「Prix de l'Arc de Triomphe」とは「凱旋門賞」のことです。今晩(日本時間)、いよいよ日本馬による制覇が実現するかもしれません。
筆者が競馬を見始めた頃(学生時代ですから勿論馬券は買っていません(笑))、アメリカでは1977年にシアトルスルーが三冠を達成、78年にはアファームドが三冠を制してアリダーが全て2着と激闘を繰り広げており、ヨーロッパではアレッジドが77年、78年の凱旋門賞を二連覇しました。
1955年、56年に凱旋門賞を二連覇したリボー、65年のシーバード、70年にササフラの二着に敗れたニジンスキー、71年のミルリーフなどは競馬をかじった方なら名前は聞いたことがあると思いますが、リボー以降では唯一凱旋門賞連覇を果たしたアレッジドは不思議なくらい無名です。
1969年のスピードシンボリ以降、何頭かの日本馬が挑戦してきましたがこれまで勝利はありません。1999年のエルコンドルパサーは勝利目前でしたが勝ったモンジューが強過ぎたとしか言いようのないレースで2着に終わりました。2006年のディープインパクトの3位入選、後日失格は記憶に新しいところです。
キズナに期待される方も多いかとは思いますが、矢張りオルフェーヴルに期待がかかります。オルフェーヴルのブルードメアサイアー(母の父)は父のステイゴールドとのニックスと言われるメジロマックイーン(以下「マック」)。マックの父系を辿っていくと、メジロティターンからメジロアサマ(以下「アサマ」)に遡ることができます。アサマは1970年代初頭に同僚のメジロムサシ(以下「ムサシ」)と死闘を繰り広げました。そのムサシが1972年に凱旋門賞に挑戦した時は18着。40年の歳月を経て、「アサマとムサシ」の因縁が甦ります。
22時半からグリーンチャンネルで中継がありますが、フジテレビも23時から中継しますのでお楽しみに。
*海外で発行されたアレッジドのカード。1977年に凱旋門賞を制覇した際、鞍上のレスター・ピゴット騎手と共に意気揚々と引き揚げてきたシーン。
*こちらは1977年アメリカ三冠馬シアトルスルーとジャン・クリュゲ騎手。タイトルが「Triple Crown」なのでベルモント・ステークスのレース後のシーンでしょう。
*1978年ベルモント・ステークス、アファームド(内)とアリダー(外)の叩き合い。ケンタッキー・ダービーとプリークネス・ステークスを追込み戦法で敗れたアリダー陣営は、三冠最後のベルモント・ステークスではレース序盤から一騎討ちを挑み、ベラスケス騎手は直線で外から覆いかぶさるようにアファームドに馬体を寄せていった。アファームドに騎乗する18歳になったばかりの天才スティーブ・コーゼンは咄嗟に右鞭を左手に持ち替えて、一旦交わされたアファームドを内から叩き出したのがこのシーンです。日本では1977年有馬記念のテンポイントとトウショウボーイによる一騎討ちが「史上最高の名勝負」と言われていますが、アメリカでは1978年ベルモント・ステークスにおけるアファームドとアリダーの一騎討ちが「史上最高の名勝負」と言われています。
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