7月7日 (日) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セネタース 31勝16敗4分 0.660 三富恒雄 浅岡三郎
0 1 0 0 1 0 0 0 X 2 南海 14勝33敗2分 0.298 天川清三郎
勝利投手 天川清三郎 2勝4敗
敗戦投手 三富恒雄 0勝2敗
勝利打点 木村勉 1
天川清三郎4安打完封
南海は2回、一死後清水秀雄が四球で出塁すると二盗に成功、木村勉が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。
南海は3回、一死後国久松一が右前打で出塁、藤戸逸郎の二ゴロはセカンド苅田久徳からショート柳鶴震に送球されるがこれを柳が落球、セネタース苅田監督はここで先発の三富恒雄を下げて浅岡三郎をリリーフに送る。岩出清は三振、吉川義次も中飛に倒れてここはリリーフ成功。
南海は5回、一死後天川清三郎が中前打で出塁、トップに返り国久の遊ゴロをショート柳がエラー、藤戸の中前打で一死満塁、岩出の中犠飛で2-0とする。
先制タイムリーを放った木村勉はプロ入り初の勝利打点を記録した。7月4日の名古屋戦での満塁走者一掃二塁打に続く殊勲打となった。木村は昭和14年に粉河中学(現・和歌山県立粉河高等学校)から南海に入団、昨年は2打数無安打に終わった。今年も6月4日まで5打数無安打であったが澤村栄治の兵役からの復帰戦で澤村からプロ入り初ヒットを放った。これが自信となって今やレギュラーポジションを獲得している。戦争を挟んでこの勢いは戦後も続き、昭和33年に引退するまで通算1,118安打を記録することとなる。
天川清三郎は4安打2四球1死球2三振で今季初完封、2勝目をあげる。天川は昭和14年4月2日のイーグルス戦以来通算2度目の完封勝利となった。天川は平安中学時代、昭和13年の夏の甲子園優勝投手である。14年に南海に入団し、昨年は1勝3敗、今季は2勝5敗でシーズンを終えることとなり兵役に就く。天川は戦死することとなるのでプロでの通算成績は3勝8敗で3勝のうち2勝が完封勝利である。天川にとってこの試合の完封勝利が生涯最後の勝利となった。翌日の読売新聞は「南海天川投手は変化の多い緩球を巧みに操って焦せるセ軍を幻惑し無得点に討取る偉勲を立てた。」と伝えている。天川の巧投によりセネタースは首位の座から陥落した。
*天川清三郎はセネタース打線を4安打無失点に抑えてプロ入り通算2度目の完封勝利を飾る。
*天川清三郎の巧投の前に完封負けを喫して首位の座から滑り落ちたセネタース打線。野口二郎は相変わらず2安打を放っている。
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