2013年12月22日日曜日

16年 名古屋vs大洋 5回戦


6月21日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17  計
0 1 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0   0   0   1 名古屋 13勝16敗 0.448 河村章 西沢道夫
0 0 0 0 1 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0   0  1X  2 大洋    18勝11敗 0.621 浅岡三郎 古谷倉之助 野口二郎

勝利投手 野口二郎 12勝4敗
敗戦投手 西沢道夫   2勝7敗

勝利打点 森田実 3

猛打賞 (大)黒澤俊夫 1

ファインプレー賞 (大)苅田久徳 3、濃人渉 2 (名)芳賀直一 6


前哨戦 

 6月20日付け読売新聞は「名軍の本田、監督に」の見出しで「名古屋軍では今般本田、桝両助監督制を廃止して本田親喜選手を監督に、また桝嘉一選手を技術指導委員長に任じた。」と報じている。

 名古屋の開幕投手は春季シリーズ7勝2敗3セーブとエースにのし上がった河村章。大洋は明日の阪急戦に備えて野口二郎を温存し浅岡三郎が先発する。

 名古屋は2回、先頭の吉田猪佐喜がストレートの四球で出塁、大沢清の右前打で無死一二塁、服部受弘は左飛に倒れるが、芳賀直一の中前打で一死満塁、石丸進一の左犠飛で1点を先制する。

 大洋は3回から先発の浅岡に代えて古谷倉之助をリリーフに送る。

 名古屋先発の河村は4回まで一人の走者も出さずパーフェクトピッチングを続ける。

 大洋は5回、先頭の黒澤俊夫の遊ゴロをショート石丸進一がエラー、森田実の送りバントはバントシフトで前進してきたセカンド木村進一から二塁ベースカバーの石丸に送られるがセーフ、犠打と野選が記録されれて無死一二塁、石井豊が四球を選んで無死満塁、古谷は浅い中飛、佐藤武夫は三振に倒れて二死満塁、大洋ベンチはここで織辺由三に代えて代打に野口二郎を起用、野口がストレートの押出し四球を選んで1-1の同点に追い付く。名古屋ベンチはここで先発の河村から西沢道夫にスイッチ、トップに返り苅田久徳は一邪飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 大洋は6回から野口がライトに入り、ライトの黒澤が代打を送られた織辺に代わってレフトに回る。

 名古屋6回の攻撃は先頭の服部が三塁に内野安打、続く芳賀直一の二ゴロはセカンド苅田が華麗に捌いて「好守」が記録された。意外なことに苅田は初の「ファインプレー賞」を獲得した。スコアカードの記録から見ると次のプレーも「ファインプレー賞」に相応しいかもしれない。すなわち、続く石丸は三ゴロ、二走服部が飛び出したようで「5-4-5」と送られてツーアウト、打者走者の石丸は一塁をオーバーランして「5-3」と送られて変則ダブルプレーが完成した。セカンド苅田久徳、サード高橋輝彦の“百万ドル内野”ならではのプレーでしょう。

 大洋打線は8回まで無安打。9回、濃人が中前にチーム初安打、二死後石井豊も左前打を放つが無得点。試合は1対1のまま延長戦に突入、大洋は10回から野口をマウンドに送りライトには西岡義晴が入る。

 名古屋は10回、先頭の西沢が右前打で出塁、トップに返り木村の投前送りバントは「1-6」と送られて失敗、更に木村が二盗に失敗、桝が四球を選ぶが牧常一は右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は12回、二死後木村が中前打、桝の遊撃内野安打で二死一二塁、ここで牧に代わって代打に本田親喜監督が登場するが右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 大洋は12回裏、先頭の西岡が中前打、柴田多摩男の送りバントは三飛に終わるが野口が中前打を放って一死一二塁、しかし苅田は三ゴロ、高橋は遊飛に倒れる。

 大洋は13回裏、先頭の濃人が遊失に生き、黒澤俊夫が右前打、森田実の二ゴロで黒澤が二封されるが森田が二盗に成功、石井が四球を選んで一死満塁、しかし西岡は三振、柴田は二直に倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は15~17回は無安打、大洋も14~16回は無安打。

 大洋は17回裏、先頭の高橋の三塁への当りはサード芳賀のファインプレーに阻まれるが、濃人が四球を選んで出塁、黒澤が左前打で続いて一死一二塁、森田が左翼線にサヨナラタイムリーを放って2時間38分の熱戦に終止符を打つ。


 西沢道夫は11回3分の1を投げて8安打6四球5三振1失点。野口二郎は8イニングを投げて4安打2四球3三振無失点であった。この両者は昭和17年5月24日に延長28回を投げ合うこととなるが、本日はその“前哨戦”というところでしょうか。
















 

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