2010年10月26日火曜日

12年秋 阪急vsセネタース 5回戦

10月30日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 2 0 3 0 3 1 0 2 12  阪急          14勝18敗2分  0.438  中田武夫
2 4 0 0 0 0 0 0 0  6  セネタース  11勝21敗1分  0.344  金子裕 伊藤次郎


勝利投手 中田武夫 2勝4敗
敗戦投手 伊藤次郎 1勝3敗


二塁打 (阪)西村
本塁打 (阪)山下好 3号、山下実 5号、堀尾 3号 (セ)尾茂田 1号


阪急、本塁打攻勢


 10月31日付け読売新聞は「セネタース遊撃手中村信一選手は応召を命ぜられ30日任地へ向かった。」と報じている。セネタースは百万ドル内野の要と核弾頭を失うこととなった。

 阪急は初回、一死後西村正夫が四球から盗塁、更にワイルドピッチで三塁に進み、山下実の右犠飛で1点を先制する。セネタースは1回裏、二死から尾茂田叶が右前打で出塁、中村民雄、綿貫惣司連続四球で満塁とし、家村相太郎の中前タイムリーで2点を入れて逆転。

 阪急は2回、先頭の中田武夫が四球、セネタースは先発金子裕を下げて早くも伊藤次郎を投入。大原敏夫四球、黒田健吾が送りバントを決めて一死二三塁、西村の二ゴロで中田が還り、山下好一の二ゴロで大原が還って3-2と逆転。

 セネタースは2回裏、先頭の青木幸造四球、今岡謙次郎左前打、苅田久徳が左前タイムリーを放ち3-3の同点、横沢七郎の投ゴロで今岡は三封、一死一二塁で尾茂田が右翼スタンドにスリーランホームランを叩き込んで6-3とリードする。

 阪急は4回、二死から西村正夫が中越えに二塁打、山下好一が右翼スタンドに第3号ツーラン、山下実がバック・ツー・バックとなる第4号をライトスタンドに叩き込んで6-6の同点とする。

 阪急先発の中田武夫は3回以降がらりと立ち直り9回まで伊藤のヒット1本に抑える好投、特に6回以降はパーフェクトピッチングであった。阪急は6回、一死一二塁から代打ジミー堀尾文人が左翼スタンドにスリーランを叩き込んで9-6とリードする。更に7回と9回には宮武三郎の二本のタイムリー等で3点を加えて12対6で快勝する。

 翌日の読売新聞の論評の書き出しは「攻守の中心中村信を名誉の応召に送りだしたセネタースの悲壮な決意は一回・・・」とある。昭和11年に苅田久徳、高橋輝夫、中村信一で築いたセネタース百万ドル内野はここに完全崩壊することとなった。

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