2012年12月8日土曜日

15年 タイガースvs金鯱 6回戦


7月5日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 0 0 0 0 2 5 タイガース 26勝20敗2分 0.565 亀田敏夫 若林忠志
0 0 0 0 1 0 0 0 3 4 金鯱      13勝33敗4分 0.283 中山正嘉

勝利投手 亀田敏夫 1勝0敗
敗戦投手 中山正嘉 6勝17敗
セーブ 若林忠志 1

二塁打 (タ)本堂、伊賀上

勝利打点 本堂保次 2


亀田敏夫、プロ入り初勝利

 タイガースは亀田忠の弟・亀田敏夫が2年目にしてプロ入り初先発。金鯱は中山正嘉で応戦する。

 タイガースは初回、一死後皆川定之が四球を選んで出塁、伊賀上良平のピッチャー強襲ヒットで一死一二塁、本堂保次が左翼線に二塁打を放って1点を先制、一死二三塁からカイザー田中義雄の三ゴロの間に伊賀上が還って2-0、ジミー堀尾文人が左前にタイムリーを放って3-0とする。

 亀田敏夫の前に4回まで1安打に抑えられてきた金鯱は5回、一死後森田実が中前打で出塁、長島進は三振に倒れるが中山が四球を選んで二死一二塁、漆原進の左翼線タイムリーで1-3とする。

 タイガースベンチは亀田敏夫が6回先頭の佐々木常助を四球で歩かせるとリリーフに若林忠志を送る。濃人渉が送って一死二塁、黒澤俊夫の三ゴロをサード伊賀上が一塁に悪送球して一死一三塁、しかし古谷倉之助が三振し黒澤も盗塁失敗で三振ゲッツー。若林は7回も先頭の森田を四球で歩かせるが中山を投ゴロ併殺に打ち取る。

 タイガースは9回、先頭の堀尾が四球で出塁、中田金一は三邪飛に倒れるが宮崎剛の二ゴロが野選を誘い一死一二塁、金鯱ベンチはセカンドを五味芳夫から竹林実に代える。若林も四球を選んで一死満塁、トップに返り松木謙治郎は遊飛に倒れるが皆川、伊賀上が連続押出し四球を選んでこの回ノーヒットで2点を追加して5-1とする。

 金鯱は9回、先頭の濃人が中前打、黒澤が右前打で続き、古谷も右前打を放って無死満塁と風雲急を告げる。森田は三邪飛に倒れて一死満塁、長島に代わる代打室脇正信の遊ゴロ併殺崩れの間に濃人が還って2-5、中山に代わる荒川正嘉が死球を受けて二死満塁、漆原が左前に2点タイムリーを放って4-5、しかし竹林が二飛に倒れてタイガースが辛くも逃げ切る。

 亀田敏夫は5回3分の0を3安打3四球3三振1失点に抑えてプロ入り初勝利をあげる。最後に崩れたが辛くも逃げ切った若林忠志に当ブログルールによりセーブが記録される。

 金鯱では九番漆原進が4打数2安打3打点の活躍であった。


 亀田敏夫は昭和14年にハワイから来日してこの年は2試合に登板しただけであった。Wikipediaには「8月16日に初登板し計2試合に登板するもいずれも敗戦処理的な場面」と書かれています(2012年12月8日現在)。昭和14年8月16日のデビュー戦となった南海戦は3対5と2点ビハインドの7回から朴賢明、西村幸生の三番手としてマウンドに上がって3イニングを無失点に抑えています。この試合はホームラン量産球場である後楽園球場で行われたもので4回には門前真佐人、6回には鶴岡一人がホームランを放っているようにまだボールの質は良かった時代なので7回で2点差の場面は「敗戦処理」とは言えません。9月6日の二度目の登板は7回までセネタースに1対9と大量リードを許した8回からの登板なのでこちらは「敗戦処理」と言えます。したがって、「いずれも敗戦処理的な場面」は間違いで、「一度目は重要な場面、二度目は敗戦処理的な場面」が正解となります。


 亀田敏夫は今季は4月4日のイーグルス戦にリリーフで2回3分の2を無失点で抑えて以来二度目の登板となります。出ればいいピッチングをしている割にはあまり登板していない。西村幸生、御園生崇男、景浦将が抜けて台所事情の苦しいタイガース投手陣なだけに不思議な感じですが、松木謙治郎著「タイガースの生いたち」によると「いたって呑気な性格」とのことです。ちょっと呑気すぎる登板間隔ではありますが(笑)。









             *亀田敏夫はプロ入り初先発で初勝利を飾る。






 

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