6月23日 (月) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 1 0 0 1 0 1 5 南海 15勝16敗 0.484 川崎徳次
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 24勝7敗 0.774 澤村栄治 泉田喜義
勝利投手 川崎徳次 3勝5敗
敗戦投手 澤村栄治 2勝2敗
二塁打 (南)鬼頭、前田
勝利打点 前田貞行 2
猛打賞 (南)岩本義行 2、鬼頭数雄 3
川崎徳次、プロ入り初完封
南海は2回、先頭の鬼頭数雄が右翼線に二塁打、村上一治が四球を選んで無死一二塁、キャッチャー吉原正喜からの二塁牽制に鬼頭が刺されて一死二塁、木村勉の遊ゴロで村上が二封されて二死一塁、猪子利男が中前打でつないで二死一二塁、前田貞行が左翼線に二塁打を放って1点を先制、川崎徳次の右前タイムリーで2-0とする。南海の粘り強い攻撃が光った。
南海は4回、先頭の鬼頭が右前打、村上も左前打で続いて巨人先発の澤村栄治をKO、二番手として泉田喜義がマウンドに上がる。木村が送って一死二三塁、猪子は三振に倒れるが、前田が四球を選んで二死満塁、川崎徳次が押出し四球を選んで3-0とする。
南海は7回、先頭の安井鍵太郎の三ゴロをサード水原茂が一塁に悪送球、安井は二塁に進み、岩本義行の左前打で無死一三塁、鬼頭の二ゴロ併殺の間に三走安井が還って4-0と突き放す。
南海は9回、二死後岩本が左前打から二盗に成功、鬼頭が左翼線にタイムリーを放ち5-0として試合を決める。
川崎徳次は巨人打線を3安打に抑えて5四球3三振でプロ入り初完封を飾る。打っても2打点をあげる活躍であった。翌日の読売新聞は「角度は大きくないが鋭く切れる曲球と豊かな速度で投げ込むシュートボールは散々に巨人打者の手を焼かせ・・・」と伝えている。戦後の川崎徳次はナックルボールを駆使する技巧派となりますが、若き日の戦前の投球は鋭いスライダーとシュートを武器とする力投派だったようです。川崎の初完封の相手が戦後在籍することとなる巨人が相手となったのも何かの因縁か。
南海は勝率8割に達した巨人を破って夏季シリーズ開幕3連勝を飾った。この勢いは本物と見ていいのではないでしょうか。
*川崎徳次は巨人打線を3安打に抑えてプロ入り初完封をマークした。
*川崎徳次の西鉄時代のサインボール。「西鉄ライオンズ」の右隣は日比野武です。
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