7月22日 (月) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 阪急 31勝21敗4分 0.596 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 30勝22敗4分 0.577 松尾幸造
勝利投手 森弘太郎 18勝6敗
敗戦投手 松尾幸造 8勝8敗
二塁打 黒田、伊東
勝利打点 黒田健吾 6
森弘太郎、今季8度目の完封で18勝目
いよいよ内地での最終戦となりました。この試合は21日から行われている「満州進出記念東西対抗リーグ」に組まれていたものですが、シーズ中のこのカードが雨で順延となっていたことからこの試合だけ公式試合として行われることとなったものです。
阪急は一昨日のタイガース戦に完投した森弘太郎が連投、名古屋は14日のライオン戦で1安打完封の快投を見せた松尾幸造が満を持しての登板。現在30勝21敗4分で三位に並ぶ両チームによる決戦は午後1時41分、横沢三郎プレートアンパイアの右手が上がり戦いの幕が切って落とされた。
阪急は初回、好調黒田健吾が左翼線に二塁打、フランク山田伝が三前に送りバントを決めて一死三塁、上田藤夫は浅い右飛に倒れて二死三塁、井野川利春の三塁内野安打に三走黒田は自重して二死一三塁、ここで黒田の判断は難しい。二死なのでスタートを切るべきとも見えるが内野安打のチャンスを潰す可能性もある。目の前のプレーなのでここは黒田の判断を尊重するべきでしょう。ここでダブルスチールを試みるが「2-6-2」と送球されて黒田はタッチアウト。
阪急は3回、先頭の森が四球を選んで出塁、トップに返り黒田が送って一死二塁、山田の右前打で一死一三塁、しかし上田は二飛、井野川は左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。4回は先頭の山下好一が四球で出塁、浅野勝三郎が三前に送りバントを決めて一死二塁とするが新富卯三郎は一邪飛、伊東甚吉は捕飛に倒れる。5回も一死後黒田が右前打から二盗を決めるが後続なく無得点。6回は先頭の井野川が右前打で出塁するがファースト大沢清の「隠し玉」に引っ掛かった。
一方、名古屋も初回二死三塁とするが三走大沢がキャッチャー井野川からの牽制球に刺される。6回の隠し玉はそのお返しというところでしょうか。2回は「6-4-3」、3回は「1-6-3」の併殺でチャンスの芽を潰し、両軍6回まで無得点。
阪急は7回、一死後伊東が左翼線に二塁打、森は右飛に倒れるがトップに返り黒田が二塁に内野安打、二走伊東が好走塁を見せてホームに還り、押し気味に試合を進めてきた阪急がようやく1点を先制する。黒田には打点が記録されてこれが決勝点となり、貴重な勝利打点となった。
森弘太郎は7回を三者凡退、8回は松尾に四球を与えるが続く村瀬一三は三振、9回も三者凡退で切り抜けて、結局4安打2四球5三振で今季8度目の完封、18勝目をあげてスタルヒンと並びハーラー二位に躍り出る。森は今月7勝0敗6完投3完封であった。阪急は単独三位に浮上した。
これにて内地での公式戦は夏季シリーズ108戦、春季から通算252戦を全て終了、夏季シリーズの残り72試合を遠く満州の地で戦うこととなる。
*森弘太郎は今季8度目の完封で18勝目、スタルヒンと並んでハーラー二位に躍り出た。
*内地での最終戦に快勝した阪急打線。
*6回表、右前打で出塁した井野川利春は大沢清による隠し玉に引っ掛かった。
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