１６年 巨人vs阪急 ４回戦

5月28日 （水） 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 1 0 0 0 0 4 巨人 22勝6敗 0.786 泉田喜義 中尾輝三
2 0 0 0 0 0 1 0 X 3 阪急 14勝14敗 0.500 笠松実

勝利投手 中尾輝三 6勝2敗
敗戦投手 笠松実     2勝6敗

二塁打　（巨）筒井、中島

勝利打点　なし

ファインプレー賞　（急）日比野武　1　（巨）吉原正喜　1


有終の美

　巨人は初回、先頭の白石敏男が中前打、水原茂がストレートの四球、中島治康の三塁内野安打で無死満塁、川上哲治の二ゴロ併殺の間に三走白石が還って1点を先制する。この場合川上には打点は記録されず、この得点が決勝点となったので勝利打点も記録されない。二死三塁から吉原正喜の遊ゴロをショート上田藤夫が一塁に悪送球する間に三走水原が還って2-0、筒井修の左中間二塁打で吉原が還り3-0、筒井は三塁を欲張り「7-6-5」と渡ってタッチアウト。

　阪急は1回裏、一死後フランク山田伝がストレートの四球で出塁、上田もストレートの四球を選び黒田健吾の遊ゴロで上田が二封されて二死一三塁、日比野武が左前にタイムリーを放って1-3、森田定雄が押出し四球を選んで2-3と詰め寄る。巨人はここで先発の泉田喜義をあきらめ同じ左腕の中尾輝三をリリーフに送る。

　吉原が2回に上田の捕邪飛を好捕すれば、日比野も3回に白石の捕邪飛を好捕、両者にファインプレー賞が贈られた。

　巨人は5回、先頭の中尾が四球を選んで出塁、トップに返り白石が右前打を放って無死一二塁、水原の遊ゴロが「6-4-3」と転送されて二死三塁、中島治康が左中間に二塁打を放って4-2とリードを広げる。

　阪急は7回、先頭の山田が一塁に内野安打、上田の遊ゴロで山田は二封、黒田が四球、新富の中前打で一死満塁、日比野の左犠飛で3-4と1点差に詰め寄る。

　中尾輝三は8回、9回の阪急の反撃を三者凡退に抑えて8回3分の2のロングリリーフで3安打7四球3三振1失点、6勝目をあげる。


　これにて春季シリーズの全日程を終了する。巨人は最終節を5戦5勝と最後まで手を抜かず通算22勝6敗で圧勝した。阪急は終盤4連敗で勝率5割に終わった。　　


　この後6月1日から恒例の大毎杯争奪野球戦が行われ、ここでも巨人が優勝して五連覇を飾ることとなる。更に、巨人、大洋、阪神、阪急の四チームは北海道に渡り、9日に旭川、10日に第一次札幌、11日に函館、12日に第二次札幌と回って「日本野球北海道大会」を行う。13日からは函館から南下して東北、北関東、北信越にかけて帯同試合を行い、夏季シリーズは6月21日からスタートすることとなる。