7月11日 (木) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 タイガース 28勝20敗3分 0.583 亀田敏夫 三輪八郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セネタース 31勝17敗4分 0.646 野口二郎
勝利投手 亀田敏夫 2勝0敗
敗戦投手 野口二郎 21勝6敗
セーブ 三輪八郎 2
二塁打 (セ)野口
本塁打 (タ)堀尾 1号
勝利打点 ジミー堀尾文人 5
ジミー堀尾文人、値千金の一発
ジミー堀尾文人の一発で試合が決した。タイガースは6回、先頭の堀尾が初球ファウルからの2球目を左翼スタンドにホームラン、1点を先制する。これがこの試合唯一の得点となった。翌日の読売新聞によると「近目の高球で而も少しく球速を欠いて・・・」とのこと。堀尾は第一打席はスリーボールナッシングからの4球目を三ゴロ、第二打席はツーボールナッシングからの3球目を右前打、第三打席は初球ファウルからの2球目をホームランと、積極的にファーストストライクから打っている。一番打者の堀尾が第一打席でノーストライクスリーボールから手を出すとは待球主義の当時では考えられない暴挙で、2012年であっても一球待つところでしょう。ハワイ生まれの日系二世ならではの積極打法でした。
堀尾と同年生まれのハワイ出身でもあるカイザー田中義雄も積極的な守備で勝利に貢献した。2回、柳鶴震、村松長太郎が連続四球で無死一二塁の場面、佐藤武夫が見逃し三振に倒れると二塁に牽制球を投げて二走柳を刺して珍しい形の三振ゲッツーをやっている。3回に織辺由三の二盗を刺し、6回にも横沢七郎の二盗を刺してセネタース得意の機動力を封じた。
こちらもハワイ出身の亀田敏夫は5日の金鯱戦でプロ入り初先発初勝利を飾って以来二度目の先発となった。亀田敏夫は6回までセネタース打線を無安打に抑える好投を見せる。7回に柳に初ヒットを許すが佐藤の代打小島二男を遊ゴロ併殺に打ち取る。亀田敏夫は四球で走者を出しながらも2回は田中の好牽制で三振ゲッツー、5回一死二塁の場面でも織辺のショートライナーに二走村松が飛び出してゲッツーとツキにも恵まれた。
1点ビハインドのセネタースは9回、一死後野口二郎が左翼線に二塁打、山崎文一四球で一死一二塁、タイガース松木謙治郎監督はここで亀田敏夫から三輪八郎にスイッチ、柳はワンストライクからの2球目を遊ゴロ、「6-4-3」と渡りダブルプレーとなって堀尾のホームランであげた1点を守りきった。
亀田敏夫は115球で8回3分の1を投げて2安打8四球4三振無失点で2勝目をあげる。翌日の読売新聞によると「セ軍は亀田の操るスローカーブを打ちあぐみ・・・」とのこと。左腕からのスローカーブといえばイーグルスの中河美芳の専売特許ですが亀田敏夫も左腕からの大きなスローカーブを武器にしていたようです。この日の第二試合では兄の亀田忠が延長11回を完封しており、弟の亀田敏夫が完封していれば空前絶後の同日に兄弟で完封という記録が誕生するところでした。2球で試合を占めた三輪八郎には当ブログルールによりセーブが記録される。
野口二郎は9回を完投して5安打無四球9三振であったが堀尾の一発に泣いた。野口は6月23日のジャイアンツ戦で「78イニングス連続自責点ゼロ」記録が途切れて以降、この日の5回まで今度は44イニングス連続無失点を続けてきたが堀尾の一撃で途切れた。
*タイガースは亀田敏夫-三輪八郎のリレーで堀尾のホームランによる1点を守り抜いた。
*ジミー堀尾文人が貴重なホームランを放った場面。
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