2013年10月6日日曜日

16年 阪神vs黒鷲 2回戦


4月25日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 1 0 0 4 7 阪神 8勝6敗 0.571 若林忠志
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 黒鷲 3勝10敗 0.231 亀田忠

勝利投手 若林忠志 3勝3敗
敗戦投手 亀田忠     3勝5敗

二塁打 (黒)木下
本塁打 (神)野口 1号

勝利打点 野口昇 1

猛打賞 (黒)高橋 1


野口昇デー

 黒鷲は14日の1回戦で阪神打線を無安打無得点に封じた亀田忠が先発。阪神は雪辱を期して若林忠志を立てる。

 阪神は3回、先頭の松尾五郎が左前打で出塁、野口昇がカウントツーナッシングからの3球目を左越えにツーランホームラン、2点を先制する。翌日の読売新聞は「亀田は野口から2ストライクを奪い次の一投にドロップを曲げ込んで三振に斥けようと狙ったのだが捻りが存分に利かず胸の高さに落ち込んで来るところを発止と叩かれた・・・」と伝えている。

 黒鷲は4回、先頭の小島利男の三ゴロをサード野口がエラー、中河美芳の右前打で無死一二塁、サム高橋吉雄の三ゴロはサード野口がキャンバスを踏んで一塁に送球、「5C-3」のダブルプレーとなって二死二塁、亀田の三ゴロをサード野口が一塁に低投、白球がファウルグラウンドを転々とする間に二走中河が還って1-2とする。

 阪神は6回、一死後宮崎剛が四球で出塁、カイザー田中義雄の右前打で一死一三塁、ジミー堀尾文人の中犠飛で3-1とする。

 阪神は9回、先頭の堀尾が左翼線にヒットで出塁すると二盗に成功、松木謙治郎の中前打で無死一三塁、若林の左犠飛で4-1、松木が二盗を決め、松尾が四球を選んで一死一二塁、野口がセンター右にタイムリーを放って5-1、平桝敏男の右翼線タイムリーで6-1、トップに返り皆川定之の三ゴロで平桝が二封されて二死一三塁、宮崎が左前にタイムリーを放ち7-1として試合を決める。

 若林忠志は7安打2四球4三振の完投で3勝目をあげる。サム高橋吉雄に猛打賞を許したが、4つの併殺を決めたようにシンカーが冴えたようだ。


 野口昇が4打数2安打2得点3打点1本塁打の活躍、守備では4回に2失策を犯して唯一の失点となったが併殺も2個決めている。まさに「野口昇デー」であった。


 野口二郎は自伝「私の昭和激動の日々」で弟について「昇は内野も外野もこなせる。打力もある程度あるし、脚も速い。昇が一番よかったように思えた・・・」と書いている。「昇は中支から比島にまわり、戦死して、ついに還らなかった。193部隊で、中京商の先輩で、将校でただ一人生き残った住田中尉が、終戦後引き揚げて来られて『終戦の日、君の弟の昇君が、落後者収容のための部隊と逆行して行くのに会ったが、無事帰ってきたか』と尋ねられたが、昇は戦死の報が来ただけで、ついに還らなかったのである。」









                 *若林忠志は7安打完投で3勝目をあげる。








     *野口昇が2安打1本塁打3打点の活躍を見せた阪神打線。












*野口昇の第一打席のホームランはファウル、ストライク後、ツーナッシングからの3球目を叩いたものであり、スコアカードの記載と読売新聞の記事は符合している。














*若林忠志は黒鷲から4つの併殺を奪い、野口昇は2個併殺を記録している。










 

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