7月2日 (火) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 1 0 0 2 5 セネタース 28勝15敗4分 0.651 金子裕 野口二郎
1 0 0 0 1 0 0 0 0 2 名古屋 26勝17敗4分 0.605 松尾幸造 西沢道夫 大沢清
勝利投手 野口二郎 19勝5敗
敗戦投手 大沢清 0勝1敗
二塁打 (セ)横沢
勝利打点 浅岡三郎 1
4人で8安打
名古屋は最近好調の松尾幸造が先発。当ブログでは前節の週間MVPに選出して「松尾のピッチングは円熟味を増してきた」とコメントさせていただきましたが、昭和15年7月3日付け読売新聞にも「最好調といわれる松尾」と書かれています。如何に当ブログが当時のトレンドに沿って実況中継しているかの証左でもあります。セネタースは金子裕が先発、両左腕投手の対決となった。
セネタースは初回、先頭の苅田久徳が四球を選んで出塁、横沢七郎の左翼線二塁打で苅田が一気にホームに還って1点を先制、野口二郎は三ゴロに倒れるが、小林茂太が右前にタイムリーを放って2-0とする。名古屋先発の松尾はこの回でKO。褒めるとこうなるのは野球ではよくある話です。トレンド追随型の投資信託なども大概やられますのでご注意を。来ると思えば来ない、もう無いだろうと思うと来る、競馬でもよくある話です。だからこそ世の中面白いのですが。
名古屋は1回裏、先頭の石田政良が四球で歩くと二盗に成功、村瀬一三も四球を選んで無死一二塁、セネタース苅田監督は早くも先発の金子をあきらめて野口をマウンドに送るが、流石の野口も肩ができていなかった。桝嘉一も四球を選んで無死満塁、大沢清が押出し四球を選んで1-2とする。吉田猪佐喜は捕邪飛に倒れて一死満塁、中村三郎の左飛で三走村瀬がタッチアップからホームを狙うがレフト織辺由三からのバックホームにタッチアウト。織辺の強肩がアップアップの野口を救った。
名古屋は2回から西沢道夫がマウンドに上がるが、西沢は先頭の石井豊に死球を与え、更にワイルドピッチで石井は二進、名古屋ベンチは早くも西沢を下げて三番手としてファーストの大沢をマウンドに送る。キャッチャー三浦敏一がファーストに回り西沢に代わって服部受弘が入ってキャッチャーという名古屋お得意のローテーションが久々に見られる。大沢はセネタース打線を5回まで無安打3四球無失点に抑える。
名古屋は5回、二死後服部の中飛をセンター小林が落球、トップに返り石田の右前打で二死一三塁、石田が二盗を試みるとキャッチャー佐藤武夫の送球をピッチャー野口がカットして三塁に送球するがこれをサード横沢が逸らす間に三走服部が還って2-2の同点に追い付く。石田には盗塁が記録されている。
セネタースは6回、先頭の小林が四球で出塁、一死後小林が二盗に成功、柳鶴震の三ゴロをサード芳賀直一が一塁に悪送球して一死一三塁、石井に代わる代打浅岡三郎が左前に決勝タイムリーを放って3-2と勝ち越す。
セネタースは9回、横沢、野口が連続左前打、小林が右翼線にタイムリーを放って4-2、この打球をライト吉田が後逸する間一走野口も還って5-2として試合を決める。
セネタースはヒットを打ったのは4人だけであったが横沢七郎が5打数2安打2得点1打点、野口二郎が5打数2安打1得点、小林茂太が3打数2安打1得点2打点、浅岡三郎が2打数2安打1打点と4人ともマルチヒットであった。
名古屋は3安打に終わったが、石田政良が3打数2安打3盗塁と一人気を吐いた。石田は今年盗塁王となる。5回の二盗は上記のとおり二死一三塁で石田が二盗を試みキャッチャーからの送球をピッチャー野口がカットして三塁に送球したがサード横沢七郎が落球して三走服部が生還したもので、服部には盗塁は記録れていない。一走石田の二盗もエラーによる進塁と判断されてもおかしくない。昭和15年の盗塁数ランキングは石田政良が31個で一位、南海の国久松一が30個で二位となる。この日の5回の石田の二盗が盗塁と記録されていなければ石田と共に国久も盗塁王に輝くところであった。
*1回無死からリリーフに出た野口二郎は9イニングを3安打3四球9三振1失点に抑える。このケースでは完投は記録されない。因みに野口が無失点で抑えていればこのケースでも完封は記録される。その場合でも完投は記録されない。
*4人で8安打を記録したセネタース打線。
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