2012年12月18日火曜日

15年 名古屋vs阪急 6回戦


7月10日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 2 1 3 名古屋 28勝19敗4分 0.596 松尾幸造
3 0 0 0 1 0 1 0 X 5 阪急    26勝20敗3分 0.565 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 14勝6敗
敗戦投手 松尾幸造    7勝7敗

二塁打 (名)石田
本塁打 (名)村瀬 1号、吉田 2号 (阪)井野川 1号

勝利打点 井野川利春 2


井野川利春、先制スリーラン

 阪急は初回、先頭の中島喬が左前打で出塁、黒田健吾の二ゴロでランナーが入れ替わり、フランク山田伝の右前打で一死一二塁、井野川利春が左翼スタンドにスリーランホームランを叩き込んで3点を先制する。

 阪急は5回、先頭の黒田が左前打、山田も左前打を放って無死一二塁、井野川が中前打を放って無死満塁、山下好一の二ゴロ併殺の間に三走黒田が還って4-0とする。この場合、山下好一には打点は記録されない。

 阪急は7回、一死後黒田が中前打、山田が左前打を放って一死一二塁、井野川は左飛に倒れるが、山下好一が右前にタイムリーを放って5-0と突き放す。

 名古屋は8回、一死後松尾幸造が右前打で出塁、トップに返り石田政良の二ゴロでランナーが入れ替わり、村瀬一三が左翼スタンドにツーランホームランを叩き込んで2-5とする。

 名古屋は9回、一死後吉田がレフトスタンドにソロホームランを放って3-5と追い上げるが、中村三郎は右飛、三浦敏一は遊飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 森弘太郎は115球を投げて6安打1四球3三振の完投で14勝目をあげる。


 第二試合で伊賀上良平が6月18日以来となるホームランを放ったと思ったらこの試合では3本のホームランが飛び出した。こういう時は隠していたニューボールを卸している可能性が高い。


 先制スリーランを放った井野川利春について翌日の読売新聞は「好漢井野川の健棒活躍を待望すること随分久しいものであったが漸くにして快心の当りを見せてくれた」と伝えている。この日二番に入って3打数2安打3得点と活躍した黒田健吾は関西中学(岡山県)時代は同期であった。現在は井野川が監督で黒田が主将を務めている。阪急の監督は昨年は山下実であったが村上実と交代し、今季は井野川利春がプレイングマネージャーとなっているようだが山下実は選手登録されている。井野川は昭和9年の全日本のメンバーでもあり、澤村栄治が草薙球場で快投を見せた試合では9回に山下実の代打に出て左前打を記録している。どうも山下実と交代する運命にあるようである。この時井野川の代走に起用されたのが韓国から全日本に選ばれていた李栄敏である。李栄敏は朝鮮野球協会初代理事長となり、韓国高校野球で最高打率を記録した選手には李栄敏打撃賞が授与されている。

 






                 *森弘太郎は6安打完投で14勝目をあげる。
















              *井野川利春が先制&決勝のスリーランを放った場面。














*昭和9年全日本チームサインボールより。判読しづらいですが井野川利春のサインである可能性があります。














 

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