーを表します)なのでこれは記載ミスです。この試合ではハリスに失策が1記録されていますが、このプレー以外に該当はありませんのでここは北浦二盗の際のハリスの悪送球で間違いありません。ダブルスチールと判定された場合は当然家村に盗塁が記録されますが、このプレーでは北浦に盗塁が記録されているだけで、家村に盗塁は記録されていません。


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