2012年12月30日日曜日

15年 タイガースvs阪急 7回戦


7月20日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 タイガース 31勝22敗3分 0.585 三輪八郎 若林忠志
0 1 1 0 0 0 0 0 X 2 阪急         30勝21敗4分 0.588 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 17勝6敗
敗戦投手 三輪八郎   9勝2敗

二塁打 (タ)伊賀上

勝利打点 井野川利春 3


阪急、名古屋と並び同率三位に浮上

 タイガースは初回、二死後松木謙治郎が右前打、本堂保次が左前打で続いて二死一二塁、カイザー田中義雄が右前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 阪急は2回、一死後山下好一が四球で出塁、浅野勝三郎が一塁線にドラッグバントを決めて一死一二塁、新富卯三郎は捕邪飛に倒れるが、伊東甚吉が左翼線に同点タイムリーを放って1-1と追い付く。

 阪急は3回、先頭の黒田健吾が四球を選んで出塁、タイガースベンチはここで先発の三輪八郎をあきらめて若林忠志をリリーフに送る。黒田が二盗を決めるがフランク山田伝は中飛、上田藤夫は投ゴロに倒れて二死二塁、ここで井野川利春が左前にタイムリーを放って2-1と逆転する。

 阪急打線は3回以降若林にひねられ黒田の内野安打1本に抑えられて無得点。

 タイガースは同点に追い付くチャンスを逃し続ける。3回、先頭のジミー堀尾文人が左前打から盗塁に成功、皆川定之が送って一死三塁とするが松木の右直で堀尾は還れず、本堂は三振に倒れる。4回、一死後伊賀上良平が左翼線に二塁打、宮崎剛の右前打で一死一三塁、中田金一のスクイズはピッチャー森弘太郎からホームに送球されて三走伊賀上はタッチアウト、若林は遊ゴロに倒れる。5回、一死後皆川が左前打、松木が四球を選んで一死一二塁、しかし本堂の遊直に皆川が飛び出しダブルプレー。

 6回以降タイガース打線は森弘太郎に無安打に抑えられる。7回には一死後四球を選んだ若林が二盗を試みるがキャッチャー井野川からの送球にタッチアウト。8回、9回は三者凡退に抑えられてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 森弘太郎は7安打2四球1三振の完投で17勝目をあげる。森はこれで6連勝となった。


 7回のタイガースの攻撃でピッチャー若林が二盗を試み刺された。若林としては打開策を諮ると共にチームに活を入れる気持ちもあったのでしょう。ピッチャーによる盗塁と言えば昭和34年日本シリーズ、南海の杉浦にやられっぱなしで0勝3敗に追い込まれた巨人のエース藤田が第四戦の6回に二盗に成功しています。鶴岡一人は自伝「御堂筋の凱歌」に「6回、一死後死球で出た藤田君が盗塁した。それは無謀であったかもしれない・・・藤田君の盗塁はなんとか1点の負担をはねかえして、勝利へのきっかけをつかもうとする藤田君の、悲壮な決意の現れであったと思う。」と書いています。本日の若林の盗塁も、悲壮な決意の現れに見えます。なお、今月、野球体育博物館内のシアターで昭和34年日本シリーズの画像が放映されています。杉浦の力投、大沢のファインプレーと共に藤田の盗塁のシーンも見ることができます。


 単独三位だったタイガースは3厘差で五位に転落、阪急は名古屋と同率三位に浮上した。22日に内地での最終戦となる阪急vs名古屋戦が組まれている。










            *森弘太郎はタイガース打線を1点に抑え、完投で17勝目をあげる。














     *タイガース7回の攻撃で四球に出た若林が気魄の盗塁を試みた場面。「2-6B」でアウトになっています。








 

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