2012年12月8日土曜日

15年 阪急vsセネタース 6回戦


7月4日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 1 0 0  1 阪急           24勝19敗3分 0.558 浅野勝三郎 重松通雄
0 0 0 2 0 0 4 0 X  6 セネタース 30勝15敗4分 0.667 村松長太郎 野口二郎

勝利投手 野口二郎  20勝5敗
敗戦投手 浅野勝三郎 2勝3敗

勝利打点 織辺由三 2

苅田マジック

 セネタースは4回、山崎文一、柳鶴震が連続中前打、村松長太郎は三振に倒れるが、佐藤武夫のショートへの内野安打で一死満塁、織辺由三が押出し四球を選んで1点を先制、阪急ベンチはここで先発の浅野勝三郎を下げて重松通雄をリリーフに送るが、苅田久徳が中犠飛を放って2-0とする。

 セネタース先発の村松長太郎は4回まで無安打1四球の好投を見せる。5回、先頭の上田藤夫を四球で歩かせると苅田監督は迷わずファーストの野口二郎をマウンドに送る。野口は期待に応えて井野川利春を三振に打ち取り、上田の二盗をキャッチャー佐藤が刺して、山下好一も三振、圧巻の継投策であった。

 阪急は7回、先頭の西村正夫の遊ゴロをショート柳が一塁に悪送球、黒田健吾の一ゴロでランナーが入れ替わり、フランク山田伝の右飛をライト山崎が落球して一死一三塁、苅田監督はここで外野陣の守備位置を入れ替えセンターの小林茂太をライトに、ライトの山崎をレフトに、レフトの織辺をセンターに回す。上田は三振に倒れて二死一三塁、井野川の遊ゴロを柳がエラーする間に黒田が還って1-2とする。

 阪急は7回の守備からセカンドの上田藤夫をショートに回し、ショートの田中幸男に代えて伊東甚吉が入ってセカンド。

 セネタースは7回裏、先頭の横沢七郎の三ゴロをサード黒田がエラー、野口の一塁内野安打で無死一二塁、小林が送りバントを決めて一死二三塁、山崎の右犠飛で3-1として二走野口もタッチアップから三塁に進む。柳が四球を選んで二死一三塁、ここで柳がディレードスチール、キャッチャー井野川が二塁ベースカバーのショート上田に送球、柳は一二塁間に挟まれて上田からセカンド伊東送球されると三走野口がホームに突進、伊東の本塁送球が悪送球となる間に野口が還って4-1、トリックプレーが効を奏す。二塁に進んだ柳は三盗に成功、石井豊が四球を選んで二死一三塁、石井が二盗を決めて二死二三塁、佐藤が左前に止めの2点タイムリーを放って6-1として試合を決める。

 セネタース先発の村松長太郎は4回3分の0を投げて無安打2四球無三振で無失点。リリーフの野口二郎は5イニングを2安打1四球6三振、1失点ながら自責点0に抑えて20勝目をあげる。キャッチャー佐藤武夫は3つの盗塁を刺した。一方、セネタースは3つの盗塁を成功させた。


 村松から野口への鮮やかな継投、外野陣の総入れ替え、2安打で4点をもぎ取った7回の攻撃と、苅田久徳監督の“苅田マジック”によりセネタースは首位ジャイアンツに1ゲーム差と迫った。明日はジャイアンツとの決戦となるが、勝てば勝率で上回って首位に躍り出ることとなる。









*村松長太郎は4回3分の0を無安打、野口二郎は20勝目をあげる。村松と野口は昭和12年の第14回センバツ決勝で浪華商業と中京商業のエースとして投げ合い、浪華商業の村松が2対0で投げ勝って優勝している。野口の甲子園での記録は12勝1敗で、唯一の黒星が村松に喫したものであった。














     *苅田マジックにより首位ジャイアンツに1ゲーム差と迫ったセネタース打線。











 

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